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1.シェラドゥルーガは、生きている
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空は、闇の方が強くなってきた。先程までは晴れていたのに、雲も分厚くなっている。
修道院への道は舗装されているので、馬の足を心配する必要はない。これが未舗装路だったら、ぬかるんで速度は出せなくなる。
ゴフは馬の扱いに自信がある方ではないので、正直、ほっとしていた。走る、止まるぐらいならともかく、士官学校でやるような、飛んだり跳ねたりが必要な道だったら、目も当てられない。
先に駆けていたはずのルキエが、速度を落として並んだ。
「先に、何かいる。十人ぐらいだ」
女だてらに肝が据わっていて、何より目が効く。斥候や見張りによく使っていた。
「盗人だよ。それも生粋の」
「殺しなし、火付けなしのやつか。今時、いるもんだな」
なぜ今、修道院を狙う必要があるのか。
もとより清廉篤実で知られた、もと南部司教さまである。そんな人の、あばら家から立て直したような修道院に、盗人が狙いたがるものなんてないはずだ。
考え方を変えれば、狙わせたのかもしれない。
予め、高価な何かしらを修道院に入れておいて、情報を流す。金に困った盗人だとか、ヴァーヌ聖教によからぬ印象を抱いているやつらに襲わせて、都合の悪いものと一緒に盗んでもらったり、あるいは燃やしてもらえれば、重畳至極。
へえ。頭のいいやつの考えることは、回りくどいな。
「当初の予定通りで行く」
とはいえ、やることは変わらない。強行偵察だ。
「そうかい。じゃあ、あたしは後ろに付いとくよ」
ルキエが、さらに速度を落として殿についた。
すぐに建物が見えてきた。まずはふたり、見張りだろう。
ゴフの得物は戦鎚だった。柄はそれほど長くなく、馬上でも扱える程度の、下腕ほどの長さだ。時代遅れだが、何かと融通が効く。なにより実家が大工なもので、とんかちの扱いは身に染み付いていた。
馬から飛び降りながら、一気に襲い掛かった。反応しきれない様子で、どてっ腹に槌頭がめりこんだ。もうひとり、ようやく腰にぶら下げた剣に手をかけた。その手に、戦鎚を振り下ろす。悲鳴が上がった。
あくまで強行偵察だ。殺しはしない。だが、死ぬ思いぐらいはしてもらおう。
真正面から侵入すると、十人ぐらいが礼拝堂にいた。向こうも今しがた到着したと見えて、こちらの着ているものを見て、全員、ぎょっとした表情をみせた。
「よお。ご存知、“錠前屋”のお出ましだ。邪魔するんなら、こじ開けるぜ?」
決め台詞。喧嘩には、こういうものも必要だ。
雄叫び。三人、一気に飛びかかってくる。
先頭のやつの顔面に、軍靴をお見舞いしてやった。左から、鉈。戦鎚の柄で受け止めて、金的に蹴りをかます。そこまでで、最後のひとりの腰が引けた。
おいおい。びびったら、負けだぜ。
膝に、思いっきり戦鎚をかましてやった。曲がってはいけない方向に曲がった膝を抱えながら、泣き叫んでいる。
喧嘩の鉄則は、早めに派手なことをすることだ。場の空気を、自分の方に引き込む。それで、大人数相手でも勝てる。
「国家憲兵隊。それも、警察隊か」
じりじりと後退りする賊どもの中から、一際大きい男が、堂々と割って出てきた。歳の頃は、ダンクルベールよりか少し若いくらいだろうか。それでも、およそ普通の生き方をしてきてはいないだろう、厳めしい気を放っている。
「おたくさん。ここには用があってきたのかい?」
「家宅捜索だよ。それで、お前らは窃盗の現行犯かな?」
「この状況ならそうなるよな。よし、わかった。降参だ」
男は、どっかりとその場に座り込んだ。
「随分と物分かりがいいじゃねえか」
「俺はこいつらを死なせるために生かしてきたわけじゃない。この首ひとつでそれが叶うんなら、安いもんだ」
男は首を差し出してきた。それを見て、周りの連中も、次々とそれに倣う。泣きはじめるやつも、何人かいた。
「すまねえ、叔父貴。俺たちが不甲斐ねえばっかりに」
「みっともねえ真似するんじゃあねえ。俺たちゃ悪党だろう。国家憲兵さまを煩わすことないよう、神妙にしろい」
