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三章
ジノアの過去①
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ジノアには婚約者がいた。
同い年の公爵令嬢で名前はアルターニア・フォン・シャルネ。
彼と彼女は、三歳の時に婚約が決まった。
そして現在の12歳になるまで共に宮殿で暮らしていた。
政略的な婚約とはいえ、ジノアとアルアはそれは端から見ても仲睦まじい関係だった。
「ジーノーアーさーま」
「アルア。頬を引っ張らないでよ。僕は今勉強中なのー」
「ジノア様が勉強ばっかしてるからですよー。たまにはワタクシにも構って下さいまし」
「はいはい。これが終わったら下町にでも遊びに行こうかー」
今日も年相応にイチャイチャとしている二人を使用人は微笑ましく見ていた。
ジノアは第一皇子であるアルバートや第二皇子であるガランよりも優秀で、次期皇太子になるのも夢では無いと言われていた。
「やったー!」
「ふふっ、今日は何処に行こうかー。セバス、良い店なんかあるかい?」
「帝都のキャノン・リザという行列が出来るお茶菓子店兼喫茶店がございます。こんなこともあろうかと予約をして起きました」
ジノアの専属執事であるセバスは、常に二人のことを考え行動パターンを予想して動いている。
それはジノアが次期皇太子になるだとか優秀だからと言うわけでは無く、二人の笑顔を単純に見たいからであった。
「さすがセバスです!」
「セバスは優秀な執事だからねー。これからも末永くよろしく頼むよ」
「かしこまりました」
セバスにとってその言葉は誉れであり、深々と頭を下げる。
ジノアにとってもセバスは育ての親のようなモノであり、時には厳しく指導され血反吐を吐くようなこともあるが、それが今の自分の力となっているので感謝していた。
「さて、宿題も終わったし行こうかアルア」
「はい!」
ジノアとアルアは今日も二人仲良く手を繋ぎながら、下町を歩く。
平民達も他の貴族至上主義の貴族とは違い、自分達と普通に接してくれるジノアに対して好印象を抱いて、温かく二人を見守っていた。
途中で二人はアパレル店に寄る。
アルアは服の試着をした。
露出度低めの膝丈ワンピースだ。
腕は七部丈で、鎖骨より上は露出させていない藍色と白で、黒寄りの茶髪のアルアには似合っていた。
「ジノア様、どうですか?」
「すごい似合ってるよ。店長、これいくら?」
「銀貨一枚にございます」
「そんな安いんだ。普段着としては申し分のないいい値段だし、なによりアルアに似合ってる。もらおう」
「ありがとうございます」
店長はそういうと、お金を受け取る。
アルアはクルクルと回りながら、淑女らしくスカートの裾を掴みお辞儀した。
「ジノア様、ありがとうございます!」
「いいって。婚約者に贈り物をするのは当然でしょ?」
普段貴族のお辞儀を見ない店員や客は、その姿に目をとらわれ、そしてジノアに威嚇される。
そんな日々を月に何度か行うので、下町の人間はもう慣れてしまった。
「さて、本命のキャノン・リザに行こうか」
「はい!」
その後、通り道で教会の孤児と遊び、予約していた喫茶店のキャノン・リザに辿り着いた。
キャノン・リザでは、少々変わった菓子を出すため、下町では予約をしないと食べれないと言われてるものだ。
出されたのは、茶色い液体がドロドロとテッペンから下に落ちていく物だった。
フルーツが刺さった棒をその液体の出てる部分につけて食べるようだ。
ジノアもアルアも初めて見る食べ物で、どうやって食べるのか店員に聞いた。
「こちらはチョコレートファウンテンといいます。このチョコレートにこうしてフルーツを突っ込み、チョコレートをかけて召し上がるおやつです」
「すごいですわジノア様。これチョコレートだったのね。んー!!美味しいわ!」
