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【R15】Episode10 3人のアリソン オムニバスホラー3品
Episode10-B 不一致
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あらゆる資源も食べ物も有り余るほどに豊かで平和な国。
身分制度は存在しているも、衣食住はそれぞれの身分なりには満たされている。
とある貴族の城では、毎夜のように贅を極めた晩餐会が開かれていた。
テーブルには大勢のゲストたちでも食べきれないほどの料理がならぶ。そう、”食べきれない”ということは、それらの料理は廃棄処分するしかない。ああ、なんともったいないことか!
この貴族の城には、2人の姫――双子の姫がいた。
姉姫の名はアリソン、妹姫の名はセレニア。姉姫は太陽の光、妹姫は月を意味する名前。
対照的な名前を持つ2人の姫は姿かたちこそそっくりであったも、彼女たちそれぞれの気質はその名前とは対照的であった。
さあ、今夜の晩餐会のドレスと宝石はどれにしようかしら? などと、セレニアがまるでその背中に羽根でも生えて飛んで行ってしまうほどに浮き立っているその隣の部屋で、アリソンはベッドに沈み込んでしまうのではと思うほどのそれはそれは分厚い書物を広げ、読みふけっているといった具合であった。
「アリソンお姉様。今夜の晩餐会のドレスは、どちらがよろしいかしら? 侍女たちにも聞いたのですけど、ちょうど同数で票が割れてしまいましたの。だから、最後はアリソンお姉様の一票で決めようと思いますわ」
ベッドの上のアリソンは、ノックもせずに部屋へと飛び込んできたセレニアを軽く目で諌める。
「……さあ、票が割れたということは、あなたにはどちらも”そこそこ”似合っているってことですわね。そもそも、あなたはよく似た形のドレスの色違いをたくさん持っていらっしゃるから、私には色以外の違いがよく分かりませんの」
同じドレスは二度と着用しない主義であるセレニアは、アリソンの約20倍ほどのドレスを所有していた。その中にはもちろん、セレニアが一度も袖を通していないドレスも多数ある。
食べる物だけでなく、食べられない物までもが過多の状態だ。
「アリソンお姉様……なぜ、お姉様はいつもそんなに湿っぽいのですか? なぜ、晩餐会を心から楽しもうとしないですか? 晩餐会では大勢の素敵な殿方ともお近づきになれますのよ」
「……正直、私は毎夜の晩餐会になど出たくないのです。毎夜毎夜、うんざりしていますわ」
セレニアは毎夜の晩餐会を心待ちにし、ゲストをもてなし楽しんでいるのに対し、アリソンは義理で晩餐会に顔を出し、皆の賑わいをどこか冷めた目で見ている……早くお開きになればいいと思っていることがうっすらと分かるといったところだ。
「セレニア……毎夜毎夜、”晩餐会の後の光景”をあなたは見たことがありまして? すなわち、”贅をこらした宴の後”を……私にとって、あれほど虚しくなる光景はありませんわ」
「廃棄処分されるしかない料理や汚れた食器やグラス、テーブルクロスのことをおっしゃっているのですか? けれども、それらを片付けるのは私たちではありませんし、アリソンお姉様が気に病む必要はないかと……」
「私はそういうことを言っているのではありません……実は今、私が読んでいる、東洋のとある国を舞台にした架空の物語の中には”ハレとケ”という表現が出てきますの」
アリソンが手元の分厚い書物をスッと示す。セレニアは首を傾げる。
「腫れと毛? 何かの疾患のことでしょうか?」
「いいえ。ハレは”晴れ”、ケは”褻”を指して……と言いましても話し言葉じゃ分かりませんわよね。つまり、ハレは”非日常”、ケは”日常”のことですわ。今、毎夜の晩餐会開催という”ハレの日”ばかりが続いて、なかなか”ケの日”に戻ることができなくてほとほと食傷気味なのです」
「”ハレの日”ばかりが続くなんて、素晴らしいじゃありませんこと? 私はスリリングでファンタスティックな非日常を楽しみ続けているのですね。どうか、このような日々が永遠に続きますように。”つまらない日常”など、この私の人生にはふさわしくありませんもの。いいえ、今や、その非日常の日々こそが私の日常となってしまっているということですわね」
「私には、あなたの言う”つまらない日常”こそが私にとって大切なものなのです。それに……誤解なさらないで欲しいのですけど、私は何も晩餐会そのものを悪く言っているわけではありません。ただ、私のような気質の者に、毎夜毎夜の晩餐会は本当に苦しみの元でしかないのです」