老人が吠えた。礼拝堂すべてを震わせるほどの怒号だった。それを受けて、誰も彼もが、粛々と居住まいを正した。
事情はわからないが、ひとかどの任侠者のようだ。
この辺りで、後続が間に合った。ダンクルベールやアンリも駆け込んできた。
「おお、ダンクルベールまで来やがるとは」
ふたり、顔を合わせた途端、はっとしていた。
「見たことのある顔だ。ジスカールじゃないか。任侠崩れがほんとうに身を持ち崩すとは。いやな時代になったもんだ」
「ほんとうな。食うに困って盗みの真似事だ。下手なもんだから、このとおり、現行犯逮捕だってよ。笑っちまうよな」
「笑えるもんかよ、まったく。馬鹿なことをしてくれた」
ダンクルベールが頭を振りながら吐き捨てた。
「家探しをする。人手が足らんから、手伝ってくれ」
「おいおい、順序ってもんがあるだろう。まずはお白州じゃあねえのかい?」
「俺は老人で、目も耳も、加えて足も悪い」
「そうかい。なら、謹んでお手伝いさせてもらうよ。お前さんがたのお目当てを探せばいいんだな?」
「部下が指示を出す。懐に入る程度のものなら、目を瞑る」
ダンクルベールが瞼を閉じながら細巻を咥えた。その表情から、感情は読めなかった。
だが、その声色には、どこか悲しいものを感じた。
「お前ほどの男を粗末にしたとなれば、向こうに行った時、悪入道の爺にあわせる顔がないからな」
「恩に着る。ほんとうに、すまない」
座り込んだまま、ジスカールと呼ばれた男は、震える声を絞り出した。
ダンクルベールが紙巻をふかしながら、ゴフの方に歩いてくる。次の指示が来るのだろう、居住まいを正した。
「信用していい。あれの親玉はとびきりの悪党だったが、それ以上にとびきりの人物だった。使ってやってくれ」
静かな声で、そう呟いた。
ダンクルベールというひとは、信用する人間の前でしか紙巻を咥えない。風説に過ぎないが、入隊する時から聞いていた。それが正しいのならば、つまりは、そうなのだろう。
昔、相手した悪党の手下。上り詰めた男と、堕ちた男。そして聞いたことのある、悪入道という名前。
ゴフは、それ以上を詮索するのをやめた。全員にとって、昔の話だ。それで済むなら、そのほうがいい。
盗人どもを含め、方々をひっくり返すように指示を出した。怪我をさせたやつは、アンリに押し付けた。足を折ってやったやつの状態を見て、やりすぎです、と大声で叱られた。聖なるアンリエットにしてみれば、警察隊でも盗人でも、生命の値段は同じなのだ。
ひとつ目は、外で見つかった。荷馬車に敷いた藁に、血が混じっていた。まだ、片付けが終わっていなかったのだ。
地下室に続く扉の前で、三人ほどが、すったもんだしている。中に、何かの気配がするらしい。
「鍵じゃない。内側から閂をかけてます。考えやがった」
「おい、オーベリソン」
ゴフは焦ることなく、後ろに控えた巨躯にひと声かけた。
「ご自慢の万能鍵、お見舞いしてやれ」
オーベリソンが、ずいと前に出た。
つま先で二、三、扉を小突いた後、周囲に離れるように促した。そうして、お似合いの長柄斧を振りかぶり、一気にぶっつける。
一発だった。観音扉が、綺麗に割れた。どよめきが上がる。
ダンクルベールと並ぶか、それ以上の図体を誇る、うち一番の力自慢だった。蛮族の名産地たる南蛮北魔の北魔の方。北方の雄、アルケンヤールの戦士の血である。
オーベリソンを先頭に、慎重に、暗闇を照らしていく。思ったより、広い。足音を立てないように、ゆっくりと。
何かの、気配。生き死にはともかく、何かがいる。
オーベリソンの腕を叩き、感じた方に顎を向けた。頷き、ランタンを差し出してきた。受け取る。あと何歩か先に、何かある。
いる。倒れている。
「いたぞ。ひとりだ。雁字搦めになってる」
伝えてから、駆け寄った。
倒れている若い女。目隠しに、猿轡をされて、手足も拘束されていた。ランタンのわずかな光でもわかるぐらい、痩せ細って、渇き切っている。時間をかけて、飢え殺しにかけられたようだった。
もしかしたらもう何人か、拐かしているかもしれない。ダンクルベールの予感が的中したわけだ。
瞼を閉じた。すまねえ、間に合わなかった。心の中で、詫びた。
