俺TUEEEと調子に乗った勇者がレベル9999の村人達にフルボッコされて国外ダンジョンへ追放されました!?~無一文勇者ガチャで成り上がる~

AKISIRO

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第1章 勇者敗北から学ぶ

第23話 奴隷って女の方が良いだろ? てかなんで俺なんだよおおお

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「あのーフレイヤ様? こういう時は奴隷として女が良いと思うんですが?」

「いや、こういう時は勇者様が奴隷になるのがよろしいかと」

「いや、奴隷って女の方が良いだろ? てかなんで俺ななんだよおおお」

 現在、女神フレイヤに連行されている状態。
 しかも、首に縄を付けられてペット状態。

「てかなんで、四足歩行じゃなきゃいけないんだよ、これなんか危険な感じなんだが!?」

「そういう趣味はいりません事よ、そもそも奴隷とはこういうものでしょう?」

「それ女神フレイヤの価値観でしょうが」

「いえ、これは一般常識の価値観ですが?」

「勇者ラヴィ様素敵です。フレイヤ様、ヒモはこちらで確保しておきます」

「確保せんでえええ」

 勇者ラヴィ、犬の散歩状態で奴隷酒場へと乱入し。

「これはこれはお客様、奴隷をお売りいただけると?」

「そうですが、いくらで売れますか?」

「うーん、肌も良いし、なにより筋肉が良い。おっさんと言うところは残念ですが、ちょうどライガー様が子供を殺すのも良いが、子供おっさんセットで殺したいと言っていたので、高く買ってくれるでしょう」

「ほほう、では、お売りしましょう、直接お渡ししたく」

「そうですねーこちらです」

 奴隷商人の舐めまわした視線を浴びながら。
 勇者ラヴィ達は奴隷酒場の中を回った。
 辿り着いた先では、子供が3人いた。
 皆この世界の子供のようで、全身から雷のオーラの様な物を発していた。

「では、そのおっさんをこちらへ」

 子供達と同列に立つおっさんこと勇者ラヴィ。

 対面まで少し距離が離れており。
 そこに雷王ライガーがいた。
 彼の頭はぼさぼさ頭で、傷だらけではあるが、50台くらいのオジサンスタイル全開だった。
 体のあちこちにナイフがしまわれているようだ。

「ライガー様、先程あそこにいるおっさんが売られました。えーと女神フレイヤ様? でしたかな、がお売りいただけたようで」

「ほう、それはありがたいですねー今から皆殺しにしますよーどうせ暇でしたら見ていきませんかー」

「そうですね、彼の最後を見守りましょう」

 その彼の最後とは勇者ラヴィの事ではなくライガーであることを、勇者ラヴィは察していた。

「このナイフで子供を殺す」

 そう言って、ライガーが雷を纏わせるナイフを飛ばす。
 それも同時に3本だったが。

 それが子供に到着する前に落下する。

 勇者ラヴィが高速ではたき落とした。

「あれ? どういう事だろうか、もう一度」

 雷王ライガーがまたもやナイフを投げるもまたもや落下する。

「あれれ、腕が鈍ったかな。もう一度」

 またもやナイフが落下する。

「お、見えたぞ、おっさんなかなかやるな、じゃあ、おっさんから殺してやる」

 ナイフが100本ほど勇者ラヴィの元へと飛来してくるが。

 勇者ラヴィは全てのナイフを掴んで見せると。 
 体を回転させて。
 ライガーの元へと飛来させる。

「う、そだろ」

 雷王ライガーの全身に突き立つナイフ達。 
 だが、雷王ライガーは微笑んでいる。

「良いねー俺のスキルは吸収だ。どんな衝撃もどんな攻撃も力へと吸収しちまう。チートだぜ」

「そうか、なら、もっと食らわせよう」

 ナイフが突き立とうとしてもその力は吸収され、相手の力となる。
 なら、その体のキャパを越えればいい。

 勇者ラヴィは子供達から希望の眼差しで見られながら。
 首から紐を取り外す。

「よっこらせと」

 四足歩行は意外と辛い。
 その状態でナイフを掴み投げるのも辛い。

 ゆっくりと歩く。
 ライガーは嗤う。

「今ままで受けてきて得た力。吸収の範囲のキャパは遥かな高みにまで上った。俺のレベルは42000。それ以下の攻撃は至って平然と受ける事が」

 そこで言葉に詰まる。

「嘘だろお前、レベル52000だ、と」

「どうやら鑑定を使ってしまったようだな」

「ちょ、まて、こっち、くるな、う、わああああああああああ」

 必死で逃げようとするライガー。
 それを微笑みながら早歩きで近づき。

「喰らってみろ、おっさんの祝福をな」

 拳を固めてただ振りおろす。
 渾身のパワーを込めて。
 レベル52000のありったけを込めて。

「うがあああああ」

 背中から拳を食らい。
 吹き飛ぶライガー。
 なぜか、女神フレイヤが待ち受けていて。キャッチしてしまう。

「逃がしませんよ?」

「きゅ、吸収う」

 鼻血を噴出させ、耳と目と鼻から血を噴出させながら。

「きゅ、吸収しきれねええええ」

「どうやらキャパを越えたようだなおめでとう」

 勇者ラヴィは動けないライガーの元へと来ると。
 ゆっくりと拳を固めて。

「や、やめてええええ」

 ちゃんとライガーの両腕をホールドしている女神フレイヤ。
 彼女の怪力ぶりは勇者ラヴィもよく知っている。

 お腹に向かって拳を一発。

 お見舞いするだけで。

「あがああああ」

 と絶命する雷王ライガー。

「よーし、第一ステージクリアー」

「バ、化物だあああああ」

 奴隷商人が泣きべそ書いて逃げていく姿を見ながら。
 勇者ラヴィは一度冒険者ギルドへと帰還した。


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