「……今さら何をおしゃってるの、アリソンお姉様? 今まで私と一緒に貴族の姫としての教育を受けてきたはずですのに。いくら、アリソンお姉様が貴族の姫として生まれた宿命を苦しみととらえていても、”そう”生まれついてしまった以上は仕方のないことかと……」
「そう、あなたの言う通りですわ。貴族の姫として生まれてしまった私は、貴族の姫として生きていくしかないのだと。太陽のごとく明るくてコミュニケーション能力に長けて、貴族の姫として優秀なあなたの影に隠れながら……お父様やお母様だって、そう露骨に態度に表すことはありませんけど、あなたの方がこの貴族社会での”強い駒”だって考えているに違いありませんわ」
アリソンの発した”強い駒”という棘。
だが事実、貴族社会における結婚とは、家を存続させ、より発展させていくものなのだから。
「アリソンお姉様、確かに私たちは駒であり……恋愛結婚など稀で、いずれはお父様とお母様が決めた殿方に嫁ぐことになるのでしょうけど……晩餐会では毎夜、素敵な殿方とお会いし、お話ができますのよ。湿っぽくて恥ずかしがり屋のアリソンお姉様だって、殿方にご興味がないわけではないと思いますけれど……」
「女性に生まれたからといって、誰しもが殿方に……いいえ、殿方だけでなくドレスや宝石に興味を持っているわけではありませんわ。ただ、各々の魂の入った”器(うつわ)”が男性の肉体であったのか、女性の肉体であったのかだけの違いであり……それに、いくら話し上手でありましても話題が殿方に関することばかりの淑女は、はしたないうえに頭が足りないように見えてしまいますわよ」
「まあ! 本当にアリソンお姉様はつまらないうえに、失礼な方ですのね!!」
プリプリと怒りながら、セレニアは出て行った。アリソンは手元の書物に再び目を落とした。
昨夜に引き続き、今夜も開催される晩餐会を心から憂鬱に思いながら……
※※※
今夜の晩餐会はいつもとは明らかに違っていた。
なぜなら、当代一の美男子と誉れ高いロジー公爵の姿があったからだ。
当然、晩餐会はザワワワッと色めき立った。主に女性を――淑女たちを中心として。
殿方にはそれほど興味がないはずであったアリソンですら、ロジー公爵の”魂が入れられた器”、すなわち外見的魅力に見惚れるほどであった。
だが、ロジー公爵に儀礼的な挨拶を行った後のアリソンは、毎夜のごとく晩餐会の壁の花となることにした。
ゲストたちから声をかけられたなら、もちろん答える。だが、母や妹のように積極的にガツガツとは立ち回らない。彼女の人生において最上級レベルの超美男子(身分まで高いうえに、また決まった妻もいないお方)と同じ空間にいるという超非日常の中にあっても……
しかし、なんと!
ロジー公爵は話し上手なセレニアよりも、話下手なアリソンの方を気に入ったようであった。ロジー公爵に声をかけられたアリソンは当初、”このお方はまさか、私とセレニアを間違えていらっしゃるのかしら? ドレスは違えど顔は全く同じですものね”と思わずにはいられなかった。
けれども、ロジー公爵は姉姫アリソンだと理解したうえで、アリソンへと声をかけたらしい。
「料理も酒も何もかもが最上級に素晴らしい。私の城にまで届いておりました数々の誉れを、こうしてこの身で堪能することができて、うれしく思います」
「も、も、もったいないお言葉、お、恐れ入ります」
アリソンはつっかえながらも、ロジー公爵に深々と頭を下げた。先ほど酒で喉を潤したばかりであるのに、喉はカラカラに乾いていた。
「けれども、あなたはこの晩餐会を心から楽しんでいないように私には見えるのですが……」
「……え?!」
思わぬロジー公爵の言葉に、アリソンは顔を上げた。
「あなたが本当に求めていることは、これほどまでに贅を極めた賑やかな美食の宴ではない。もっと違うものであるはずだ。そうでしょう?」
アリソンの胸が高鳴った。と同時に、切なく痛みもした。
”まさか、このお方は一目で私のことを分かってくださったというの?”と、誰にも分かってもらえず今まで溜まりに溜まっていたストレスがほんの少しだけ、ほぐされた気がしたのだ。
アリソンの目からポロリと一筋の涙が流れてしまった。
「し、失礼を……」
慌てて顔を隠そうとしたアリソンに、ロジー公爵は微笑みかけた。
「いいのですよ。私たちがやっとお互いの魂が求めていた存在に出会うことができたのかもしれませんね。今宵の運命の出会いはきっと、神から私たちへの贈り物なのでしょう」
※※※
「運命」という甘いにも程がある言葉によって、初めて出会った夜よりアリソンをとろけさせ始めたロジー公爵。
それからの彼のアリソンへの求愛は、あまりにも情熱的であった。まるで”運命の相手”を誰にも渡しやしない、と言わんばかりに。
