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第2章 勇者成長する
第37話 約束スキル:幸福の鍵
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「つまり、かつての親友アグラファルに与えられたスキル:幸福の鍵のせいで街から出られないと?」
「その通り、その条件クリアがこの街を幸福にする事、見ての通り人々は奴隷狩りが怖くて外に出ず、浮浪者達は美女を探して一攫千金を狙う。これでは不幸が続く」
「なぜそんなスキルをくらったんだ? 親友なんだろ?」
「アグラファルは病気で死んだ。私は最強の錬金術師になる。それがアグラファルが私にくれる予定の力。レベル10万になれるのだから、知っての通りこの世界はレベル9999がカンスト」
「だがどうやってレベル10万にするんだ? 異世界にでも行くのか」
「違う、幸福の鍵スキルはどこの世界にも所属しない場所に導いてくれる。それも10秒間だけ。そこでジョブ:錬金術師【マスター版】を獲得して、レベル10万にしてくれる。そういう効果があるの、なぜそれだけの効果を意味しているのか、幸福の鍵というスキルの根本にあるのは」
「教えてくれないか」
勇者ラヴィと女神フレイヤは機械交じりの椅子に座りながら、ビーカーに注がれた紅茶を飲み干していた。
「そうね、アグラファルも異世界人、彼女のスキルは人々に試練を与えて、試練をクリアさせる。試練が厳しい程、強い効果を示す。そしてアグラファルが死ぬことにより、解除が不可能になった」
「それで、街から出れなくなったと」
「そうね、だけど、そのおかげで、クリア条件で得られる報酬が増えた。これは神が決める摂理。アグラファルが得た幸福の鍵スキルは別の世界の神のスキル。だからレベル10万にもなるし、錬金術師ジョブのマスター版を得られるという事よ」
「チートだな」
「あら、あなたの貧乏ガチャもひどい逆チートね」
「一言も言ってないんだが?」
「私は発明系スキルはあるけど、鑑定スキルは持ち合わせていない。だけどこのメガネはあらゆることを分析する事が出来る。あんたのここでの幸運度は物凄く低いわね、つまり危険な場所でガチャをやれば良い品々を当てる確率が上がるらしいけど」
「そこまでわかるのか」
「だけど、本質は違うわね、あなた相当運が悪いわね、ちょうど占い学的に運勢が上がる時期ね、おめでとう、今年はハッピー男よ」
「占いまでできるのかそのメガネは」
「発明に不可能はないわよ」
「それで、どうするの、この街を幸福にさせてくれる?」
「お前、錬金術師マスター版になってどうするつもりなんだ?」
「それはもう?」
「それはもう?」
「ジャズ王国全土は機械にして、さらなる幸福にさせる。ジャズ王様なんてぶっ潰すんだからね」
「あ、それなら協力しても良いかも」
「勇者ラヴィ様、ジャズ王様から金貨を絞り出すんでしょ」
「そうだった。ジャズ王様から金貨を搾り取ってから、お前の好きにしてくれサオトメ」
「うん、そうするよ」
「まずは、8人の終末騎士団を倒すとして、この街を取り合えず自由にさせれば良いってことかな」
「そうすれば、何とかなると思うけど、貧困さえなくなれば、浮浪者も働く事をするはず」
「うーんむじーな」
「勇者ラヴィ様、まずは食料と仕事を与えれば良いのでは?」
「そういうのは軍王ゼーファが得意そうだしな」
「でしたね」
「とりまー終末騎士団8人殺してっくっか」
まるでこれからお買い物にでも行くかのように、勇者ラヴィと女神フレイヤとサオトメが機械の椅子から立ち上がり。
サオトメは壁に掛けられている杖を握りしめた。
機械細工の杖だが。
そこにアグラファルと言う名前が掘られている事に勇者ラヴィは気付いていた。
★
建物の外に出ると。
1人のほっそりとしていて、軍服のような衣服を身に着けている男が立っていた。
そいつは無骨な顔をしており、顔に傷があった。
「やぁ、ここに美女がいると聞いてね、サオトメって奴だ。お前がずっと醜いという情報は間違っていたようだな」
制服には星のマークが入っていた。
それも2つだ。
「終末騎士団で2番の称号を持つ、処刑のバルカンという男よ」
「へぇ、女神フレイヤさん、これも賢者の塔の知識?」
「それもあるけど、普通に鑑定したわ、レベル1200くらい。だけど、スキルが見えない。何かしら加工されてるわね、他スキルによって」
「あんたの眼鏡でも無理か?」
「無理、何か隠蔽スキルが働いてるみたい」
「やはり、あいつのスキル付与は受けておいてよかったな」
処刑のバルカンが笑う。
「では、血祭りにしょうかな」
突如空よりギロチンみたいなものが降ってくる。
それも、刃先をむき出しにして。
「降れ、スキル:ギロチンアメ」
