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第四章
第二十八話 大泥棒の神髄
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屋敷の中に侵入し、最初に入ったのは、小さな書斎のような部屋だった。
壁一面に本棚が置かれ、様々な種類の本がぎっちりと並べられている。これでは本同士が圧着してしまうのでは?と心配になるほどの詰め込みようだ。おそらく地震があって本棚が倒れても、本が飛び出す事はないだろう。
部屋の奥の小さな窓の下には、机と椅子が置かれていて、そこに座って書き物や読み物が出来るようになっているようだ。
アズミはその部屋に入ると、視線を回し、すぐに目を閉じて小さな声で何かを呟いている。その姿に鬼気迫る何かを感じ取ったウォルフは、黙ってその様子を伺っていた。時間にして2分程そうしていただろうか、アズミは目を開いて素早く本棚の本を取り出し始めた。一体何をしていたのだろうか。
慌ててウォルフがそれを手伝うと、あっという間に部屋は本で埋め尽くされてしまった。
「部屋に対して、凄い量の本だな…マウリッツと言う男は読書家なのか」
「いや、これは先代オーナーの趣味だよ。僕も何度かこの家に遊びに来た事があるけど、こういう部屋があと10室はあるね」
「10室…それは、とてつもないな」
ウォルフは驚きながら、本を手に取り内容を確かめた。娯楽小説から実用書まで、ジャンルは様々で、正直滅茶苦茶だ。比較的新しいものが多いようだが、この数を集めようと思えば、かなりの時間や手間が掛かったことだろう。先代オーナーとやらは、よほどの本の虫だったに違いない。
そんなウォルフを余所に、アズミは瞬く間に取り出した本を次々に開いては閉じ、開いては閉じをして、中身を確認していた。本の内容を見ているというよりは、何か隠してあるものを探しているような、そんな動きだ。
わずか10分もしない内に、アズミは作業を終えたようで、勢いよく本を本棚に戻し始めた。時折、ウォルフが持っていた本をかっさらっては本棚に仕舞っていく…まさか。
「もしかして、どの本がどこに収められていたのか、覚えているのか?」
「うん、そうだよ。大泥棒ってのはね。盗まれた相手にそれを気付かせないものなのさ。僕の事、見直した?」
頭巾の下の表情は解らないが、アズミの目は悪戯っ子のように輝いていた。これにはウォルフも肩を竦めて負けを認めるほかない。最初に部屋を見回していたのは、その為の行動だったのだろう、とんでもない技術だ。
その後、机の中身も同様に確認をし、やはり完璧なまでに元通りにすると、その部屋を後にした。ウォルフも少しは役に立てると思っていたが、さすがにこんな技を見せつけられては、逆に何かすれば邪魔になりそうである。手持ち無沙汰になったウォルフは、しばらくの間、ただアズミに着いて歩く事しかできなかった。
いくつかの部屋を回ったものの、二人は目的の物を見つけられずにいる。
残りは2部屋ほどだが、本当に証拠となるものがあるのだろうか?そんな事を考えながら屋敷の中を移動していると、ウォルフの様子を見ていたアズミが不意に口を開いた。
「凄いね、ウォルフは」
「何がだ?さっきから俺は何も役に立ててないが…」
「いや、身のこなしがね。気配の絶ち方といい、周囲への気の配り方といい、まるで僕らと同じ技術を学んでるみたいだよ。どこで習ったの?」
「あー…古い馴染みの先生がいてな。色々叩き込まれたが、俺なんかまだまだだよ」
馴染みの先生というのは、言うまでもなくダンテの事だ。彼直伝の隠密技術は、確かに凄まじい。ウォルフはその域に達してはいないが、ダンテが本気を出せば、例え100人もの衆人監視の中であろうと、誰にも気付かれずに暗殺をやってのけるだろう。さすがにその技術を泥棒に使うという事はないだろうが、考えてみれば似たような事を頼んだ事もあったし、そういう意味では近い技術と言えるのかもしれない。
それにアズミは興味を持ったのか、ぐいぐい質問を投げかけてくる。
「へぇ、先生…どんな人?」
「ダンテというんだが、どんな人…?うーん、兄のような父親のような…ま、あまり厳しくはないかな」
「先生なのに、お父さん?面白いね、信頼してるんだ、その人の事」
「そうだな、ずっと昔から傍にいて、色々と教えてくれたからな。家族みたいなもんだよ」
「お父さん、か…いいなぁ…」