それでも確認のために、首元に手を添えた。
ふと、感じた。脈がある。動いている。
生きている。
「生きてるぞ。湯を沸かせ。動かすなよ。それとアンリ。聖アンリだ」
思わず、腹から声をぶっ放していた。全員が弾けるように、一斉に動きはじめた。
一分もしないうちに、アンリがすっ飛んできた。女の様子を見て一瞬の動揺を見せるも、すぐにその細くなってしまった体を抱きかかえた。
「飢えて渇いている。湯は今、沸かしている」
「何か食べ物を。もっと言えば、麦か蕎麦。それと毛布とか。とにかくかき集めて。体を温めます。早く」
女の拘束を解きながら、アンリが叫んだ。それに、頷いて答える。
「手が空いてるやつ、台所と寝室を漁れ。めしを持ってるやつは、何でもいい、持ってこい」
すぐに悪党のひとりが、硬くなったパンのかけらを持ってきた。食器や湯も、間に合った。
アンリがそれを、全部まとめて器にぶち込んで、ゆるめの粥状にする。匙で流し込もうとするが、口を動かす力すら残されてないようだ。
見かねたアンリが椀に口をつけて、何度か咀嚼してから、女と唇を重ねた。舌で歯をこじ開けて、口移しで、無理やり流し込んでいく。少しずつ、生命を吹き込んでいく。
「貴女をお星さまになんかさせやしない。生き返らせてみせます。だからどうか、諦めないで」
アンリが力強い声で励ましながら、めしを食わせていく。
少しして、女の頬が、動くようになってきた。ここまでいけば、匙からでも食えそうだ。
後になって、ありったけの毛布やら麦を挽いたものなんかを抱えて入ってきた悪党どもが、その光景を見て、膝をついて祈るように両手を組んだ。誰も彼も、アンリさま、聖アンリさまだと、涙を流しながらこぼしている。
ひとつ、生命の目処がついた。
「八人来る。馬だ。こいつらとは、別の連中だ」
外からルキエの声が上がった。夜だろうが何だろうが、こいつの目はいつだって確かだった。
地下室から這い出すと、ダンクルベールが待っていた。すでに拳銃を握っている。
「女ひとり、飢え死にさせようとしてました。何とか間に合いましたよ。聖アンリさまさまだ」
「よし、なら次は外だ。二虎貪食とは、向こうも頭が回る」
「まあ、俺たちの敵じゃあないっすよ」
舌なめずりして、ゴフは答えた。
考え方としては籠城戦だ。悪党どもは別にして、死にかけの女に割いているのは三人。周囲の警戒に五人やったとしても、銃列を組んで待ち構えるぐらいの余裕はある。
外を見やると、雨が降っていた。小銃と実包を布で包んできて正解だった。
正門で銃列を二枚、組んだ。
夜雨の向こう。馬影はまだ小さい。こちらの銃は騎兵用で、取り回し最優先だ。通常のものより、いくらか射程が短い。
「二列斉射、二回。用意」
合図と共に、前列の銃声が上がった。いくつか、嘶きが上がる。すかさず前後を入れ替えた。
馬は相当鍛えない限り、爆音と閃光で足が止まる。雨であろうが、当たらなかろうが、撃つだけで人を振り落としてくれる。
装填。銃の横についている取手を引き上げると、銃身の根元にある基部が跳ね上がる。そこに、前装式のと同じように、火薬と鉛玉を押し込んだら、上がっている取手ごと平手で押し戻す。仕掛けの都合、撃鉄は既に半分上がっているので、雷管を交換したら、最後まで起こしてやる。
その頃には、二列目の銃声が鳴り止んでいた。
この後装式小銃は、古き良き前装式と比べれば、半分以下の時間で装填が終わる。それでも配備されているのは旧式だった。最新型は、雷管と実包が一緒になった金属式薬莢とかいうのを使うので、もっと早い。とはいえ高級品なので、国家憲兵の、それも警察隊に配備されるのは、ずっと後になるだろう。
歯がゆいが、我慢するしかなかった。
二列、斉射が二回で、影は残らなかった。
代わりに、後ろで音がした。
銃列を崩し、修道院の中に引き戻る。甲高い銃声が連続して響いた。ダンクルベール愛用の、パーカッション・リボルバーの音だ。
広間に辿り着く頃には、あらかた片付いていた。乗り込んできたのは六人ぐらいで、残していた五人とジスカール、それにダンクルベールだけで対処できていた。
