58 / 61
【第九話】
★Lovely darling.IV
しおりを挟む
「お願い。剛。僕を、抱いて」
もう十分すぎる程にナカを拡げたタイミングで、咲は手をほどき、ぎゅうっと俺を抱き寄せながらそう言う。
「俺も、もう早く咲と一つになりたい。ここにあるゴム、使っていいか?」
すると咲はぐっと押し黙った。
どうしたんだろう、と顔をぐっと近づけると、耳を澄まさなければ聞こえないほどの小さな声で、こう言った。
「……君さえ良ければ、今日はゴム、つけないで」
「えっ」
俺は思わずフリーズする。
生でってことだよな? でも今までは絶対にゴムを付けてたから、そんなゴムなしでなんて、良いのか?
そんな俺を見て、咲は申し訳なさそうに視線を逸らした。
違う、怒ってるわけじゃないんだってことを伝えたくて、咲の顔をこっちに向かせるけれど、彼は一向にこっちを見ない。
「ごめん。剛の事を困らせる事を言ってしまったね。今のは気にしないで」
「いや、良いんだけど……その、身体とか、辛くないのか? 無理してない?」
「無理はしてないよ。ただ、今日は剛のこと、そのまま感じたくて。勿論君が嫌なら忘れてくれて構わない」
「嫌じゃない! ただ、びっくりしただけだ。俺も、咲の事、直接感じてみたい。だから、咲さえ良ければ、このまま繋がっても、良いか?」
「僕から言い出したことだよ。断るわけない。ありのままの君が欲しいんだ」
「それなら、よろしくお願いします」
「あはは。うん、お願いします」
そう言って俺たちは顔を見合わせて笑った。
ヤバい、メッチャ緊張する。本当に良いのか? なんて思うけれど、咲が勇気をもって言い出してくれたことだ。それを無下にするなんて、男が廃る。
それに、正直興味がないわけじゃなかった。身体を壊してしまったり傷つけてしまうんじゃないかって心配はあるけど、それも含めて受け入れてくれるって、すごい愛情だよな。
もう既に俺自身は腹に性器がくっつきそうなほどに張り詰めていた。
だから、ローションで数度自分のそれをしごくと、すぐにつながる準備は出来る。
「咲……挿れて、いいか?」
「うん。君を、まるごとちょうだい?」
一呼吸おいて、俺は彼に覆いかぶさって、自分の昂ぶりの根元を掴み、先端を咲の入口へと押しやった。
そのまま腰に力を入れれば、ぎゅうっと吸い込まれる。
「――ッ、なんだ、これ……」
「ンンッ! ァっ、剛の、あっつい……!」
初めてコンドームなしで咲のナカに自身を埋めたけれど、ヤバい。ゴムがあるのとないのとじゃ、雲泥の差がある。
熱くぬるつく咲の襞は、ひとつひとつ俺に絡みついてきて、気持ち良さが段違いだ。
直接咲が絡みついてくるみたいで、これは、ヤバい。
ずぷぷ、と最奥まで腰を進めると、呼応するようにギュウっと中が引き締まる。
「アァっ、ごう、君の、すごいッ……! ンんぁっ!」
「やっばい、咲、俺、気持ち良すぎて、溶けそう」
「ンンゥ~~ッ! ァっ、もっと、はッ……いっぱい、擦って……ッ。やあぁっ!」
「うん。俺も、沢山、咲のナカを堪能させて」
ぐぐぐっと腰を引き抜き、ばちゅん、と一気に奥まで突く。粘液と粘液が直接絡みつくから、普段よりも一層結合音が響いている。
身体まるごとを咲に吸い尽くされる感じ。心も、身体も。全部が全部咲でいっぱいになって、もう二度と離れられないような気さえしてくる。
「咲、気持ちいい?」
「ンぁッ! はぁッ、うんッ……! やぁっ、アッ、きもち、ンンゥッ! いい、よッ……!」
「良かった。俺も、スッゲー気持ち良い」
「あぁッ! それッ、直接、来てる、からッ……あっつくて、おっきくて、おかしくなりそッ……ンンァァっ!」
「そうやって煽るの、ンッ、反則、ァっ、だって……ッ!」
まるでずぶずぶと沼の中へ落ちていってるみたいだ。
彼へ打ち付ける腰が止まらない。けれど、奥を突くだけより、手前を押し上げた方がもっと気持ち良いはずだ。
だから俺はわざと浅いところにある前立腺をめがけて、彼を突き上げた。
「ひゃぁッ! アッ! そこ、あぁアッ! だめッ! へんッ……に、なるッ! か、あぁッ! らッ!」
「そうだよな。ふッ……こっちも、欲しい、よな?」
「アあっ! やッ、だ、めッ……だってッ……!」
「本当に? ダメか?」
「……君は、意地が悪いッ、ンンッ!? アッ、はっ、あぁッ~~~~ッ!」
「咲は欲張りだから、どっちも欲しいもんな」
ヤバい、ゴムを付けてた時だっておかしくなるくらい気持ちが良かったのに、なんだこれ。
気を抜いてたら、意識ごと持っていかれそうだ。
これもゴムがないからなのか。それとも恋人同士になって初めてのセックスだからなのか。
きっとどっちもなんだろう。
俺はいつから、こんなにも仲間咲という人物に狂わされていたのか。
ずりゅずりゅと自らを引き抜けば、まだ抜いて欲しくないと言わんばかりに咲はぎゅうっと俺の事を捉えて離さなかった。
そのことを恥ずかしそうにしている咲を見るだけで、眩暈が起きてしまいそうだ。
部屋はまだ冬の残り香でどこかひんやりしているのに、熱く繋がり合う俺たちに季節は関係ないようだった。
もう十分すぎる程にナカを拡げたタイミングで、咲は手をほどき、ぎゅうっと俺を抱き寄せながらそう言う。
「俺も、もう早く咲と一つになりたい。ここにあるゴム、使っていいか?」
すると咲はぐっと押し黙った。
どうしたんだろう、と顔をぐっと近づけると、耳を澄まさなければ聞こえないほどの小さな声で、こう言った。
「……君さえ良ければ、今日はゴム、つけないで」
「えっ」
俺は思わずフリーズする。
生でってことだよな? でも今までは絶対にゴムを付けてたから、そんなゴムなしでなんて、良いのか?
