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虹雲の群れを見た時、僕にはそれが、人魚の群れに見えていた。
羊雲の連なりに重なった人魚たちは虹色に輝き、それはほんの一時だったけれど、僕が全てを思い出すには十分な光景だった。
こんな事、気が付くべきじゃなかった。
どうしたら避けられた?
そんなことをいくら考えてみても、僕にその答えは出せなかった。
廻る思考は次第に沈んでゆき、触れたくない場所へと辿り着いてしまう。
虹雲の群れは、幸運の象徴じゃなかったのかもしれない。
そんな疑いに嫌悪感を抱く。
だって、それを追いかけていた時の記憶は、僕が全てを思い出した今でも、その中で一番愛おしくて、何にも変えられない大切なものだったから。
シンと離れ離れになった頃にはもう、その予兆は訪れていた。
はじめは夢見がちな僕の幻想だと思っていた。中学入学を機にシンと会えなくなった後、心の底から笑えなくなっている事に自分でも気が付いていた。だから、繰り返される夢も、ふと思い出すような記憶も、ストレスを感じた僕が創り出している幻なのだろうと結論付けていた。
それが幻想ではない確証は今でもない。だからこれは、全て僕がみた夢で、夢のまま醒めないでいて欲しかった。
羊雲の連なりに重なった人魚たちは虹色に輝き、それはほんの一時だったけれど、僕が全てを思い出すには十分な光景だった。
こんな事、気が付くべきじゃなかった。
どうしたら避けられた?
そんなことをいくら考えてみても、僕にその答えは出せなかった。
廻る思考は次第に沈んでゆき、触れたくない場所へと辿り着いてしまう。
虹雲の群れは、幸運の象徴じゃなかったのかもしれない。
そんな疑いに嫌悪感を抱く。
だって、それを追いかけていた時の記憶は、僕が全てを思い出した今でも、その中で一番愛おしくて、何にも変えられない大切なものだったから。
シンと離れ離れになった頃にはもう、その予兆は訪れていた。
はじめは夢見がちな僕の幻想だと思っていた。中学入学を機にシンと会えなくなった後、心の底から笑えなくなっている事に自分でも気が付いていた。だから、繰り返される夢も、ふと思い出すような記憶も、ストレスを感じた僕が創り出している幻なのだろうと結論付けていた。
それが幻想ではない確証は今でもない。だからこれは、全て僕がみた夢で、夢のまま醒めないでいて欲しかった。
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