まだひとりだけ、元気なのがいて、ちょうどダンクルベールと正対するかたちになっている。向こうは右肩を撃ち抜かれたのか、震える左手で、細剣を突き出していた。
「神妙にすればそれでよし。そうでないなら」
六発全部、打ち切ったのだろう。ダンクルベールは言いながら、拳銃を胸元にしまい込んだ。
「ここで屍を晒すことになるぞ」
左手にあった杖を右手に持ち替え、正眼に構えた。やり合うつもりか。
「図に乗るなよ、油合羽。お前ひとり、やっつけちまえば」
「できると思うなら、やってみろよ」
一喝の後、ダンクルベールが周囲を見渡した。割って入ってくれるなよ、という目だった。
男が吠えた。真っ正面。圧の強い、突き。火花が散った。
細剣が、ひん曲がっていた。
間を置かず、ダンクルベールの杖が、男のこめかみにぶち当たった。人間の体が、ごろごろと音を立てて転がっていった。
「また別の連中が来るかもしれん。息のあるやつは一箇所にまとめておきなさい。後で診る」
ダンクルベールが、ひと心地入れてから、声を上げた。
六十手前で、片足が悪くたって、これほどである。杖術というより、杖を使った喧嘩術だ。よほど腕前に自信があったところで、一度でも打ち合えば、まず剣の方が持たない。あの特注の、鉄芯入りの杖で、容易くへし折られる。あれを頭に喰らったらどうなるかなんて、考えたくもない。
二階に上がっていたペルグランが、急足で降りてきた。
「盛りだくさんです。日誌、望遠鏡、現代天文学の学術書」
「兄さん。額縁に入った絵とかなんか、あったか?」
ジスカールが、つとめて落ち着いた口調で、ペルグランに問いかけた。おそらくは、そもそものお目当てである。
「抱えても余るほどに。絵画に貴金属。帳簿と照らし合わせましたが、ここ数日で揃えています。ですが」
ペルグランは、一瞬の逡巡を見せた後、ゆっくりと答えた。声には、迷いが多分に含まれていた。
「おそらくはすべて、贋作です。絵画は特に、私でも知っているほどの画家のものですが、帳簿につけられた金額とはどうしても釣り合いません。宝石類も、あるいは」
本人はおそらく、言っていることの意味を理解できているはずだ。ゴフとしても、予感以上の妙策である。
「撒き餌、か」
当のジスカールといえば、顔を両手で覆い、かがみ込んでしまった。大きな体が小さくなってしまっている。
「お前たち以外にも、方々に言いふらしているだろうな。盗人連中呼び込んで、証拠と一緒に荒らしてもらおうっていう寸法だったんだろう。間に合ってよかった」
ダンクルベールが、紙巻を取り出して、火をつけた。
「よかったな。おかげで俺は、馬鹿を見る羽目になった」
小さくなったジスカールの体が、震えていた。
「悪党が泣くんじゃない。泥啜ってでも、子分どもを食わせたかったんだろう?見てるぞ、立て。しっかりしろ」
「悔しい。悔しいよう、ダンクルベール。俺は、あの人の残したもんをよう」
「しっかり守り続けているじゃないか、ジスカール。悪いようにはしないよう、上には掛け合う。だから裁きが終わるまで、首括ったり、舌噛んだりするんじゃないぞ。いいな?」
その声は、つとめて気丈に振る舞っているように聞こえた。ダンクルベールはジスカールの背中を叩きながら、悪党どもに目配せした。
そうやって、子分たちに支えられながら立ち上がったジスカールの顔は、ぐしゃぐしゃに濡れていた。
「ありがてえ。そして、面目ねえ。警察隊本部長官さま」
咽び泣きながら、ジスカールは深々と頭を下げた。
三人つけて、先に帰らせた。その様子を見ながら、ダンクルベールは肩を震わせて、それでも堂々としていた。
火のついた紙巻を、握り潰しながら。
「撤収する。いつ次が来るかわからん。騎馬はウトマンと合流だ。俺の馬車には、被害者とアンリエットを」
「長官、これを」
オーベリソンが大きな声を出して駆け寄ってきた。持ってたのは、綺麗な封筒に入った便箋だった。
それを受け取り、読みはじめたダンクルベールの顔が、みるみる赤くなり、怒りに歪んでいった。
「くそったれ」
怒号。手にしていたそれを投げ捨てて、さっさと馬車に乗り込んでしまった。オーベリソンも、盛大なため息をついて、捨てられたそれを拾い上げた。
目で、渡すように促した。受け取る。
