Inventory Kingdom ~僕の収納は国家規模!~

AKISIRO

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第2話 アイテムボックスに収納しまくってます

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 走り出す。
 モンスターが追いかけてくる。
 簡単に追いつかれる。
 アイテムボックスを投げる。 
 モンスターを収納する。
 またアイテムボックスを投げる。またモンスターを収納する。
 それは戦いではない、ただ逃げてただモンスターを収納するという少し変わった戦闘とは言えない戦闘が繰り広げられている。

「ふー」

【スキル:バーサーク:自らの体を強化する】
【スキル:ヘイスト:攻撃スピードをはね上げる】
【スキル:ファイアブラスト:口から火炎の塊を吐き出す】
【スキル:毒酸:辺りに毒酸を召喚する】
【スキル:縮地:距離を縮める】
【スキル:雷撃:雷を飛ばす】
【スキル:暴食:何でも食べられる】

 バーサークはドリルオーガ。
 ヘイストはゴースト。
 ファイアブラストはドラゴン。
 毒酸はキングスパイダー。
 縮地はリッチ。
 雷撃はプラズマシャドー。
 暴食はオーグ

 どれもこれも伝説級のモンスターで、普通に戦ったら勝てるわけがないモンスターばかり。

 アイテムボックスのスキルについてもう一つ分かった事がある。
 モンスターを収納していくと、モンスターが身についている力や技術が流れてくる。
 モンスターの知識まで流れてきて、トロルエンペラーがどのような生活をしてきたかが分かる。
 不思議と生の肉でも食えてしまえそうだったが。
 暴食のスキルで何でも食える事に気付いている。

 現在肉体レベル的にSクラス級モンスターと戦ってみたいと思っていた。
 また、トロルエンペラーが現れた時、倒して食ってやろうと決意した。

 地震が起きた。
 眼の前にトロルエンペラーが現れる。
 モンスターの技術も吸収しているので、暗闇に眼が馴染んでいる。
 トロルキングの気持ちの悪いぶよぶよとした肉体がこちらを向いている。

 そうして、そいつはダンジョンの大地を蹴り飛ばして、突進してきた。
 リードはアイテムボックスから剣を取り出すと。
 縮地を発動させた。
 距離を縮めさせ、一瞬にしてトロルエンペラーの背後にぐるりと回って、剣で突き刺すが、皮膚に通らない。

 バーサークを発動させると、体の筋肉が強化されていき、さらにヘイストを発動させる。
 スピードが速くなり、何度も何度も剣で串刺しにしていく。
 小さな傷が大きな傷へと変わっていく。
 トロルエンペラーが怒声のような悲鳴を上げていく。

「うらああああ」

 リードが大きな声で叫び声を上げ続ける中。
 
 リードはトロルエンペラーの体を使ってジャンプにジャンプをして、頭の上に到達する。
 彼は頭を油でぼろぼろになった剣で串刺しにする。

 トロルエンペラーは大きな体を岩と岩の隙間に打ち鳴らして倒れていく。
 リードは人生で初めてSクラス級モンスターをその手で倒した。

「はぁはぁ、でも疲れた」

 その場で、リードは焼く事もせずに、生のままトロルエンペラーの肉を食らった。
 とてつもなく不味かったが、お腹が空いていて、もう食わないと死にそうだった。
 最悪な事にアイテムボックスには食料を入れていなかった。

「ふぅー」

 お腹が満たされると眠たくなってくる。
 だが、このダンジョンの最下層で眠るという事は死を意味していた。

「まだだ。まだ地上まで遠いいい」

 リードはダンジョンの中を彷徨い続ける。

 その時、眼の前に巨大な門が見えた。
 それがどこに繋がっているのかは分からない。
 それでもリードはゆっくりと開く事にする。

 ぎぃと言う錆びた様な音を響かせながら。
 そこは古びた遺跡のような広間だった。
 台座があり1冊の本が置かれてあった。
 もしかしたら何かしらの遺物かもしれないと思い、リードは近づいていく。

 すると、本が開かれて、1人の老人が現れる。
 その老人は透明であり、幽霊なのかと思ったら。

【これを見ている冒険者よ、わしの記録と警告を地上に知らせて欲しい】

 どうやら老人が魔法で記録した物らしい。

 それから老人の語りが始まった。
 それをリードがただ聞いていた。
 立ち続けているのも何なので、座って話を聞いていた。

【わしはこの伝説のダンジョンを発見して、攻略に攻略を重ねた。すると伝説の遺物が現れた。それを解除すると異次元というスキルが付与されている物が生まれた。そいつには魔力が宿っている。それを手にしたものは魔王化が進む】

 異次元という物を聞いた時。
 脳裏に元パーティーメンバーの記憶が蘇った。
 あいつらが手に入れたのは国を、いや世界を破壊する力だという事が分かった。

【そして、もう一つの力、アイテムボックススキルを保持している物よ、わしは未来予知のスキルを持っている。この記録を見ているのがリードと言う青年だという事も知っている】

 少しだけ驚愕しつつも。

【アイテムボックスとは異世界の住民でしか発現しない力。お主の祖先は元々異世界の民で、勇者の血を受け継ぐ者なのじゃろう、さてと、お主のアイテムボックスの力について解説したいのじゃが】

 老人が少し面白そうな笑顔を浮かべると、白髪のまざった頭をぽりぽりと掻きながら。

【まず、アイテムボックスにはモンスターを収納し、その収納したモンスターの力を得る事が出来るのと、もう1つ、収納したモンスターは眷族として支配出来るようになっておる。最後に人間に付随する生き物は収納できん。理由はお前と同じ人間種族だからじゃ、お主が人間を辞めれば、人間種族を収納出来るじゃろうなぁ、ではわしの記録は終了じゃ、お主の力でもって地上に出るがよろしい、他にもアイテムボックスには力があるが、お主が見つけ出すのじゃよ】

 そうして、眼の前で本が燃えた。
 老人が何者で、この世界に突如現れたダンジョンの誰も攻略していない最下層に至ったのかは分からなかったけど。

「ふぅ」

 溜息をついて、台座の向こうにある階段を上っていこうとしたら。
 棺が現れた。

「なんだこれ」

 棺を開くと。
 そこには1人の緑色の髪の毛をしている女性がすやすやと眠っていた。
 しかも全裸であったために。
 思わずリードは眼をそらしてしまう。

「どういう事?」

 思考が回らなくなる中。リードはその棺をゆっくりと閉めようとして。

「あら~そこで逃げちゃうんですかー」

 おっとりとした声が響いた。
 女性は真っ直ぐにこちらを見ていたのだから。
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