神世界と素因封印

茶坊ピエロ

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76.赤ずきん族とバンシー

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 久々に戻って来た感あるな。
 まぁいうほど時間経ってないんだけど。
 あれ?ミナ達がいない?


「まぁとりあえずルナトと兄さんを寝室に寝かせて来ますね」


「あぁ俺も行くぜ和澄」


「おう」


 寝室にいくと、イヴァンが読書をしていた。 
 それ少女漫画じゃねーか。


「ん?なぜルナトとヨシュアが気を失ってるんだ?」


「イヴァン。話はあとで説明する。とりあえず二人を寝かせたい」


「あぁわかった和澄よ」


 そしてとりあえず二人を寝かせた。
 治療は済んでいるとはいえ、ブレードの暴走の影響が残ってるしな。


「さて、説明を・・・」


「イヴァンには俺が説明しとくから、和澄はミナやベロニカをさがしてこい」


「え、あ、そうか?じゃあ先にいってくる。バディールもいいか?」


『いいぜ。てかブレード適合者のカナンやベロニカも必要だしな』


 そういえばそんなこと言ってたな。
 なんか説得するためだと思ってたけど。


「じゃあ祐樹とイヴァンとベロニカにブレードを返した方がいいか?」


「あぁ。返してやってくれ」


「わかった。あとでイヴさんと取りにいく」


 まぁ今更こいつらが何かするとは思えないしな。
 俺はイヴさん達に先にミナを探してくると言って、そのまま森へと足を運んだ。


「其の目には今ブレードが喋ってたように見えたのだが」


「間違いない・・・気にするな、それも今から説明する」


◇◆◇◆◇


「おーいミナー」


『どこの漫画の主人公だ主は。普通に動物たちに聞けばいいだろ』


 それができるならしてるって!
 ここの動物たちはテレパシーができるやつが少ないんだよな。
 袖を引っ張ってくる感触がある。ミナか!?
 しかし振り向いたら赤い獣耳のフードをかぶった小さな女の子がいた。


「ねぇねぇお兄ちゃん」


「ん?お嬢ちゃん?あ、でもここは普通の人間はいなかったんだったな」


「わたし赤ずきん族のネネって言います。ミナお姉ちゃんならこっちです」


 ネネちゃんか。
 ていうか赤ずきん族ってもうそれ人間じゃ無いのか?

「丁寧に挨拶できて偉いね。俺は真壁和澄。よろしくね」

 よろしくーと手を上げて返事してくれた。
 ネネちゃんは案内してくれた。
 しかし途中で涙目になってこっちを向いてくる。


「迷っちゃったぁ~」


 手を広げて泣きついてきた。
 見た目通り小さい子だな。
 俺はネネちゃんを持ち上げて抱っこして頭を撫でる。


「ありがとうネネちゃん。一緒にミナを探そうか」

「・・・うん」


 これはまた落ち込んでるので、撫で回したらニコニコし始めた。
 やっぱり子供は感情の変化が早い。
 そうだ電撃を打ち上げたらライがくるんじゃないか?


「バディール、電撃を頼む」


『ダメだ!動物たちが驚くぞ。それは主も望まないだろ?』


 そうか・・・うんそれは俺も望む所じゃない。
 なら空から探せばいいんだ。


「じゃあ電磁浮遊で空から探そう」


『それならいいか。ネネちゃん。主にしっかり捕まってるんだよ』


「はい!グローブさん」


『バディールって名前があるんさよ』


「はい!バディールのグローブさん」


 逆なんだがなぁ。
 バディールはそれで文句がないのか、おう!としか言わなかったしいいのか?
 俺達は電磁浮遊で飛び上がる。
 ネネちゃんは俺の首にしっかりしがみついている。


「わー高い!お兄ちゃんすごい!モスゲイルおじ様みたい」


「あーモスゲイルさんの知り合いだったんだ。すごいだろ?ミナお姉ちゃんを見つけたらまた飛んであげるからまずミナお姉ちゃん探そっか」


「うん!」


 まずはミナを探さないと。
 うーん木々同士の隙間は広いけど中々広いなぁ。


「あ、お兄ちゃん。あそこあそこ。いたよ」


「お、ほんとだ。ありがとうネネちゃん」


「エヘヘ」

 
 ネネちゃんを撫でると嬉しそうに目を瞑っていた。
 俺はミナの元に降り立つ。


「ミナ。それにカナンさんやベロニカ達もこんなところでなにしてるんだ?」


「あ、カズくんおかえり。そっちの子は、あ、ネネちゃんか」


「ミナお姉ちゃんただいま。お兄ちゃん連れて来たよ!」


 連れてきた?
 あ、もしかしてネネちゃんは俺がミナを呼ぶ声に気づいてきたのか?


