感じさせて……。

紫倉 紫

文字の大きさ
120 / 157
ゆめ6

十一

しおりを挟む
 奥村さんが私の左手を持ち上げた。
「こっちの手で少し拡げるといい」
 感じる場所の両脇に人差し指と中指を押し付けさせられた。
「拡げてみろ。包皮がめくれて陰核がむき出しになる」
 指を動かしてみる。さっきよりは感じる。それでも……
「いまいちらしいなあ。やり方をかえるか」
 向かい合って座り直すように言われた。
 今度は閉じて伸ばされた足を跨いで座ることになった。
 太股の上となると、こちらがずいぶん足を開かなければならない。 
「銜えやすいように、高さを合わせろ」
 どこをなのかはわかっている。奥村さんの肩に手を置いて腰を浮かせた。
「眼鏡を外してくれ」
 細目のツルに指をかけて、持ち上げながら引いた。丁寧に折りたたみヘッドボードへ手を伸ばして置いた。
「舐めてやるから」
  
 そんな言い方、私が舐めてほしがっているみたいだ。
 あごを引いて視線を落とす。奥村さんが胸の近くで舌を出して、上目遣いで私を見ている。
 
 舌先に当たるように、体を少し傾けた。
 銜えられて、舌で転がされる。
 右胸は、指先で軽く擦られている。簡単に感じ始めてしまう。
「指をいれてやろうか?」
 舐めながら訊いてくる。
 奥村さんの右手が、太股の外側を撫でながら上がってきた。
 お尻を掴まれ、揉まれる。入口を指先がかすめた。
「また、こんなに濡らして」
 言葉だけで、熱くなった気がした。
「一番長い指を入れようか?」
 言い終わると同時にきつく吸われた。
 声が漏れる。
 入れて欲しい。
 私は確かにそう思った。
 奥村さんは、返事を強要してこなかった。指がゆっくりと入ってくる。
 
 私の体の中心を快感が通り抜けていき、つい体を震わせる。奥村さんの肩に置いていた手に力が入った。
 胸への刺激は、様々に変化しながら続いていた。
 奥村さんは口を離し、私を見上げてきた。
「全部入った」
 苦しくなって、目を閉じた。
「さっき、教えてやったようにして、自分で触ってみろ」
 私は、目を開けた。
「しないといけませんか?」
 奥村さんを見詰める。
「さっきとどう違うか比較してみろ」
 比較……実験のようなものだと思えば……
「わかりました」
 奥村さんの肩から両手を離し、下げた。教えられたように触ってみる。
 奥村さんも、胸への刺激を再開した。
「んふぅん」
 さっきとは比較にならない。
 私は、自分の指で感じていた。
「俺の手の平にたまるほど溢れてる」
 気持ちよすぎて、力が抜けそうになる。だけど、指の動きを止められなかった。
 何かが、体の奥からせり上がってくる。
 声が、大きくなってきているのがわかっていても、抑えられなかった。
 奥村さんが私の胸に触っていた方の手で右手を掴んできた。動きを止められた。
「初めてイクのは、俺の指でにしとけ」
 いく……
 存在は知っている。だけど、どんな感覚なのかは知らなかった。
 奥村さんが私の背中に触れた。ゆっくりと寝かされる。
 鼓動も呼吸もひどくはやい。
 激しく唇を吸われた。脇腹から体の下に手のひらを差し入れられる。お尻膨らみと膨らみの間を通って指が……
 入り口に触れられただけで震える。
 こじ開けられた唇の間から、熱い息が流れ込む。
 さっきまで、自分で触らせられていた場所に、奥村さんの指が押し付けられた。
 口の中を奥村さんの舌が満たしているから、まともな声にはならなかった。
 くぐもった声が漏れる。
 中と外で、指が動いている。やはり、自分でするよりも……
 口を解放され、私の声が寝室に響く。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...