「ほんとすごい斬新だね。これは店主が考えたの?」
こんな独創的な料理は、貴族でも食べたことがないだろう。
公爵家のアルアが初めて見たのだから当然だ。
「違います。店主の息子様が、仕えてる主人から譲り受けたものです。この店の座席分作ってくださったので助かってます」
「へぇー。商家の家がどこかかな?」
どこの誰が提供したかは気になったが、目の前でアルアがそれはもう美味しいそうに食べるので、考え事をするの無粋だと頭を振り払った。
そして、フルーツを全て食べ終えて次に出てきたのは白いマシュマロとスコーンだった。
「ここはマシュマロとスコーンも出すのか」
「えぇ、こちらチョコレートによく合いますので」
マシュマロやスコーンと言った食べ物は貴族の食べ物と思っていた二人は驚く。
流石は行列のできる店だと納得し、店を出る頃には満足した顔で笑っていた。
「店主には美味かったと伝えてくれ」
「皇子様に言ってもらえることは誉にございます」
「ジノア様、私もこの店を社交界で話題に致しますわ」
皇子の婚約者の仕事は、社交界で色々な噂を流し経済をコントロールするのが仕事である。
アルアはそれをよく理解していた。
嗜好品の多くは貴族令嬢が買うため、茶会やパーティーでの噂は、そのまま経済の流れに直結するためだ。
「頼むよ。これほどの店は、拡大や二号店できるくらい稼ぐべきだ」
「もちろんですわ!」
二人は無意識に仕事の話をしている。
しかしそれは嫌々ではなく、楽しそうにだ。
今までアルバートやガランは仕事について考えるのを嫌がったり、無関心だったりしたため、二人のその光景をみて、ジノアが皇帝になってくれればなと二人の背中を民達は優しく見守っていた。
*
ジノアとアルアが出ていく姿を皇城の自室から、疎ましい目で見る者もいた。
「ジノアの奴・・・皇族としての自覚がないのか。平民共の暮らす街に降りて」
「全くアルバート兄上の言うとおりです」
先日、アルバートはエルーザに弟を見習って平民達への対応を考えろと、説教を喰らっていた。
もちろんガランはアルバートを慕っており、考え方も貴族至上主義の人間だ。
つまりその弟を差すのはジノアである。
皇族である以上、平民は皇族を養うための働きアリのようなモノだとアルバートは認識している。
それは換えの効く使用人の様な者で、死んでしまったりしても気にも留めなかった。
だから皇子としての仕事で、貴族からの税収を取りに行くと、領民が飢え死んでしまいますので期限を伸ばしてほしいと言われたときも、だったら飢え死なない程度領民を殺せば良いだろうと思って決して首を縦には振らなかった。
それがルールで、税収を払うことを守れないなら死ねばいい。
働かざる者食うべからずと、堂々と税を徴収している。
実際領民の事を考えて期限を延ばして欲しいという貴族は、貴族社会で俗にいうドブざらいと言う平民を優先して動く貴族であり、それを快く思わない他の貴族達があの手この手で嫌がらせを行い、金を食料以外に回さざる得ない状況を作ったことにあるのだが、それをアルバートは知らない。
「どうにか排除出来ないか?ガラル」
何度かジノアを排除しようと何度か考えたことがあったアルバートだが、バレたときのリスクが怖く妄想だけに終わっていた。
「排除するのは後に首を絞める行為になります。兄上は絶対に手を出さないでくださいね」
皇太子候補として責任追及があるため、アルバートには手を出すなと釘を刺す。
ちょっとの粗があるだけで、貴族社会とは爪弾きにされかねないため、安易に強硬手段を取るのはあまり良い手ではない。
「ですが、彼はそのうち自ら退場してくれますよ。ぐふふふ」
「そ、そうか。では任せるぞ」
「仰せのままに」
アルバートは、13歳とは思えないガランの不気味な笑い声に少しだけ顔を引きつらせる。
しかし次には元の引き締めた顔を戻した。
