5 / 11
パーティー
しおりを挟む
言い忘れていたが俺のレベルは95、職業は剣士である。レベル95はプレイヤーの中では中々高レベな位置、らしい。
「うんーと。サブクエのサラマンダー討伐にメインクエの竜の落とし子に剣士専用スキルクエの火龍の試練、かぁ…。」
他にもいろいろ表を埋め尽くすほどあったが、俺のクエが進みそうなのは主にこの三つだけだった。
さてどれにしよう…。サラマンダーはアレが泥(ドロップ)する毛皮が中々良い値で売れるしなぁ…落とし子は報酬で装備が貰えるらしいし…。試練は新しいスキルが貰える…。
「んー、装備、スキルは今はいいや。サラマンダーにしよ。」
貼り付けられた募集の紙をタップし、確認のボタンを押す。するとたちまち視界の左側に半透明の名前と2つの色の細いバーがそれぞれ4セット出てきた。と、同時に募集の紙がちりんっと音を立て、消える。
どうやら俺が最後の1人だったみたいだ。
名前はそれぞれ、アリス、エント、修造、フレイ、か。……修造?!
ポーン
名前に驚いてると、メッセージが届いた。差出人はアリス。パーティーリーダーだろうか。
〈こんにちわリレア!平原の先、サラマンダーの巣窟にて待ってるよ!〉
〈2分で向かいます。〉と返信し、メッセージ欄を閉じる。
店で安く買った転移クリスタルはモンスターがいない街にしか転移出来ない。つまり巣窟まで走っていくしか出来ないということだ…。
「…よし、行きましょか!」
薄暗い巣窟の中に入ると、自然的に目が暗視モードになる。
入り口の近くには4人分の人影があった。
「おっ!来たかリレア…君!」
とても明るい女子の声だった。アリス。やはり女の子。
小柄で若干つり目の色白な顔。そして真っ先に目を引く見事な長い金髪。弓を背負っているからアーチャーだろうな。
「ちゃっす!」
「ばんばんわ…。」
「よろしくです~。」
「よろしくな!」
エント。内気そうな無表情の女の子に、フレイ。薄緑のウェーブを描いた短髪のナイスバディな女の子に、修造。装備だろうか?黒いマスクをしている燃えるような赤髪のガタイの良い男…。
パッと見て、上から順にクレリック、ウィザード、…戦士?かな。
「どうした?じっと立って。自己紹介いるかい?」
「いや良いよ。早速行こうぜ。」
「ははっじっとしてたのはあたし達を値踏みしてたのか!」
「値踏みて!ただどのひとがどんな職業か見てただけだよっ」
「レベルまではわからないでしょ?まっとりあえず歩きながら話そう!
あたしはカーソル通りアリス。職業はアーチャーでレベルは70!」
…自己紹介したかったのかな。
「…エント…。司祭見習いのレベ54…。反撃特化型装備…なの」
「この流れ、私も自己紹介しなきゃですぅ?フレイ、レベル69で普通のウィザードです~。」
「我は修造ッ!レベル80の戦士だッ!」
修造ちょっとレベル言ったところでドヤァとしたな。
4人の視線が俺に集まる。
「…俺はリレア。レベ95、剣士。」
「「95!?」」
「ぬぅ…我を超えたか…っ。」
「見かけによらず強いんだねぇ!」アリスがバシバシと俺の肩を叩く。少し痛い…。
「初期の時、いい稼ぎ場見つけたからなぁ。そんな大した事ないぞ。」
「おお、その稼ぎ場とはどこなのです?」
「はは秘密だっ。だけどヒントを上げるなら…灯台下暗し、だな!」
「…始まりの、街の…近く…?」
「…エント中々鋭いな…。」
「ほほう!始まりの街の近くか!」
キィィィィン……
「!」
小さな金属質な音が俺の耳に届いた。
その音に聞き覚えがあった俺は会話の途中で道の横にある横穴へ駆け出す。
「リレア君!?」
ソレの姿が見えたと同時に剣を抜き、その軌道のままソレに突き刺す。
「テヤッ!」 ガキンッ!!
