感じさせて……。

紫倉 紫

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ゆめ5

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「風呂、入るか……」
 奥村さんは、先にバスルームへと行った。
 私は、さっきの余韻ですぐに行く気になれなかった。
 あまり待たすと不機嫌になる。
 自分の胸元に目を落とす。さっきまですぐそこにあった奥村さんの顔が思い浮かんで、なぜか首をすくめてしまうほどの、感覚が走る。
 バスタオルの端を持った手を強く胸に押しつける。
 深呼吸をして立ち上がった。
 脱衣スペースに入って、棚をみる。ちゃんと奥村さんの眼鏡があった。
 至近距離だと無意味だろうが、安心できた。
 元から何も着けていないので、ここでグズグズするのもおかしい。
 扉を開けて中を覗く。
 奥村さんはすでに浸かっていた。
 とりあえず椅子に座った。
 奥村さんが立ち上がったから、派手な水音が立った。
「今度は俺が洗ってやるよ」
 断ろうとしたときには、奥村さんの手はボディーソープのポンプに伸び、手のひらに白く濁った液体がたまっていた。
「俺の唾液を荒い落とせば良いだけだろう」
 奥村さんは、私の両脇の下から腕を通して、手の平で乳房を包んだ。後ろから、肩に顎を乗せられる。
 先を、指の腹で丁寧に洗われる。
「そこまでしなくても……」
 与えられる感覚に思考を奪われて、言葉が途切れてしまう。
「椅子から下りろ、俺にもたれとけ」
 おなかに腕を回されて、引きずり下ろされた。
 さっき、湯船の中でしていたように、足の間に座らされた。
「さっきの感じようじゃ、もう一カ所、洗う必要がありそうだな……」
 どこのことだと思った時には、奥村さんの手が、私の足の間に滑り込んでいた。
 途端に声が出る。
 奥村さんは、敏感な場所のその奥に、指をすすめた。
「お前濡れすぎ……」
  次、何をされるのだろう。
「次も次も難関だらけだが……最後にご褒美が待ってるから我慢しとけ」
 おまけでもサービスでもなくご褒美って何だろう。
 考えてみても、なんの予想もつかなかった。
 ぼーっとしていたせいで、また『おまけ』をされた。
 奥村さんが意地悪に笑う。
 私は、まだ感覚の残る唇に指で触れた。
 奥村さんが先に湯船につかった。タオルを外してしまったので、見ないように気をつけながら、続いた。奥村さんの前に腰をおろそうとしている途中で「まて、今度は向かいあってみよう」と言われ、動きをとめた。向きをかえてから座った方が、楽かもしれない。
「おい」
 奥村さんに呼ばれた。
「犯されたいか?」
「はあ?」
 そんなはずがあるわけない。
「違うなら、さっさと見えないようにしてくれ」
 気づかずに、奥村さんの顔の前にお尻を突き出した状態で、止まっていた。慌てて、しゃがんだ。
 私は、恥ずかしくなって、身をよじった。滑ってしまい、奥村さんの足に掴まった。
「洗うだけだって」
 そうだとしても、じっとしていられない。
 触れられている場所がすぐに熱を帯びた。
 奥村さんの膝頭に頬を押しつけて、必死で耐える。
「もう、良い……んじゃない……ですか……」
「まだ、ヌルヌルしてるからな」
「奥村さんが、触るから……」
 全然、指の動きを緩めてくれない。浴室内に、私の呼吸が響く。
「俺の指で感じてるのか?」
 目を閉じて、頭を横に振った。
「じゃあ、洗われても、かまわないだろ」
 素直に答えれば良かった。
「次の15分のために、少し念入りに洗っておくか……」
 訳のわからない理由だと思った。
 押し広げられながら、なぞられる。必死で、奥村さんの脚に掴まっているつもりなのに力が抜けて、姿勢が崩れていく。
「ごめんなさい。感じてますから、やめてください」
 奥村さんは、手を止めた。
「せっかくサービスしてやってんのに」
 これはおまけではないらしい。
 すぐに洗い流してくれた。
「こんな程度で音を上げて……次のやつに耐えられるのか」
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