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44.帝都では
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学園で和澄達が祐樹達と相対し始めたころ、帝都警備隊司令本部ではマーフィーとアンデルが戦線に送り込むメンバーを査定するために、帝国軍の将達が集結していた。そして司令本部に1人の女性兵が強壮の顔をして入ってきた。ノックもせずに入って来た女性兵士に気が立った、金髪オールバックの顎髭を伸ばした男が怒鳴る。
「貴様!大事にな会議中なのにノックもせず何事だ。名と所属の部隊を言え」
「すまぬコルチャーク大将。彼女はレイ・アルビーク中尉。儂の直属の通達係じゃ。非常時はどんなに重要な会議をしていようと儂のところに来るように教育していてな」
怒鳴った男の名前はローグ・コルチャークという大将だった。彼はこういった会議の招集時、出張任務で参加することがかなわず、出席率が良くなかったために通達係の顔を初めて見た。アンデルはそんなローグを宥めた。理由を聞いた将軍は柔らかい表情でレイの方を向く。
「ふむ。ポニラ殿の直属の通達係でしたか。そういうことなら怒鳴ってすまなかったなアルビーク中尉。ただ会議中だ、ノックくらいはしてくれ。では報告を頼む」
ローグはレイに向かって謝罪を口にする。将軍は基本的に階級が下の者には頭を下げない。自尊心やプライドといったことから間違えを認めたくないのだ。
しかしローグ将軍はここに集まった中でも特に部下思いであり、怒鳴ったのも重要な会議中に入って来た部下への摂関からだ。なので自分の勘違いで怒鳴ってしまったから謝罪した。
「肝に銘じます。では報告申し上げます!何者かに帝都四等区住宅地が襲撃を受けました」
「なんじゃと!?被害状況は?賊の数は!」
「住民に負傷者が複数出ています。幸いまだ死者は確認しておりませんが時間の問題と思われます。襲撃者は40人前後であるそうです」
帝都四等区とは、平民が主に暮らしている民間住宅地のことであり、帝都で最も人口が多い。しかし配置されてる警備兵は少尉以下が多い。
主な仕事が道案内や酔っ払いの喧嘩の仲裁などといった日本の警官がやるようなもので、人数的にテロ規模の襲撃なために統率が取れていないのだろう。
この会議でアメリカからの攻撃に備えて将軍階級とその部隊を何隊か配置しようとした矢先に襲撃だ。出席者は皆思い思いの顔をする。
そこへアンデルが机を叩きレイに命令する。
「ええい。レイよ、まず救護隊に四等住宅地へ迎う準備をするように伝えてくれ。あとから部隊を送り合流させる。くれぐれも先走らないように念を押しておけ。救護隊は住宅街の警備隊程度しか戦闘能力がないのだからな」
「承知しました指令。伝えて参ります」
そういうとレイは敬礼し、きびすを返し外へ出て行った。
「うむ。さて主等よ。この襲撃についてどう考える?」
「アンデルよ。これは十中八九アメリカの仕業で間違いないのではないか?」
アンデルの問に軍最高責任者であるマーフィーが答える。たしかに内部犯だろうと外部犯だろうとアメリカが関係していることはこの場にいる者全員考えている。
宣戦布告からの後日の襲撃。これだけの情報があれば子供でも容易に想像できた。
「それは間違いないに決まっておろう。しかしそう言った話ではない。この後この襲撃者達が他の区流れるかどうかの話じゃ」
先ほど怒鳴ったローグが挙手し発言する。
「私の考えを言わせていただく。襲撃者は四等区から移動しないと愚考する」
「ふむ。続けてくれ」
「襲撃者の目的は陽動とみる。40名の襲撃なら死者が出てもおかしくはない。しかし負傷者のみ。死者を出せばその分だけその人間への治療は要らなくなる。つまり時間を稼ぐのが主な目的と取れる」
ローグの考えはこの人数で死者を出ていないことから負傷者への治療での時間稼ぎ。
「ふむ。一理あるのぉ。たしかに死者が出てないのは違和感がある。そう思わさせるための陽動という可能性もあるがの・・・。他に意見は?」