そして何処かに連絡したあと、すぐにアルバートの自室を後にした。
*
ジノアはアルアとの下町デートの後、皇子としての仕事について勉強をしていた。
現在皇子の仕事は一番年上のアルバートがこなしており、その補佐にガランが付いてるため、ジノアは一度も徴収を行ってはいない。
「しかしこの税を取り立てる法律って言うのは、税を払わせるという目的もあるけど、もっと別の意味があるよなぁ」
「さすがジノア様。やはりよろしい慧眼をお持ちにございます」
「褒められるのは悪い気はしないけど、こんなのよっぽどのバカじゃなきゃわかるよ。これって領地の運営資金を私的な理由で使ってないか確かめる意味合いがあるでしょ」
税の徴収は本来であれば宰相の仕事なはずで、皇族とはいえまだ右も左も分からない子供のやることじゃない。
にも関わらず子供にやらせると言うことには税を徴収は二の次で、その領地での腐敗具合を確かめるための法律だった。
領主ではなく、民に直接行くと言うのが肝なのだ。
民は皇族に嘘はつかない。
良い状況を伝えれば、領主が万が一やらかしても擁護の声が多く領地が変わることもない。
逆も然り。
悪い状況を伝えることができれば、領主を没落させ別の領主に変わる可能性がある。
「だってから払えないなら自身の給料を削ればいいじゃん。それすらできないほど豪遊してる貴族は帝国にはいらないでしょ?」
「おっしゃる通りにございます。しかしながらアルバート様はそれを理解していないのでございます」
「えぇ!?歳下の僕でも理解できる内容だよ!?」
「それがアルバート様の実情でございます」
ジノアは皇太子の座に興味はなかった。
皇太子になればそれだけ危険が伴い、大事な婚約者のアルアを危険な目に合わせてしまうからだ。
シャルネ公爵に婿養子として嫁ぎ、緩やかな領主生活を送ろうと考えていた。
アルアも親と離れずに済むからそれを望んでいる。
「兄上って、強情で人の話聞かないとこあるからなぁ。できれば僕にはアルバート兄上に皇太子になってもらいたいんだけど」
「国が傾く恐れがあります。内戦にも発展しかねませんよ」
アルバートの行為はそこまでに等しい行為だった。
それだけアルバートがしている行為は、国にとって危うい行為ということだった。
エルーザ自身、最低限の保証をと考えて動いていたが、アルバートは頭が堅い代わりにやる気は誰よりも満ちていた。
結果的に国庫やエルーザの実費で補いきれない補償額となってしまい、国は飢餓の危機に見舞われてしまった。
飢餓に関しての資料を漁っていくと、男爵家について載っている資料があるのを見つける。
「ん?アルゴノート男爵領って」
「飢餓に見舞われた民の移住を引き受けてくださってる男爵家です。なんでも民を尊重するらしく、移住者は口々に感謝を述べているそうですよ」
ジノアは面白いなと思った。
資料は皇帝であるエルーザ自らが作成したもので、調べていくうちにあることに気づく。
アルゴノート領が発展し始めた時期から、長男であるリアスが、国にある税を納めるサインをしていることに。
つまりこれは長男のリアスが発展に関与している証拠だった。
「アルゴノート家の長男はアルバート兄上と同い年か」
「えぇ。しかしどうやらアルゴノート家の後継者は長女のアルナ殿がなるそうですよ」
「え、長女が次期当主!?そのリアスっていう奴は何かしたの?」
「何かしたということは無いと思います。これはここだけの話ですが」
ジノアは驚いた。
アルゴノート領は一時期は他の多くの貴族同様に、貴族至上主義だったこと。
そして長男であるリアスを虐げ、最終的に始末しようとしていたことを。
暗殺者まで雇っていたらしい。
しかしその暗殺者達は使われることなく、金だけが渡されて終わった。
ところが事態が変わりその暗殺者の一人が、一度受けた依頼はどんな形であれ行う主義の人間だったため、暗殺を行ってしまった。