当初は、心に花が咲き乱れんばかりのうれしさに包まれていたアリソンであったが、違和感を感じずにはいられなかった。実を言うと、その違和感の裏側をもアリソンは掴み始めていた。けれども、格上であるロジー公爵からの正式な婚姻の申込があったなら断れまい。もう逃げられない。
しかし、そんなアリソンの心の内など他の者に分かるわけがない。たとえ、ともにこの世に生を受けた双子の妹姫であっても。
「ひどいですわ! アリソンお姉様!」
泣き腫らした瞳のセレニアが、金切り声をあげながらアリソンの部屋へと飛び込んできた。
「アリソンお姉様は殿方には興味がないなどとおっしゃっていたにも関わらず、社交界の憧れの的であるロジー公爵様のお心をお射止めになって! ゲストの方々へに対して、碌な接待もできませんのに、美味しいところだけをかっさらいになって! アリソンお姉様こそ、はしたない方ですわ!! いやらしいメス豚ですわ!!!」
実の妹にメス豚呼ばわりされたことに、アリソンの心は傷つくというよりも不快になった。でも、ハーッと息を吐き、アリソンはセレニアへと答える。
「ロジー公爵様にお声をかけられるようになって、確かに私の心は今まで一度も咲いたことのなかったきらびやかな恋の花が咲き乱れるようになりましたわ。ですが、その花々は、あっけなくしおれてしまいましたの。”格下の”貴族の姫が口に出すことはできませんが、私はロジー公爵様より正式な婚姻の申込がないことを望むばかりです。そう、1日でも早く、ロジー公爵様が他の姫君へとそのお心を移されることを」
「……どういうことですの? アリソンお姉様は、あれほど見目麗しく優雅なロジー公爵様からの求愛を疎ましくお思いになっていますの?」
「ええ、私たちは嫁ぐ相手を選ぶことができない立場に生まれついたとはいえ、私にとってロジー公爵様は”真の運命の相手”ではありません。そして、ロジー公爵様にとっても、私は”真の運命の相手”ではないのですわ」
「それはそうでございますよね。アリソンお姉様よりも数段美人で、コミュニケーションに長けた華やかな姫は大勢いらっしゃいますもの。不釣り合いでございますもの」
「コミュニケーション能力はともかく、顔に関しては……セレニア、あなたもロジー公爵様と不釣り合いだということですわね」
真実を付かれて、グッと詰まる(一卵性の)双子の妹姫・セレニア。
「セレニア、私とロジー公爵様は不釣り合いというのはもちろんですが、あの方とは根本的に合わないのです。不一致なのです」
「……不一致ですって? それなら、一致するように努力すればいいだけの話でございましょう?」
「ええ、そうですわね。けれども、努力できることと努力できないことがこの世にはあるのです。少なくとも私には絶対に無理ですわ」
「私なら、努力いたしますわ! それがどのようなことであっても! あの見目麗しいロジー公爵様の妻となれるのですもの!! 政略結婚ではなく互いに愛し求めあって結ばれるかもしれないのですもの! アリソンお姉様にお出来にならないことが私にはできましてよ!!!」
セレニアがひときわ甲高い金切り声で叫んだ。アリソンは妹姫の決意は、真なるものであると悟った。それなら……
「分かりましたわ、セレニア。そこまでおっしゃるなら、ロジー公爵様のお心を射止める秘訣を教えて差し上げます」
※※※
ロジー公爵様のお心を射止める秘訣。
それは「ロジー公爵様自らがお作りになった料理を残さずに食べること」と、セレニアはアリソンから教えられた。
この秘訣を聞いたセレニアは、こう解釈した。
ロジー公爵様は、貴族社会ならではの贅を極めた料理に飽き飽きしていたのですのね。いいえ、それだけでなく、本来のロジー公爵様は、アリソンお姉様と同じく賑やかなを苦手としている――日常こそを愛おしくお思いになっている慎ましい方なのですわ。公爵様の務めとして、貴族の城での晩餐会や舞踏会に顔を出しているだけで……
けれども、ロジー公爵様自らがお料理をお作りになるなんて、なんて斬新的な方なのでしょう! 時代は変わり始めているのかもしれませんわ。私はぜひとも、ロジー公爵様の手料理を堪能してみたいですわ。
さらに――
アリソンお姉様は、ロジー公爵様からの「秘密のお食事会」の招待を”仮病を使って”断りましたから、私がアリソンお姉様の代理として向かうことになりましてよ。初めてのご招待であるというのに、お馬鹿なアリソンお姉様。せっかくのチャンスであったというのに……ずっと、影に隠れたまま生きていかれるとよろしいですわ。
ロジー公爵のお城に招かれたセレニア。
「秘密のお食事会」であるため、セレニアが通された部屋にいたのは、ロジー公爵と美青年執事の2人だけであった。
ロジー公爵が「あの食事をこの部屋に運んできてくれ」と、美青年執事に指示を出す。「かしこまりました」と恭しく頭を下げた美青年執事。
