わたくし悪役令嬢になりますわ! ですので、お兄様は皇帝になってくださいませ!

ふみきり

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番外編 アリツェと地下迷宮

7 決戦ですわ!

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「これでも、食らいなさい!」

 アリツェは薙刀を構え、振りかぶる。

「シータ、遠慮はいりません! あの狼の霊素を、すべて剥がしてください!」

 目の前の狼が、このダンジョンのラスボスだ。もう霊素の節約は必要ない。全力あるのみ!

「剥がしたところを、わたくしが斬りますっ!」

 薙刀の柄を持つ手に、ジワリと汗が染み出る。
 アリツェはタイミングを逃すまいと、狼の動きを油断なく見つめた。

 隣でエミルも、懐から毛糸玉――拘束玉を取り出す。

 シータは天井周辺に舞い上がると、旋回しながら狼の隙を窺いはじめた。

「どうした、いつでもかかってくるがよい」

 狼は余裕しゃくしゃくに、アリツェとエミルを悠然と見つめていた。

 狼は力を示せと言っていた。どうやら、初撃はアリツェたちの思うようにやらせようと考えているのだろう。
 たいした自信だった。

「その油断が、命とりですわ!」

 アリツェの叫び声に合わせ、シータが狙いすまして急降下した。

 シータのくちばしが狼の背中に触れるや、甲高い金属音が鳴り響く。と同時に、シータは素早く翼を翻し、高度を取る。
 再度、すぐさま降下しなおし、以後、何度も何度も、上昇と降下を繰り返しながら、同じ場所を狙ってくちばしを突き立て続けた。

 並みの魔獣であれば、とうに霊素の膜は剥がれているはず。
 目の前の狼は、さすがに大口を叩くだけのことはあった。いまだに膜にひびが入る様子はない。

 シータは繰り返し、繰り返し、ヒットアンドアウェイを続けている。

 攻撃が二桁の回数に乗ろうかというところで、パリンとガラスの割れるような音が響き、狼の霊素の膜にひびが入った。

「今ですわ!」

 アリツェは声を張り上げて、構えていた薙刀を一気に振り下ろした。

『槍士』のクラス奥義《槍技衝撃波》の発動だ!

 薙刀の穂先から発生した衝撃波は、扇状に広がりながら、霊素のひびが入った狼の背に向かって一気に空気中を伝わっていく。
 と同時に、アリツェは駆けだし、薙刀を腰だめに構えた。衝撃波の着弾に合わせ、突撃を食らわせる算段だ。

 衝撃波が狼の背に達した。甲高い金属音とともに、一部が霊素の膜の内部に侵入する。
 そのまま、もぐりこんだ衝撃波は、白く輝く狼の毛皮の一部を引き裂いた。

「そおれっ!」

 掛け声とともに、アリツェは引き裂かれた狼の毛皮部分を目掛け、身体ごと薙刀の刃先を突き刺した。

「ぐおっ!」

 狼のうめき声が漏れる。

 ――効いた!

 いけると思い、アリツェは刺さった薙刀の穂先を回転させ、肉をえぐろうとした。

「ダメっ! 母上、いったん離れて!」

 エミルの悲鳴が聞こえた。

 アリツェは慌てて薙刀から手を離すと、バックステップで狼の傍から離れた。
 瞬間、先ほどまでアリツェが立っていたところに、上空から先の鋭くとがった岩が落ちてきた。
 岩はそのまま、地面に突き刺さる。

 地の精霊術だ。狼が放ったのだろう。

「見事に一発入れてくれたな。こちらも、行動に移させてもらうぞ」

 狼の楽し気なつぶやきとともに、周辺に再び霊素の靄が発生する。

 アリツェは隙を見て薙刀を回収すると、エミルの元までいったん駆け戻った。

「ごめんなさい、母上。母上の攻撃が済んだところで、拘束玉を投げつけるつもりだったんだけれど……。狼さんが精霊術を放とうとするのに気付いたから、撃てなかったんだ……」
「とんでもありません、警告助かりましたわ! あのままでは、直撃を食らっていましたもの!」

 アリツェはエミルの頭を撫で、感謝した。

 エミルはほんのりと笑みを浮かべ、一転、真剣な表情に戻る。

 ――さて、ここからが本番ですわ。

 アリツェは狼に視線を戻した。

 狼は咆哮を上げて、地面を蹴った。一気にアリツェとの距離を詰め、腕を振り上げる。

 アリツェは慌ててエミルを横に突き飛ばすと、薙刀を垂直に立てて、身体の正面に構える。

 ――先ほどの虎型の魔獣と、同じ目に遭わせてみせましょうっ!

 アリツェは腰を落とし、全身にぐっと力をこめた。

 狼の腕が、眼前に迫る。
 瞬間、ガキンと音を立て、激しい火花が散った。

 アリツェは衝撃で後方に弾き飛ばされ、壁に激突した。
 背を激しく打ち、一瞬呼吸が止まる。

「ぐっ!」

 アリツェはうめき声を漏らしつつも、どうにか正面を見据えた。

 狼は何食わぬ顔で、アリツェが薙刀を構えていた場所に立っている。

 ――効いていない!?

