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ゆめ3
二
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わたしの帰宅時間は奥村さんに合わせなければならなくなった。
何なりとする事はあるので、時間を持て余すことはないが、キリの良いところをあわすのが難しそうだ。
奥村さんが18時過ぎに、帰宅予定の時間をメモで渡してくれた。
何か、不倫の待ち合わせのようだと思った。
奥村さんに食事のことをききたい。またコンビニのお弁当だと体調を崩しそうだ。
奥村さんが席を立ったので様子をうかがう。研究室を出て行った。パソコンをロックして後を追った。呼び止める。
「ん?」
「夕食なんですがどういうご予定ですか?」
「予定? どこかで買って帰るが」
「わたし、添加物が苦手なので……家に帰って、食べてからここに戻ってきても良いですか?」
「料理するのか」
奥村さんが腕組みをした。
「もう少し早く切り上げる。今日は車で来たしな。食材を買いに行こう」
奥村さんはそう言うと、足早に教授の部屋へ入っていった。奥村さんに夕食を作らなければならないとなると、メニューを考えなくては。
今日は、野菜さえちゃんととれればいいくらいの気分だった。
21時帰宅の予定が早まってもせいぜい20時前後だろう。簡単なものしかできない。
奥村さんの食の好みも何もわからない。
研究室に戻って、パソコン画面を見ながらでも、おかずをどうするかを考えてしまう。
家にある食材を使わないと腐ってしまう。家で調理して持ってこようと思い立った。
白衣を脱いで帰り支度を始めた。
奥村さんが戻ってきた。
不機嫌そうな声で廊下に呼び出される。
「何帰ろうとしてる」
「家で夕食を作ってから、持ってこようと思うんです。食材を使い切りたいのでありあわせになりますけど」
「家、何号室?」
わたしは首を傾げた。
「お前の家で食べてから、買い物をして帰るのが一番効率的だろう」
確かにそうだと思った。効率的という言葉には弱い。
部屋で奥村さんを待つことになった。
何かおかしな流れだと思いながら、抵抗するのも無駄な気がした。
「何か苦手な食べ物はありますか?」
念のため訊いてみる。
「特にない。ちなみに好きなものもない」
それは楽でいい。自分の食べたい物を用意しよう。
「ここを出るときに電話する」
わたしは頷いた。
冷蔵庫の中身と相談して、麻婆豆腐と野菜スープを作った。
奥村さんは20時前には来た。
「狭くていい部屋だなあ」
嫌みでもなんでもなく本気でそう思っているようだ。
用意した食事をペロリとたいらげ、「美味かった」と言った。
「料理上手いんだなあ。これからしばらく飯を食うのが楽しみになる」
奥村さんからでも、こういうほめられ方をすると嬉しいものだと思った。
後片付けをさっさと済ませて、買い物へ行くことになった。
よくいくスーパーで、数日分の食材を買った。調味料もないというので、小さなサイズでそろえる。
奥村さんの家に着いた。
キッチンで、買ってきたものをしまっていた。
調理器具は意外にそろっている。自炊をしていたのだろうか。
「まだかかりそうか?」
奥村さんが様子を見に来た。
「もう、終わります」
疑問に思っていたことを訊いた。
何なりとする事はあるので、時間を持て余すことはないが、キリの良いところをあわすのが難しそうだ。
奥村さんが18時過ぎに、帰宅予定の時間をメモで渡してくれた。
何か、不倫の待ち合わせのようだと思った。
奥村さんに食事のことをききたい。またコンビニのお弁当だと体調を崩しそうだ。
奥村さんが席を立ったので様子をうかがう。研究室を出て行った。パソコンをロックして後を追った。呼び止める。
「ん?」
「夕食なんですがどういうご予定ですか?」
「予定? どこかで買って帰るが」
「わたし、添加物が苦手なので……家に帰って、食べてからここに戻ってきても良いですか?」
「料理するのか」
奥村さんが腕組みをした。
「もう少し早く切り上げる。今日は車で来たしな。食材を買いに行こう」
奥村さんはそう言うと、足早に教授の部屋へ入っていった。奥村さんに夕食を作らなければならないとなると、メニューを考えなくては。
今日は、野菜さえちゃんととれればいいくらいの気分だった。
21時帰宅の予定が早まってもせいぜい20時前後だろう。簡単なものしかできない。
奥村さんの食の好みも何もわからない。
研究室に戻って、パソコン画面を見ながらでも、おかずをどうするかを考えてしまう。
家にある食材を使わないと腐ってしまう。家で調理して持ってこようと思い立った。
白衣を脱いで帰り支度を始めた。
奥村さんが戻ってきた。
不機嫌そうな声で廊下に呼び出される。
「何帰ろうとしてる」
「家で夕食を作ってから、持ってこようと思うんです。食材を使い切りたいのでありあわせになりますけど」
「家、何号室?」
わたしは首を傾げた。
「お前の家で食べてから、買い物をして帰るのが一番効率的だろう」
確かにそうだと思った。効率的という言葉には弱い。
部屋で奥村さんを待つことになった。
何かおかしな流れだと思いながら、抵抗するのも無駄な気がした。
「何か苦手な食べ物はありますか?」
念のため訊いてみる。
「特にない。ちなみに好きなものもない」
それは楽でいい。自分の食べたい物を用意しよう。
「ここを出るときに電話する」
わたしは頷いた。
冷蔵庫の中身と相談して、麻婆豆腐と野菜スープを作った。
奥村さんは20時前には来た。
「狭くていい部屋だなあ」
嫌みでもなんでもなく本気でそう思っているようだ。
用意した食事をペロリとたいらげ、「美味かった」と言った。
「料理上手いんだなあ。これからしばらく飯を食うのが楽しみになる」
奥村さんからでも、こういうほめられ方をすると嬉しいものだと思った。
後片付けをさっさと済ませて、買い物へ行くことになった。
よくいくスーパーで、数日分の食材を買った。調味料もないというので、小さなサイズでそろえる。
奥村さんの家に着いた。
キッチンで、買ってきたものをしまっていた。
調理器具は意外にそろっている。自炊をしていたのだろうか。
「まだかかりそうか?」
奥村さんが様子を見に来た。
「もう、終わります」
疑問に思っていたことを訊いた。
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