次に挙手したのはローグの隣りにいたスキンヘッドの無精髭の男だ。彼の名前はクウラ・バルデルク。階級は中将で、還暦ではあるがまだまだ身体は衰えず、見た目は40代をも彷彿させる若さだ。
「オレ様もローグの意見に同意するがそれすら囮の可能性もあるんじゃねぇか?」
「一応会議の場じゃバルデルク中将。口調は正せ。さぁその考えを聞かせてもらおう」
階級こそ低いが、この中では年長者であり実力も大将になれるレベルだ。故にローグも呼び捨てや砕けた口調にも文句を言わなかった。
「硬いこと言うなよ司令官殿。襲撃は囮と判断して目的のものが四等区にある可能性もあるだろう」
「もう良い、儂が悪かった。具体的になにを狙ってると思う?」
アンデルは正す気の無いクウラに諦めて考えの意図を問う。クウラは笑みを浮かべながら答える。
「魔眼持ちを探しているとかだ。その場合でも殺さない理由の説明がつく」
「なるほどのぉ。手の空いてるものよ、魔眼持ちのリストを至急持ってきてくれ」
魔眼所持者は基本的に魔眼登録を医者にさせられる。和澄やルナトといった見ただけでわからない魔眼は例外として、貴族を含めて魔眼持ちはすべて帝国に把握されているのだ。
しばらくして入り口にいた兵士がリストを持ってきた。
「ふむ。四等区には20人以上の魔眼持ちがいるのぉ。バルテルク中将の言ってることもあながち的外れではないかもしれぬな」
アンデルは顎を撫でながら考え込み、何かを決めたのか指示を出した。
「ディアボ大将、バルテルク中将、ロズワール少将の部隊は直ちに救護班と合流しろ。ディアボ大将の指揮の下四等区へ赴き、民間人の保護、並びに事態の鎮圧にはげめ。優先事項は民間人の保護。襲撃者は捕縛は望ましいが、殺害してもお咎めはなしじゃ」
「いいねぇ、司令官殿の編成痛み入るぜ。ゴードンよ、部隊の指揮はすべて任せた。ライコット、お前は少しでも戦果をあげる事を考えろ。俺と同じ地位にさっさとこい」
ゴードンと呼ばれた俳優もできそうな整った顔立ちの茶髪の優男は苦笑いをして返事をし、ライコットという緑色のポニーテールにスーツを着たキャリアウーマンのような女性は、心底嫌そうな顔をして返事をした。この二人はクウラの弟子で親しい間柄でもあるための編成だった。
アンデルの指示により四等区に配置されるのはゴードン・ディアボ大将、クウラ・バルデック中将、ライコット・ロズワール少将となった。三人は部屋から出て行った。
「うるさいのが出てったことだしの。二等区にはコルチャーク大将、ドミニク大将、ガルーダ中将の部隊を配置しようと思う。コルチャーク大将の予想が正しければ、貴族が多く住む二等区にも襲撃が来るかも知れないからの。準備ができ次第すぐにいけ」
「「「御意」」」
二等区に配置されたのはローグ・コルチャーク大将、ミスリル・ドミニク大将、ザナー・ガルーダ中将だ。この三人は同期で全員ブレード持ちだ。連携が抜群な上に部隊の練度も出張続きで十分だった。この三にも部屋を出て行く。
「さて、三等区には誰を配置しようかのぉ」
アンデルがそういうと黒髪で右目に傷がある男が挙手をする。
「珍しいのぉ、ライラック少将。自分から出願か?」
「三等区はわいの家族も住んでるさかいのぉ。わい自身配置されようもんなら安心できるさかい」
「なるほどのぉ。不真面目な主が自分から言う理由がわかったわ」
この目に傷のある男は、レオン・ライラック。任務放棄をすることが原因で少将まで下がってしまったが、戦闘力、統率力は大将に引けを取らない。
「ならば、ライラック少将を三等区に配置する。一応保護監察官として雨宮大将、主も頼む」
「えぇぇぇ!アンデルちゃんそりゃねぇよ。なんでこいつとコンビ組まにゃならんのさ!異議を申し立てます」
「雨宮、主も大概儂のこと舐め取るのぉ。ポニラ司令官といえ。司令官命令じゃ。意義の理由も検討の余地なし。さっさと準備していけい」
そういうと、雨宮大将はとぼとぼと歩いて部屋を出て行った。そこへレオンも追いかける。
雨宮隼太は現在唯一の日本人大将である。年齢は23歳でレオンとは幼馴染みの関係だ。なので文句を言っていたがまぁなんとかなるとアンデルは思っている。