しかし、部屋を出て行く時の彼は、セレニアをチラリと見た。何と形容したいいのか分からぬその視線は、主の客人に対する”それ”ではなかった。
一瞬、不快に感じたセレニアであったも、せっかくのロジー公爵様とのお食事会ですし……と、先ほどの無礼な視線を忘れることにした。
「セレニア姫……私は本当に心よりうれしく思います。あなたが私の秘密の食事会に来てくださった”初めての姫君”です。ご存じかと思いますが、私は贅沢はそれほど好きではありません。食事に関しても自給自足が一番だと常々考えていたのです」
ロジー公爵の目は、すでに潤んでいた。
「そして……私はずっと、運命の女性を探し求めておりました。それは、あなたの姉上のアリソン姫であると、当初は思いました。”晩餐会の料理を心から楽しんでいるようには見えなかった彼女”かと……ですが、違いました。私の真の運命の相手は、あなたであったのです。アリソン姫のすぐ隣に、神はあなたというかけがえのない贈り物を……」
甘く切ない言葉に、セレニアの瞳からは涙がポロリとこぼれ落ちた。
「ロジー公爵様……私もうれしゅうございますわ。私たちはあなた様のためなら、どんなことでもいたします。たとえ、どのようなことでも、”あなた様が望む私”にぴたりと一致するように努力いたします。それが、あなた様をいかなる時も心から敬い愛する私の務めでございますもの」
「今から、私の料理を全て食べてくださるのですね?」
「ええ、もちろんでございますわ!」
セレニアは即答した。
その時、ついに美青年執事が戻ってきた。ロジー公爵様の手料理――クロッシュ(ドーム型の蓋)をかぶせられている料理を運んできた”青い顔”の美青年執事が……
同時に、この食事の場に、”一番似つかわしくない臭い”がむわっと漂ったことを感じたセレニア。
「セレニア姫、食後には”黄色いワイン”もお持ちする予定です」
ロジー公爵のその言葉を聞いた美青年執事が「ウッ!」と口元を押さえたかと思うと、嘔吐した。
「大事な客人の前で何たる粗相をしているのだ、お前は!? でも、この”匂い”は”香りづけ”にはいいかもしれぬな。お前もずんぶん粋なことをしてくれるものだ」
ロジー公爵は、”まさに感極まり”となおも言葉を続けた。
「さあ、セレニア姫、存分に味わってくださいませ。唯一無二の私の料理を! ”私の体内”で作られた料理を!」
※※※
仮病を使ってベッドで横になっていたアリソンであったが、セレニアが今、直面しているであろう状況を想像すると、本当に具合が悪くなってきた。
アリソンは、一度は心ときめいたロジー公爵との性格の不一致、というよりも”性の不一致”を、まだ嫁入り前の体でありながらもいち早く感じ取っていた。
性急な言葉での求愛の端々、そして、ふとした時に彼の衣服からほのかに漂う臭いから、”違和感の裏側”――ロジー公爵は、極めて探究的な真性のスカトロジストであるということを悟っていた。
アリソンは何も、そういったいわゆる特殊な性癖の方々を馬鹿にしたり、忌み嫌うつもりはない。そういった性癖を持っていること自体は、仕方のないことだ。
けれども、自分には無理だ。絶対に無理だ。無理なものは無理だ。
性の不一致は、男と女、いいや、男と男、女と女の場合であっても、各々が考えている以上に大問題であるのだ。
しかし、「ロジー公爵様自らがお作りになった”料理”を残さずに食べること」という秘訣の裏に隠された真実を、アリソンがセレニアにきちんと教えなかったのは、社交的な妹姫に対する人生最大の意地悪というよりも、身代わりを立てての人身御供に等しいだろう。
さて今頃、セレニアはロジー公爵自らが体内で作った料理を完食することは出来ずに泣きながら許しを乞うている最中であるのか、それとも……
―――fin―――
【お詫び】
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
「※食事中の方、注意!」とサブタイトルの横に明記しておくべきであった本作ですが、根幹的なネタバレにかかわりますため、注意書きなしでの投稿となりました。
何卒、ご容赦くださいますようお願いいたします。
なお、「Episode10-A 刑罰」に登場した、残虐で口の悪い女殺人鬼アリソン・ハインドマンが「クソ」と連呼しまくっていたのは、本作のこの結末を暗示していたのかもしれませんね。
身分制度は存在しているも、衣食住はそれぞれの身分なりには満たされている。
とある貴族の城では、毎夜のように贅を極めた晩餐会が開かれていた。
テーブルには大勢のゲストたちでも食べきれないほどの料理がならぶ。そう、”食べきれない”ということは、それらの料理は廃棄処分するしかない。ああ、なんともったいないことか!
