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あなたのパンツを100万で売ってくれませんか?
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帰宅途中のOL・カオルコ(26才)は、誰かに後ろから付けられていることに気づいた。
ただいまの時刻は、夜の10時。
日本の夜はまだまだ明るい。
日本の夜はまだまだこれからといった時刻だ。
しかし、それは場所による。
カオルコが今いる場所は、街灯はあるものの薄暗いうえに人気も少なく――というよりも、今、この一本道の”前方には”人らしき影など皆無であり、「変質者注意!」といった看板が立てかけられていてもおかしくない場所だ。
というか、そういった注意を喚起する看板を”事前に”立てかけていて欲しかった。
カオルコは走った。
全力疾走には向いていないハイヒールで。
整理整頓されているとはいえないカバンの中からスマホを探し出して、助けを求めるよりも、この場合は足が痛かろうが何だろうが走って逃げた方がいい。
”逃げ”に勝る防御はないのだ。
だから、カオルコは走った。
けれども、後ろから間違いなく自分をつけてきていた何者かも走り始めたのだ。
「!!!」
まさか、いつもの帰り道でこんな恐怖が待ち構えていようとは!
背後からの変質者は、明らかに自分を狙っている!
自分の体を狙っているのだ!
もし、捕まりでもしたら……!
”助けて! 誰か助けて!”といった叫びを発そうにも、カオルコは声を発することすらできなかった。
カオルコの身も心も瞬く間に覆い尽くしていく恐怖は、夜の闇と同じ色をしていた。
声なき声でカオルコは助けを求めていた。
遠方に住む両親に、そして、もうそろそろ婚約か? との話まで出始めている彼氏でもあるカツアキに――!!
――あ、あの……曲がり角まで行けば……っ……!
この一本道は、ここから50メートルほど先の曲がり角で終わる。
曲がり角の先に、誰か人が歩いているという保証はない。
だが、何よりもあの曲がり角を越えれば、住宅街へと入ることができるのだ。
最悪、後ろからの変質者に捕まってしまっても、住宅街の中でカオルコ渾身の悲鳴をあげれば、誰かは気づいてはくれるだろう。
このご時世、金属バットなどを手に家の外にまで出てきて、自分を助けてくれるヒーローのごとき住民はいないかもしれない。
けれども、住民のうちの誰かは警察に通報ぐらいはしてくれると信じたい。
全ての者が”関わり合いになりたくない”と自分の悲鳴を聞かなかったことにするほど、道徳観が濁りきってしまってはいないと信じたい。
しかし――
後ろの変質者は、カオルコとの距離を着実に縮めてきていた。
奴が発しているハアハアという荒い息遣いが――獲物を前にした空腹の獣のごとき息遣いがカオルコの鼓膜を震わせた。
だが、後ろの獣は、カオルコに覆いかぶさって口をふさいで更なる暗闇へと引きずり込むわけではなく、言葉というコミュニケーションツールでカオルコへの接触を試みてきたのだ。
「おじょ……っ……お嬢さん! 待ってください! 私は、これをお嬢さんにお渡ししたいだけなんです!」
奴もカオルコと同じく全力疾走していたためか、ちょっと噛んでしまっていた。
でも、カオルコが想像していた変質者にはそぐわぬ丁寧な物言いと声音であった。
「?」
カオルコは迂闊にも駆ける足を止め、背後を振り返ってしまった。
わずか数メートル後ろにいる街灯が、奴の顔を――そして、身なりを薄い暗い夜道に浮かび上がらせるがごとく、照らしていた。
息を切らせ、自分を追いかけてきていたのは、スーツ姿の見知らぬ中年男であった。
中年男は、身長164cmのカオルコとほぼ背丈が変わらなかった。そのうえ、スーツ越しにも引き締まっているとはお世辞にも言えない体躯であることが分かった。さらに言うなら、毛髪もかなり後退してしまっており、頭頂部が街灯の灯りに照らされポワンと輝いていた。
身なりと言葉遣いこそ丁寧ではあるも、一言で言えば”いかにもな”脂ぎった中年男であった。
「あの……私は”これ”をお嬢さんに渡したくて……」
中年男は、怯えた顔で後ずさるカオルコに、スッと手に握りしめていたものを差し出した。
街灯の灯りによって、そう鮮明ではないにしろ、男が自分に差し出してきたものが、封筒であること――それも”大手銀行の分厚い封筒”であることが、カオルコには分かった。
”大手銀行の分厚い封筒”ということは、中に入っているものはお金である可能性は非常に高い。だが、今日のカオルコはお金をおろした記憶などはない。それに、あれほど封筒を分厚く膨らませるほどのお金を一気に引き出すことは怖すぎてなかなか出来ない。
「いえ……それは私のものではないです。では……」