おそらくは女の字だろう。土と雨で汚れてはいるが、綺麗な字で、ただ一文だけ綴られていた。
バレてる。
(つづく)
修道院への道は舗装されているので、馬の足を心配する必要はない。これが未舗装路だったら、ぬかるんで速度は出せなくなる。
ゴフは馬の扱いに自信がある方ではないので、正直、ほっとしていた。走る、止まるぐらいならともかく、士官学校でやるような、飛んだり跳ねたりが必要な道だったら、目も当てられない。
先に駆けていたはずのルキエが、速度を落として並んだ。
「先に、何かいる。十人ぐらいだ」
女だてらに肝が据わっていて、何より目が効く。斥候や見張りによく使っていた。
「盗人だよ。それも生粋の」
「殺しなし、火付けなしのやつか。今時、いるもんだな」
なぜ今、修道院を狙う必要があるのか。
もとより清廉篤実で知られた、もと南部司教さまである。そんな人の、あばら家から立て直したような修道院に、盗人が狙いたがるものなんてないはずだ。
考え方を変えれば、狙わせたのかもしれない。
予め、高価な何かしらを修道院に入れておいて、情報を流す。金に困った盗人だとか、ヴァーヌ聖教によからぬ印象を抱いているやつらに襲わせて、都合の悪いものと一緒に盗んでもらったり、あるいは燃やしてもらえれば、重畳至極。
へえ。頭のいいやつの考えることは、回りくどいな。
「当初の予定通りで行く」
とはいえ、やることは変わらない。強行偵察だ。
「そうかい。じゃあ、あたしは後ろに付いとくよ」
ルキエが、さらに速度を落として殿についた。
すぐに建物が見えてきた。まずはふたり、見張りだろう。
ゴフの得物は戦鎚だった。柄はそれほど長くなく、馬上でも扱える程度の、下腕ほどの長さだ。時代遅れだが、何かと融通が効く。なにより実家が大工なもので、とんかちの扱いは身に染み付いていた。
馬から飛び降りながら、一気に襲い掛かった。反応しきれない様子で、どてっ腹に槌頭がめりこんだ。もうひとり、ようやく腰にぶら下げた剣に手をかけた。その手に、戦鎚を振り下ろす。悲鳴が上がった。
あくまで強行偵察だ。殺しはしない。だが、死ぬ思いぐらいはしてもらおう。
真正面から侵入すると、十人ぐらいが礼拝堂にいた。向こうも今しがた到着したと見えて、こちらの着ているものを見て、全員、ぎょっとした表情をみせた。
「よお。ご存知、“錠前屋”のお出ましだ。邪魔するんなら、こじ開けるぜ?」
決め台詞。喧嘩には、こういうものも必要だ。
雄叫び。三人、一気に飛びかかってくる。
先頭のやつの顔面に、軍靴をお見舞いしてやった。左から、鉈。戦鎚の柄で受け止めて、金的に蹴りをかます。そこまでで、最後のひとりの腰が引けた。
おいおい。びびったら、負けだぜ。
膝に、思いっきり戦鎚をかましてやった。曲がってはいけない方向に曲がった膝を抱えながら、泣き叫んでいる。
喧嘩の鉄則は、早めに派手なことをすることだ。場の空気を、自分の方に引き込む。それで、大人数相手でも勝てる。
「国家憲兵隊。それも、警察隊か」
じりじりと後退りする賊どもの中から、一際大きい男が、堂々と割って出てきた。歳の頃は、ダンクルベールよりか少し若いくらいだろうか。それでも、およそ普通の生き方をしてきてはいないだろう、厳めしい気を放っている。
「おたくさん。ここには用があってきたのかい?」
「家宅捜索だよ。それで、お前らは窃盗の現行犯かな?」
「この状況ならそうなるよな。よし、わかった。降参だ」
男は、どっかりとその場に座り込んだ。
「随分と物分かりがいいじゃねえか」
「俺はこいつらを死なせるために生かしてきたわけじゃない。この首ひとつでそれが叶うんなら、安いもんだ」
男は首を差し出してきた。それを見て、周りの連中も、次々とそれに倣う。泣きはじめるやつも、何人かいた。
「すまねえ、叔父貴。俺たちが不甲斐ねえばっかりに」
「みっともねえ真似するんじゃあねえ。俺たちゃ悪党だろう。国家憲兵さまを煩わすことないよう、神妙にしろい」
老人が吠えた。礼拝堂すべてを震わせるほどの怒号だった。それを受けて、誰も彼もが、粛々と居住まいを正した。
事情はわからないが、ひとかどの任侠者のようだ。