「結果的にその暗殺組織は、ある男によって潰されたそうです」
「それがリアスと」
「それはわかりません。その現場をみた人間は、彼の情報を話せば殺されると恐怖していたようです。隠密が得意の人間だったのですが、瞬時に見破られてしまったらしく。ですが、もしその男がリアス殿だとしたら、男爵は頭が上がらないでしょうな」
「なるほど、強気に出れるからね。へぇ、面白いなぁ」
十中八九それはリアスのことだろう。
ジノアは会って話して見たくなった。
戦闘力以上に、その肝の座り方の手腕をジノアは気に入った。
皇族の密偵は、見られた以上必ず情報を持ち帰る。
例え命に変えても。
そんな密偵を脅す唯一の手段がある。
主人の命だ。
つまり情報をバラせば陛下を殺すと、釘を刺したのだろう。
そしてそれを実行に移すと思わせるだけの、戦闘能力と威圧が、密偵が情報を流さないほどまずいものだったことがわかる。
「お戯れを。そんな危険な人物、命がいくつあっても足りませぬ」
「どうかな。民のために働ける貴族が、安易に殺害なんて選択肢ないと思うけど?下手したら殺人が苦手だったりしてー。はっはっは」
リアスはたしかに戦闘力だけで言えば、帝国でも上位に入るほどだろう。
しかし人を殺したことが無く実戦経験も乏しい。
「僕が困ったら後ろ盾になってもらうよ」
「貴方様が困ることが起きると、私どもも困ります」
「そうならないように気をつけるよ」
ジノアは笑ってそう返す。
時計を見ると日付が変わる時刻になろうとしていた。
なのでジノアはサッと資料を片付け、寝室へと足を運ぶ。
「明日はガラン兄上と、アルアの実家------じゃなかった。シャルネ公爵領に視察だから早めに寝るよ」
セバスは心配になった。
ガランと言えば、宮殿内でもアルバートに心酔していると噂になっている。
そんなガランが、アルバートの最大の敵であるジノアを排除しようと考える可能性もあるからだ。
「くれぐれもお気をつけくださいませ」
「わかってるよ。おやすみセバス」
「おやすみなさいませ」
彼はこの心配は杞憂に終わればいいと、そう思いながら部屋を後にした。
*
ここはとある侯爵領。
時刻は丑満時を過ぎようとしていた。
侯爵家の長女の自室からは、甘い声が少しだけ漏れ出ている。
ペットが軋む音と、女性の喘ぎ声。
静かな夜中には、小さな音も響いてしまい、要を足していた使用人が不審に思い、長女の自室へ向かうが、そこで彼の命は途切れてしまった。
「主人の情事を邪魔するとは良い度胸だ」
部屋を警護する騎士に首を切り落とされて殺されてしまった。
首を切り落とされた使用人の頭と首は即座に燃やされ、血が飛び散ることが無くゴミ袋に放り込まれた。
しばらくすると音は止み、自室から泣きじゃくる女性の声が聞こえている。
そして長女を抱いていたと思われる男は、一糸を纏わぬ長女の髪を無造作にひっぱり、顔を近づけた。
「このことを誰かに話せば、もう一度お前を汚す。肝に銘じておけ」
「あなたは、偉い身分なら何をしても許されると思っているのですか!」
「そうだよ。僕は皇族だからね。何をしても許されるのさ。君の純血を散らすことだってね」
そう、彼は事もあろうに皇族という立場で彼女を脅しに、彼女の貴族としての女性の価値である処女を奪った。
これが平民の女性ならば話は違っただろう。
しかし貴族の令嬢が処女を散らすということは、これからの人生で良い縁談に恵まれないことを示していた。
婚約に至る際に隠せたとしても、事実としては消えないからだ。
「この外道が!」
「外道で結構。あぁ君のアソコは中々気持ちよかったよ」
顔を赤くしつつも、その視線は睨み付けることをやめない。
「絶対に許さない!」
「負け犬の遠吠えだね。じゃあね。誰かに言ったらまた会おう」
そして男は部屋から出る。
その笑い顔は、誰よりも下衆な笑みを浮かべていた。