ペコッと頭を下げ、再び走り出そうとしたカオルコを「待ってください!」と中年男が制止した。
「……この封筒の中には100万入っています。どうですか? 今から言う私のお願いを聞いてくだされば、この100万をお嬢さんにそのままお渡しします」
「!!」
またしても、カオルコは迂闊にも駆け始めた足を止め、後ろの中年親父を振り返ってしまった。
100万。
後ろの中年親父は100万と言った。
確かに言った。
「え……?」と振り返ったカオルコに、中年男の唇の端がニッと上がった。
「この100万が、私の言うことを聞いてくだされば、お嬢さんのものになるんですよ。あ……最初に言っておきますけど、この100万は最初の1枚だけ本物で後は新聞紙というわけでもなく、全部本物ですよ。ほら……」
そう言った中年男は、分厚い封筒から”中身”を半分だけ出し、カオルコにも見えるように、パラパラとめくっていった。
本物のお金――本物の100万であるだろうことが、カオルコにも分かった。
しかし、しかしだ。
「わ、私……ホテルに行ったりとか、”そういうこと”はちょっと……」
この中年男は、100万でカオルコの体と”一定期間の専属契約”を結びたいと思って声をかけてきたに違いない。
「いえいえ、お嬢さん。何か勘違いしているようですが、”そういうこと”ではないんです。お嬢さんは私と実際に性行為をしなくても、この100万を手に入れることができるですよ。まあ……今から、私があなたにお願いすることは大きい括りで見れば”そういうこと”に属するかもしれませんが……」
「?!」
頭の中が感嘆符と疑問符で一瞬にして埋め尽くされてしまったカオルコに、中年男は続ける。
「あなたのパンツを100万で売ってくれませんか?」
”100万でパンツを売ってくれ”と!
やっぱり、変態だ! この中年男は変態だ!!!
「ひ……っ!」
カオルコは震える足で後ずさった。
ハイヒールを履いた足には、震えだけでなく、少し前までの全力疾走の痛みまでもが生じていた。
カオルコの怯えを見た中年男は、そう、ここまでカオルコを怯えさせた張本人は慌てたように言う。
「私はあなたに指一本触れません。それは絶対に約束いたします。私は”他の誰でもなく、あなた自身にパンツを脱がせたい”のです」
丁寧な物言いであるが、相当に気色悪い。
しかし、震えながらも、カオルコは考える。
”他の誰でもなく、あなた自身にパンツを脱がせたい”とは、一体どういうことであるのか?
カオルコはこの中年男の顔に見覚えがない。取引先の社員でも出入りの業者でもないはずだ。となると、どこかでこの中年男は自分を見初めたというのであろうか?
カオルコは、自分の顔もスタイルも平均よりかは上であるかと”自負”はしていたが、パンツ1枚で100万ももらえるほどの美女でもなければ有名人でもない。
今をときめく人気アイドルや人気女優のものなら、マニアの間で100万で取引されることだってあり得るかもしれない。
よくは知らないが、専属AV女優(それもかなりの売れっ子)なら1本の撮影で、100万前後の出演料をもらえるのかもしれない。だが、彼女たちはカメラの前で性行為をして、さらに言うならその性行為動画を販売されたうえでの報酬だ。
無名の素人である自分が、たった1枚のパンツをこの変態に渡すだけで100万も……
「どうです?」
カオルコの迷いを見透かしたように、中年男はニッと唇の端を上げ、分厚い封筒から半分のぞかせたままの報酬を、再びパラパラとめくっていった。
カオルコの喉がゴクリと鳴った。
100万もあれば、いろんなものを買うことができる。
もちろん、カツアキとの結婚のための資金にもできる。
カオルコが今までにコツコツと貯蓄してきた”綺麗なお金”とは、違う種類のお金であることは充分に理解している。
直接的な性行為はさせないまでも、”性を売り物にして”のお金だ。
でも、お金はお金だ。100万は、100万だ。
その背景はどうであれ、自分を――いや、自分とカツアキの未来を潤してくれるツールであるには間違いはない。
「…………分かりました。脱ぎます」
粘ついたカオルコの口からは、決意の言葉が発せられた。
カオルコの決意を聞いた中年男は、”お!”という具合に目を光らせた。
「あの……脱いでいる途中で襲ってきたりとか……しませんよね?」
この中年男が今のところ、カオルコに求めているのはパンツ1枚だけだ。
しかし、いくらこの中年男と自分の背丈はそう変わらないといっても、贅肉に包まれただらしない体がスーツ越しにも分かっていたとしても、相手は男だ。しかも、面識のない若い女に”生パンツ”を売ってくれ、とせがんでくる変態男だ。
「そんなことはしませんよ。私はあなたが”パンツを脱ぐという行為そのもの”を見たいだけなんです」
この変態は、パンツそのものだけでなく、パンツを生脱ぎしているシーンまで見たいというのか?
