日本には1942年当時世界最強の機動部隊があった!

明日ハレル

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第4章 開戦編

第1章 開戦編 その9

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第1章 開戦編 その9

敵第2任務部隊は消滅した。海戦で相手が1隻残らず消えることは今までに無かった事例となる。

宇垣司令官は艦隊全員に1分間の黙祷を命じ、戦死したアメリカ艦隊の将兵達を弔った。

これは秘密にしなければならないが、そうも行くまい。司令部には有りの侭を報告する。

まだ戦いは終わっていない、次は敵の第1任務部隊、戦艦同士の打ち合いになる。

天雲偵察機は付近のアメリカ側が使う特定の周波数に妨害電波を流し、信状況が悪い状態を敢えて作った。

敵第2任務部隊が定時連絡を入れるのを見越して、全滅したことを悟られないように配慮した。

おそらく通信状態が悪いと言う事で処理されるだろう。だが偵察機を飛ばせば見つかる事は分かっていた。

飽く迄その場しのぎに過ぎないが、打てる手は打って於く。

航海参謀が今までの速度と進路では明日夜明け頃に接敵すると報告してきた。

正確な時間を再計算せよと宇垣は命じて、艦長室に戻る。

艦長室で少し心を落ち着け、皆この海戦の為殆ど寝ていないので、参謀長に通信して交代で仮眠するよう命じて、昼食後作戦会議を行う旨を連絡し、昼食迄仮眠すると参謀長に告げ、何かあれば直ぐ起こせとだけ命じて仮眠に着く。

仮眠後昼食を食べる為食堂に行くと幹部達が揃っていた。

昼食後作戦室で明日の艦隊戦の段取りを確認する。

今回は小手先の技は一切使わずに堂々と戦艦同士の砲撃戦に徹することを確認した。

敵の第2任務部隊は生き残った者が居ないか?第17水雷戦隊に夜が明けてから捜索させたが、死体のみを回収し海葬を施し、遺品を纏めて持ち帰った。

戦争とは悲惨なものだが、一人の生存者が居ないとは、皆も言葉が無かった。
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