使いの騎士と思われると男は深々と頭を下げ、主人である男に追従する。
「絶対に許さないわ、ジノア・フォン・ティタニア!!」
雷鳴と共に、闇夜に浮かぶその姿は、屈強な胸筋をしていたが、紛れもなくジノアの姿をしていた。
同い年の公爵令嬢で名前はアルターニア・フォン・シャルネ。
彼と彼女は、三歳の時に婚約が決まった。
そして現在の12歳になるまで共に宮殿で暮らしていた。
政略的な婚約とはいえ、ジノアとアルアはそれは端から見ても仲睦まじい関係だった。
「ジーノーアーさーま」
「アルア。頬を引っ張らないでよ。僕は今勉強中なのー」
「ジノア様が勉強ばっかしてるからですよー。たまにはワタクシにも構って下さいまし」
「はいはい。これが終わったら下町にでも遊びに行こうかー」
今日も年相応にイチャイチャとしている二人を使用人は微笑ましく見ていた。
ジノアは第一皇子であるアルバートや第二皇子であるガランよりも優秀で、次期皇太子になるのも夢では無いと言われていた。
「やったー!」
「ふふっ、今日は何処に行こうかー。セバス、良い店なんかあるかい?」
「帝都のキャノン・リザという行列が出来るお茶菓子店兼喫茶店がございます。こんなこともあろうかと予約をして起きました」
ジノアの専属執事であるセバスは、常に二人のことを考え行動パターンを予想して動いている。
それはジノアが次期皇太子になるだとか優秀だからと言うわけでは無く、二人の笑顔を単純に見たいからであった。
「さすがセバスです!」
「セバスは優秀な執事だからねー。これからも末永くよろしく頼むよ」
「かしこまりました」
セバスにとってその言葉は誉れであり、深々と頭を下げる。
ジノアにとってもセバスは育ての親のようなモノであり、時には厳しく指導され血反吐を吐くようなこともあるが、それが今の自分の力となっているので感謝していた。
「さて、宿題も終わったし行こうかアルア」
「はい!」
ジノアとアルアは今日も二人仲良く手を繋ぎながら、下町を歩く。
平民達も他の貴族至上主義の貴族とは違い、自分達と普通に接してくれるジノアに対して好印象を抱いて、温かく二人を見守っていた。
途中で二人はアパレル店に寄る。
アルアは服の試着をした。
露出度低めの膝丈ワンピースだ。
腕は七部丈で、鎖骨より上は露出させていない藍色と白で、黒寄りの茶髪のアルアには似合っていた。
「ジノア様、どうですか?」
「すごい似合ってるよ。店長、これいくら?」
「銀貨一枚にございます」
「そんな安いんだ。普段着としては申し分のないいい値段だし、なによりアルアに似合ってる。もらおう」
「ありがとうございます」
店長はそういうと、お金を受け取る。
アルアはクルクルと回りながら、淑女らしくスカートの裾を掴みお辞儀した。
「ジノア様、ありがとうございます!」
「いいって。婚約者に贈り物をするのは当然でしょ?」
普段貴族のお辞儀を見ない店員や客は、その姿に目をとらわれ、そしてジノアに威嚇される。
そんな日々を月に何度か行うので、下町の人間はもう慣れてしまった。
「さて、本命のキャノン・リザに行こうか」
「はい!」
その後、通り道で教会の孤児と遊び、予約していた喫茶店のキャノン・リザに辿り着いた。
キャノン・リザでは、少々変わった菓子を出すため、下町では予約をしないと食べれないと言われてるものだ。
出されたのは、茶色い液体がドロドロとテッペンから下に落ちていく物だった。
フルーツが刺さった棒をその液体の出てる部分につけて食べるようだ。
ジノアもアルアも初めて見る食べ物で、どうやって食べるのか店員に聞いた。
「こちらはチョコレートファウンテンといいます。このチョコレートにこうしてフルーツを突っ込み、チョコレートをかけて召し上がるおやつです」
「すごいですわジノア様。これチョコレートだったのね。んー!!美味しいわ!」
「ほんとすごい斬新だね。これは店主が考えたの?」