カオルコはまたしても考える。
女の使用済み下着に執着する”一部の男”の気持ちは、到底理解できない。
彼氏のカツアキとはすでに肉体関係もあり、人生をともにするパートナーとしての話が出始めているほどに、彼のことは大好きだ。
けれども、カオルコがカツアキの使用済みトランクスを渡されたとしても、鼻をつまんで割り箸で扱うとまではいかないが、そのまま洗濯機にインするだけであろう。カツアキの使用済みトランクスを”愛でたり”などはしない。
それに、女の使用済下着というのは、汚れているものだ。
ここのところ、カオルコは便秘気味であるから、ウ〇スジはついてはいないかと推測される。だが、おしっこの匂いやお〇ものの匂いは染み込んでいるはずであるし、お〇ものそのものまでついているはずだ。ひょっとしたら、抜けた陰毛まで添付された状態のパンツを渡すことになるかもしれない。
だが、”それがいい”というのであろうか?
通勤カバンを肩にかけたまま、カオルコはスカートの中にスッと両手を入れた。
パンツを脱ぐところを見せても、”パンツが包んでいたゾーン”そのものは、この薄暗い街灯の下ですら絶対に見せたくない。
ついにカオルコはストッキングごと、パンツを脱いだ。
脱いでしまった。
そして――
「はい……ストッキングもあげますから……」
中年変態男に生々しい温もりの残る”一式”を差し出した。
ノーパンの下半身はスースーしている。
だが、肌にはりついてくるストッキングを履き直すのは時間がかかるし、何より履き直している間に、中年男が豹変して襲ってこないという保証はない。
ストッキングも一緒にくれてやる。
そして、100万を受け取った後は、ここから猛ダッシュで逃げる。
ハイヒールを履いている両足の踵には、痛々しい靴擦れが間違いなくできるだろう。
でも、”逃げ”はこれ以上のことを防ぐ最大の防御だ。
しかし――
中年男は、100万をポンと差し出すほど念願のブツであるカオルコのパンツと付属のストッキングを受け取ろうとはしなかった。
「あ……あの……?」
頭の中が疑問符と焦りで埋め尽くされ始めたカオルコに、中年男は言い放った。
「残念ですが、あなたは”不合格”ですね」
不合格?
不合格とは一体?
何が、不合格というのか?
その時――
カオルコは、自分の背後より――ほんの数分前までは辿り着くことを全身全霊で求めていた曲がり角の先より、人がやってくることに気づいた。
固い輪郭。
やってくるのは、間違いなく男だ。
ただの通行人か?
それとも、この中年男の仲間である変態の一味か?
街灯が照らし出したのは――背筋を足以上に震わせたカオルコの瞳に映ったのは、カオルコが幾度も見覚えのある顔だった。見覚えがあるだけではない。カオルコの一番愛しい男の顔だった。
――カツアキ……!!
彼氏のカツアキだ。
カツアキとは同棲しているわけではないが、まさか自分の夜道を心配してくれ、迎えに来てくれたのであろうか?
けれども、カオルコはカツアキの顔が心配ではなく、”怒り”で歪んでいることに気づく。
その表情の歪み通り、相当に荒々しい足音でカツアキは自分たちのいるところへとやってきた。
「最低だな。お前」
カツアキは吐き捨てた。
そして、カオルコを睨んだ。まるで、汚物を見るような目で。
カオルコを睨んだままのカツアキは、ポケットからスマホを取り出した。
カツアキだけでなく、中年男もスマホを取り出した。
彼らのスマホ画面の表示は、ともに「通話中」であった。
2人は繋がっていた。
カオルコと中年男との先ほどまでの会話は、カツアキに筒抜けであったということである!
「お前さぁ……金さえもらえりゃ、こんな”いかにもなキモデブ親父”にもすんなりパンツをくれてやるのかよ?! しかも、なんだよ…………”ストッキングまでサービス”しやがって!」
「おい、カツアキ。自分の父親に向かって”いかにもなキモデブ親父”はないだろ。俺だって、若い頃は今のお前にそっくりだったんだ。お前はお母さんの家系の方の血を受けたのか、俺より背はかなり高く成長したけど、お前もいずれは”こうなってしまう”ことはちゃんと覚えておけよ」
「!!!」
親子であった。父と息子であった。
”今は全く似ていない”が、カツアキとこの中年男は親子であったのだ。
――こ、この人……カツアキのお父さんだったの!!!
