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最初の別れ
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「嘘だろおい。冗談にしちゃ度がすぎるぞ!?」
ユウが焦った様子でメニューを呼び出し、ログアウトボタンがある辺りを凝視する。
「ない…ない!!!」
周囲の喧騒が一層大きくなる。
それらを俺はポカンとした顔で眺めていた。驚いていない訳ではない。びっくりし過ぎて逆に冷静になったのだ。
この状況どっかで見た事あるぞ。
『ログアウトボタンが消失しているのを確認して頂いただろうか?』
「戻せよ!」「イベの演出か?」「家に宅配が来るのに!!」「ふざけんな!!」「GM出てこい!!」「◯っぱい!!!」
街に押し込められている人々が怒りや困惑の咆哮をあげる。ユウも何か叫んでいた。一人おかしい奴がいたような気がするが。
『プレイヤーの君達には最終クエスト、神座の聖宮大戦をクリアしてもらうまで絶対にログアウトできないよう、させてもらった。』
「どこのS◯Oだよッ!?!?」
耐えきれずそう叫んだら、ユウ含む、俺の近くにいるプレイヤー数人が俺を睨んだ。その目には、よくそんな楽観視できるなぁ!?ああ!?と書いてあった。す、すみません黙ります。
『なお、戦闘中倒され、そのまま現実でも死ぬということは無いため、安心してプレイして頂きたい。』
いやいや安心出来るかっての。
『あ、そうだ。ちなみに君達の生身の身体は現在進行形で医療機関に移動されているので、こちらも安心してほしい。
では、健闘を祈る。』ブツンッッ
耳障りな音が最後に響いた後、残るはプレイヤー達の喧騒だった。
つか今、あ、そうだって言ったよな?完璧言うの忘れかけてたよな!?
っていうかこんな事をする意味や目的も説明しろよ!!
「ユウ、ちょっと人が少ない方行こうぜ。」
とりあえず目の焦点が合っていないユウの手を引く。
「え、あ、ああ…。」
ヨタヨタと時折転びそうになるユウを連れて人々の間を移動し、比較的人が少ない裏路地に連れて行く。
「目を覚めろ~っ!」バヂンッ!
「ったっ」整っているユウの顔に渾身の平手打ち。
「よし、これからどうする?」
「お前、学校や家族の事は心配しないのか…!?」
「心配してもここからにいる以上なんにも出来ねぇだろ。」
「…そうか。確かに。」
素直に納得してくれた。さすがユウ俺の友達。
「…一応言っておくが、パニックを起こさず聞いてほしい。マニュアルを見たけど、最終クエストの聖宮大戦は全ての小クエ、サブクエを一通りクリアしないと挑めないらしい。ちなみに全てのクエの数は合わせて10000以上だ。」
「いや、無理だろ。」ユウがすっと真顔になった。驚きすぎて逆に冷静になるあれだ。ようこそこちら側へ。
「そう無理だ。だから…」
「だから…?」
「クエスト攻略はやりたい奴に任せ、俺たちはこのJSIを第二の人生と仮定し、残りの人生をここで終えようぞッ!」
「いやお前バカでしょ。」
デコピンされた。
「いって!?なんでだよ!?」
「いやだって、俺たちの身体は医療機関に運ばれてるんだよね?その金は誰が払っていると思ってるの。その他諸々の金も掛かるだろうに。一生家族に迷惑をかけるつもり?」
「俺は両方とも逝ったから関係ねえ!万が一のために結構な金額の金も貯めてるし、それに、それくらいの金、ここまでやったからには運営が捕まらない方法で払ってくれてるだろ!」
「俺は家族がいるの。っていうか随分希望的観測だね。」
「~~~~ッッッ俺について来んの!?!?こねぇの!?」
「行かない。」
行かない!?
「お前どうすんの!?」
「前線に…クエをクリアしていく。10000以上クエがあるとしても、地道にやっていけば必ずコンプリートできる。」決めきった顔だった。もう何言っても曲がらない事を悟る。
「ぐぬぬ…攻略組か。…分かったよ。頑張れよな…。」
一歩、ユウから後ずさる。
「ああ。冬夜もね。んじゃ俺は行くよ。時間が惜しい。」
「ああ。気を付けろよ。…と言っても死なないらしいから気を付けるのは詐欺やプレイヤー同士の問題だけか。」
「そうだな。んじゃ、また!」
「おうよ!」
小走りに遠ざかって行くユウの背中を見守る。そこでふと思いつき、声を上げた「おい!ユウー!!」
「何ー!?」
「女の子に背中刺されて死ね!!!」笑顔でユウに向けて叫んだ。
ユウは少しポカンとした後、同じく声を上げる。
「ホモおっさんにぐっちゃぐちゃに◯されろ!!!」
おいやめろ!