この貴族の城には、2人の姫――双子の姫がいた。
姉姫の名はアリソン、妹姫の名はセレニア。姉姫は太陽の光、妹姫は月を意味する名前。
対照的な名前を持つ2人の姫は姿かたちこそそっくりであったも、彼女たちそれぞれの気質はその名前とは対照的であった。
さあ、今夜の晩餐会のドレスと宝石はどれにしようかしら? などと、セレニアがまるでその背中に羽根でも生えて飛んで行ってしまうほどに浮き立っているその隣の部屋で、アリソンはベッドに沈み込んでしまうのではと思うほどのそれはそれは分厚い書物を広げ、読みふけっているといった具合であった。
「アリソンお姉様。今夜の晩餐会のドレスは、どちらがよろしいかしら? 侍女たちにも聞いたのですけど、ちょうど同数で票が割れてしまいましたの。だから、最後はアリソンお姉様の一票で決めようと思いますわ」
ベッドの上のアリソンは、ノックもせずに部屋へと飛び込んできたセレニアを軽く目で諌める。
「……さあ、票が割れたということは、あなたにはどちらも”そこそこ”似合っているってことですわね。そもそも、あなたはよく似た形のドレスの色違いをたくさん持っていらっしゃるから、私には色以外の違いがよく分かりませんの」
同じドレスは二度と着用しない主義であるセレニアは、アリソンの約20倍ほどのドレスを所有していた。その中にはもちろん、セレニアが一度も袖を通していないドレスも多数ある。
食べる物だけでなく、食べられない物までもが過多の状態だ。
「アリソンお姉様……なぜ、お姉様はいつもそんなに湿っぽいのですか? なぜ、晩餐会を心から楽しもうとしないですか? 晩餐会では大勢の素敵な殿方ともお近づきになれますのよ」
「……正直、私は毎夜の晩餐会になど出たくないのです。毎夜毎夜、うんざりしていますわ」
セレニアは毎夜の晩餐会を心待ちにし、ゲストをもてなし楽しんでいるのに対し、アリソンは義理で晩餐会に顔を出し、皆の賑わいをどこか冷めた目で見ている……早くお開きになればいいと思っていることがうっすらと分かるといったところだ。
「セレニア……毎夜毎夜、”晩餐会の後の光景”をあなたは見たことがありまして? すなわち、”贅をこらした宴の後”を……私にとって、あれほど虚しくなる光景はありませんわ」
「廃棄処分されるしかない料理や汚れた食器やグラス、テーブルクロスのことをおっしゃっているのですか? けれども、それらを片付けるのは私たちではありませんし、アリソンお姉様が気に病む必要はないかと……」
「私はそういうことを言っているのではありません……実は今、私が読んでいる、東洋のとある国を舞台にした架空の物語の中には”ハレとケ”という表現が出てきますの」
アリソンが手元の分厚い書物をスッと示す。セレニアは首を傾げる。
「腫れと毛? 何かの疾患のことでしょうか?」
「いいえ。ハレは”晴れ”、ケは”褻”を指して……と言いましても話し言葉じゃ分かりませんわよね。つまり、ハレは”非日常”、ケは”日常”のことですわ。今、毎夜の晩餐会開催という”ハレの日”ばかりが続いて、なかなか”ケの日”に戻ることができなくてほとほと食傷気味なのです」
「”ハレの日”ばかりが続くなんて、素晴らしいじゃありませんこと? 私はスリリングでファンタスティックな非日常を楽しみ続けているのですね。どうか、このような日々が永遠に続きますように。”つまらない日常”など、この私の人生にはふさわしくありませんもの。いいえ、今や、その非日常の日々こそが私の日常となってしまっているということですわね」
「私には、あなたの言う”つまらない日常”こそが私にとって大切なものなのです。それに……誤解なさらないで欲しいのですけど、私は何も晩餐会そのものを悪く言っているわけではありません。ただ、私のような気質の者に、毎夜毎夜の晩餐会は本当に苦しみの元でしかないのです」
「……今さら何をおしゃってるの、アリソンお姉様? 今まで私と一緒に貴族の姫としての教育を受けてきたはずですのに。いくら、アリソンお姉様が貴族の姫として生まれた宿命を苦しみととらえていても、”そう”生まれついてしまった以上は仕方のないことかと……」
「そう、あなたの言う通りですわ。貴族の姫として生まれてしまった私は、貴族の姫として生きていくしかないのだと。太陽のごとく明るくてコミュニケーション能力に長けて、貴族の姫として優秀なあなたの影に隠れながら……お父様やお母様だって、そう露骨に態度に表すことはありませんけど、あなたの方がこの貴族社会での”強い駒”だって考えているに違いありませんわ」
