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なずみのホラー便 ※公開順
★【R18】第50弾 野をかき分け、火を付けよ
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本作の主人公・晴乃(はるの)は、自然災害に興奮してしまう性的倒錯者――シンフォフィリアである。
それにもかかわらず、台風の日に残業せざるを得なかった。
しかも、同じフロア内には、男性同僚・上地と二人だけと”思われる”状況にあった。
自分の中の性衝動をついに抑えきれなくなった晴乃は、上地を誘惑する。
当の上地も、”もうすぐ結婚するにもかかわらず”晴乃の誘いを受ける。
(-_-メ)
この台風の夜だけの交わりの”一回戦目”が終わった。
その時、とっくに帰宅していた者だと思っていた男性同僚・下山がデスクの下からのそのそと這い出てくる。
狭いところでゲームをするのが好きだった彼は、”同棲中の彼女がいる”家には帰りたくなくて、ずっとそこにいたらしい。
ということは、”最初から最後まで全て聞かれてしまっていた”わけである。
下山をかたーくきつーく口留めして終わり、かと思いきや、晴乃はなんと下山も加えての3Pを提案する。
それも「私は、外でしたいんです。激しい雨に打たれながら。お願い、私に生きているって感じさせてください。荒れ狂う雨と風の中で私を滅茶苦茶にして……」と、いろいろと危険にもほどがある会社の屋上での3Pを。
上地も下山も断ることなく、晴乃とともに屋上へと向かう。
(-_-メ)
このうえなく激しい”まぐわい”ののち、閃光のごとき眩しいオルガズムに包まれた晴乃は、男たちの腕の中で気を失った。
その時、「お前ら! そこで何やってる!!!」という怒声が、懐中電灯の光とともに上地と下山に突き刺さる。
自分たちの先輩社員でもある真弓裕次郎であった。
真弓裕次郎は、すぐさま警察に通報……するわけでもなく、なぜか上地と下山に「お前ら、すまなかったな」と謝る。
彼は、晴乃の元・義理の兄であった。八年前に亡くなった彼の妻の妹が晴乃だ。
晴乃の”特殊な性癖を知っている彼”は、晴乃が家にいないことを知り、「まさか……」と彼女を探しに会社まで戻って来たのだ。
上地も下山も疑問に思わなかったようだが、彼が義理の妹の性癖を知っていること自体が妙なことではある。
目を覚ました晴乃は、真弓裕次郎にビンタ一発をくらったうえ、叱責される。
「お前……性癖だから仕方ないとか言うなよ。治せるものじゃないから仕方ないとか言うなよ。あの夜と同じ過ちを今夜も繰り返したことをお前は分かっているのか!」
さらに――
「あの夜の過ちでお前は人を殺したんだ。俺の嫁であり、お前の実の姉でもあった女をな!」
そう、今宵の上地と下山は、八年前の真弓裕次郎自身でもあった。
最愛の妹と最愛の夫が、単なる雄と雌となって、まぐわっているのを見てしまった”晴乃の姉”は、マンションのベランダより飛び降り自殺を遂げていたのだ。
その後、会社も辞め、住んでいた部屋も引き払った晴乃は、田舎にある実家へと戻っていた。
野原を一人で散歩中の晴乃の前に、車に乗った二人の若い女が現れる。
この二人の若い女は、上地と下山の女たちだった。
どっちが上地の婚約者で、どっちが下山の同棲相手かは分からない。いや、そんなことはどうでもいい。
女たちは殺意を剥き出しにして、晴乃に襲い掛かってきたのだから!
上地と下山が、あの台風の夜のことを自分たちの女に話すはずがない。
となると、真弓さんが彼女たちに(晴乃の特殊な性癖と寝取り行為を)話したということか!
必死で命乞いをする晴乃であったも、金属バットや石で殴りつけられ、顔面を砕かれ潰された。さらに、女たちは晴乃に灯油をかけて彼女を生きたまま焼き殺した。
最期の時まで晴乃は、真弓裕次郎を恨み呪いながらも愛し求め続けてもいた。
彼女を殺害した女たちであるも、真弓裕次郎にそそのかされたわけではなかった。
”同じ女を共有した”上地と下山が町の定食屋でニヤニヤ笑いながら話していた”あの夜のこと”を盗み聞きしていた共通の知り合いがいたというオチであった。
真弓裕次郎は、テレビのニュースで晴乃の死を――それも酸鼻を極める最期を迎えざるを得なかった悲惨な殺人事件の被害者となった晴乃の死を知る。
自身が愛した女を二度も永久に失ってしまった彼の慟哭は、ここではないどこかで吹き荒れる風の中へと吸い込まれていった。
★作者コメント★
本作の主人公・晴乃ですが、特殊な性癖がなくても、もともと貞操観念の低いタイプのような気がします。
ですが、いくら自分の男を寝取られたとはいえ、晴乃をリンチの末に惨たらしく殺害した上地と下山の女たちこそ、本作で一番のクズというか人間のクズだと作者は思います。
本作の言葉遊びといいますか、「野をかき分け、火をつけよ」には以下の表現を含ませてみました。
① 野をかき分ける ⇒ 野分(のわき)= 台風の古称
② 晴乃の陰毛を”野”に例え、上地の指がその”うねった漆黒の野”へと激しく分け入り、ひと際硬い尖りを探り当て、切ない囀り声をあげさせるというエロ描写
③ 散々リンチを受けたあげく、生きながら顔面までをも潰され、激痛にのたうちながらも逃げる晴乃に止めをしようとする女たちの「こいつが遠くに逃げられるわけないし、灯油を持ってきたら、野をかき分けて、こいつを見つけて、火をつけて終わらせよっか」という残酷描写
それにもかかわらず、台風の日に残業せざるを得なかった。
しかも、同じフロア内には、男性同僚・上地と二人だけと”思われる”状況にあった。
自分の中の性衝動をついに抑えきれなくなった晴乃は、上地を誘惑する。
当の上地も、”もうすぐ結婚するにもかかわらず”晴乃の誘いを受ける。
(-_-メ)
この台風の夜だけの交わりの”一回戦目”が終わった。
その時、とっくに帰宅していた者だと思っていた男性同僚・下山がデスクの下からのそのそと這い出てくる。
狭いところでゲームをするのが好きだった彼は、”同棲中の彼女がいる”家には帰りたくなくて、ずっとそこにいたらしい。
ということは、”最初から最後まで全て聞かれてしまっていた”わけである。
下山をかたーくきつーく口留めして終わり、かと思いきや、晴乃はなんと下山も加えての3Pを提案する。
それも「私は、外でしたいんです。激しい雨に打たれながら。お願い、私に生きているって感じさせてください。荒れ狂う雨と風の中で私を滅茶苦茶にして……」と、いろいろと危険にもほどがある会社の屋上での3Pを。
上地も下山も断ることなく、晴乃とともに屋上へと向かう。
(-_-メ)
このうえなく激しい”まぐわい”ののち、閃光のごとき眩しいオルガズムに包まれた晴乃は、男たちの腕の中で気を失った。
その時、「お前ら! そこで何やってる!!!」という怒声が、懐中電灯の光とともに上地と下山に突き刺さる。
自分たちの先輩社員でもある真弓裕次郎であった。
真弓裕次郎は、すぐさま警察に通報……するわけでもなく、なぜか上地と下山に「お前ら、すまなかったな」と謝る。
彼は、晴乃の元・義理の兄であった。八年前に亡くなった彼の妻の妹が晴乃だ。
晴乃の”特殊な性癖を知っている彼”は、晴乃が家にいないことを知り、「まさか……」と彼女を探しに会社まで戻って来たのだ。
上地も下山も疑問に思わなかったようだが、彼が義理の妹の性癖を知っていること自体が妙なことではある。
目を覚ました晴乃は、真弓裕次郎にビンタ一発をくらったうえ、叱責される。
「お前……性癖だから仕方ないとか言うなよ。治せるものじゃないから仕方ないとか言うなよ。あの夜と同じ過ちを今夜も繰り返したことをお前は分かっているのか!」
さらに――
「あの夜の過ちでお前は人を殺したんだ。俺の嫁であり、お前の実の姉でもあった女をな!」
そう、今宵の上地と下山は、八年前の真弓裕次郎自身でもあった。
最愛の妹と最愛の夫が、単なる雄と雌となって、まぐわっているのを見てしまった”晴乃の姉”は、マンションのベランダより飛び降り自殺を遂げていたのだ。
その後、会社も辞め、住んでいた部屋も引き払った晴乃は、田舎にある実家へと戻っていた。
野原を一人で散歩中の晴乃の前に、車に乗った二人の若い女が現れる。
この二人の若い女は、上地と下山の女たちだった。
どっちが上地の婚約者で、どっちが下山の同棲相手かは分からない。いや、そんなことはどうでもいい。
女たちは殺意を剥き出しにして、晴乃に襲い掛かってきたのだから!
上地と下山が、あの台風の夜のことを自分たちの女に話すはずがない。
となると、真弓さんが彼女たちに(晴乃の特殊な性癖と寝取り行為を)話したということか!
必死で命乞いをする晴乃であったも、金属バットや石で殴りつけられ、顔面を砕かれ潰された。さらに、女たちは晴乃に灯油をかけて彼女を生きたまま焼き殺した。
最期の時まで晴乃は、真弓裕次郎を恨み呪いながらも愛し求め続けてもいた。
彼女を殺害した女たちであるも、真弓裕次郎にそそのかされたわけではなかった。
”同じ女を共有した”上地と下山が町の定食屋でニヤニヤ笑いながら話していた”あの夜のこと”を盗み聞きしていた共通の知り合いがいたというオチであった。
真弓裕次郎は、テレビのニュースで晴乃の死を――それも酸鼻を極める最期を迎えざるを得なかった悲惨な殺人事件の被害者となった晴乃の死を知る。
自身が愛した女を二度も永久に失ってしまった彼の慟哭は、ここではないどこかで吹き荒れる風の中へと吸い込まれていった。
★作者コメント★
本作の主人公・晴乃ですが、特殊な性癖がなくても、もともと貞操観念の低いタイプのような気がします。
ですが、いくら自分の男を寝取られたとはいえ、晴乃をリンチの末に惨たらしく殺害した上地と下山の女たちこそ、本作で一番のクズというか人間のクズだと作者は思います。
本作の言葉遊びといいますか、「野をかき分け、火をつけよ」には以下の表現を含ませてみました。
① 野をかき分ける ⇒ 野分(のわき)= 台風の古称
② 晴乃の陰毛を”野”に例え、上地の指がその”うねった漆黒の野”へと激しく分け入り、ひと際硬い尖りを探り当て、切ない囀り声をあげさせるというエロ描写
③ 散々リンチを受けたあげく、生きながら顔面までをも潰され、激痛にのたうちながらも逃げる晴乃に止めをしようとする女たちの「こいつが遠くに逃げられるわけないし、灯油を持ってきたら、野をかき分けて、こいつを見つけて、火をつけて終わらせよっか」という残酷描写
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