アズミが小さな声で呟くその言葉の真意は、ウォルフには解らない。ただ、あまり深く突っ込んで聞くべき話とは思えなかったので、敢えて聞こえなかったフリをして、話をそらした。
「と、ところで、次の部屋はこっちでいいのか?」
「ああ、うん。そこの角を曲がって大廊下を通った先だよ」
「そこか。…しかし、やけに人がいないな?」
そう、二人がこの屋敷に入ってから、マウリッツ本人はおろか、今の今まで人っ子一人見かけてはいない。それでも二人共警戒は解いていないが、これだけの屋敷である。警備の人間がいても何らおかしくはないはずだ。
「この時間は、娼館が一番忙しい時間帯だからね。責任者のマウリッツは店に付きっきりさ。あと二時間くらいは戻ってこないよ」
「そういうものか」
納得しながら進み、曲がり角に差し掛かった時、不意にその先で人の気配を感じた。ウォルフはすかさず左手でアズミを制止して、様子を伺う。
「待て…この先、誰かいるぞ」
「え、そう?…よく解るね。警備かな?」
もしそうなら困った事になる。アズミの言う通りならこの先は廊下なのだから、さすがに二人で身を隠すのは厳しいだろう。ウォルフはそっと壁に身を潜めながら、廊下の先を覗き込むと、何者かのシルエットが見えた。
その人物は反対方向を向いていて、ローブを着ている為に、シルエットしか解らない。
「本当だ、誰かいるね。ここからじゃよく見えないけど」
「どうする?本当に広いだけの廊下だ。身を隠すのは難しそうだぞ」
「僕は隠形の魔法があるから一人や二人なら誤魔化せるけど、ウォルフが厳しいね…ちょっと眠っててもらう?」
アズミの言う通り、最終的には力で黙らせるしかないが、それは最後の手段だ。相手に気付かせないのが大泥棒の手腕だというのなら、アズミにそれをさせるのはウォルフとしても心苦しい。何か手は無いかと考えていると、どこからか男の声がした。
「おい!そこにいるのは解ってるぜ、出て来いよ、賊どもが」
アズミとウォルフは顔を見合わせて、声の主を探す。どうやらあのシルエットの人物の声のようだが、それとは別に、誰かがいるようだ。しかも、相手は賊どもと言った。こちらが複数人だと解っているなら、当てずっぽうでもないのだろう。
このまま時間だけが過ぎていっても埒が明かないと踏んで、二人はゆっくりと廊下に身を晒した。
そのまま少しずつ歩いていくと、ローブの人物の向こうから、さらに二人の男が現れた。
彼らは距離を取ったまま、ウォルフ達の前に立ちはだかるのだった。
壁一面に本棚が置かれ、様々な種類の本がぎっちりと並べられている。これでは本同士が圧着してしまうのでは?と心配になるほどの詰め込みようだ。おそらく地震があって本棚が倒れても、本が飛び出す事はないだろう。
部屋の奥の小さな窓の下には、机と椅子が置かれていて、そこに座って書き物や読み物が出来るようになっているようだ。
アズミはその部屋に入ると、視線を回し、すぐに目を閉じて小さな声で何かを呟いている。その姿に鬼気迫る何かを感じ取ったウォルフは、黙ってその様子を伺っていた。時間にして2分程そうしていただろうか、アズミは目を開いて素早く本棚の本を取り出し始めた。一体何をしていたのだろうか。
慌ててウォルフがそれを手伝うと、あっという間に部屋は本で埋め尽くされてしまった。
「部屋に対して、凄い量の本だな…マウリッツと言う男は読書家なのか」
「いや、これは先代オーナーの趣味だよ。僕も何度かこの家に遊びに来た事があるけど、こういう部屋があと10室はあるね」
「10室…それは、とてつもないな」
ウォルフは驚きながら、本を手に取り内容を確かめた。娯楽小説から実用書まで、ジャンルは様々で、正直滅茶苦茶だ。比較的新しいものが多いようだが、この数を集めようと思えば、かなりの時間や手間が掛かったことだろう。先代オーナーとやらは、よほどの本の虫だったに違いない。
そんなウォルフを余所に、アズミは瞬く間に取り出した本を次々に開いては閉じ、開いては閉じをして、中身を確認していた。本の内容を見ているというよりは、何か隠してあるものを探しているような、そんな動きだ。
わずか10分もしない内に、アズミは作業を終えたようで、勢いよく本を本棚に戻し始めた。時折、ウォルフが持っていた本をかっさらっては本棚に仕舞っていく…まさか。
「もしかして、どの本がどこに収められていたのか、覚えているのか?」
「うん、そうだよ。大泥棒ってのはね。盗まれた相手にそれを気付かせないものなのさ。僕の事、見直した?」