その数だけでも、1000個は越えるだろう。
一瞬にしても機械の建物がギロチンで両断されていく。
両断された建物が分解されて、そこからギロチンの形をした異形のモンスターが現れる。
「フレイヤ、雑魚は任せた。俺は処刑のバルカンの相手だ。フォロー頼めるかサオトメ」
「任せなさい」
「あいよ」
フレイヤがギロチン型モンスターの相手をしている間。
勇者ラヴィとサオトメがバルカンの相手になるのだが。
処刑のバルカンはリズムを刻むようにステップを刻んでいる。
「スキル:死のリズム」
地面に裂け目が生まれる。
「スキル:ギロチンヤマ」
地面の亀裂よりギロチンがヤマのように飛び出てくるではないか。
「これ、避け続けないとやべーな」
勇者ラヴィとサオトメが避け続けている中で。
「地面は埋めるもんでしょー」
サオトメが地面に杖を突きさす。亀裂が埋まっていく。
地面そのものを錬成し直しているかのようだ。
次から次へと埋まっていく。
「スキル:死のリズムはリズムにそって地面だけに亀裂を与えるものだと思ってないかい? はっは」
次は空気そのものに亀裂が生まれてくる。
ひゅんと何かが飛んでくる。
それは小さなギロチンの風だった。
それも数えきれない。処刑のバルカンの方角から飛んでくる。
勇者ラヴィはサオトメの前に出ると。
「錬成に集中してくんな、俺はいっちょやるぜ、これが、レベル52000の戦い方って奴よ」
高速、無我夢中、連撃。
1斬りするだけで、ギロチンを跳ね返す。
次から次へと迫ってくるカマイタチのようなギロチンを瞬時に斬り伏せる。
勇者ラヴィの体が、人間の規格を超えるスピードへと跳ね上がる。
肉体の限界を迎える事はない、なぜならレベル52000だからだ。
もしかしたらちゃっかりレベルアップしているのかもしれない。
女神フレイヤが教えてくれていないだけかもしれない。
「ったく、自分で自分のレベルを把握出来れば最高なんだけどな」
「ま、じかよ」
空から降ってくるギロチン、真横から飛んでくるギロチン、真下から出てくるギロチン。
モンスターになるギロチンはフレイヤが、真下から出てくるギロチンの数は錬成の土で埋め尽くす。
勇者ラヴィは空、横、下からのギロチンを全て斬撃で跳ね飛ばす。
処刑のバルカンの体がずるりとずれていく。
少しずつ、体が崩壊していく。
まず首が落下する。
次に右腕と左腕と右足と左足が崩れていく。
気付けば。処刑のバルカンという男は小間切れになっている。
勇者ラヴィは小さなギロチンを跳ね返しただけであった。
「まず1人!」
「その通り、その条件クリアがこの街を幸福にする事、見ての通り人々は奴隷狩りが怖くて外に出ず、浮浪者達は美女を探して一攫千金を狙う。これでは不幸が続く」
「なぜそんなスキルをくらったんだ? 親友なんだろ?」
「アグラファルは病気で死んだ。私は最強の錬金術師になる。それがアグラファルが私にくれる予定の力。レベル10万になれるのだから、知っての通りこの世界はレベル9999がカンスト」
「だがどうやってレベル10万にするんだ? 異世界にでも行くのか」
「違う、幸福の鍵スキルはどこの世界にも所属しない場所に導いてくれる。それも10秒間だけ。そこでジョブ:錬金術師【マスター版】を獲得して、レベル10万にしてくれる。そういう効果があるの、なぜそれだけの効果を意味しているのか、幸福の鍵というスキルの根本にあるのは」
「教えてくれないか」
勇者ラヴィと女神フレイヤは機械交じりの椅子に座りながら、ビーカーに注がれた紅茶を飲み干していた。
「そうね、アグラファルも異世界人、彼女のスキルは人々に試練を与えて、試練をクリアさせる。試練が厳しい程、強い効果を示す。そしてアグラファルが死ぬことにより、解除が不可能になった」
「それで、街から出れなくなったと」
「そうね、だけど、そのおかげで、クリア条件で得られる報酬が増えた。これは神が決める摂理。アグラファルが得た幸福の鍵スキルは別の世界の神のスキル。だからレベル10万にもなるし、錬金術師ジョブのマスター版を得られるという事よ」
「チートだな」
「あら、あなたの貧乏ガチャもひどい逆チートね」
「一言も言ってないんだが?」
「私は発明系スキルはあるけど、鑑定スキルは持ち合わせていない。だけどこのメガネはあらゆることを分析する事が出来る。あんたのここでの幸運度は物凄く低いわね、つまり危険な場所でガチャをやれば良い品々を当てる確率が上がるらしいけど」
「そこまでわかるのか」
「だけど、本質は違うわね、あなた相当運が悪いわね、ちょうど占い学的に運勢が上がる時期ね、おめでとう、今年はハッピー男よ」
「占いまでできるのかそのメガネは」
「発明に不可能はないわよ」
「それで、どうするの、この街を幸福にさせてくれる?」
「お前、錬金術師マスター版になってどうするつもりなんだ?」