この辺りで、後続が間に合った。ダンクルベールやアンリも駆け込んできた。
「おお、ダンクルベールまで来やがるとは」
ふたり、顔を合わせた途端、はっとしていた。
「見たことのある顔だ。ジスカールじゃないか。任侠崩れがほんとうに身を持ち崩すとは。いやな時代になったもんだ」
「ほんとうな。食うに困って盗みの真似事だ。下手なもんだから、このとおり、現行犯逮捕だってよ。笑っちまうよな」
「笑えるもんかよ、まったく。馬鹿なことをしてくれた」
ダンクルベールが頭を振りながら吐き捨てた。
「家探しをする。人手が足らんから、手伝ってくれ」
「おいおい、順序ってもんがあるだろう。まずはお白州じゃあねえのかい?」
「俺は老人で、目も耳も、加えて足も悪い」
「そうかい。なら、謹んでお手伝いさせてもらうよ。お前さんがたのお目当てを探せばいいんだな?」
「部下が指示を出す。懐に入る程度のものなら、目を瞑る」
ダンクルベールが瞼を閉じながら細巻を咥えた。その表情から、感情は読めなかった。
だが、その声色には、どこか悲しいものを感じた。
「お前ほどの男を粗末にしたとなれば、向こうに行った時、悪入道の爺にあわせる顔がないからな」
「恩に着る。ほんとうに、すまない」
座り込んだまま、ジスカールと呼ばれた男は、震える声を絞り出した。
ダンクルベールが紙巻をふかしながら、ゴフの方に歩いてくる。次の指示が来るのだろう、居住まいを正した。
「信用していい。あれの親玉はとびきりの悪党だったが、それ以上にとびきりの人物だった。使ってやってくれ」
静かな声で、そう呟いた。
ダンクルベールというひとは、信用する人間の前でしか紙巻を咥えない。風説に過ぎないが、入隊する時から聞いていた。それが正しいのならば、つまりは、そうなのだろう。
昔、相手した悪党の手下。上り詰めた男と、堕ちた男。そして聞いたことのある、悪入道という名前。
ゴフは、それ以上を詮索するのをやめた。全員にとって、昔の話だ。それで済むなら、そのほうがいい。
盗人どもを含め、方々をひっくり返すように指示を出した。怪我をさせたやつは、アンリに押し付けた。足を折ってやったやつの状態を見て、やりすぎです、と大声で叱られた。聖なるアンリエットにしてみれば、警察隊でも盗人でも、生命の値段は同じなのだ。
ひとつ目は、外で見つかった。荷馬車に敷いた藁に、血が混じっていた。まだ、片付けが終わっていなかったのだ。
地下室に続く扉の前で、三人ほどが、すったもんだしている。中に、何かの気配がするらしい。
「鍵じゃない。内側から閂をかけてます。考えやがった」
「おい、オーベリソン」
ゴフは焦ることなく、後ろに控えた巨躯にひと声かけた。
「ご自慢の万能鍵、お見舞いしてやれ」
オーベリソンが、ずいと前に出た。
つま先で二、三、扉を小突いた後、周囲に離れるように促した。そうして、お似合いの長柄斧を振りかぶり、一気にぶっつける。
一発だった。観音扉が、綺麗に割れた。どよめきが上がる。
ダンクルベールと並ぶか、それ以上の図体を誇る、うち一番の力自慢だった。蛮族の名産地たる南蛮北魔の北魔の方。北方の雄、アルケンヤールの戦士の血である。
オーベリソンを先頭に、慎重に、暗闇を照らしていく。思ったより、広い。足音を立てないように、ゆっくりと。
何かの、気配。生き死にはともかく、何かがいる。
オーベリソンの腕を叩き、感じた方に顎を向けた。頷き、ランタンを差し出してきた。受け取る。あと何歩か先に、何かある。
いる。倒れている。
「いたぞ。ひとりだ。雁字搦めになってる」
伝えてから、駆け寄った。
倒れている若い女。目隠しに、猿轡をされて、手足も拘束されていた。ランタンのわずかな光でもわかるぐらい、痩せ細って、渇き切っている。時間をかけて、飢え殺しにかけられたようだった。
もしかしたらもう何人か、拐かしているかもしれない。ダンクルベールの予感が的中したわけだ。
瞼を閉じた。すまねえ、間に合わなかった。心の中で、詫びた。
それでも確認のために、首元に手を添えた。
ふと、感じた。脈がある。動いている。
生きている。
「生きてるぞ。湯を沸かせ。動かすなよ。それとアンリ。聖アンリだ」
思わず、腹から声をぶっ放していた。全員が弾けるように、一斉に動きはじめた。