アリソンの発した”強い駒”という棘。
だが事実、貴族社会における結婚とは、家を存続させ、より発展させていくものなのだから。
「アリソンお姉様、確かに私たちは駒であり……恋愛結婚など稀で、いずれはお父様とお母様が決めた殿方に嫁ぐことになるのでしょうけど……晩餐会では毎夜、素敵な殿方とお会いし、お話ができますのよ。湿っぽくて恥ずかしがり屋のアリソンお姉様だって、殿方にご興味がないわけではないと思いますけれど……」
「女性に生まれたからといって、誰しもが殿方に……いいえ、殿方だけでなくドレスや宝石に興味を持っているわけではありませんわ。ただ、各々の魂の入った”器(うつわ)”が男性の肉体であったのか、女性の肉体であったのかだけの違いであり……それに、いくら話し上手でありましても話題が殿方に関することばかりの淑女は、はしたないうえに頭が足りないように見えてしまいますわよ」
「まあ! 本当にアリソンお姉様はつまらないうえに、失礼な方ですのね!!」
プリプリと怒りながら、セレニアは出て行った。アリソンは手元の書物に再び目を落とした。
昨夜に引き続き、今夜も開催される晩餐会を心から憂鬱に思いながら……
※※※
今夜の晩餐会はいつもとは明らかに違っていた。
なぜなら、当代一の美男子と誉れ高いロジー公爵の姿があったからだ。
当然、晩餐会はザワワワッと色めき立った。主に女性を――淑女たちを中心として。
殿方にはそれほど興味がないはずであったアリソンですら、ロジー公爵の”魂が入れられた器”、すなわち外見的魅力に見惚れるほどであった。
だが、ロジー公爵に儀礼的な挨拶を行った後のアリソンは、毎夜のごとく晩餐会の壁の花となることにした。
ゲストたちから声をかけられたなら、もちろん答える。だが、母や妹のように積極的にガツガツとは立ち回らない。彼女の人生において最上級レベルの超美男子(身分まで高いうえに、また決まった妻もいないお方)と同じ空間にいるという超非日常の中にあっても……
しかし、なんと!
ロジー公爵は話し上手なセレニアよりも、話下手なアリソンの方を気に入ったようであった。ロジー公爵に声をかけられたアリソンは当初、”このお方はまさか、私とセレニアを間違えていらっしゃるのかしら? ドレスは違えど顔は全く同じですものね”と思わずにはいられなかった。
けれども、ロジー公爵は姉姫アリソンだと理解したうえで、アリソンへと声をかけたらしい。
「料理も酒も何もかもが最上級に素晴らしい。私の城にまで届いておりました数々の誉れを、こうしてこの身で堪能することができて、うれしく思います」
「も、も、もったいないお言葉、お、恐れ入ります」
アリソンはつっかえながらも、ロジー公爵に深々と頭を下げた。先ほど酒で喉を潤したばかりであるのに、喉はカラカラに乾いていた。
「けれども、あなたはこの晩餐会を心から楽しんでいないように私には見えるのですが……」
「……え?!」
思わぬロジー公爵の言葉に、アリソンは顔を上げた。
「あなたが本当に求めていることは、これほどまでに贅を極めた賑やかな美食の宴ではない。もっと違うものであるはずだ。そうでしょう?」
アリソンの胸が高鳴った。と同時に、切なく痛みもした。
”まさか、このお方は一目で私のことを分かってくださったというの?”と、誰にも分かってもらえず今まで溜まりに溜まっていたストレスがほんの少しだけ、ほぐされた気がしたのだ。
アリソンの目からポロリと一筋の涙が流れてしまった。
「し、失礼を……」
慌てて顔を隠そうとしたアリソンに、ロジー公爵は微笑みかけた。
「いいのですよ。私たちがやっとお互いの魂が求めていた存在に出会うことができたのかもしれませんね。今宵の運命の出会いはきっと、神から私たちへの贈り物なのでしょう」
※※※
「運命」という甘いにも程がある言葉によって、初めて出会った夜よりアリソンをとろけさせ始めたロジー公爵。
それからの彼のアリソンへの求愛は、あまりにも情熱的であった。まるで”運命の相手”を誰にも渡しやしない、と言わんばかりに。
当初は、心に花が咲き乱れんばかりのうれしさに包まれていたアリソンであったが、違和感を感じずにはいられなかった。実を言うと、その違和感の裏側をもアリソンは掴み始めていた。けれども、格上であるロジー公爵からの正式な婚姻の申込があったなら断れまい。もう逃げられない。