「キュ…ウ…。」
アリスが追いついた。
「ちょっとリレア一体どうし…!?え!?それリアじゃない!!」
そう。俺が突き刺したのは、1日に一回、しかも何時出現するかわからないレアモンスターの【リア】だった。こいつが泥する羽根は一枚、数十万で取引される。伝説武器の強化の際、必要だからだ。
リアは鈴の音を鳴らし、消えた。
ちなみにすぐ駆け出した理由は、見つけてすぐに倒さないと逃げられるからだ。
「よく見つけましたね!?」
「お主どうやって…!?」
「…!?……!?」
「え?リアの羽音が聞こえたから…だけど…。」
「……さすが高レベプレイヤー…。色々レベルが違うわ…。」
褒められている意味がわからなかったが、結果的に羽根が手に入ったし、気分も良くなったので結果オーライである。…ふふんっ。
「うんーと。サブクエのサラマンダー討伐にメインクエの竜の落とし子に剣士専用スキルクエの火龍の試練、かぁ…。」
他にもいろいろ表を埋め尽くすほどあったが、俺のクエが進みそうなのは主にこの三つだけだった。
さてどれにしよう…。サラマンダーはアレが泥(ドロップ)する毛皮が中々良い値で売れるしなぁ…落とし子は報酬で装備が貰えるらしいし…。試練は新しいスキルが貰える…。
「んー、装備、スキルは今はいいや。サラマンダーにしよ。」
貼り付けられた募集の紙をタップし、確認のボタンを押す。するとたちまち視界の左側に半透明の名前と2つの色の細いバーがそれぞれ4セット出てきた。と、同時に募集の紙がちりんっと音を立て、消える。
どうやら俺が最後の1人だったみたいだ。
名前はそれぞれ、アリス、エント、修造、フレイ、か。……修造?!
ポーン
名前に驚いてると、メッセージが届いた。差出人はアリス。パーティーリーダーだろうか。
〈こんにちわリレア!平原の先、サラマンダーの巣窟にて待ってるよ!〉
〈2分で向かいます。〉と返信し、メッセージ欄を閉じる。
店で安く買った転移クリスタルはモンスターがいない街にしか転移出来ない。つまり巣窟まで走っていくしか出来ないということだ…。
「…よし、行きましょか!」
薄暗い巣窟の中に入ると、自然的に目が暗視モードになる。
入り口の近くには4人分の人影があった。
「おっ!来たかリレア…君!」
とても明るい女子の声だった。アリス。やはり女の子。
小柄で若干つり目の色白な顔。そして真っ先に目を引く見事な長い金髪。弓を背負っているからアーチャーだろうな。
「ちゃっす!」
「ばんばんわ…。」
「よろしくです~。」
「よろしくな!」
エント。内気そうな無表情の女の子に、フレイ。薄緑のウェーブを描いた短髪のナイスバディな女の子に、修造。装備だろうか?黒いマスクをしている燃えるような赤髪のガタイの良い男…。
パッと見て、上から順にクレリック、ウィザード、…戦士?かな。
「どうした?じっと立って。自己紹介いるかい?」
「いや良いよ。早速行こうぜ。」
「ははっじっとしてたのはあたし達を値踏みしてたのか!」
「値踏みて!ただどのひとがどんな職業か見てただけだよっ」
「レベルまではわからないでしょ?まっとりあえず歩きながら話そう!
あたしはカーソル通りアリス。職業はアーチャーでレベルは70!」
…自己紹介したかったのかな。
「…エント…。司祭見習いのレベ54…。反撃特化型装備…なの」
「この流れ、私も自己紹介しなきゃですぅ?フレイ、レベル69で普通のウィザードです~。」
「我は修造ッ!レベル80の戦士だッ!」
修造ちょっとレベル言ったところでドヤァとしたな。
4人の視線が俺に集まる。
「…俺はリレア。レベ95、剣士。」
「「95!?」」
「ぬぅ…我を超えたか…っ。」
「見かけによらず強いんだねぇ!」アリスがバシバシと俺の肩を叩く。少し痛い…。
「初期の時、いい稼ぎ場見つけたからなぁ。そんな大した事ないぞ。」
「おお、その稼ぎ場とはどこなのです?」
「はは秘密だっ。だけどヒントを上げるなら…灯台下暗し、だな!」
「…始まりの、街の…近く…?」
「…エント中々鋭いな…。」
「ほほう!始まりの街の近くか!」
キィィィィン……
「!」
小さな金属質な音が俺の耳に届いた。
その音に聞き覚えがあった俺は会話の途中で道の横にある横穴へ駆け出す。
「リレア君!?」
ソレの姿が見えたと同時に剣を抜き、その軌道のままソレに突き刺す。
「テヤッ!」 ガキンッ!!
「キュ…ウ…。」
アリスが追いついた。
「ちょっとリレア一体どうし…!?え!?それリアじゃない!!」
そう。俺が突き刺したのは、1日に一回、しかも何時出現するかわからないレアモンスターの【リア】だった。こいつが泥する羽根は一枚、数十万で取引される。伝説武器の強化の際、必要だからだ。
リアは鈴の音を鳴らし、消えた。
ちなみにすぐ駆け出した理由は、見つけてすぐに倒さないと逃げられるからだ。
「よく見つけましたね!?」
「お主どうやって…!?」
「…!?……!?」
「え?リアの羽音が聞こえたから…だけど…。」
「……さすが高レベプレイヤー…。色々レベルが違うわ…。」
褒められている意味がわからなかったが、結果的に羽根が手に入ったし、気分も良くなったので結果オーライである。…ふふんっ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる