エクリプス 〜瑪瑙の章〜

亜夏羽

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第三節

赤瑪瑙の別名

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5年前。アストロニアはひとつの国、ソーラティアを攻めていた。
まだ、ソーラティアが2つ名を付けられる前の話。

「うん、うん、分かってる。必ず滅ぼす。大丈夫だよ、○○。じゃあ、元気でね?それじゃあね、ふふっ」

???は、ソーラティアの王城に忍び込む。
……どうやら下の兵士達が上手く合図してくれたみたいだ。赤い爆弾が見える。
国王はきっと、次の代に受け継ぐのだろう。
「この爆弾、無駄にはしない。確実に仕留める、このライフルで✌🏻」

バーンッ!!

???は銃をしまい、国王に向けて撃った。

「よし、必ず会うぞ○○。
……………いや、"アゲート”ちゃん、君は、ボクの大事な人、○○○○だから」

そう言って、???は家の屋根から城下町を何事もなかったかのように歩いていった。






















* * *

















学校でのトラブルが収束した数日後。
学校では、限界体制になっていた。

「……で、その結果がコレと?」

そう言う紅華は半ば呆れていた。というのも、学校側は対応に追われ、黒い車で生徒を送迎するように指示をだし、授業をやる暇もなく、ココ最近は自習ばっかりなのである。これでは学校に通う意味がなくなってしまう。
「ごめんよ紅華~……水葵のせいだぁ~」
「そんなわけないでしょ、もう休校にすれば良かったのに」
「そうもいかないんだろうね、それよりどうすんのさ、紅華。瑪瑙家の分家を黙らせるために入ったんじゃないの?」
「チェニー、そんなこと言われてもね、こっちもこっちで大変なの。後で妖朴倒しにいこ。ストレス発散!」
「妖朴が可哀想に思えてきた……」
「あ、お昼食べよ~紅華ちゃん!」
『主、鈴菜様が』
「うん、食べよ」
鈴菜に呼ばれ、お弁当を食べる。メイが作ってくれた綺麗なお弁当箱だ。
中身は、アメンマンポテト、ブロッコリーのマヨネーズ付き、海苔で巻かれたお肉、塩麹漬けのしゃけ、デザートには和菓子である黒糖団子。ちなみに2段重ねで下は白米である。このお団子がホントに美味い。

「今日も最高ね~!メイ、ありがとう!」
「いつも思うけど、美味しそうだよね、紅華ちゃんのお弁当!」
「どれか食べたい?」
「良いの?!えっと、シャケ食べたい!」
「良いよー!ほい1切れ」
「ありがとう!……うーん!おいひ~!」
「良かったー!さすがウチのメイド!」
「自分で言うんかーいwww」
「wwwwww」
「あ、キラくんと蓬くんだー!美埜音ちゃんも明日一緒に食べるー?」
「ゲッ」
(断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断r)
「おう!食べるぜ!」
(ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙オワタ\(^ω^)/)
「良いですよ~」
「明日からな。忘れないでおく」
(忘れていいよ!あっんっの、IQ10が!そこは空気読めってんの)
「紅華ちゃんもいいよね?」
「(    ᷄ᾥ ᷅  )……良いよ」
「ふっ、その顔やばいwww」
「なんかあったのか?」
「別になんでもないわよ」

……何故紅華がこんなに嫌がるのかは、まぁお察しの通り、煌(キラ)のせいである。なんでかと言うと、最近何故なのか知らんけど噂が出回っている。それは、
"あの二人は実は仲良いのでは?”というイミフな噂である。別に気にしてないのだが、煌のファンからは妬み嫉妬の念がありえない程に伝わってくるので、あまり関わりあいたくない。それに本人も本人で厚かましいというか馴れ馴れしいので苦手である。しかも最悪な事に無自覚なのである。
紅華ではなく、煌が。
他人との距離感がバグっているのである。

しかし、親友であり相棒である鈴菜の願いを却下なんてしたくない。
嗚呼、昔は誰とも仲良かったのに。仲が良かったはずなのに。アイツのせいで……。

(憂鬱だ~……というかめんどくせぇ……)













学校も終わり、生徒はそれぞれ帰っていく。
鈴菜と紅華は、帰路につく。

「じゃあ、また明日ねー!」
「えぇ。良い夜を」

紅華は家に着き、鍵を開ける。紅華の家、もとい瑪瑙家は、和風のお屋敷である。


……そのため、クソでかい。

部屋にあるベッドで紅華はゴロゴロする。

そこで、夢を見る。

あの忌々しい、戦時中の夢。













紅華は、お母さんと家で遊んでいた。お父さんはごく普通の会社勤め、お母さんは昔は図書館の司書さんだったらしく、コミュ力お化けである。おかしい。


お母さん譲りの本好きの紅華は、いつものように本を読み聞かせしてもらっていた。
「おかあさん、今日はこれ読んで!」
「どれどれ~?……これは?」
「"エクリプス”って言うの!この本、茶色で真ん中にルビーが入ってるの!おしゃれ
じゃない?ねーおかあさん、これ読んで~!」
「え、えぇ……じゃあ読むわね。
"昔むかし、とあるところ鱗(りん)という女の子がいました。りんは、周りとはちょっと違って、宝石が出せます。そのため、よく他の子に虐められていました。でも、ある日突然王子様に一目惚れされ、お姫様になりました。しかし、りんは王子の……………………………………………
おしまい”!」
「うわぁ~!すごーい!」
「ふふ、また明日は別の本を読むわね」
「うん!おかあさんの本、楽しみにしてる!」


ここまでは、良かった。










ドカーン!!!

「「!?」」


いきなり爆発音がして、吹っ飛ばされた紅華は、母を探した。
辺り一帯を見渡しても、母は見当たらないので探しに歩いた。
「おかあさーん、おとうさーん!どこー?」

そうだ。少し歩いて、給配所や救護テントに行って、そっから……

傷ついたお母さんと、お父さんがいたんだ。













「…………紅、華……なの?」
「っ、お母さん、お父さん?」
「すまないな、もう長くは持たないから、これだけ言おう。紅華」
「なに?」
「お前は瑪瑙家の娘、学校に行けるだけの財産はある。使用人達もいる、お前は1人では無い。どうか、私達の分まで生きておくれ。頼んだぞ、大好きな紅華」
「貴女は、生きてね。大好き、紅華」
「……っ、お母さん!おとうさ……っ、
う、うわぁぁぁああああぁア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」








 






「はっ!?……ハァ……ハァ……はああああ……なんだ、夢か……」

お母さんは、もう居ない。今いるのは、使用人たちだけ。
いつも、お弁当を作ってくれるのはメイだし、身の回りをお世話するのは使用人達だけ。幼稚園では皆自分の事を遠ざけて話すことすらかなわなかった。
そんな中、声を掛けてくれて一緒に遊ぼう、と言ってくれたのは鈴菜だった。

今思えば、もう鈴菜以外に心を開いてもいいのかもしれない。

「早く寝よ」

そうして、紅華は眠りにつき、その顔は微笑んでいた。


第四節に続く。





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