ユウは最後に大きく手を振ると人ごみの中に消えていった。
ユウが焦った様子でメニューを呼び出し、ログアウトボタンがある辺りを凝視する。
「ない…ない!!!」
周囲の喧騒が一層大きくなる。
それらを俺はポカンとした顔で眺めていた。驚いていない訳ではない。びっくりし過ぎて逆に冷静になったのだ。
この状況どっかで見た事あるぞ。
『ログアウトボタンが消失しているのを確認して頂いただろうか?』
「戻せよ!」「イベの演出か?」「家に宅配が来るのに!!」「ふざけんな!!」「GM出てこい!!」「◯っぱい!!!」
街に押し込められている人々が怒りや困惑の咆哮をあげる。ユウも何か叫んでいた。一人おかしい奴がいたような気がするが。
『プレイヤーの君達には最終クエスト、神座の聖宮大戦をクリアしてもらうまで絶対にログアウトできないよう、させてもらった。』
「どこのS◯Oだよッ!?!?」
耐えきれずそう叫んだら、ユウ含む、俺の近くにいるプレイヤー数人が俺を睨んだ。その目には、よくそんな楽観視できるなぁ!?ああ!?と書いてあった。す、すみません黙ります。
『なお、戦闘中倒され、そのまま現実でも死ぬということは無いため、安心してプレイして頂きたい。』
いやいや安心出来るかっての。
『あ、そうだ。ちなみに君達の生身の身体は現在進行形で医療機関に移動されているので、こちらも安心してほしい。
では、健闘を祈る。』ブツンッッ
耳障りな音が最後に響いた後、残るはプレイヤー達の喧騒だった。
つか今、あ、そうだって言ったよな?完璧言うの忘れかけてたよな!?
っていうかこんな事をする意味や目的も説明しろよ!!
「ユウ、ちょっと人が少ない方行こうぜ。」
とりあえず目の焦点が合っていないユウの手を引く。
「え、あ、ああ…。」
ヨタヨタと時折転びそうになるユウを連れて人々の間を移動し、比較的人が少ない裏路地に連れて行く。
「目を覚めろ~っ!」バヂンッ!
「ったっ」整っているユウの顔に渾身の平手打ち。
「よし、これからどうする?」
「お前、学校や家族の事は心配しないのか…!?」
「心配してもここからにいる以上なんにも出来ねぇだろ。」
「…そうか。確かに。」
素直に納得してくれた。さすがユウ俺の友達。
「…一応言っておくが、パニックを起こさず聞いてほしい。マニュアルを見たけど、最終クエストの聖宮大戦は全ての小クエ、サブクエを一通りクリアしないと挑めないらしい。ちなみに全てのクエの数は合わせて10000以上だ。」
「いや、無理だろ。」ユウがすっと真顔になった。驚きすぎて逆に冷静になるあれだ。ようこそこちら側へ。
「そう無理だ。だから…」
「だから…?」
「クエスト攻略はやりたい奴に任せ、俺たちはこのJSIを第二の人生と仮定し、残りの人生をここで終えようぞッ!」
「いやお前バカでしょ。」
デコピンされた。
「いって!?なんでだよ!?」
「いやだって、俺たちの身体は医療機関に運ばれてるんだよね?その金は誰が払っていると思ってるの。その他諸々の金も掛かるだろうに。一生家族に迷惑をかけるつもり?」
「俺は両方とも逝ったから関係ねえ!万が一のために結構な金額の金も貯めてるし、それに、それくらいの金、ここまでやったからには運営が捕まらない方法で払ってくれてるだろ!」
「俺は家族がいるの。っていうか随分希望的観測だね。」
「~~~~ッッッ俺について来んの!?!?こねぇの!?」
「行かない。」
行かない!?
「お前どうすんの!?」
「前線に…クエをクリアしていく。10000以上クエがあるとしても、地道にやっていけば必ずコンプリートできる。」決めきった顔だった。もう何言っても曲がらない事を悟る。
「ぐぬぬ…攻略組か。…分かったよ。頑張れよな…。」
一歩、ユウから後ずさる。
「ああ。冬夜もね。んじゃ俺は行くよ。時間が惜しい。」
「ああ。気を付けろよ。…と言っても死なないらしいから気を付けるのは詐欺やプレイヤー同士の問題だけか。」
「そうだな。んじゃ、また!」
「おうよ!」
小走りに遠ざかって行くユウの背中を見守る。そこでふと思いつき、声を上げた「おい!ユウー!!」
「何ー!?」
「女の子に背中刺されて死ね!!!」笑顔でユウに向けて叫んだ。
ユウは少しポカンとした後、同じく声を上げる。
「ホモおっさんにぐっちゃぐちゃに◯されろ!!!」
おいやめろ!
ユウは最後に大きく手を振ると人ごみの中に消えていった。
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