頭巾の下の表情は解らないが、アズミの目は悪戯っ子のように輝いていた。これにはウォルフも肩を竦めて負けを認めるほかない。最初に部屋を見回していたのは、その為の行動だったのだろう、とんでもない技術だ。
その後、机の中身も同様に確認をし、やはり完璧なまでに元通りにすると、その部屋を後にした。ウォルフも少しは役に立てると思っていたが、さすがにこんな技を見せつけられては、逆に何かすれば邪魔になりそうである。手持ち無沙汰になったウォルフは、しばらくの間、ただアズミに着いて歩く事しかできなかった。
いくつかの部屋を回ったものの、二人は目的の物を見つけられずにいる。
残りは2部屋ほどだが、本当に証拠となるものがあるのだろうか?そんな事を考えながら屋敷の中を移動していると、ウォルフの様子を見ていたアズミが不意に口を開いた。
「凄いね、ウォルフは」
「何がだ?さっきから俺は何も役に立ててないが…」
「いや、身のこなしがね。気配の絶ち方といい、周囲への気の配り方といい、まるで僕らと同じ技術を学んでるみたいだよ。どこで習ったの?」
「あー…古い馴染みの先生がいてな。色々叩き込まれたが、俺なんかまだまだだよ」
馴染みの先生というのは、言うまでもなくダンテの事だ。彼直伝の隠密技術は、確かに凄まじい。ウォルフはその域に達してはいないが、ダンテが本気を出せば、例え100人もの衆人監視の中であろうと、誰にも気付かれずに暗殺をやってのけるだろう。さすがにその技術を泥棒に使うという事はないだろうが、考えてみれば似たような事を頼んだ事もあったし、そういう意味では近い技術と言えるのかもしれない。
それにアズミは興味を持ったのか、ぐいぐい質問を投げかけてくる。
「へぇ、先生…どんな人?」
「ダンテというんだが、どんな人…?うーん、兄のような父親のような…ま、あまり厳しくはないかな」
「先生なのに、お父さん?面白いね、信頼してるんだ、その人の事」
「そうだな、ずっと昔から傍にいて、色々と教えてくれたからな。家族みたいなもんだよ」
「お父さん、か…いいなぁ…」
アズミが小さな声で呟くその言葉の真意は、ウォルフには解らない。ただ、あまり深く突っ込んで聞くべき話とは思えなかったので、敢えて聞こえなかったフリをして、話をそらした。
「と、ところで、次の部屋はこっちでいいのか?」
「ああ、うん。そこの角を曲がって大廊下を通った先だよ」
「そこか。…しかし、やけに人がいないな?」
そう、二人がこの屋敷に入ってから、マウリッツ本人はおろか、今の今まで人っ子一人見かけてはいない。それでも二人共警戒は解いていないが、これだけの屋敷である。警備の人間がいても何らおかしくはないはずだ。
「この時間は、娼館が一番忙しい時間帯だからね。責任者のマウリッツは店に付きっきりさ。あと二時間くらいは戻ってこないよ」
「そういうものか」
納得しながら進み、曲がり角に差し掛かった時、不意にその先で人の気配を感じた。ウォルフはすかさず左手でアズミを制止して、様子を伺う。
「待て…この先、誰かいるぞ」
「え、そう?…よく解るね。警備かな?」
もしそうなら困った事になる。アズミの言う通りならこの先は廊下なのだから、さすがに二人で身を隠すのは厳しいだろう。ウォルフはそっと壁に身を潜めながら、廊下の先を覗き込むと、何者かのシルエットが見えた。
その人物は反対方向を向いていて、ローブを着ている為に、シルエットしか解らない。
「本当だ、誰かいるね。ここからじゃよく見えないけど」
「どうする?本当に広いだけの廊下だ。身を隠すのは難しそうだぞ」
「僕は隠形の魔法があるから一人や二人なら誤魔化せるけど、ウォルフが厳しいね…ちょっと眠っててもらう?」
アズミの言う通り、最終的には力で黙らせるしかないが、それは最後の手段だ。相手に気付かせないのが大泥棒の手腕だというのなら、アズミにそれをさせるのはウォルフとしても心苦しい。何か手は無いかと考えていると、どこからか男の声がした。
「おい!そこにいるのは解ってるぜ、出て来いよ、賊どもが」
アズミとウォルフは顔を見合わせて、声の主を探す。どうやらあのシルエットの人物の声のようだが、それとは別に、誰かがいるようだ。しかも、相手は賊どもと言った。こちらが複数人だと解っているなら、当てずっぽうでもないのだろう。
このまま時間だけが過ぎていっても埒が明かないと踏んで、二人はゆっくりと廊下に身を晒した。
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