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1章
夏の約束を
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幾つもの季節が過ぎて少年と女の子が出会って7年が経った夏の日。
少年が女の子の居る部屋の窓辺へ尋ねていくのが二人の習慣になっていました。
「ねえ、美しい子今日は天気がいいわね。」
何気無く女の子が切り出しました。
少年は『ああ』とだけ応えて次を促しました。
「こういう日は、外へ出掛けてたくなるわ!美しい子も同じでしょう?」
女の子は期待を込めた目を少年に投げると少年は
「いいや、俺はどーせ外に出られない。奴隷だからな…。」
と当然の様に淡々と言い放ち、女の子が口を尖らせて言い返しました。
「もう、ロマンの欠片もないわね。そんなのじゃ人生の半分損する様なものなのに。」
女の子はしばらく黙っていましたが思い付いたように顔をあげたかと思うと早口にまくし立て始めました。
「 ねえ、もし二人で外に行けたら一緒に何処かへ行きましょう!街で買い物をして、それから美味しい物を食べに行って!それから、あっ!美しい子の好きな本のある場所へ行くのはどう?ねっ悪くないでしょう? 」
話し終わって少し頬を上気させて輝く瞳に少年は溜め息を一つして応えました。
「お前と二人で行くなら草原がいい。そこで星を見たい。」
少年が『お前はうるさいからな』と付け足しました。
「でも、星がいいのならいくらでも付き合うわ。約束よ。」
「当たり前だ。俺は約束を守る方だからな。」
「破ったら承知しないからね」
すっかり機嫌の治った女の子と楽しそうな少年
二人の16歳の男女を見つめる淡い青空と濃い陰は黙ってそこにあるだけ
次回予告
「傷と記憶」
記憶の鎖は「 」のなかに強く根を張る。白い肌の肩口に残る傷。深く根を張った記憶ごと鎖へ
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