一分もしないうちに、アンリがすっ飛んできた。女の様子を見て一瞬の動揺を見せるも、すぐにその細くなってしまった体を抱きかかえた。
「飢えて渇いている。湯は今、沸かしている」
「何か食べ物を。もっと言えば、麦か蕎麦。それと毛布とか。とにかくかき集めて。体を温めます。早く」
女の拘束を解きながら、アンリが叫んだ。それに、頷いて答える。
「手が空いてるやつ、台所と寝室を漁れ。めしを持ってるやつは、何でもいい、持ってこい」
すぐに悪党のひとりが、硬くなったパンのかけらを持ってきた。食器や湯も、間に合った。
アンリがそれを、全部まとめて器にぶち込んで、ゆるめの粥状にする。匙で流し込もうとするが、口を動かす力すら残されてないようだ。
見かねたアンリが椀に口をつけて、何度か咀嚼してから、女と唇を重ねた。舌で歯をこじ開けて、口移しで、無理やり流し込んでいく。少しずつ、生命を吹き込んでいく。
「貴女をお星さまになんかさせやしない。生き返らせてみせます。だからどうか、諦めないで」
アンリが力強い声で励ましながら、めしを食わせていく。
少しして、女の頬が、動くようになってきた。ここまでいけば、匙からでも食えそうだ。
後になって、ありったけの毛布やら麦を挽いたものなんかを抱えて入ってきた悪党どもが、その光景を見て、膝をついて祈るように両手を組んだ。誰も彼も、アンリさま、聖アンリさまだと、涙を流しながらこぼしている。
ひとつ、生命の目処がついた。
「八人来る。馬だ。こいつらとは、別の連中だ」
外からルキエの声が上がった。夜だろうが何だろうが、こいつの目はいつだって確かだった。
地下室から這い出すと、ダンクルベールが待っていた。すでに拳銃を握っている。
「女ひとり、飢え死にさせようとしてました。何とか間に合いましたよ。聖アンリさまさまだ」
「よし、なら次は外だ。二虎貪食とは、向こうも頭が回る」
「まあ、俺たちの敵じゃあないっすよ」
舌なめずりして、ゴフは答えた。
考え方としては籠城戦だ。悪党どもは別にして、死にかけの女に割いているのは三人。周囲の警戒に五人やったとしても、銃列を組んで待ち構えるぐらいの余裕はある。
外を見やると、雨が降っていた。小銃と実包を布で包んできて正解だった。
正門で銃列を二枚、組んだ。
夜雨の向こう。馬影はまだ小さい。こちらの銃は騎兵用で、取り回し最優先だ。通常のものより、いくらか射程が短い。
「二列斉射、二回。用意」
合図と共に、前列の銃声が上がった。いくつか、嘶きが上がる。すかさず前後を入れ替えた。
馬は相当鍛えない限り、爆音と閃光で足が止まる。雨であろうが、当たらなかろうが、撃つだけで人を振り落としてくれる。
装填。銃の横についている取手を引き上げると、銃身の根元にある基部が跳ね上がる。そこに、前装式のと同じように、火薬と鉛玉を押し込んだら、上がっている取手ごと平手で押し戻す。仕掛けの都合、撃鉄は既に半分上がっているので、雷管を交換したら、最後まで起こしてやる。
その頃には、二列目の銃声が鳴り止んでいた。
この後装式小銃は、古き良き前装式と比べれば、半分以下の時間で装填が終わる。それでも配備されているのは旧式だった。最新型は、雷管と実包が一緒になった金属式薬莢とかいうのを使うので、もっと早い。とはいえ高級品なので、国家憲兵の、それも警察隊に配備されるのは、ずっと後になるだろう。
歯がゆいが、我慢するしかなかった。
二列、斉射が二回で、影は残らなかった。
代わりに、後ろで音がした。
銃列を崩し、修道院の中に引き戻る。甲高い銃声が連続して響いた。ダンクルベール愛用の、パーカッション・リボルバーの音だ。
広間に辿り着く頃には、あらかた片付いていた。乗り込んできたのは六人ぐらいで、残していた五人とジスカール、それにダンクルベールだけで対処できていた。
まだひとりだけ、元気なのがいて、ちょうどダンクルベールと正対するかたちになっている。向こうは右肩を撃ち抜かれたのか、震える左手で、細剣を突き出していた。
「神妙にすればそれでよし。そうでないなら」
六発全部、打ち切ったのだろう。ダンクルベールは言いながら、拳銃を胸元にしまい込んだ。