パンツとストッキングを差し出した体勢のままのカオルコの手が震える。いや、手だけじゃない。背中も足も――すなわち、全身が震えたうえに、毛穴がブワッと開き切り、冷たい汗が流れていた。
カオルコとカツアキの間には、確かにそろそろ結婚といった空気は流れていた。だが、まだ互いの両親には挨拶に行っていなかったため、カオルコはカツアキの父親の顔を知らなかった。
「正式な婚約はまだで良かったな、カツアキ。お前から、このお嬢さん……カオルコさんの写真を見せられた時は、ちょっと派手めなOLさんって雰囲気だったから、嫌な予感はしていたんだよ。でも、大丈夫だ。たった今、カオルコさんは、俺たち親子の試験に不合格となったんだ。それに、お前なら、もっと美人で清純な嫁を見つけられる。だから、自信持て」
そう言った中年男は、カオルコが見たこともないぐらい仏頂面のカツアキの背中をバシッと軽く叩いて励ました。中年男の口調は、先ほどまでの丁寧な物言いから、息子に対する父親のそれに変わっていた。
「し、試験って……?」
「考えりゃ、分かんだろ? お前が本当に俺の……いや”俺の家の嫁”にふさわしいかの試験だよ」
カツアキがケッと吐き捨てた。
「そういうことですよ。カオルコさん。もし、カオルコさんが100万という大金の誘惑にも負けずに、”逃げ続ける”という最大の合格ポイントとなる行動を取っていれば、私たち親子はあなたを”合格”させていました。でも、あなたは違った。お金に心を動かした。いや、心だけじゃない。体まで動かした。見ず知らずの中年男である私の前で、”パンツを脱ぐという行為そのもの”を行った」
カオルコ相手には、丁寧な言葉遣いに戻っている中年男――カツアキの父も、侮蔑の視線をカオルコへと向けた。
カオルコの顔がカッと赤く染まる。
カツアキ親子は、口裏を合わせて大金を餌に自分を試すという行為を行った。これはこれで卑劣な行為ではある。
しかし、自分は自分で何も言い返せない。
パンツ1枚で100万が手に入るということに、心も体も”自ら”動かしてしまったのは事実だ。
自分が渡したパンツで、男が後ほどナニをするのかを分かっていながらもパンツを脱いだのも事実だ。直接的な性行為はしないにしても、性を売り物にしようとしたことも事実だ。
「いらねえよ。そんな汚ねえパンツ。二度と俺の前に現れんな、この売女!」
パンツとストッキングを差し出したままの体勢で、羞恥と自己嫌悪で身動きができなくなってしまっいたカオルコに、カツアキの止めの一言が発射された。
「早く帰ろうぜ、父さん」
「……そうだな。あ……カオルコさん、あなたも早く家に帰った方がいいですよ。もう夜も遅いですし、そんなパンツも履いていない格好で突っ立っていたら、”本物の変態”に遭遇してしまう可能性だって無きにしも非ずなのですから」
「父さん! そんな売女なんて、ほっとけよ!!!」
「カツアキ、ちょっと落ち着け。しかし、お前……まだ若いのに売女なんて、少し古めかしい言葉を使うんだな」
「別に古めかしくはないと思うけど。それに売女はいつの時代にだっているだろ」
「確かにそれはお前の言う通りだ。それにカオルコさんみたいに、一応、普通のOLさんしている人でも、濁り切った道徳観だものな。ま、”今回の嫁候補”については”単に性質の悪い雌犬にまとわりつかれた”だけだと思って、早く忘れることだ」
カオルコの赤く染まったままの両頬は、溢れ続ける涙で濡れていく。しかし、カオルコは頬をひりつかせるその涙をぬぐうこともできない。
右手にパンツとストッキングをギュウッと握りしめたまま、”恐怖とは違う感情”によって、カオルコの身はブルブルと震え続けている。
そんなのカオルコの背後より突き刺さってきていたカツアキと彼の父親の声は、徐々に遠ざかっていった……
けれども、カオルコ(26才)は、カツアキを夫とし、彼の父親を義父とするような人生を歩むことにはならなくて、結果的には良かったのかもしれない。
時は流れ、別の男性と結婚する縁があったカオルコは既に母となっていた。
それも、ハチャメチャな幼稚園児2人の育児の真っ最中である、身も心も逞しい母・カオルコ(35才)となっていた。
偶然にテレビから流れてきたニュースでカオルコは知る。
そのニュースは、カツアキと彼の父が実施した”何回目の試験”であったかは定かではない。
ただ、彼ら親子は、現在のカツアキの交際相手であった女性(25才)の帰宅途中に、カオルコに行ったのと同様の試験を行おうとした。しかし、女性の帰りが遅いことを心配して、たまたま迎えに来ていた女性の父親(50才)がやってきたと……
カツアキと彼の父親は、2対1という勢力図であったにも関わらず、女性の父親に2人とも取り押さえられ、ボコボコにされたうえ、2人揃って警察に突き出されたとのことであったのだから。
そして、もちろん週刊誌やネット等で面白おかしく「息子もグル! 変態親子! 大金をちらつかせ、息子の交際相手女性に下着の生脱ぎを迫る!」と言った具合に、彼らの実名&会社名入りで記事にもされてしまったのだから。
―――fin―――
ただいまの時刻は、夜の10時。
日本の夜はまだまだ明るい。
日本の夜はまだまだこれからといった時刻だ。
しかし、それは場所による。
カオルコが今いる場所は、街灯はあるものの薄暗いうえに人気も少なく――というよりも、今、この一本道の”前方には”人らしき影など皆無であり、「変質者注意!」といった看板が立てかけられていてもおかしくない場所だ。
というか、そういった注意を喚起する看板を”事前に”立てかけていて欲しかった。
カオルコは走った。
全力疾走には向いていないハイヒールで。
整理整頓されているとはいえないカバンの中からスマホを探し出して、助けを求めるよりも、この場合は足が痛かろうが何だろうが走って逃げた方がいい。
”逃げ”に勝る防御はないのだ。
だから、カオルコは走った。
けれども、後ろから間違いなく自分をつけてきていた何者かも走り始めたのだ。
「!!!」
まさか、いつもの帰り道でこんな恐怖が待ち構えていようとは!