こんな独創的な料理は、貴族でも食べたことがないだろう。
公爵家のアルアが初めて見たのだから当然だ。
「違います。店主の息子様が、仕えてる主人から譲り受けたものです。この店の座席分作ってくださったので助かってます」
「へぇー。商家の家がどこかかな?」
どこの誰が提供したかは気になったが、目の前でアルアがそれはもう美味しいそうに食べるので、考え事をするの無粋だと頭を振り払った。
そして、フルーツを全て食べ終えて次に出てきたのは白いマシュマロとスコーンだった。
「ここはマシュマロとスコーンも出すのか」
「えぇ、こちらチョコレートによく合いますので」
マシュマロやスコーンと言った食べ物は貴族の食べ物と思っていた二人は驚く。
流石は行列のできる店だと納得し、店を出る頃には満足した顔で笑っていた。
「店主には美味かったと伝えてくれ」
「皇子様に言ってもらえることは誉にございます」
「ジノア様、私もこの店を社交界で話題に致しますわ」
皇子の婚約者の仕事は、社交界で色々な噂を流し経済をコントロールするのが仕事である。
アルアはそれをよく理解していた。
嗜好品の多くは貴族令嬢が買うため、茶会やパーティーでの噂は、そのまま経済の流れに直結するためだ。
「頼むよ。これほどの店は、拡大や二号店できるくらい稼ぐべきだ」
「もちろんですわ!」
二人は無意識に仕事の話をしている。
しかしそれは嫌々ではなく、楽しそうにだ。
今までアルバートやガランは仕事について考えるのを嫌がったり、無関心だったりしたため、二人のその光景をみて、ジノアが皇帝になってくれればなと二人の背中を民達は優しく見守っていた。
*
ジノアとアルアが出ていく姿を皇城の自室から、疎ましい目で見る者もいた。
「ジノアの奴・・・皇族としての自覚がないのか。平民共の暮らす街に降りて」
「全くアルバート兄上の言うとおりです」
先日、アルバートはエルーザに弟を見習って平民達への対応を考えろと、説教を喰らっていた。
もちろんガランはアルバートを慕っており、考え方も貴族至上主義の人間だ。
つまりその弟を差すのはジノアである。
皇族である以上、平民は皇族を養うための働きアリのようなモノだとアルバートは認識している。
それは換えの効く使用人の様な者で、死んでしまったりしても気にも留めなかった。
だから皇子としての仕事で、貴族からの税収を取りに行くと、領民が飢え死んでしまいますので期限を伸ばしてほしいと言われたときも、だったら飢え死なない程度領民を殺せば良いだろうと思って決して首を縦には振らなかった。
それがルールで、税収を払うことを守れないなら死ねばいい。
働かざる者食うべからずと、堂々と税を徴収している。
実際領民の事を考えて期限を延ばして欲しいという貴族は、貴族社会で俗にいうドブざらいと言う平民を優先して動く貴族であり、それを快く思わない他の貴族達があの手この手で嫌がらせを行い、金を食料以外に回さざる得ない状況を作ったことにあるのだが、それをアルバートは知らない。
「どうにか排除出来ないか?ガラル」
何度かジノアを排除しようと何度か考えたことがあったアルバートだが、バレたときのリスクが怖く妄想だけに終わっていた。
「排除するのは後に首を絞める行為になります。兄上は絶対に手を出さないでくださいね」
皇太子候補として責任追及があるため、アルバートには手を出すなと釘を刺す。
ちょっとの粗があるだけで、貴族社会とは爪弾きにされかねないため、安易に強硬手段を取るのはあまり良い手ではない。
「ですが、彼はそのうち自ら退場してくれますよ。ぐふふふ」
「そ、そうか。では任せるぞ」
「仰せのままに」
アルバートは、13歳とは思えないガランの不気味な笑い声に少しだけ顔を引きつらせる。
しかし次には元の引き締めた顔を戻した。
そして何処かに連絡したあと、すぐにアルバートの自室を後にした。
*