「ここで屍を晒すことになるぞ」
左手にあった杖を右手に持ち替え、正眼に構えた。やり合うつもりか。
「図に乗るなよ、油合羽。お前ひとり、やっつけちまえば」
「できると思うなら、やってみろよ」
一喝の後、ダンクルベールが周囲を見渡した。割って入ってくれるなよ、という目だった。
男が吠えた。真っ正面。圧の強い、突き。火花が散った。
細剣が、ひん曲がっていた。
間を置かず、ダンクルベールの杖が、男のこめかみにぶち当たった。人間の体が、ごろごろと音を立てて転がっていった。
「また別の連中が来るかもしれん。息のあるやつは一箇所にまとめておきなさい。後で診る」
ダンクルベールが、ひと心地入れてから、声を上げた。
六十手前で、片足が悪くたって、これほどである。杖術というより、杖を使った喧嘩術だ。よほど腕前に自信があったところで、一度でも打ち合えば、まず剣の方が持たない。あの特注の、鉄芯入りの杖で、容易くへし折られる。あれを頭に喰らったらどうなるかなんて、考えたくもない。
二階に上がっていたペルグランが、急足で降りてきた。
「盛りだくさんです。日誌、望遠鏡、現代天文学の学術書」
「兄さん。額縁に入った絵とかなんか、あったか?」
ジスカールが、つとめて落ち着いた口調で、ペルグランに問いかけた。おそらくは、そもそものお目当てである。
「抱えても余るほどに。絵画に貴金属。帳簿と照らし合わせましたが、ここ数日で揃えています。ですが」
ペルグランは、一瞬の逡巡を見せた後、ゆっくりと答えた。声には、迷いが多分に含まれていた。
「おそらくはすべて、贋作です。絵画は特に、私でも知っているほどの画家のものですが、帳簿につけられた金額とはどうしても釣り合いません。宝石類も、あるいは」
本人はおそらく、言っていることの意味を理解できているはずだ。ゴフとしても、予感以上の妙策である。
「撒き餌、か」
当のジスカールといえば、顔を両手で覆い、かがみ込んでしまった。大きな体が小さくなってしまっている。
「お前たち以外にも、方々に言いふらしているだろうな。盗人連中呼び込んで、証拠と一緒に荒らしてもらおうっていう寸法だったんだろう。間に合ってよかった」
ダンクルベールが、紙巻を取り出して、火をつけた。
「よかったな。おかげで俺は、馬鹿を見る羽目になった」
小さくなったジスカールの体が、震えていた。
「悪党が泣くんじゃない。泥啜ってでも、子分どもを食わせたかったんだろう?見てるぞ、立て。しっかりしろ」
「悔しい。悔しいよう、ダンクルベール。俺は、あの人の残したもんをよう」
「しっかり守り続けているじゃないか、ジスカール。悪いようにはしないよう、上には掛け合う。だから裁きが終わるまで、首括ったり、舌噛んだりするんじゃないぞ。いいな?」
その声は、つとめて気丈に振る舞っているように聞こえた。ダンクルベールはジスカールの背中を叩きながら、悪党どもに目配せした。
そうやって、子分たちに支えられながら立ち上がったジスカールの顔は、ぐしゃぐしゃに濡れていた。
「ありがてえ。そして、面目ねえ。警察隊本部長官さま」
咽び泣きながら、ジスカールは深々と頭を下げた。
三人つけて、先に帰らせた。その様子を見ながら、ダンクルベールは肩を震わせて、それでも堂々としていた。
火のついた紙巻を、握り潰しながら。
「撤収する。いつ次が来るかわからん。騎馬はウトマンと合流だ。俺の馬車には、被害者とアンリエットを」
「長官、これを」
オーベリソンが大きな声を出して駆け寄ってきた。持ってたのは、綺麗な封筒に入った便箋だった。
それを受け取り、読みはじめたダンクルベールの顔が、みるみる赤くなり、怒りに歪んでいった。
「くそったれ」
怒号。手にしていたそれを投げ捨てて、さっさと馬車に乗り込んでしまった。オーベリソンも、盛大なため息をついて、捨てられたそれを拾い上げた。
目で、渡すように促した。受け取る。
おそらくは女の字だろう。土と雨で汚れてはいるが、綺麗な字で、ただ一文だけ綴られていた。
バレてる。
(つづく)
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