「さてじゃあここからは俺だな。残りの将諸君は、明日アメリカに飛ぶ予定だ。まだ何があるかわからないから今日はこの司令部に泊まってくれ。なおアンデルは元帥として帝国に残って貰う予定だ。動向はしないからそこは了承してくれ。では次に明日の作戦について会議を始める」
そういうと残りの大将、中将、少将達は顔を引き締めた。前線にいかないアンデルは部屋をあとにする。
「貴様!大事にな会議中なのにノックもせず何事だ。名と所属の部隊を言え」
「すまぬコルチャーク大将。彼女はレイ・アルビーク中尉。儂の直属の通達係じゃ。非常時はどんなに重要な会議をしていようと儂のところに来るように教育していてな」
怒鳴った男の名前はローグ・コルチャークという大将だった。彼はこういった会議の招集時、出張任務で参加することがかなわず、出席率が良くなかったために通達係の顔を初めて見た。アンデルはそんなローグを宥めた。理由を聞いた将軍は柔らかい表情でレイの方を向く。
「ふむ。ポニラ殿の直属の通達係でしたか。そういうことなら怒鳴ってすまなかったなアルビーク中尉。ただ会議中だ、ノックくらいはしてくれ。では報告を頼む」
ローグはレイに向かって謝罪を口にする。将軍は基本的に階級が下の者には頭を下げない。自尊心やプライドといったことから間違えを認めたくないのだ。
しかしローグ将軍はここに集まった中でも特に部下思いであり、怒鳴ったのも重要な会議中に入って来た部下への摂関からだ。なので自分の勘違いで怒鳴ってしまったから謝罪した。
「肝に銘じます。では報告申し上げます!何者かに帝都四等区住宅地が襲撃を受けました」
「なんじゃと!?被害状況は?賊の数は!」
「住民に負傷者が複数出ています。幸いまだ死者は確認しておりませんが時間の問題と思われます。襲撃者は40人前後であるそうです」
帝都四等区とは、平民が主に暮らしている民間住宅地のことであり、帝都で最も人口が多い。しかし配置されてる警備兵は少尉以下が多い。
主な仕事が道案内や酔っ払いの喧嘩の仲裁などといった日本の警官がやるようなもので、人数的にテロ規模の襲撃なために統率が取れていないのだろう。
この会議でアメリカからの攻撃に備えて将軍階級とその部隊を何隊か配置しようとした矢先に襲撃だ。出席者は皆思い思いの顔をする。
そこへアンデルが机を叩きレイに命令する。
「ええい。レイよ、まず救護隊に四等住宅地へ迎う準備をするように伝えてくれ。あとから部隊を送り合流させる。くれぐれも先走らないように念を押しておけ。救護隊は住宅街の警備隊程度しか戦闘能力がないのだからな」
「承知しました指令。伝えて参ります」
そういうとレイは敬礼し、きびすを返し外へ出て行った。
「うむ。さて主等よ。この襲撃についてどう考える?」
「アンデルよ。これは十中八九アメリカの仕業で間違いないのではないか?」
アンデルの問に軍最高責任者であるマーフィーが答える。たしかに内部犯だろうと外部犯だろうとアメリカが関係していることはこの場にいる者全員考えている。
宣戦布告からの後日の襲撃。これだけの情報があれば子供でも容易に想像できた。
「それは間違いないに決まっておろう。しかしそう言った話ではない。この後この襲撃者達が他の区流れるかどうかの話じゃ」
先ほど怒鳴ったローグが挙手し発言する。
「私の考えを言わせていただく。襲撃者は四等区から移動しないと愚考する」
「ふむ。続けてくれ」
「襲撃者の目的は陽動とみる。40名の襲撃なら死者が出てもおかしくはない。しかし負傷者のみ。死者を出せばその分だけその人間への治療は要らなくなる。つまり時間を稼ぐのが主な目的と取れる」
ローグの考えはこの人数で死者を出ていないことから負傷者への治療での時間稼ぎ。
「ふむ。一理あるのぉ。たしかに死者が出てないのは違和感がある。そう思わさせるための陽動という可能性もあるがの・・・。他に意見は?」
次に挙手したのはローグの隣りにいたスキンヘッドの無精髭の男だ。彼の名前はクウラ・バルデルク。階級は中将で、還暦ではあるがまだまだ身体は衰えず、見た目は40代をも彷彿させる若さだ。
「オレ様もローグの意見に同意するがそれすら囮の可能性もあるんじゃねぇか?」
「一応会議の場じゃバルデルク中将。口調は正せ。さぁその考えを聞かせてもらおう」