ジノアはアルアとの下町デートの後、皇子としての仕事について勉強をしていた。
現在皇子の仕事は一番年上のアルバートがこなしており、その補佐にガランが付いてるため、ジノアは一度も徴収を行ってはいない。
「しかしこの税を取り立てる法律って言うのは、税を払わせるという目的もあるけど、もっと別の意味があるよなぁ」
「さすがジノア様。やはりよろしい慧眼をお持ちにございます」
「褒められるのは悪い気はしないけど、こんなのよっぽどのバカじゃなきゃわかるよ。これって領地の運営資金を私的な理由で使ってないか確かめる意味合いがあるでしょ」
税の徴収は本来であれば宰相の仕事なはずで、皇族とはいえまだ右も左も分からない子供のやることじゃない。
にも関わらず子供にやらせると言うことには税を徴収は二の次で、その領地での腐敗具合を確かめるための法律だった。
領主ではなく、民に直接行くと言うのが肝なのだ。
民は皇族に嘘はつかない。
良い状況を伝えれば、領主が万が一やらかしても擁護の声が多く領地が変わることもない。
逆も然り。
悪い状況を伝えることができれば、領主を没落させ別の領主に変わる可能性がある。
「だってから払えないなら自身の給料を削ればいいじゃん。それすらできないほど豪遊してる貴族は帝国にはいらないでしょ?」
「おっしゃる通りにございます。しかしながらアルバート様はそれを理解していないのでございます」
「えぇ!?歳下の僕でも理解できる内容だよ!?」
「それがアルバート様の実情でございます」
ジノアは皇太子の座に興味はなかった。
皇太子になればそれだけ危険が伴い、大事な婚約者のアルアを危険な目に合わせてしまうからだ。
シャルネ公爵に婿養子として嫁ぎ、緩やかな領主生活を送ろうと考えていた。
アルアも親と離れずに済むからそれを望んでいる。
「兄上って、強情で人の話聞かないとこあるからなぁ。できれば僕にはアルバート兄上に皇太子になってもらいたいんだけど」
「国が傾く恐れがあります。内戦にも発展しかねませんよ」
アルバートの行為はそこまでに等しい行為だった。
それだけアルバートがしている行為は、国にとって危うい行為ということだった。
エルーザ自身、最低限の保証をと考えて動いていたが、アルバートは頭が堅い代わりにやる気は誰よりも満ちていた。
結果的に国庫やエルーザの実費で補いきれない補償額となってしまい、国は飢餓の危機に見舞われてしまった。
飢餓に関しての資料を漁っていくと、男爵家について載っている資料があるのを見つける。
「ん?アルゴノート男爵領って」
「飢餓に見舞われた民の移住を引き受けてくださってる男爵家です。なんでも民を尊重するらしく、移住者は口々に感謝を述べているそうですよ」
ジノアは面白いなと思った。
資料は皇帝であるエルーザ自らが作成したもので、調べていくうちにあることに気づく。
アルゴノート領が発展し始めた時期から、長男であるリアスが、国にある税を納めるサインをしていることに。
つまりこれは長男のリアスが発展に関与している証拠だった。
「アルゴノート家の長男はアルバート兄上と同い年か」
「えぇ。しかしどうやらアルゴノート家の後継者は長女のアルナ殿がなるそうですよ」
「え、長女が次期当主!?そのリアスっていう奴は何かしたの?」
「何かしたということは無いと思います。これはここだけの話ですが」
ジノアは驚いた。
アルゴノート領は一時期は他の多くの貴族同様に、貴族至上主義だったこと。
そして長男であるリアスを虐げ、最終的に始末しようとしていたことを。
暗殺者まで雇っていたらしい。
しかしその暗殺者達は使われることなく、金だけが渡されて終わった。
ところが事態が変わりその暗殺者の一人が、一度受けた依頼はどんな形であれ行う主義の人間だったため、暗殺を行ってしまった。
「結果的にその暗殺組織は、ある男によって潰されたそうです」
「それがリアスと」