「それはもう?」
「それはもう?」
「ジャズ王国全土は機械にして、さらなる幸福にさせる。ジャズ王様なんてぶっ潰すんだからね」
「あ、それなら協力しても良いかも」
「勇者ラヴィ様、ジャズ王様から金貨を絞り出すんでしょ」
「そうだった。ジャズ王様から金貨を搾り取ってから、お前の好きにしてくれサオトメ」
「うん、そうするよ」
「まずは、8人の終末騎士団を倒すとして、この街を取り合えず自由にさせれば良いってことかな」
「そうすれば、何とかなると思うけど、貧困さえなくなれば、浮浪者も働く事をするはず」
「うーんむじーな」
「勇者ラヴィ様、まずは食料と仕事を与えれば良いのでは?」
「そういうのは軍王ゼーファが得意そうだしな」
「でしたね」
「とりまー終末騎士団8人殺してっくっか」
まるでこれからお買い物にでも行くかのように、勇者ラヴィと女神フレイヤとサオトメが機械の椅子から立ち上がり。
サオトメは壁に掛けられている杖を握りしめた。
機械細工の杖だが。
そこにアグラファルと言う名前が掘られている事に勇者ラヴィは気付いていた。
★
建物の外に出ると。
1人のほっそりとしていて、軍服のような衣服を身に着けている男が立っていた。
そいつは無骨な顔をしており、顔に傷があった。
「やぁ、ここに美女がいると聞いてね、サオトメって奴だ。お前がずっと醜いという情報は間違っていたようだな」
制服には星のマークが入っていた。
それも2つだ。
「終末騎士団で2番の称号を持つ、処刑のバルカンという男よ」
「へぇ、女神フレイヤさん、これも賢者の塔の知識?」
「それもあるけど、普通に鑑定したわ、レベル1200くらい。だけど、スキルが見えない。何かしら加工されてるわね、他スキルによって」
「あんたの眼鏡でも無理か?」
「無理、何か隠蔽スキルが働いてるみたい」
「やはり、あいつのスキル付与は受けておいてよかったな」
処刑のバルカンが笑う。
「では、血祭りにしょうかな」
突如空よりギロチンみたいなものが降ってくる。
それも、刃先をむき出しにして。
「降れ、スキル:ギロチンアメ」
その数だけでも、1000個は越えるだろう。
一瞬にしても機械の建物がギロチンで両断されていく。
両断された建物が分解されて、そこからギロチンの形をした異形のモンスターが現れる。
「フレイヤ、雑魚は任せた。俺は処刑のバルカンの相手だ。フォロー頼めるかサオトメ」
「任せなさい」
「あいよ」
フレイヤがギロチン型モンスターの相手をしている間。
勇者ラヴィとサオトメがバルカンの相手になるのだが。
処刑のバルカンはリズムを刻むようにステップを刻んでいる。
「スキル:死のリズム」
地面に裂け目が生まれる。
「スキル:ギロチンヤマ」
地面の亀裂よりギロチンがヤマのように飛び出てくるではないか。
「これ、避け続けないとやべーな」
勇者ラヴィとサオトメが避け続けている中で。
「地面は埋めるもんでしょー」
サオトメが地面に杖を突きさす。亀裂が埋まっていく。
地面そのものを錬成し直しているかのようだ。
次から次へと埋まっていく。
「スキル:死のリズムはリズムにそって地面だけに亀裂を与えるものだと思ってないかい? はっは」
次は空気そのものに亀裂が生まれてくる。
ひゅんと何かが飛んでくる。
それは小さなギロチンの風だった。
それも数えきれない。処刑のバルカンの方角から飛んでくる。
勇者ラヴィはサオトメの前に出ると。
「錬成に集中してくんな、俺はいっちょやるぜ、これが、レベル52000の戦い方って奴よ」
高速、無我夢中、連撃。
1斬りするだけで、ギロチンを跳ね返す。
次から次へと迫ってくるカマイタチのようなギロチンを瞬時に斬り伏せる。
勇者ラヴィの体が、人間の規格を超えるスピードへと跳ね上がる。
肉体の限界を迎える事はない、なぜならレベル52000だからだ。
もしかしたらちゃっかりレベルアップしているのかもしれない。
女神フレイヤが教えてくれていないだけかもしれない。
「ったく、自分で自分のレベルを把握出来れば最高なんだけどな」
「ま、じかよ」
空から降ってくるギロチン、真横から飛んでくるギロチン、真下から出てくるギロチン。
モンスターになるギロチンはフレイヤが、真下から出てくるギロチンの数は錬成の土で埋め尽くす。
勇者ラヴィは空、横、下からのギロチンを全て斬撃で跳ね飛ばす。
処刑のバルカンの体がずるりとずれていく。
少しずつ、体が崩壊していく。
まず首が落下する。
次に右腕と左腕と右足と左足が崩れていく。
気付けば。処刑のバルカンという男は小間切れになっている。
勇者ラヴィは小さなギロチンを跳ね返しただけであった。
「まず1人!」
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