階級こそ低いが、この中では年長者であり実力も大将になれるレベルだ。故にローグも呼び捨てや砕けた口調にも文句を言わなかった。
「硬いこと言うなよ司令官殿。襲撃は囮と判断して目的のものが四等区にある可能性もあるだろう」
「もう良い、儂が悪かった。具体的になにを狙ってると思う?」
アンデルは正す気の無いクウラに諦めて考えの意図を問う。クウラは笑みを浮かべながら答える。
「魔眼持ちを探しているとかだ。その場合でも殺さない理由の説明がつく」
「なるほどのぉ。手の空いてるものよ、魔眼持ちのリストを至急持ってきてくれ」
魔眼所持者は基本的に魔眼登録を医者にさせられる。和澄やルナトといった見ただけでわからない魔眼は例外として、貴族を含めて魔眼持ちはすべて帝国に把握されているのだ。
しばらくして入り口にいた兵士がリストを持ってきた。
「ふむ。四等区には20人以上の魔眼持ちがいるのぉ。バルテルク中将の言ってることもあながち的外れではないかもしれぬな」
アンデルは顎を撫でながら考え込み、何かを決めたのか指示を出した。
「ディアボ大将、バルテルク中将、ロズワール少将の部隊は直ちに救護班と合流しろ。ディアボ大将の指揮の下四等区へ赴き、民間人の保護、並びに事態の鎮圧にはげめ。優先事項は民間人の保護。襲撃者は捕縛は望ましいが、殺害してもお咎めはなしじゃ」
「いいねぇ、司令官殿の編成痛み入るぜ。ゴードンよ、部隊の指揮はすべて任せた。ライコット、お前は少しでも戦果をあげる事を考えろ。俺と同じ地位にさっさとこい」
ゴードンと呼ばれた俳優もできそうな整った顔立ちの茶髪の優男は苦笑いをして返事をし、ライコットという緑色のポニーテールにスーツを着たキャリアウーマンのような女性は、心底嫌そうな顔をして返事をした。この二人はクウラの弟子で親しい間柄でもあるための編成だった。
アンデルの指示により四等区に配置されるのはゴードン・ディアボ大将、クウラ・バルデック中将、ライコット・ロズワール少将となった。三人は部屋から出て行った。
「うるさいのが出てったことだしの。二等区にはコルチャーク大将、ドミニク大将、ガルーダ中将の部隊を配置しようと思う。コルチャーク大将の予想が正しければ、貴族が多く住む二等区にも襲撃が来るかも知れないからの。準備ができ次第すぐにいけ」
「「「御意」」」
二等区に配置されたのはローグ・コルチャーク大将、ミスリル・ドミニク大将、ザナー・ガルーダ中将だ。この三人は同期で全員ブレード持ちだ。連携が抜群な上に部隊の練度も出張続きで十分だった。この三にも部屋を出て行く。
「さて、三等区には誰を配置しようかのぉ」
アンデルがそういうと黒髪で右目に傷がある男が挙手をする。
「珍しいのぉ、ライラック少将。自分から出願か?」
「三等区はわいの家族も住んでるさかいのぉ。わい自身配置されようもんなら安心できるさかい」
「なるほどのぉ。不真面目な主が自分から言う理由がわかったわ」
この目に傷のある男は、レオン・ライラック。任務放棄をすることが原因で少将まで下がってしまったが、戦闘力、統率力は大将に引けを取らない。
「ならば、ライラック少将を三等区に配置する。一応保護監察官として雨宮大将、主も頼む」
「えぇぇぇ!アンデルちゃんそりゃねぇよ。なんでこいつとコンビ組まにゃならんのさ!異議を申し立てます」
「雨宮、主も大概儂のこと舐め取るのぉ。ポニラ司令官といえ。司令官命令じゃ。意義の理由も検討の余地なし。さっさと準備していけい」
そういうと、雨宮大将はとぼとぼと歩いて部屋を出て行った。そこへレオンも追いかける。
雨宮隼太は現在唯一の日本人大将である。年齢は23歳でレオンとは幼馴染みの関係だ。なので文句を言っていたがまぁなんとかなるとアンデルは思っている。
「さてじゃあここからは俺だな。残りの将諸君は、明日アメリカに飛ぶ予定だ。まだ何があるかわからないから今日はこの司令部に泊まってくれ。なおアンデルは元帥として帝国に残って貰う予定だ。動向はしないからそこは了承してくれ。では次に明日の作戦について会議を始める」
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