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閑話2:紅の女王の過去
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アンデルは司令部をあとにし、司令部にいた将軍達のそれぞれの部隊が待機しているホールに来ていた。その中にはアンデル直属の警備部隊もいた。アンデルがホールに入ると雑談をしていた全隊員が、起立から敬礼をする。アンデルの警備隊最高指令官という立場は、帝国軍元帥であるマーフィーと同じとされている。
「こちらの話を終えたぞお前達。あー今戻って来てない隊長達はマーフィーと明日の作戦の会議中じゃ。暫し待たれい」
アンデルがそういうとまた雑談を再開した。アンデルの部隊は背筋をただしたままだったが。
「お前達もここは公の場じゃないんだから休め。いつも言ってるであろう。いざ現場に言って不測の事態になっても適わん」
そうアンデルが言うとやっと隊員達は身体の力を抜いた。そして黒髪の女性がアンデルに現状の報告をする。
「レイは医療班と合流後そのまま四等区に向かうそうです。四等区は現状負傷者の数が警備兵を含めて200名を超えました。我々はどうしますか?」
「被害状況は芳しくないな。儂は随時報告を受けれる状況にならんからな。ここから離れることはできない。主等はいつでも召集に応じれる範囲であれば一等区内でならば自由に行動していてもよいぞ」
アンデルは二等区、三等区、四等区に派遣した部隊の報告を受けなければならない立場にあった。司令部は一等区にあるのでその敷地内で且つ招集に応じれる情態とは、闇属性を操ることですぐに戻れる人間以外は基本的に司令部で待機ということだった。
司令部にはバーやカジノ施設、レストランなどの娯楽施設はいっぱいあるので隊員達は喜んだ。
「息抜きは必要じゃ。ここ最近迷惑ばかりかけたしのぉ」
アンデルはミナと弟子である和澄とルナトの安全を増やすために教師になるカナンを鍛えていた。アンデルは和澄とルナト、特に和澄は自分の息子のように接していた。だから自分の部隊にも教えていなかった忌纏をカナンに授けたのだ。和澄の予想は合っていたわけだが、その修行中の間も仕事はうまれる。その時に代わりに多くの仕事をこなしてくれたのが、アンデルの部隊員達だったのだ。隊員達は各々この後何をするか喋りながら解散し、先ほど報告した女性だけが残った
「さて、香澄とメアリーも呼んだ方がいいかのぉ」
「呼ぶのは事態の終息を待ってからのがいいかもしれませんね。こんな状況ですし帝都の外から来るのは大変でしょうから」
「帝都外にも被害があってるかもしれんしのぉ。ウェストサンド学園とかのぉ」
先ほど報告した黒神の女性の名前はカリア・イスート。27歳独身で、階級は少佐。アンデルの指令官としての補佐官をしており、忌纏は修得していないが剣から斬撃を飛ばすことはマーフィーの見よう見まねでできていた。またアンデルとはプライベートでも親しい間柄であり、小さい頃帝国建国間もなかったときに近所に住んでいたので遊んでもらっていた。
「和澄くんのこと心配ですか?」
「いやそういうわけじゃないんじゃがな」
「本当です?話してるとき楽しそうですし、亡くなった息子さんと重ねて見てるんじゃないんです?」
「そうかもしれんなぁ。薄情かね?」
「そんなことないですよ。旦那さんも息子さんもきっと喜んでますよ。アンデル様、今楽しそうですし」
「そうかのぉ?」
アンデルは頭を掻きながら答える。そう言いながらも自覚はあるのか彼女は笑顔だった。
◇◆◇◆◇
アンデルの旦那の名はリム・パニラ。アンデルより5つ年上だった。アンデルは16歳でロシアの軍学校にいたころに親父狩りにあっていたリムを助けたことでリムに惚れられてしまった。
