ガチャガチャ戦記~ブラックなスキル持ち達の解放戦争~

AKISIRO

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第23話 スライムの力

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「アイテムボックスからーと回復ポーションを大量にスライムの体に吸収してとー」
「先程から鼻歌交じりで何をしようとしているのですか?」

「そりゃ負傷兵を回復させる為でしょ」
「殺さないんですね、死体を肥料にするのかと思いましたけど」

「ざっと、生き残ってるやつだけでも10万人はいるんだぜ?」
「よく皆さん殺さずに置きましたね、しかもほぼ皆さん瀕死なんですけど」

「まぁ、手加減はみんな難しいからねー早くしないと皆死んでしまうから、ざっと、スライムの津波でもっと」
「ロイ? それを皆にぶつけるつもりですか? 私は遠慮しておきますよ」

「そう言わずにとても暖かくて気持ちいいよー回復のスライムだからね」
「それはいらないと思うのですがそこまで言うのならお試しで」

 その日、エルレイム王国全土を膨大な量のスライムが覆った。
 エルレイム王国がスライムに食われたと表現しても良いかもしれない。
 ロイはそんなことを考えながら笑っていたものだ。

 そして、むくりと、1人また1人と立ち上がる者達。
 彼等の傷は治療されて、すぐに動ける状態になっている。
 剣を掴み辺りを伺う物、傷口を見てなぜ直ったのか不思議がるもの。
 スライムのべとべとが体についており、ロイを見て何が起きたのか悟った者。
 彼等は一様にただ叫んだのだ。

「ロイ」
「ロイロイ」
「ロイロイロイロイロイロイ」

「やぁやぁ、君達、行くところなかったら、俺の国に住んでみない? 人手が欲しかったんだお、ざっと10万くらい家なんてもろもろあるぜ」

「うおおおおおおおおおおおおおお」

 雄叫びが上がったのはその時だった。

「お腹空いてると思うからトマトでも食って元気だせや」

 トメイロが荷馬車を引っ張ってきて、大量のトマトを配っていく。
 兵士達、全員死んだと思われていた魔法使い達、冒険者達が、涙を流してトメイロのトマトを食べていく。

「よし、皆それぞれやりたいこと仕事したい事を探すと良い。こういうのが得意な奴は誰だ、あやべ、こういう采配が得意な奴ガチャで当ててなかったな。まぁ、当分は俺がやるかー」

 ロイはとぼとぼと歩きながら、後ろからは民衆が付いてくる。
 一夜にして10万の民を手に入れたロイは。
 次なる目的、民の仕事配分について考えねばならず、その為にはレベルアップが必要で、その為には新しいスライムを狩りたいという衝動も必要で。

 その時、エルレイム王国の地下の城門が開け放たれた。
 それは空かずの扉とされていたのだが。

 そこに繋がっている場所が、メロムメロカのダンジョンだという事を、ロイは知っていた。

「あーめんど」

 ある伝承が残っている。
 エルレイム王国を遥か昔牛耳っていた王がいた。
 彼はスライムと共に生きた伝説のスライムマスターであったとか。

 ロイはそんな伝承あったっけとメロムメロカの伝説の石碑を見ていたのであった。




「はい、次ー」
「はい、次ー」
「はい、次ー」

「これいつになったら終わるんだ?」
「仕方ないでしょう、10万人の民は新しい環境でどうやって生きていけば良いのか困ってるのですよ、ラガディが作ってくれた建築系の建物に収容できるとは言え、ちゃんと住民票を作り、どこに誰が住んでいるかを記さなくてはいけません、そういう事が得意な人は今この国にはおらず王であるあなたがすべき事なのですよ」

「そりゃーそうだけどさ、10万人分も面接する必要ある?」
「それは仕方がありません、なぜなら、王とは1人1人の民の顔を覚える必要があるのです」

「俺の父親は全ての民の顔を覚えているとは到底思えないんだが」
「そういう覚悟くらいは必要でしょう、それにあなたがメロムメロカのダンジョンを早く攻略したいのは分かりますがもう少し世界情勢と言うのを勉強していただきたく」

「あっそ、それで」
「アララスタ王国ではジスタ領地が独立宣言しました。ジスタラン王国と名乗ったそうで、内乱が続いているそうです。バルクト領主もこちらを攻める時間もなく、敗戦の罪を着せられて、逃亡しているそうです。他の魔法学園長とミストクローク博士と片腕を失ったガイラルド将軍もルボック元帥も消息不明だそうです」

「へぇ、色々と時代が動くんだねー」
「あなたが動かしたんでしょうが」

「後、ジェイグルンド共和国の植民地であったゴミ王国が兵士、冒険者達を駆逐して、たった数名の力でゴミ王国を再建中との事です。王はただの冒険者であった人でゴイルと言う名前だそうですが」

「あいつか、荷運びゴイル。昔そのパーティーがエルレイム王国に遊びに来た事があったけど、ゴイルは相当弱かった記憶なんだがなぁ」

「友達なんですか?」

「ああ、少し会話したくらいだな」

「ジスタラン王国のカイル・オリゲートは知っておられるでしょう」
「ああ、ギャンブラーだろ、一度ギャンブルして負けたよ、あいつはイカサマのしない、真っ直ぐなギャンブラーだったな」
「世界は広いと思えるけど意外と狭い物ですね」
「そんなものだ。はい、次ー」
「ジェイグルンド共和国なのですが、謎の扉を見つけたようです。異世界に繋がる扉で、2つあるそうです」
「2つかー」

「2つともあちらから開かれないと開く事が出来ないみたいで、伝説の勇者は神の軍勢を引き連れて、またどこぞの国を滅ぼそうとしているようですわね」
「あいつら趣味が悪いよ」

「あとファイガスタ帝国が世界統一をもくろんでいる見たいですわ」
「恐ろしいな、あそこには1000年前に15将軍なんてのがいたんだけど今はいないんだっけな」
「そうですね」
「その15将軍は滅びたんだっけか」
「話によると、何か天使一族と契約して、蘇らせてもらったとかないとか」
「へぇ」

「天使一族の15人を生贄にして、あの世と交換したとか」
「その15人て天国に行ったとしてどうなるんだ?」

「彼等はきっと依り代となって天使達の入れ物になって地上に降りてくるのでしょうね」
「それはそれで恐怖だな」

「後、墓場の傭兵団が各地で暗躍してるとかしてないとか」
「まったく、この世界は物騒だな」

「物騒ですねぇ」

「はい、次ー」
「ようやく88888人くらい行きましたね」

「ラッキーな数字だな、早くレベルをあげてえええええ」
「そんなにガチャをしたいのですね」
「そうでもしないと、この業務を押し付けるURを当てたいのさ」
「きっと今のあなたはアンラッキー状態だから、ラッキー度を貯めているのでしょうね」
「そうさそうさ」

「では、次の方ー」

 その人物は明らかに民ではない。
 モノクロ眼鏡を身に着けており、白衣を纏っている。

「こんにちは、ミストクローク博士とはわしの事じゃ」

 老人はにやりと笑ったのであった。













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