そんな俺を見て、咲は申し訳なさそうに視線を逸らした。
違う、怒ってるわけじゃないんだってことを伝えたくて、咲の顔をこっちに向かせるけれど、彼は一向にこっちを見ない。
「ごめん。剛の事を困らせる事を言ってしまったね。今のは気にしないで」
「いや、良いんだけど……その、身体とか、辛くないのか? 無理してない?」
「無理はしてないよ。ただ、今日は剛のこと、そのまま感じたくて。勿論君が嫌なら忘れてくれて構わない」
「嫌じゃない! ただ、びっくりしただけだ。俺も、咲の事、直接感じてみたい。だから、咲さえ良ければ、このまま繋がっても、良いか?」
「僕から言い出したことだよ。断るわけない。ありのままの君が欲しいんだ」
「それなら、よろしくお願いします」
「あはは。うん、お願いします」
そう言って俺たちは顔を見合わせて笑った。
ヤバい、メッチャ緊張する。本当に良いのか? なんて思うけれど、咲が勇気をもって言い出してくれたことだ。それを無下にするなんて、男が廃る。
それに、正直興味がないわけじゃなかった。身体を壊してしまったり傷つけてしまうんじゃないかって心配はあるけど、それも含めて受け入れてくれるって、すごい愛情だよな。
もう既に俺自身は腹に性器がくっつきそうなほどに張り詰めていた。
だから、ローションで数度自分のそれをしごくと、すぐにつながる準備は出来る。
「咲……挿れて、いいか?」
「うん。君を、まるごとちょうだい?」
一呼吸おいて、俺は彼に覆いかぶさって、自分の昂ぶりの根元を掴み、先端を咲の入口へと押しやった。
そのまま腰に力を入れれば、ぎゅうっと吸い込まれる。
「――ッ、なんだ、これ……」
「ンンッ! ァっ、剛の、あっつい……!」
初めてコンドームなしで咲のナカに自身を埋めたけれど、ヤバい。ゴムがあるのとないのとじゃ、雲泥の差がある。
熱くぬるつく咲の襞は、ひとつひとつ俺に絡みついてきて、気持ち良さが段違いだ。
直接咲が絡みついてくるみたいで、これは、ヤバい。
ずぷぷ、と最奥まで腰を進めると、呼応するようにギュウっと中が引き締まる。
「アァっ、ごう、君の、すごいッ……! ンんぁっ!」
「やっばい、咲、俺、気持ち良すぎて、溶けそう」
「ンンゥ~~ッ! ァっ、もっと、はッ……いっぱい、擦って……ッ。やあぁっ!」
「うん。俺も、沢山、咲のナカを堪能させて」
ぐぐぐっと腰を引き抜き、ばちゅん、と一気に奥まで突く。粘液と粘液が直接絡みつくから、普段よりも一層結合音が響いている。
身体まるごとを咲に吸い尽くされる感じ。心も、身体も。全部が全部咲でいっぱいになって、もう二度と離れられないような気さえしてくる。
「咲、気持ちいい?」
「ンぁッ! はぁッ、うんッ……! やぁっ、アッ、きもち、ンンゥッ! いい、よッ……!」
「良かった。俺も、スッゲー気持ち良い」
「あぁッ! それッ、直接、来てる、からッ……あっつくて、おっきくて、おかしくなりそッ……ンンァァっ!」
「そうやって煽るの、ンッ、反則、ァっ、だって……ッ!」
まるでずぶずぶと沼の中へ落ちていってるみたいだ。
彼へ打ち付ける腰が止まらない。けれど、奥を突くだけより、手前を押し上げた方がもっと気持ち良いはずだ。
だから俺はわざと浅いところにある前立腺をめがけて、彼を突き上げた。
「ひゃぁッ! アッ! そこ、あぁアッ! だめッ! へんッ……に、なるッ! か、あぁッ! らッ!」
「そうだよな。ふッ……こっちも、欲しい、よな?」
「アあっ! やッ、だ、めッ……だってッ……!」
「本当に? ダメか?」
「……君は、意地が悪いッ、ンンッ!? アッ、はっ、あぁッ~~~~ッ!」
「咲は欲張りだから、どっちも欲しいもんな」
ヤバい、ゴムを付けてた時だっておかしくなるくらい気持ちが良かったのに、なんだこれ。
気を抜いてたら、意識ごと持っていかれそうだ。
これもゴムがないからなのか。それとも恋人同士になって初めてのセックスだからなのか。
きっとどっちもなんだろう。
俺はいつから、こんなにも仲間咲という人物に狂わされていたのか。
ずりゅずりゅと自らを引き抜けば、まだ抜いて欲しくないと言わんばかりに咲はぎゅうっと俺の事を捉えて離さなかった。
そのことを恥ずかしそうにしている咲を見るだけで、眩暈が起きてしまいそうだ。
部屋はまだ冬の残り香でどこかひんやりしているのに、熱く繋がり合う俺たちに季節は関係ないようだった。
0
あなたにおすすめの小説
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―
無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」
卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。
一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。
選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。
本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。
愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。
※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。
※本作は織理受けのハーレム形式です。
※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
完結|好きから一番遠いはずだった
七角@書籍化進行中!
BL
大学生の石田陽は、石ころみたいな自分に自信がない。酒の力を借りて恋愛のきっかけをつかもうと意気込む。
しかしサークル歴代最高イケメン・星川叶斗が邪魔してくる。恋愛なんて簡単そうなこの後輩、ずるいし、好きじゃない。
なのにあれこれ世話を焼かれる。いや利用されてるだけだ。恋愛相手として最も遠い後輩に、勘違いしない。
…はずだった。
悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第3巻 - 甘美な檻と蹂躙の獣
大の字だい
BL
失われかけた家名を再び背負い、王都に戻った参謀レイモンド。
軍務と政務に才知を振るう彼の傍らで、二人の騎士――冷徹な支配で従わせようとする副団長ヴィンセントと、嗜虐的な激情で乱そうとする隊長アルベリック――は、互いに牙を剥きながら彼を奪い合う。
支配か、激情か。安堵と愉悦の狭間で揺らぐ心と身体は、熱に縛られ、疼きに飲まれていく。
恋か、依存か、それとも破滅か――。
三者の欲望が交錯する先に、レイモンドが見出すものとは。
第3幕。
それぞれが、それぞれに。
【完結】君を上手に振る方法
社菘
BL
「んー、じゃあ俺と付き合う?」
「………はいっ?」
ひょんなことから、入学して早々距離感バグな見知らぬ先輩にそう言われた。
スクールカーストの上位というより、もはや王座にいるような学園のアイドルは『告白を断る理由が面倒だから、付き合っている人がほしい』のだそう。
お互いに利害が一致していたので、付き合ってみたのだが――
「……だめだ。僕、先輩のことを本気で……」
偽物の恋人から始まった不思議な関係。
デートはしたことないのに、キスだけが上手くなる。
この関係って、一体なに?
「……宇佐美くん。俺のこと、上手に振ってね」
年下うさぎ顔純粋男子(高1)×精神的優位美人男子(高3)の甘酸っぱくじれったい、少しだけ切ない恋の話。
✧毎日2回更新中!ボーナスタイムに更新予定✧
✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧
俺にだけ厳しい幼馴染とストーカー事件を調査した結果、結果、とんでもない事実が判明した
あと
BL
「また物が置かれてる!」
最近ポストやバイト先に物が贈られるなどストーカー行為に悩まされている主人公。物理的被害はないため、警察は動かないだろうから、自分にだけ厳しいチャラ男幼馴染を味方につけ、自分たちだけで調査することに。なんとかストーカーを捕まえるが、違和感は残り、物語は意外な方向に…?
⚠️ヤンデレ、ストーカー要素が含まれています。
攻めが重度のヤンデレです。自衛してください。
ちょっと怖い場面が含まれています。
ミステリー要素があります。
一応ハピエンです。
主人公:七瀬明
幼馴染:月城颯
ストーカー:不明
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
内容も時々サイレント修正するかもです。
定期的にタグ整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
人気アイドルグループのリーダーは、気苦労が絶えない
タタミ
BL
大人気5人組アイドルグループ・JETのリーダーである矢代頼は、気苦労が絶えない。
対メンバー、対事務所、対仕事の全てにおいて潤滑剤役を果たす日々を送る最中、矢代は人気2トップの御厨と立花が『仲が良い』では片付けられない距離感になっていることが気にかかり──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる