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シェヘラザードに蛇足
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今日は23:59で終わるシンデレラのお話。私にはこれが最後の夜なんだということがわかっていた。
宇宙人の話は未だ完結していないのに、まだ私と蛇兄さんのカラダは別々のままなのに。
なんて、これ以上何を言っても、蛇足に枷を架けるだけのオハナシ。
「蛇に戻るの?」
「さあね?」
「いつかまた会える?」
「ここまでがお前の切り出した物語だろ?」
「私はきっとエピローグを書くよ」
「ご自由にどうぞ」
「ねぇ抱いてよ?」
「もうそんな危なっかしくねぇだろ?」
「じゃあ蛇に戻って丸呑みしていって?」
「牛丼しか美味くねえし」
代々木公園で拾った蛇兄さん。餌は牛丼、紅ショウガは沢山。
夜毎に私のセカイを創ったシェヘラザード。
私と蛇兄さんが過ごしたこの愛しい日々は、明日の朝にはもう誰も知らない物語。
目が覚めると、全く新しい朝焼けがこの世界を丸呑みしていて、私の横に蛇兄さんは居なかった。
「……こうして私のセカイは小さく輝きながら、数多の物語の中に浮かぶのでした。めでたしめでたし」
小さい声でそう呟いた私は、ハッピーエンドではない今日を、こうして切り出す。
宇宙人の話は未だ完結していないのに、まだ私と蛇兄さんのカラダは別々のままなのに。
なんて、これ以上何を言っても、蛇足に枷を架けるだけのオハナシ。
「蛇に戻るの?」
「さあね?」
「いつかまた会える?」
「ここまでがお前の切り出した物語だろ?」
「私はきっとエピローグを書くよ」
「ご自由にどうぞ」
「ねぇ抱いてよ?」
「もうそんな危なっかしくねぇだろ?」
「じゃあ蛇に戻って丸呑みしていって?」
「牛丼しか美味くねえし」
代々木公園で拾った蛇兄さん。餌は牛丼、紅ショウガは沢山。
夜毎に私のセカイを創ったシェヘラザード。
私と蛇兄さんが過ごしたこの愛しい日々は、明日の朝にはもう誰も知らない物語。
目が覚めると、全く新しい朝焼けがこの世界を丸呑みしていて、私の横に蛇兄さんは居なかった。
「……こうして私のセカイは小さく輝きながら、数多の物語の中に浮かぶのでした。めでたしめでたし」
小さい声でそう呟いた私は、ハッピーエンドではない今日を、こうして切り出す。
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