背後からの変質者は、明らかに自分を狙っている!
自分の体を狙っているのだ!
もし、捕まりでもしたら……!
”助けて! 誰か助けて!”といった叫びを発そうにも、カオルコは声を発することすらできなかった。
カオルコの身も心も瞬く間に覆い尽くしていく恐怖は、夜の闇と同じ色をしていた。
声なき声でカオルコは助けを求めていた。
遠方に住む両親に、そして、もうそろそろ婚約か? との話まで出始めている彼氏でもあるカツアキに――!!
――あ、あの……曲がり角まで行けば……っ……!
この一本道は、ここから50メートルほど先の曲がり角で終わる。
曲がり角の先に、誰か人が歩いているという保証はない。
だが、何よりもあの曲がり角を越えれば、住宅街へと入ることができるのだ。
最悪、後ろからの変質者に捕まってしまっても、住宅街の中でカオルコ渾身の悲鳴をあげれば、誰かは気づいてはくれるだろう。
このご時世、金属バットなどを手に家の外にまで出てきて、自分を助けてくれるヒーローのごとき住民はいないかもしれない。
けれども、住民のうちの誰かは警察に通報ぐらいはしてくれると信じたい。
全ての者が”関わり合いになりたくない”と自分の悲鳴を聞かなかったことにするほど、道徳観が濁りきってしまってはいないと信じたい。
しかし――
後ろの変質者は、カオルコとの距離を着実に縮めてきていた。
奴が発しているハアハアという荒い息遣いが――獲物を前にした空腹の獣のごとき息遣いがカオルコの鼓膜を震わせた。
だが、後ろの獣は、カオルコに覆いかぶさって口をふさいで更なる暗闇へと引きずり込むわけではなく、言葉というコミュニケーションツールでカオルコへの接触を試みてきたのだ。
「おじょ……っ……お嬢さん! 待ってください! 私は、これをお嬢さんにお渡ししたいだけなんです!」
奴もカオルコと同じく全力疾走していたためか、ちょっと噛んでしまっていた。
でも、カオルコが想像していた変質者にはそぐわぬ丁寧な物言いと声音であった。
「?」
カオルコは迂闊にも駆ける足を止め、背後を振り返ってしまった。
わずか数メートル後ろにいる街灯が、奴の顔を――そして、身なりを薄い暗い夜道に浮かび上がらせるがごとく、照らしていた。
息を切らせ、自分を追いかけてきていたのは、スーツ姿の見知らぬ中年男であった。
中年男は、身長164cmのカオルコとほぼ背丈が変わらなかった。そのうえ、スーツ越しにも引き締まっているとはお世辞にも言えない体躯であることが分かった。さらに言うなら、毛髪もかなり後退してしまっており、頭頂部が街灯の灯りに照らされポワンと輝いていた。
身なりと言葉遣いこそ丁寧ではあるも、一言で言えば”いかにもな”脂ぎった中年男であった。
「あの……私は”これ”をお嬢さんに渡したくて……」
中年男は、怯えた顔で後ずさるカオルコに、スッと手に握りしめていたものを差し出した。
街灯の灯りによって、そう鮮明ではないにしろ、男が自分に差し出してきたものが、封筒であること――それも”大手銀行の分厚い封筒”であることが、カオルコには分かった。
”大手銀行の分厚い封筒”ということは、中に入っているものはお金である可能性は非常に高い。だが、今日のカオルコはお金をおろした記憶などはない。それに、あれほど封筒を分厚く膨らませるほどのお金を一気に引き出すことは怖すぎてなかなか出来ない。
「いえ……それは私のものではないです。では……」
ペコッと頭を下げ、再び走り出そうとしたカオルコを「待ってください!」と中年男が制止した。
「……この封筒の中には100万入っています。どうですか? 今から言う私のお願いを聞いてくだされば、この100万をお嬢さんにそのままお渡しします」
「!!」
またしても、カオルコは迂闊にも駆け始めた足を止め、後ろの中年親父を振り返ってしまった。
100万。
後ろの中年親父は100万と言った。
確かに言った。
「え……?」と振り返ったカオルコに、中年男の唇の端がニッと上がった。
「この100万が、私の言うことを聞いてくだされば、お嬢さんのものになるんですよ。あ……最初に言っておきますけど、この100万は最初の1枚だけ本物で後は新聞紙というわけでもなく、全部本物ですよ。ほら……」