 アリツェは目を見開いた。狼の腕には、傷一つついていない。

「アリツェのおバカー! 貫通攻撃は確率だって言っただろう。同じ動作をしたからって、必ず発動するもんじゃない!」

 悠太の怒声が飛んだ。

 アリツェは顔がかあっと熱くなる。

 ――なんてことでしょう。わたくしとしたことが……。

 アリツェはバツが悪くなり、頭を掻きながら立ち上がった。

「母上! 無事ですか!」

 前方からエミルの声が聞こえた。

 アリツェが吹き飛ばされたことで、今、エミルと狼が一対一で対峙している。
 急いで戻らなければと、アリツェは駆けだした。

 だが、狼はアリツェの到着を待ってはくれなかった。

 再び咆哮を上げ、狼はエミルに突進する。

 エミルは慌てて拘束玉を投げつけようとするも、すんでのところで狼に抑え込まれ、地面に組み伏せられた。

 アリツェの足元まで、拘束玉が転がってきた。

 アリツェは素早く拾い上げ、再び駆け出す。

「エミルっ!」

 アリツェは悲鳴を上げた。
 エミルにのしかかる狼へ、勢いに任せて体当たりをしようと試みる。

「エミルから、離れなさい!」

 霊素が剥がれている背の部分に向かって、アリツェは突進した。

「愚かな……」

 狼はつぶやくと、顔をアリツェに向けて、大きく口を開けた。

 ――いけない!

 アリツェは血の気が失せた。狼の口に大量の霊素が集まって、炎が激しく渦巻き始めている。

 だが、エミルを助けるためには、体当たりを止めるわけにはいかない。アリツェは両腕を顔の前で組み、炎に耐えようと身構える。

 アリツェが狼の身体にぶつかるのと、狼が炎を吹き出すのと、ほぼ同時だった。

 轟音を立てた炎の塊がアリツェを包み、アリツェはなす術なく、狼の身体から弾き飛ばされた。

 地面に尻もちを打ち、そのまま転がった。ローブの裾には火が燃え移り、焦げ臭さが周囲に充満する。

 霊素が込められたローブなので延焼は避けられたが、返り血で黒く染まった部分だけは、込めた霊素が薄くなっていたため、焼け落ちて穴が開いた。

「アリツェ! 大丈夫か!」

 悠太の怒声が飛んできた。

 アリツェはどうにか身を起こし、自身の身体の状況を確認する。

 火傷や傷は負わなかった。しかし、属性ダメージを軽減させていたローブが、そろそろ限界に近い。
 アリツェの白い肌があちこちで露出しており、これ以上酷使をしては、込めていた霊素が完全に抜け落ちるだろう。

 ――いけませんわ。このままでは、ちょっとした炎ですら、ろくに防げなくなります。

 アリツェは唇を噛んだ。

 エミルはいまだ、狼の巨体にのしかかられており、身動きが取れていない。うめき声が漏れているので、意識自体はしっかりしているようだ。

 このままでは、狼に対抗する手段がない。
 すでにシータも、先ほどおこなった、霊素を剥がすための連続攻撃で、霊素が枯渇しかかっている。

 しかし、エミルを助けるためにも、アリツェは狼に立ち向かわなければならない。

 ――わたくしは、決して負けるわけにはいかないのです!

 アリツェは薙刀を構えなおすと、エミルを踏みつける狼を鋭く睨みつけた。

 と、その時――。

「アリツェ! 避けろぉぉぉぉっ!」

 悠太の叫び声が響き渡った。

 ハッとしてアリツェが上空に目を向けた時には、すでに巨大な岩石が、アリツェの脳天を目掛けて落下してくるところだった。

 ――うかつでしたわ!

 もはや避けられないと悟り、目を瞑った。

 瞬間、ガキンッと大きな金属音が鳴り響いた。
 周囲に、何かが落ちるぱらぱらという音が聞こえ、アリツェはゆっくりと目を開いた。

 砕かれた岩石の細かい破片が、アリツェを避けるように周囲に落下している。

「追加のお客様か。ふむ……」

 狼の言葉に、アリツェは周囲を見回した。

 左側の扉の傍に、両手を広げて立つガブリエラの姿があった。肩には、ガブリエラの使い魔、フェレットのアルファが乗っている。

「ごめん、アリツェ! おまたせ!」

 ガブリエラは声を上げながら、アリツェの元に掛けつけてきた。

「ガブリエラ! ご無事でしたか!」
「なんとかね。シータがいなくて多少苦戦はしたけれど、どうにかケガもなくここまで来られたよ」

 ガブリエラはうなずきながら、アリツェの傍にいるシータに手招きする。
 シータはぴょんっとガブリエラの肩に乗り、嬉しそうに一声鳴いた。

「それにしても、私のいない間に、アリツェたち随分とボロボロになったみたいだね。アリツェの格好、目のやり場に困るよ。それに、エミルを押さえつけているあの狼、いったい何?」

