異世界のリサイクルガチャスキルで伝説作ります!?~無能領主の開拓記~

AKISIRO

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第1章 無能領主のリサイクルガチャ

第19話 ガチャ券持って取り合えず領地に強制帰還

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「ガチャ券50枚。かなりのレア物が出た。今回のリサイクル、歴代最高ランクだ」
「……何が混じってたんだよ」
「……ハルガド領主の“言えない本コレクション”だ」
「……言わなくていいや。だいたい察した」

 ガルフは額を押さえてため息をついた。

「さて、こっちにはウィンダムさんが来てくれる。ノーム族のラッサー将軍とラマルド司祭は、復興の建築案を詰めてくれ」

「「御意」」
「他の皆は、強制帰還だ。急ぎライクド領地に戻るぞ。王国から“税収班”が来る……その対応を誤れば、いろいろ危ない」
「それは大変ですね。でも、そもそも――」

 ゼーニャが遠慮なく言い放った。

「ガルフ様の父上、どうして税金払ってなかったんですか?」

 場が一瞬で静まる。

「お、恐らくですが……」

 控えていたリンデンバルク執事長が、そっと手を挙げた。

「税金の払い方を、知らなかったのではと。基本的には宰相任せだったはずです」
「……いたな、そんなやつ。影薄すぎて忘れてた」
「その宰相、かなりのクセ者でして。裏金を懐に入れていた節が……何度も警告しましたが、元領主様は“事情がある”とおっしゃってました」
「さすがは父上……」
「そして、“どう接したらいいか分からない”とも」
「……さすがは父上」

 そんな会話をしながら、ガルフたちは急ぎ屋敷へと戻ることになった。ラッサー将軍、ラマルド司祭、アキレスドン、ロイガルド、クウゴロウは復興担当として現地に残る。

★ ライクド領地 領主の屋敷 ★

 ガルフは額に汗を浮かべていた。正面にいるのは、王国騎士団の団長――オメガバッシュ。そしてその両隣には、冷たい視線を投げかけてくる2人のダークエルフの女騎士、ギギャとビビィ。
 ガルフの隣にはゼーニャとリンデンバルク。空気は重かった。

「――バルバッサ国王からの親書を読み上げる」

 オメガバッシュはゆっくりと書状を広げた。

『まず、故バルフ・ライクドの死を悼む。隣国ギビンデルク帝国との戦争で多忙だったこと、弔意が遅れたことを詫びる。
 バルフ・ライクドが税を払わぬはずがない、とは分かっていた。しかし、調査を怠った我らにも非がある。結果、過去10年分の未納税金が発覚した。
 金額――1億金貨。
 これは国家が二つ買える規模である。よって、ライクド領主の地位を剥奪する。代わりに、1億金貨を納めれば、領主として復権を認めよう。
 ――期限は1ヶ月』

「……以上だ。状況は理解できたな?」
「できたけど、つんでるよな、これ」
「ですね……」とリンデンバルクも沈んだ顔。
「――ふーん」

 ゼーニャがやけに冷静な声を出す。

「じゃあ、用意すればいいじゃないですか」
「え、ど、どうやって?」
「ありますよ方法。リサイクルガチャですよ。アイテムを現実に換金すればいい」
「……まさか」
「そうです。リサイクル市場を立ち上げましょう。領民から素材を回収して、ガチャ券に変換、出たアイテムを売る。これで資金を作ります!」
「さ、さすがゼーニャ……がめつい」
「メイド長ですから。家計は任せてください」
「よし、みんな聞いたな?」

 ガルフは“世界樹の酒”を使い、意識共有のネットワークで全員に話しかけた。

「オメガバッシュ団長、こちらで1億金貨、なんとかしてみせます。王によろしく」
「いや、私がここに滞在し、あなたの“金策”を見届けさせてもらおう」
「えぇ……」
「なんか嫌そうですね」
「いや、こういう時こそ興味があるんだよ……特に、どんなトラブルが起きるかがね」

 ガルフは心底イヤな予感しかしなかった。

「宿泊は町の宿屋を使わせてもらう。ギギャ、ビビィ、行くぞ」
【御意】

 と、騎士団が立ち上がる。その時、ギギャが振り返ってニヤリと笑った。

「リンデンバルク。お前、おもしろいやつに出会ったな。誇りに思え」
「姉上……」

 えっ、姉? 双子?

「……そうか、ギギャとビビィは、君の姉か」
「はい。奴隷として散り散りになりましたが、再会できたのは、バルフ様のおかげです」
 そこはちょっと違う気がする……が、ガルフは何も言わなかった。


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