そう言った中年男は、分厚い封筒から”中身”を半分だけ出し、カオルコにも見えるように、パラパラとめくっていった。
本物のお金――本物の100万であるだろうことが、カオルコにも分かった。
しかし、しかしだ。
「わ、私……ホテルに行ったりとか、”そういうこと”はちょっと……」
この中年男は、100万でカオルコの体と”一定期間の専属契約”を結びたいと思って声をかけてきたに違いない。
「いえいえ、お嬢さん。何か勘違いしているようですが、”そういうこと”ではないんです。お嬢さんは私と実際に性行為をしなくても、この100万を手に入れることができるですよ。まあ……今から、私があなたにお願いすることは大きい括りで見れば”そういうこと”に属するかもしれませんが……」
「?!」
頭の中が感嘆符と疑問符で一瞬にして埋め尽くされてしまったカオルコに、中年男は続ける。
「あなたのパンツを100万で売ってくれませんか?」
”100万でパンツを売ってくれ”と!
やっぱり、変態だ! この中年男は変態だ!!!
「ひ……っ!」
カオルコは震える足で後ずさった。
ハイヒールを履いた足には、震えだけでなく、少し前までの全力疾走の痛みまでもが生じていた。
カオルコの怯えを見た中年男は、そう、ここまでカオルコを怯えさせた張本人は慌てたように言う。
「私はあなたに指一本触れません。それは絶対に約束いたします。私は”他の誰でもなく、あなた自身にパンツを脱がせたい”のです」
丁寧な物言いであるが、相当に気色悪い。
しかし、震えながらも、カオルコは考える。
”他の誰でもなく、あなた自身にパンツを脱がせたい”とは、一体どういうことであるのか?
カオルコはこの中年男の顔に見覚えがない。取引先の社員でも出入りの業者でもないはずだ。となると、どこかでこの中年男は自分を見初めたというのであろうか?
カオルコは、自分の顔もスタイルも平均よりかは上であるかと”自負”はしていたが、パンツ1枚で100万ももらえるほどの美女でもなければ有名人でもない。
今をときめく人気アイドルや人気女優のものなら、マニアの間で100万で取引されることだってあり得るかもしれない。
よくは知らないが、専属AV女優(それもかなりの売れっ子)なら1本の撮影で、100万前後の出演料をもらえるのかもしれない。だが、彼女たちはカメラの前で性行為をして、さらに言うならその性行為動画を販売されたうえでの報酬だ。
無名の素人である自分が、たった1枚のパンツをこの変態に渡すだけで100万も……
「どうです?」
カオルコの迷いを見透かしたように、中年男はニッと唇の端を上げ、分厚い封筒から半分のぞかせたままの報酬を、再びパラパラとめくっていった。
カオルコの喉がゴクリと鳴った。
100万もあれば、いろんなものを買うことができる。
もちろん、カツアキとの結婚のための資金にもできる。
カオルコが今までにコツコツと貯蓄してきた”綺麗なお金”とは、違う種類のお金であることは充分に理解している。
直接的な性行為はさせないまでも、”性を売り物にして”のお金だ。
でも、お金はお金だ。100万は、100万だ。
その背景はどうであれ、自分を――いや、自分とカツアキの未来を潤してくれるツールであるには間違いはない。
「…………分かりました。脱ぎます」
粘ついたカオルコの口からは、決意の言葉が発せられた。
カオルコの決意を聞いた中年男は、”お!”という具合に目を光らせた。
「あの……脱いでいる途中で襲ってきたりとか……しませんよね?」
この中年男が今のところ、カオルコに求めているのはパンツ1枚だけだ。
しかし、いくらこの中年男と自分の背丈はそう変わらないといっても、贅肉に包まれただらしない体がスーツ越しにも分かっていたとしても、相手は男だ。しかも、面識のない若い女に”生パンツ”を売ってくれ、とせがんでくる変態男だ。
「そんなことはしませんよ。私はあなたが”パンツを脱ぐという行為そのもの”を見たいだけなんです」
この変態は、パンツそのものだけでなく、パンツを生脱ぎしているシーンまで見たいというのか?