「それはわかりません。その現場をみた人間は、彼の情報を話せば殺されると恐怖していたようです。隠密が得意の人間だったのですが、瞬時に見破られてしまったらしく。ですが、もしその男がリアス殿だとしたら、男爵は頭が上がらないでしょうな」
「なるほど、強気に出れるからね。へぇ、面白いなぁ」
十中八九それはリアスのことだろう。
ジノアは会って話して見たくなった。
戦闘力以上に、その肝の座り方の手腕をジノアは気に入った。
皇族の密偵は、見られた以上必ず情報を持ち帰る。
例え命に変えても。
そんな密偵を脅す唯一の手段がある。
主人の命だ。
つまり情報をバラせば陛下を殺すと、釘を刺したのだろう。
そしてそれを実行に移すと思わせるだけの、戦闘能力と威圧が、密偵が情報を流さないほどまずいものだったことがわかる。
「お戯れを。そんな危険な人物、命がいくつあっても足りませぬ」
「どうかな。民のために働ける貴族が、安易に殺害なんて選択肢ないと思うけど?下手したら殺人が苦手だったりしてー。はっはっは」
リアスはたしかに戦闘力だけで言えば、帝国でも上位に入るほどだろう。
しかし人を殺したことが無く実戦経験も乏しい。
「僕が困ったら後ろ盾になってもらうよ」
「貴方様が困ることが起きると、私どもも困ります」
「そうならないように気をつけるよ」
ジノアは笑ってそう返す。
時計を見ると日付が変わる時刻になろうとしていた。
なのでジノアはサッと資料を片付け、寝室へと足を運ぶ。
「明日はガラン兄上と、アルアの実家------じゃなかった。シャルネ公爵領に視察だから早めに寝るよ」
セバスは心配になった。
ガランと言えば、宮殿内でもアルバートに心酔していると噂になっている。
そんなガランが、アルバートの最大の敵であるジノアを排除しようと考える可能性もあるからだ。
「くれぐれもお気をつけくださいませ」
「わかってるよ。おやすみセバス」
「おやすみなさいませ」
彼はこの心配は杞憂に終わればいいと、そう思いながら部屋を後にした。
*
ここはとある侯爵領。
時刻は丑満時を過ぎようとしていた。
侯爵家の長女の自室からは、甘い声が少しだけ漏れ出ている。
ペットが軋む音と、女性の喘ぎ声。
静かな夜中には、小さな音も響いてしまい、要を足していた使用人が不審に思い、長女の自室へ向かうが、そこで彼の命は途切れてしまった。
「主人の情事を邪魔するとは良い度胸だ」
部屋を警護する騎士に首を切り落とされて殺されてしまった。
首を切り落とされた使用人の頭と首は即座に燃やされ、血が飛び散ることが無くゴミ袋に放り込まれた。
しばらくすると音は止み、自室から泣きじゃくる女性の声が聞こえている。
そして長女を抱いていたと思われる男は、一糸を纏わぬ長女の髪を無造作にひっぱり、顔を近づけた。
「このことを誰かに話せば、もう一度お前を汚す。肝に銘じておけ」
「あなたは、偉い身分なら何をしても許されると思っているのですか!」
「そうだよ。僕は皇族だからね。何をしても許されるのさ。君の純血を散らすことだってね」
そう、彼は事もあろうに皇族という立場で彼女を脅しに、彼女の貴族としての女性の価値である処女を奪った。
これが平民の女性ならば話は違っただろう。
しかし貴族の令嬢が処女を散らすということは、これからの人生で良い縁談に恵まれないことを示していた。
婚約に至る際に隠せたとしても、事実としては消えないからだ。
「この外道が!」
「外道で結構。あぁ君のアソコは中々気持ちよかったよ」
顔を赤くしつつも、その視線は睨み付けることをやめない。
「絶対に許さない!」
「負け犬の遠吠えだね。じゃあね。誰かに言ったらまた会おう」
そして男は部屋から出る。
その笑い顔は、誰よりも下衆な笑みを浮かべていた。
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