当時アンデルには両親がおらず色々なことがあってやさぐれており、同期であるマーフィーとその恋人の香澄とは今でこそ仲が良いが良い関係ではなかった。その心の隙間を埋めてくれたのがリムであった。リムは男として貧弱だったが優しかった。最初はアンデルは足蹴にしていたがそれでもめげずにアプローチをかけてくるリムに、徐々に惹かれていった。そしてついに二年にも渡ったリムのアプローチを受け入れ、ロシア軍入隊する前に結婚。数年後、子宝にも恵まれ息子も生まれた。息子の名前はアイソス・パニラと名付けられ二人は可愛がった。
産休から軍に復帰したアンデル。その隊の隊長は現皇帝レイクで、ユーラシアを統一すべく、革命を起こそうと持ちかけられる。当時ロシアの環境は良い状況とは言えず、アンデル家族も貧しいなんて物じゃない酷い生活をしていた。なので二つ返事で了承し、斬撃の飛ばし方を習った。そしてその斬撃を応用して忌纏を生み出したのだ。
忌纏の初使用がイヴとの戦闘で、まだ名前が付けていなかった。イヴと相対してレイクは、アンデルが斬撃に使用していたエネルギーを纏って体術だけで追い詰めたことから、人間の動きじゃないと感じていた。あとからイヴが神族と名乗りこれはおいそれと世に出してはいけない忌むべき技と思い、レイクは忌纏と名付けた。
そして革命を起こす。レイクの圧倒的実力で少人数での革命は成功し戦況は拮抗。途中マーフィーと香澄が所属する隊とも対峙したが、説得により二人の所属していた隊も加勢。どんどん説得が成功していき、結果2000人もの軍を率いて見事革命を果たし、ユーラシア帝国が建国した。
それからは生活は一変した。皇帝レイクには帝国軍元帥にと持ちかけられたが断り、アンデルは民間人の安全を守る警備隊指令官の座についた。
アイソスは13歳になり当時帝都に建てられたウェストサンド学園の最初の生徒となった。リムはウェスト学園の教師となり、何不自由のない普通の生活を送っていた。
しかしその生活は長くは続かなかった。旧ロシアに所属していた軍の隊員だった者達のテロにより帝都は一時壊滅状態に陥った。アンデルは総司令官という立場にいて、事態の収拾を務めなければならかった。家族が心配だったが職務を優先した。ウェストサンド学園には戦闘能力が優秀な教師も沢山いたので家族の安否を後回しにしたのだ。結果として早々にテロ事件は終息した。
アンデルは真っ先に家族の安否を確認しに学園に向かった。学園は崩壊していて見るも姿がなかった。死亡者リストにアンデルの旦那と息子の名が記されていた。これはアンデルが決断し実行に移し起きた出来事だったが、後悔しかなかった。戦闘のできる学園の教師達がテロを起こした首謀者だったのだ。
ウェストサンド学園のほとんどの生徒は死亡し、教師陣は現在の学長以外死亡した。この教訓を生かすべく現在は帝都から移され、帝都外のイヴが住んでいた場所を埋め立ててウェストサンド学園を作った。教師も軍から派遣される者だけの公務員のみとなった。
警備隊の規律も一片し。そんな事件が二度と起きないように非常時の報告は何事よりも優先するように教育し、被害の起きた現場にはすぐに隊を派遣するようにした。
そんなことをしても失った2人は帰ってこない。カナンは当時そんなこと心境から近くに住んでいたカリアを娘のように可愛がった。紅の女王という2つ名を広めたのも空元気が起こしたものだった。
30年ほどがたち、可愛がっていたカリアも自分の隊に入隊して傷は多少癒えた。それでもどこかに傷は残っていたのだろう。和澄達と出会い、こんな自分を師匠と慕ってくれたことから和澄とルナトに息子と同じ影を重ねてみていた。カリアも娘のように可愛がったがやはり男の子と女の子は違う。特に平民である和澄には息子の面影が重なってしまい、夜寝るときにリムやアイソスを思い出し布団で泣いていた日もあった。
こんな自分の後悔からカナンに忌纏を教え、息子の影と重ねる和澄の助けになるようにした。自分の弟子だから信頼してはいる。かといって心配するかどうかはまた別の話であった。
そんな過去のことを思い出しながら、和澄やミナ、ルナトのことをいつもカリアに話してたアンデルは言う。
「もう主等の隊の皆や和澄達を失ったら発狂するだろうな」
そうカリアに言った。カリアは苦笑いし
「私は天寿全うするつもりですし、貴女に子供の顔も見せに来るつもりです。きっと和澄くんもいつか子供の顔を見せてきますよ。ミナちゃんと一緒に」
アンデルも苦笑いし共に執務室へと向かった。
「こちらの話を終えたぞお前達。あー今戻って来てない隊長達はマーフィーと明日の作戦の会議中じゃ。暫し待たれい」
アンデルがそういうとまた雑談を再開した。アンデルの部隊は背筋をただしたままだったが。
「お前達もここは公の場じゃないんだから休め。いつも言ってるであろう。いざ現場に言って不測の事態になっても適わん」
そうアンデルが言うとやっと隊員達は身体の力を抜いた。そして黒髪の女性がアンデルに現状の報告をする。
「レイは医療班と合流後そのまま四等区に向かうそうです。四等区は現状負傷者の数が警備兵を含めて200名を超えました。我々はどうしますか?」
「被害状況は芳しくないな。儂は随時報告を受けれる状況にならんからな。ここから離れることはできない。主等はいつでも召集に応じれる範囲であれば一等区内でならば自由に行動していてもよいぞ」
アンデルは二等区、三等区、四等区に派遣した部隊の報告を受けなければならない立場にあった。司令部は一等区にあるのでその敷地内で且つ招集に応じれる情態とは、闇属性を操ることですぐに戻れる人間以外は基本的に司令部で待機ということだった。
司令部にはバーやカジノ施設、レストランなどの娯楽施設はいっぱいあるので隊員達は喜んだ。
「息抜きは必要じゃ。ここ最近迷惑ばかりかけたしのぉ」
アンデルはミナと弟子である和澄とルナトの安全を増やすために教師になるカナンを鍛えていた。アンデルは和澄とルナト、特に和澄は自分の息子のように接していた。だから自分の部隊にも教えていなかった忌纏をカナンに授けたのだ。和澄の予想は合っていたわけだが、その修行中の間も仕事はうまれる。その時に代わりに多くの仕事をこなしてくれたのが、アンデルの部隊員達だったのだ。隊員達は各々この後何をするか喋りながら解散し、先ほど報告した女性だけが残った
「さて、香澄とメアリーも呼んだ方がいいかのぉ」
「呼ぶのは事態の終息を待ってからのがいいかもしれませんね。こんな状況ですし帝都の外から来るのは大変でしょうから」
「帝都外にも被害があってるかもしれんしのぉ。ウェストサンド学園とかのぉ」
先ほど報告した黒神の女性の名前はカリア・イスート。27歳独身で、階級は少佐。アンデルの指令官としての補佐官をしており、忌纏は修得していないが剣から斬撃を飛ばすことはマーフィーの見よう見まねでできていた。またアンデルとはプライベートでも親しい間柄であり、小さい頃帝国建国間もなかったときに近所に住んでいたので遊んでもらっていた。
「和澄くんのこと心配ですか?」
「いやそういうわけじゃないんじゃがな」
「本当です?話してるとき楽しそうですし、亡くなった息子さんと重ねて見てるんじゃないんです?」
「そうかもしれんなぁ。薄情かね?」
「そんなことないですよ。旦那さんも息子さんもきっと喜んでますよ。アンデル様、今楽しそうですし」
「そうかのぉ?」
アンデルは頭を掻きながら答える。そう言いながらも自覚はあるのか彼女は笑顔だった。
◇◆◇◆◇
アンデルの旦那の名はリム・パニラ。アンデルより5つ年上だった。アンデルは16歳でロシアの軍学校にいたころに親父狩りにあっていたリムを助けたことでリムに惚れられてしまった。
当時アンデルには両親がおらず色々なことがあってやさぐれており、同期であるマーフィーとその恋人の香澄とは今でこそ仲が良いが良い関係ではなかった。その心の隙間を埋めてくれたのがリムであった。リムは男として貧弱だったが優しかった。最初はアンデルは足蹴にしていたがそれでもめげずにアプローチをかけてくるリムに、徐々に惹かれていった。そしてついに二年にも渡ったリムのアプローチを受け入れ、ロシア軍入隊する前に結婚。数年後、子宝にも恵まれ息子も生まれた。息子の名前はアイソス・パニラと名付けられ二人は可愛がった。
