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ゆめ4
十三
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大学へ向かいながら、奥村さんの言葉の意味を考えた。
もしかしたら、一緒に作業をするのに支障をきたす何かがあるのかもしれない。
昨日は気づかなかったけれど、整理整頓ができないとか。
それはかなり困る。
使った物は元の場所に戻してもらわないと、私の作業効率が落ちる。
もしそんな傾向があったら、直してもらわないと。
研究室についた。津山さんはもう来ていた。
知らない若い男性と楽しそうにしゃべっている。普段は関西弁なんだと思った。
話している相手は見かけない顔だった。院生だろうか。
この階は20ほど部屋があるけれど、すべてが教授の研究に関連している。私は関わっている人のすべてを知っている訳ではないし、自分の担当していること以外、ほとんど情報がないので、全体的なことは何もわからない。
私に気づいて、二人が立ち上がった。
挨拶をする。
作業の準備をしようと、デスクに向かう。足下にボールペンが転がってきた。拾うと津山さんの知り合いが受け取りに来た。
「ありがとうございます」
渡そうとしたときに、生温かい手が触れた。慌ててボールペンを放した。
髪型もこだわっていそうだ。明るく染めてある。
多分、イケメンといわれる部類だと思うけれど、人の顔をじっとみてきて、不快だ。
「もうすぐ、今日の引き継ぎに入りますので」
注意の意味合いを込めたつもりなのに、相手は、満面の笑みを浮かべて「了解でーす」と敬礼をした。
本当に、嫌な感じがする。同じ研究室なら我慢もするけれど、できるならもう会いたくない。
後で、津山さんの方にそれとなく言うことにした。
学生が出て行った。
「さっきの人なんだけどね」
「ああ、森本って言うんですけど、高校の後輩で、野田さんの話をしたら、会ってみたいって言われて」
どんな話をしたんだろう。とにかく、モヤモヤする。
「学内の人でも、関係ない人は極力入れないで欲しいの」
とくに森本って人は。
「そうですね。以後、気をつけます」
津山さんの表情には、まったく反省の色はない。
立ち上がって私の隣にたった。腕が背中に触れたので、一瞬腰に手を回されたのかと思った。
実際は、私の斜め前に置いてあるファイルを取っただけだった。
「データは綴じておきました」
やる気があるのはいいけれど、やはり津山さんも苦手だと思った。
もしかしたら、一緒に作業をするのに支障をきたす何かがあるのかもしれない。
昨日は気づかなかったけれど、整理整頓ができないとか。
それはかなり困る。
使った物は元の場所に戻してもらわないと、私の作業効率が落ちる。
もしそんな傾向があったら、直してもらわないと。
研究室についた。津山さんはもう来ていた。
知らない若い男性と楽しそうにしゃべっている。普段は関西弁なんだと思った。
話している相手は見かけない顔だった。院生だろうか。
この階は20ほど部屋があるけれど、すべてが教授の研究に関連している。私は関わっている人のすべてを知っている訳ではないし、自分の担当していること以外、ほとんど情報がないので、全体的なことは何もわからない。
私に気づいて、二人が立ち上がった。
挨拶をする。
作業の準備をしようと、デスクに向かう。足下にボールペンが転がってきた。拾うと津山さんの知り合いが受け取りに来た。
「ありがとうございます」
渡そうとしたときに、生温かい手が触れた。慌ててボールペンを放した。
髪型もこだわっていそうだ。明るく染めてある。
多分、イケメンといわれる部類だと思うけれど、人の顔をじっとみてきて、不快だ。
「もうすぐ、今日の引き継ぎに入りますので」
注意の意味合いを込めたつもりなのに、相手は、満面の笑みを浮かべて「了解でーす」と敬礼をした。
本当に、嫌な感じがする。同じ研究室なら我慢もするけれど、できるならもう会いたくない。
後で、津山さんの方にそれとなく言うことにした。
学生が出て行った。
「さっきの人なんだけどね」
「ああ、森本って言うんですけど、高校の後輩で、野田さんの話をしたら、会ってみたいって言われて」
どんな話をしたんだろう。とにかく、モヤモヤする。
「学内の人でも、関係ない人は極力入れないで欲しいの」
とくに森本って人は。
「そうですね。以後、気をつけます」
津山さんの表情には、まったく反省の色はない。
立ち上がって私の隣にたった。腕が背中に触れたので、一瞬腰に手を回されたのかと思った。
実際は、私の斜め前に置いてあるファイルを取っただけだった。
「データは綴じておきました」
やる気があるのはいいけれど、やはり津山さんも苦手だと思った。
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