しかし、そんなアリソンの心の内など他の者に分かるわけがない。たとえ、ともにこの世に生を受けた双子の妹姫であっても。
「ひどいですわ! アリソンお姉様!」
泣き腫らした瞳のセレニアが、金切り声をあげながらアリソンの部屋へと飛び込んできた。
「アリソンお姉様は殿方には興味がないなどとおっしゃっていたにも関わらず、社交界の憧れの的であるロジー公爵様のお心をお射止めになって! ゲストの方々へに対して、碌な接待もできませんのに、美味しいところだけをかっさらいになって! アリソンお姉様こそ、はしたない方ですわ!! いやらしいメス豚ですわ!!!」
実の妹にメス豚呼ばわりされたことに、アリソンの心は傷つくというよりも不快になった。でも、ハーッと息を吐き、アリソンはセレニアへと答える。
「ロジー公爵様にお声をかけられるようになって、確かに私の心は今まで一度も咲いたことのなかったきらびやかな恋の花が咲き乱れるようになりましたわ。ですが、その花々は、あっけなくしおれてしまいましたの。”格下の”貴族の姫が口に出すことはできませんが、私はロジー公爵様より正式な婚姻の申込がないことを望むばかりです。そう、1日でも早く、ロジー公爵様が他の姫君へとそのお心を移されることを」
「……どういうことですの? アリソンお姉様は、あれほど見目麗しく優雅なロジー公爵様からの求愛を疎ましくお思いになっていますの?」
「ええ、私たちは嫁ぐ相手を選ぶことができない立場に生まれついたとはいえ、私にとってロジー公爵様は”真の運命の相手”ではありません。そして、ロジー公爵様にとっても、私は”真の運命の相手”ではないのですわ」
「それはそうでございますよね。アリソンお姉様よりも数段美人で、コミュニケーションに長けた華やかな姫は大勢いらっしゃいますもの。不釣り合いでございますもの」
「コミュニケーション能力はともかく、顔に関しては……セレニア、あなたもロジー公爵様と不釣り合いだということですわね」
真実を付かれて、グッと詰まる(一卵性の)双子の妹姫・セレニア。
「セレニア、私とロジー公爵様は不釣り合いというのはもちろんですが、あの方とは根本的に合わないのです。不一致なのです」
「……不一致ですって? それなら、一致するように努力すればいいだけの話でございましょう?」
「ええ、そうですわね。けれども、努力できることと努力できないことがこの世にはあるのです。少なくとも私には絶対に無理ですわ」
「私なら、努力いたしますわ! それがどのようなことであっても! あの見目麗しいロジー公爵様の妻となれるのですもの!! 政略結婚ではなく互いに愛し求めあって結ばれるかもしれないのですもの! アリソンお姉様にお出来にならないことが私にはできましてよ!!!」
セレニアがひときわ甲高い金切り声で叫んだ。アリソンは妹姫の決意は、真なるものであると悟った。それなら……
「分かりましたわ、セレニア。そこまでおっしゃるなら、ロジー公爵様のお心を射止める秘訣を教えて差し上げます」
※※※
ロジー公爵様のお心を射止める秘訣。
それは「ロジー公爵様自らがお作りになった料理を残さずに食べること」と、セレニアはアリソンから教えられた。
この秘訣を聞いたセレニアは、こう解釈した。
ロジー公爵様は、貴族社会ならではの贅を極めた料理に飽き飽きしていたのですのね。いいえ、それだけでなく、本来のロジー公爵様は、アリソンお姉様と同じく賑やかなを苦手としている――日常こそを愛おしくお思いになっている慎ましい方なのですわ。公爵様の務めとして、貴族の城での晩餐会や舞踏会に顔を出しているだけで……
けれども、ロジー公爵様自らがお料理をお作りになるなんて、なんて斬新的な方なのでしょう! 時代は変わり始めているのかもしれませんわ。私はぜひとも、ロジー公爵様の手料理を堪能してみたいですわ。
さらに――
アリソンお姉様は、ロジー公爵様からの「秘密のお食事会」の招待を”仮病を使って”断りましたから、私がアリソンお姉様の代理として向かうことになりましてよ。初めてのご招待であるというのに、お馬鹿なアリソンお姉様。せっかくのチャンスであったというのに……ずっと、影に隠れたまま生きていかれるとよろしいですわ。
ロジー公爵のお城に招かれたセレニア。
「秘密のお食事会」であるため、セレニアが通された部屋にいたのは、ロジー公爵と美青年執事の2人だけであった。
ロジー公爵が「あの食事をこの部屋に運んできてくれ」と、美青年執事に指示を出す。「かしこまりました」と恭しく頭を下げた美青年執事。