カオルコはまたしても考える。
女の使用済み下着に執着する”一部の男”の気持ちは、到底理解できない。
彼氏のカツアキとはすでに肉体関係もあり、人生をともにするパートナーとしての話が出始めているほどに、彼のことは大好きだ。
けれども、カオルコがカツアキの使用済みトランクスを渡されたとしても、鼻をつまんで割り箸で扱うとまではいかないが、そのまま洗濯機にインするだけであろう。カツアキの使用済みトランクスを”愛でたり”などはしない。
それに、女の使用済下着というのは、汚れているものだ。
ここのところ、カオルコは便秘気味であるから、ウ〇スジはついてはいないかと推測される。だが、おしっこの匂いやお〇ものの匂いは染み込んでいるはずであるし、お〇ものそのものまでついているはずだ。ひょっとしたら、抜けた陰毛まで添付された状態のパンツを渡すことになるかもしれない。
だが、”それがいい”というのであろうか?
通勤カバンを肩にかけたまま、カオルコはスカートの中にスッと両手を入れた。
パンツを脱ぐところを見せても、”パンツが包んでいたゾーン”そのものは、この薄暗い街灯の下ですら絶対に見せたくない。
ついにカオルコはストッキングごと、パンツを脱いだ。
脱いでしまった。
そして――
「はい……ストッキングもあげますから……」
中年変態男に生々しい温もりの残る”一式”を差し出した。
ノーパンの下半身はスースーしている。
だが、肌にはりついてくるストッキングを履き直すのは時間がかかるし、何より履き直している間に、中年男が豹変して襲ってこないという保証はない。
ストッキングも一緒にくれてやる。
そして、100万を受け取った後は、ここから猛ダッシュで逃げる。
ハイヒールを履いている両足の踵には、痛々しい靴擦れが間違いなくできるだろう。
でも、”逃げ”はこれ以上のことを防ぐ最大の防御だ。
しかし――
中年男は、100万をポンと差し出すほど念願のブツであるカオルコのパンツと付属のストッキングを受け取ろうとはしなかった。
「あ……あの……?」
頭の中が疑問符と焦りで埋め尽くされ始めたカオルコに、中年男は言い放った。
「残念ですが、あなたは”不合格”ですね」
不合格?
不合格とは一体?
何が、不合格というのか?
その時――
カオルコは、自分の背後より――ほんの数分前までは辿り着くことを全身全霊で求めていた曲がり角の先より、人がやってくることに気づいた。
固い輪郭。
やってくるのは、間違いなく男だ。
ただの通行人か?
それとも、この中年男の仲間である変態の一味か?
街灯が照らし出したのは――背筋を足以上に震わせたカオルコの瞳に映ったのは、カオルコが幾度も見覚えのある顔だった。見覚えがあるだけではない。カオルコの一番愛しい男の顔だった。
――カツアキ……!!
彼氏のカツアキだ。
カツアキとは同棲しているわけではないが、まさか自分の夜道を心配してくれ、迎えに来てくれたのであろうか?
けれども、カオルコはカツアキの顔が心配ではなく、”怒り”で歪んでいることに気づく。
その表情の歪み通り、相当に荒々しい足音でカツアキは自分たちのいるところへとやってきた。
「最低だな。お前」
カツアキは吐き捨てた。
そして、カオルコを睨んだ。まるで、汚物を見るような目で。
カオルコを睨んだままのカツアキは、ポケットからスマホを取り出した。
カツアキだけでなく、中年男もスマホを取り出した。
彼らのスマホ画面の表示は、ともに「通話中」であった。
2人は繋がっていた。
カオルコと中年男との先ほどまでの会話は、カツアキに筒抜けであったということである!
「お前さぁ……金さえもらえりゃ、こんな”いかにもなキモデブ親父”にもすんなりパンツをくれてやるのかよ?! しかも、なんだよ…………”ストッキングまでサービス”しやがって!」
「おい、カツアキ。自分の父親に向かって”いかにもなキモデブ親父”はないだろ。俺だって、若い頃は今のお前にそっくりだったんだ。お前はお母さんの家系の方の血を受けたのか、俺より背はかなり高く成長したけど、お前もいずれは”こうなってしまう”ことはちゃんと覚えておけよ」
「!!!」
親子であった。父と息子であった。
”今は全く似ていない”が、カツアキとこの中年男は親子であったのだ。
――こ、この人……カツアキのお父さんだったの!!!