 周囲をきょろきょろと見まわしながら、ガブリエラが尋ねた。

 アリツェは、ガブリエラとはぐれて以降の出来事や、狼による使い魔化への力試しについて、さらっと説明する。
 その間、ガブリエラはうなずきつつ、シータへの精霊具現化を施し直していた。

「なるほどねー。とりあえず、悠太さんの傷を治しちゃいましょうか。アリツェ、なんとか頑張って、あの狼の注意をそらしておいて」
「おまかせあれ!」
「じゃ、お願いねっ!」

 ガブリエラはそう口にすると、アルファを従えながら悠太の元へと駆けていく。

 一方アリツェは、狼の注意を惹くべく薙刀を構えなす。シータがアリツェの肩にふわりと乗り、翼を大きく広げた。

「まだ、無駄なあがきをするか、人間よ。その程度では、おぬしたちの力は到底認められないな」
「バカに、しないでくださいまし!」

 アリツェは腰を落とし、ぐっと力をこめて薙刀を振り抜いた。《槍技衝撃波》が発動し、狼の頭を狙う。
 と同時に、シータが飛び立ち、かまいたちを発生させた。狙いはもちろん、アリツェと同じ狼の頭だ。

 少しの時間差で襲い来る、性質の違う二種類の攻撃に、狼もいったん身をひるがえして左に飛んだ。

 ――今ですわ!

 アリツェは駆けだし、一気に加速する。

「エミルっ!」

 叫びながら、うずくまってうめいているエミルの身体を抱え上げた。
 勢い余ってけつまづく。しかし、そのまま狼が飛んだ側と反対側の壁際まで、二人、もつれ合いながら、ぐるぐると転がるように突っ込んだ。

「う……、母上?」
「もう大丈夫ですわ、エミル。ごめんなさい、痛い目に遭わせてしまって」

 壁にもたれかかりながら、アリツェはエミルの小さい身体をぎゅうっと抱き締めた。

「アリツェ、こっちの治療は済んだよ!」

 そこに、ガブリエラの大声が飛んだ。
 視線を向ければ、悠太が長剣を構えながら、悠然と立っている。負傷していた肩口と右足を、庇うそぶりもない。

「迷惑をかけた、アリツェ! オレも戦える!」

 悠太は長剣をぐいっと天に掲げ、宣言した。

「エミル、ケガはありませんか?」

 アリツェの見た範囲で、外傷は見られない。狼に押しつぶされていただけなので、せいぜい打ち身程度しかしていないと睨んでいる。
 だが、アリツェの気付いていない傷があるやもしれない。

「いえ、大丈夫です。僕も、戦えるんだっ!」

 エミルは力強くつぶやき、立ち上がった。

 アリツェも立ち上がると、エミルの手を引いて、悠太とガブリエラの元に移動した。

「さて、仕切り直しですわね」

 アリツェは全員に目線を配り、うなずいた。

「たまったうっぷん、晴らしてやろう」

 悠太は動くようになった肩をぐるぐると回しながら、狼の姿を睨みつける。

 アリツェやシータの放った攻撃の余波はすでに消え、狼も態勢を整えなおしていた。アリツェたちに視線を向け、挑発するようにつぶやく。

「そら、お仲間も増えたことだ。少し時間をやるから、作戦でも練るがいい」

 相変わらず、アリツェたちを舐めている様子だ。

 だが、ここは素直に時間をもらおうとアリツェたちは考えた。

 今のメンバーでの戦闘は初めてだ。相手が相手だけに、バラバラに動いたところで、効果的な一撃は与えられないという思いもあった。

 アリツェたちは素早く作戦を練る。

 まずは、狼の霊素の膜を剥がさなければいけない。先ほど狼の背に作った霊素のひび割れが、当面の狙いになるだろう。そこを手掛かりに、全体の霊素の被膜も取り除く。

 この役目は、ガブリエラと使い魔のアルファ、シータだ。
 ガブリエラは二属性同時展開まではできる。風と火の精霊術で火災旋風を発生させて狼を包むことで、霊素のこもった炎による霊素被膜の完全破壊をもくろむ。
 また、被膜の完全破壊に至る前にも、ひび割れから炎が入り込めば、被膜内の酸素を消費させ、軽い窒息状態に持っていけるかもしれない。

 霊素被膜を破ったところで、精霊術を解除し、そこに悠太が突っ込む。物理ダメージを蓄積させつつ、行動を制限させることで、どうにか狼の隙を作り出す作戦だ。

 次に、できた隙を狙って、エミルが拘束玉を投げつける。
 うまいこと狼を拘束玉の透明の腕によって拘束させたところで、最後にアリツェが薙刀の柄の部分を使い、打撃によるとどめの一撃を食らわせる。ここで狼を気絶させられれば、アリツェたちの勝ちだ。

 以上の流れで、狼に挑む!

「皆様、行きますわ!」

 アリツェの掛け声とともに、ガブリエラとアルファ、シータが動き出した――。
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