産休から軍に復帰したアンデル。その隊の隊長は現皇帝レイクで、ユーラシアを統一すべく、革命を起こそうと持ちかけられる。当時ロシアの環境は良い状況とは言えず、アンデル家族も貧しいなんて物じゃない酷い生活をしていた。なので二つ返事で了承し、斬撃の飛ばし方を習った。そしてその斬撃を応用して忌纏を生み出したのだ。
忌纏の初使用がイヴとの戦闘で、まだ名前が付けていなかった。イヴと相対してレイクは、アンデルが斬撃に使用していたエネルギーを纏って体術だけで追い詰めたことから、人間の動きじゃないと感じていた。あとからイヴが神族と名乗りこれはおいそれと世に出してはいけない忌むべき技と思い、レイクは忌纏と名付けた。
そして革命を起こす。レイクの圧倒的実力で少人数での革命は成功し戦況は拮抗。途中マーフィーと香澄が所属する隊とも対峙したが、説得により二人の所属していた隊も加勢。どんどん説得が成功していき、結果2000人もの軍を率いて見事革命を果たし、ユーラシア帝国が建国した。
それからは生活は一変した。皇帝レイクには帝国軍元帥にと持ちかけられたが断り、アンデルは民間人の安全を守る警備隊指令官の座についた。
アイソスは13歳になり当時帝都に建てられたウェストサンド学園の最初の生徒となった。リムはウェスト学園の教師となり、何不自由のない普通の生活を送っていた。
しかしその生活は長くは続かなかった。旧ロシアに所属していた軍の隊員だった者達のテロにより帝都は一時壊滅状態に陥った。アンデルは総司令官という立場にいて、事態の収拾を務めなければならかった。家族が心配だったが職務を優先した。ウェストサンド学園には戦闘能力が優秀な教師も沢山いたので家族の安否を後回しにしたのだ。結果として早々にテロ事件は終息した。
アンデルは真っ先に家族の安否を確認しに学園に向かった。学園は崩壊していて見るも姿がなかった。死亡者リストにアンデルの旦那と息子の名が記されていた。これはアンデルが決断し実行に移し起きた出来事だったが、後悔しかなかった。戦闘のできる学園の教師達がテロを起こした首謀者だったのだ。
ウェストサンド学園のほとんどの生徒は死亡し、教師陣は現在の学長以外死亡した。この教訓を生かすべく現在は帝都から移され、帝都外のイヴが住んでいた場所を埋め立ててウェストサンド学園を作った。教師も軍から派遣される者だけの公務員のみとなった。
警備隊の規律も一片し。そんな事件が二度と起きないように非常時の報告は何事よりも優先するように教育し、被害の起きた現場にはすぐに隊を派遣するようにした。
そんなことをしても失った2人は帰ってこない。カナンは当時そんなこと心境から近くに住んでいたカリアを娘のように可愛がった。紅の女王という2つ名を広めたのも空元気が起こしたものだった。
30年ほどがたち、可愛がっていたカリアも自分の隊に入隊して傷は多少癒えた。それでもどこかに傷は残っていたのだろう。和澄達と出会い、こんな自分を師匠と慕ってくれたことから和澄とルナトに息子と同じ影を重ねてみていた。カリアも娘のように可愛がったがやはり男の子と女の子は違う。特に平民である和澄には息子の面影が重なってしまい、夜寝るときにリムやアイソスを思い出し布団で泣いていた日もあった。
こんな自分の後悔からカナンに忌纏を教え、息子の影と重ねる和澄の助けになるようにした。自分の弟子だから信頼してはいる。かといって心配するかどうかはまた別の話であった。
そんな過去のことを思い出しながら、和澄やミナ、ルナトのことをいつもカリアに話してたアンデルは言う。
「もう主等の隊の皆や和澄達を失ったら発狂するだろうな」
そうカリアに言った。カリアは苦笑いし
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