パンツとストッキングを差し出した体勢のままのカオルコの手が震える。いや、手だけじゃない。背中も足も――すなわち、全身が震えたうえに、毛穴がブワッと開き切り、冷たい汗が流れていた。
カオルコとカツアキの間には、確かにそろそろ結婚といった空気は流れていた。だが、まだ互いの両親には挨拶に行っていなかったため、カオルコはカツアキの父親の顔を知らなかった。
「正式な婚約はまだで良かったな、カツアキ。お前から、このお嬢さん……カオルコさんの写真を見せられた時は、ちょっと派手めなOLさんって雰囲気だったから、嫌な予感はしていたんだよ。でも、大丈夫だ。たった今、カオルコさんは、俺たち親子の試験に不合格となったんだ。それに、お前なら、もっと美人で清純な嫁を見つけられる。だから、自信持て」
そう言った中年男は、カオルコが見たこともないぐらい仏頂面のカツアキの背中をバシッと軽く叩いて励ました。中年男の口調は、先ほどまでの丁寧な物言いから、息子に対する父親のそれに変わっていた。
「し、試験って……?」
「考えりゃ、分かんだろ? お前が本当に俺の……いや”俺の家の嫁”にふさわしいかの試験だよ」
カツアキがケッと吐き捨てた。
「そういうことですよ。カオルコさん。もし、カオルコさんが100万という大金の誘惑にも負けずに、”逃げ続ける”という最大の合格ポイントとなる行動を取っていれば、私たち親子はあなたを”合格”させていました。でも、あなたは違った。お金に心を動かした。いや、心だけじゃない。体まで動かした。見ず知らずの中年男である私の前で、”パンツを脱ぐという行為そのもの”を行った」
カオルコ相手には、丁寧な言葉遣いに戻っている中年男――カツアキの父も、侮蔑の視線をカオルコへと向けた。
カオルコの顔がカッと赤く染まる。
カツアキ親子は、口裏を合わせて大金を餌に自分を試すという行為を行った。これはこれで卑劣な行為ではある。
しかし、自分は自分で何も言い返せない。
パンツ1枚で100万が手に入るということに、心も体も”自ら”動かしてしまったのは事実だ。
自分が渡したパンツで、男が後ほどナニをするのかを分かっていながらもパンツを脱いだのも事実だ。直接的な性行為はしないにしても、性を売り物にしようとしたことも事実だ。
「いらねえよ。そんな汚ねえパンツ。二度と俺の前に現れんな、この売女!」
パンツとストッキングを差し出したままの体勢で、羞恥と自己嫌悪で身動きができなくなってしまっいたカオルコに、カツアキの止めの一言が発射された。
「早く帰ろうぜ、父さん」
「……そうだな。あ……カオルコさん、あなたも早く家に帰った方がいいですよ。もう夜も遅いですし、そんなパンツも履いていない格好で突っ立っていたら、”本物の変態”に遭遇してしまう可能性だって無きにしも非ずなのですから」
「父さん! そんな売女なんて、ほっとけよ!!!」
「カツアキ、ちょっと落ち着け。しかし、お前……まだ若いのに売女なんて、少し古めかしい言葉を使うんだな」
「別に古めかしくはないと思うけど。それに売女はいつの時代にだっているだろ」
「確かにそれはお前の言う通りだ。それにカオルコさんみたいに、一応、普通のOLさんしている人でも、濁り切った道徳観だものな。ま、”今回の嫁候補”については”単に性質の悪い雌犬にまとわりつかれた”だけだと思って、早く忘れることだ」
カオルコの赤く染まったままの両頬は、溢れ続ける涙で濡れていく。しかし、カオルコは頬をひりつかせるその涙をぬぐうこともできない。
右手にパンツとストッキングをギュウッと握りしめたまま、”恐怖とは違う感情”によって、カオルコの身はブルブルと震え続けている。
そんなのカオルコの背後より突き刺さってきていたカツアキと彼の父親の声は、徐々に遠ざかっていった……
けれども、カオルコ(26才)は、カツアキを夫とし、彼の父親を義父とするような人生を歩むことにはならなくて、結果的には良かったのかもしれない。
時は流れ、別の男性と結婚する縁があったカオルコは既に母となっていた。
それも、ハチャメチャな幼稚園児2人の育児の真っ最中である、身も心も逞しい母・カオルコ(35才)となっていた。
偶然にテレビから流れてきたニュースでカオルコは知る。
そのニュースは、カツアキと彼の父が実施した”何回目の試験”であったかは定かではない。
ただ、彼ら親子は、現在のカツアキの交際相手であった女性(25才)の帰宅途中に、カオルコに行ったのと同様の試験を行おうとした。しかし、女性の帰りが遅いことを心配して、たまたま迎えに来ていた女性の父親(50才)がやってきたと……
カツアキと彼の父親は、2対1という勢力図であったにも関わらず、女性の父親に2人とも取り押さえられ、ボコボコにされたうえ、2人揃って警察に突き出されたとのことであったのだから。
そして、もちろん週刊誌やネット等で面白おかしく「息子もグル! 変態親子! 大金をちらつかせ、息子の交際相手女性に下着の生脱ぎを迫る!」と言った具合に、彼らの実名&会社名入りで記事にもされてしまったのだから。
―――fin―――
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