しかし、部屋を出て行く時の彼は、セレニアをチラリと見た。何と形容したいいのか分からぬその視線は、主の客人に対する”それ”ではなかった。
一瞬、不快に感じたセレニアであったも、せっかくのロジー公爵様とのお食事会ですし……と、先ほどの無礼な視線を忘れることにした。
「セレニア姫……私は本当に心よりうれしく思います。あなたが私の秘密の食事会に来てくださった”初めての姫君”です。ご存じかと思いますが、私は贅沢はそれほど好きではありません。食事に関しても自給自足が一番だと常々考えていたのです」
ロジー公爵の目は、すでに潤んでいた。
「そして……私はずっと、運命の女性を探し求めておりました。それは、あなたの姉上のアリソン姫であると、当初は思いました。”晩餐会の料理を心から楽しんでいるようには見えなかった彼女”かと……ですが、違いました。私の真の運命の相手は、あなたであったのです。アリソン姫のすぐ隣に、神はあなたというかけがえのない贈り物を……」
甘く切ない言葉に、セレニアの瞳からは涙がポロリとこぼれ落ちた。
「ロジー公爵様……私もうれしゅうございますわ。私たちはあなた様のためなら、どんなことでもいたします。たとえ、どのようなことでも、”あなた様が望む私”にぴたりと一致するように努力いたします。それが、あなた様をいかなる時も心から敬い愛する私の務めでございますもの」
「今から、私の料理を全て食べてくださるのですね?」
「ええ、もちろんでございますわ!」
セレニアは即答した。
その時、ついに美青年執事が戻ってきた。ロジー公爵様の手料理――クロッシュ(ドーム型の蓋)をかぶせられている料理を運んできた”青い顔”の美青年執事が……
同時に、この食事の場に、”一番似つかわしくない臭い”がむわっと漂ったことを感じたセレニア。
「セレニア姫、食後には”黄色いワイン”もお持ちする予定です」
ロジー公爵のその言葉を聞いた美青年執事が「ウッ!」と口元を押さえたかと思うと、嘔吐した。
「大事な客人の前で何たる粗相をしているのだ、お前は!? でも、この”匂い”は”香りづけ”にはいいかもしれぬな。お前もずんぶん粋なことをしてくれるものだ」
ロジー公爵は、”まさに感極まり”となおも言葉を続けた。
「さあ、セレニア姫、存分に味わってくださいませ。唯一無二の私の料理を! ”私の体内”で作られた料理を!」
※※※
仮病を使ってベッドで横になっていたアリソンであったが、セレニアが今、直面しているであろう状況を想像すると、本当に具合が悪くなってきた。
アリソンは、一度は心ときめいたロジー公爵との性格の不一致、というよりも”性の不一致”を、まだ嫁入り前の体でありながらもいち早く感じ取っていた。
性急な言葉での求愛の端々、そして、ふとした時に彼の衣服からほのかに漂う臭いから、”違和感の裏側”――ロジー公爵は、極めて探究的な真性のスカトロジストであるということを悟っていた。
アリソンは何も、そういったいわゆる特殊な性癖の方々を馬鹿にしたり、忌み嫌うつもりはない。そういった性癖を持っていること自体は、仕方のないことだ。
けれども、自分には無理だ。絶対に無理だ。無理なものは無理だ。
性の不一致は、男と女、いいや、男と男、女と女の場合であっても、各々が考えている以上に大問題であるのだ。
しかし、「ロジー公爵様自らがお作りになった”料理”を残さずに食べること」という秘訣の裏に隠された真実を、アリソンがセレニアにきちんと教えなかったのは、社交的な妹姫に対する人生最大の意地悪というよりも、身代わりを立てての人身御供に等しいだろう。
さて今頃、セレニアはロジー公爵自らが体内で作った料理を完食することは出来ずに泣きながら許しを乞うている最中であるのか、それとも……
―――fin―――
【お詫び】
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
「※食事中の方、注意!」とサブタイトルの横に明記しておくべきであった本作ですが、根幹的なネタバレにかかわりますため、注意書きなしでの投稿となりました。
何卒、ご容赦くださいますようお願いいたします。
なお、「Episode10-A 刑罰」に登場した、残虐で口の悪い女殺人鬼アリソン・ハインドマンが「クソ」と連呼しまくっていたのは、本作のこの結末を暗示していたのかもしれませんね。
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