「ありがとう。カズくんの声が聞こえるってネネちゃんが言って向かい行ってくるって走り出したんだ-。迷っちゃわないか心配だったけどね」


 実際迷っちゃったんだが言わないでおこう。


「そうだったのか。話を戻すけど、ミナ達はなにしてるんだ?」


 周りを見渡すと一面花畑だった。


「ここには妖精種のバンシー族が住んでいるらしくて、泣いてばかりいるから様子を観に来て欲しいってネネちゃんに頼まれたの」


 バンシー族?
 バンシーはなんか昔のロボットアニメに居た記憶はあるけど、一体何の妖精なのかな?
 白い髪の毛のパーマが罹ってそうな小さい女の子がいた。


「うぇぇぇん」


「ネネちゃん。この子の名前は?」


 ネネちゃんは首を振る。


「この子、名前がないんだって」


「あ、そうか。ほとんどの生き物たちは名前が契約になるから名前がないのか。あれ?じゃあネネちゃんは?」


「わたしは赤ずきん族と人間のハーフなの。お母さんが人間で、お父さんが赤ずきん族。だから名前はお母さんが付けてくれたの。お母さんと契約してるわけじゃないけど!」


 お父さん・・・。
 男の赤ずきん族ってすごい見たいぞ。


「まぁともあれこの子がなんで泣いてるか、聞いてみようか」


「お願いお兄ちゃん。いつも一緒に遊んでたんだけど、今日急に泣き出しちゃって」


 俺はバンシー族の子に近づいて、話しかける。


「こんにちわ。俺は真壁和澄。君はなんで泣いてるのかな?」


 するとバンシー族は涙を目に溜めたまま驚いた顔をしていた。


「嘘・・・貴方は・・・本当に真壁和澄?」


「ん?そうだよ?」


「よ・・・よかったぁ・・・」


 ん?急に泣き止んだ。どうなってるんだ?


「カズくん!名前言うだけで安心させるって、一体どんなことを・・・」


「いや俺にも心当たりがないんだって」


 そもそもこの子とは初対面だ。
 俺の顔をみて名前を聞いて安心するようなことをした覚えはない。


「あたし、バンシー族なの。あ、ネネちゃんがいるってことは話聞いてるか」


「バンシー族なのは聞いたけど、わたし達他のことは何も聞いてないよ」


 ミナが首を傾げながら聞く。
 バンシー族について、俺達は何も知らない。


「バンシー族はね。死を予見するの。そして今日三人の死が見えたの」


 三人・・・。
 あ、まさか・・・


「真壁和澄、ルナト・フレイヤー、ヨシュア・アルバート。この名前の三人が死ぬのが見えたの・・・」


「あちゃーそういうことかぁ・・・」


 カナンさんが真っ先に駆け寄ってくる。


「どういうこと!?ヨシュアは無事なの!?あなた達は着替えを取りに行っただけなのよね!?」


 続いてミナが笑顔で近づいてくる。


「カズくん!そこに座って説明しなさい!」


「あんたら落ち着かんか。それじゃカズスミっちが困るさね」


 ベロニカよ。ありがとう。
 お前だけは冷静でよかった。


「わかったから。説明するから!実は・・・」


 そして俺は地上に戻って起きた出来事をみんなに話した。
 叔父さんのお見舞いに行ったあと、イヴさんが吹っ飛んできてエイダム、アダムさんが帝国にきたこと。
 そこで俺達は手も足も出ずに、ブレードを暴走させたこと。
 それでも適わなかずに、全員致命傷を負って、メアリーさんとイヴさんに治療して貰ったこと。
 そして俺は夢の中で神格を得たバディールに後遺症を残さず治療してもらったこと。
 すべて話した上で、ミナにぶたれた。


「もう二度と無茶しないって約束して!カズくんがお人好しなのは知ってるけど、前も言ったように、カズくんが死んじゃ意味ないの!」


「ごめんミナ・・・」


 ミナは涙目になりながら、生きて帰って来たから許すと言って許してくれた。


「わたしも起きたらヨシュアに説教しなきゃね」


「むしろ運がいいなあんたたち。下手したら全員死んでたかもしれないんだろう」


 ベロニカの言うとおり、下手したら死んでた。
 特に俺なんて、本当に運が良かっただけだ。


「いや本当に助かったよ。モルフェさんがメアリーさんを連れて来てくれなきゃどうなっていたか。もっと言えばモスゲイルさんがいなければ死んでいた」


「で?そのアダムだかエイダムだかは強かったのかい?」


 強かった?
 笑えないほど実力差があったな。


「強いってレベルの話じゃないな。適う気がしなかった」


「カズスミっちもかなり強いのにそこまで言う相手・・・恐ろしいね」


 たしかに恐ろしい。
 正直あれにミナの命を狙われたら、守り切るどころか一緒に殺されるだろうな。
 そんな重い空気が一気に壊れる。
 後ろからネネちゃんが抱きついてきた。


「お兄ちゃんは大丈夫!」


「あぁ、そうだな。今度はバディールもいるしな」


『おうともよ主。俺は主を全力でサポートするぜ』


 頼もしいな。
 実際神格を得たブレードがあるんだ。
 次は五分と五分とまでは言わないが、装備の差は埋まる。


「バディールもありがとね。カズくんを助けてくれて」


『ミナよ。一つだけ教えてやるよ。毎晩あいつはな』


「あぁぁぁぁ!そうだバディールは話があったんんだよな」


 あぶねぇ。
 なんで本人に言おうとするんだこいつ!


『おっとそうだったぜ。じゃあ悪いがミナ達全員一回家に戻ってくれ』


「話って?」


『それは帰ったら話す。お嬢ちゃん達も来ても良いぞ』


「ほんと!やったー!」


「あ、ありがとうございます。バディール様」


 この大所帯で帰るのか。まぁいいか、行こう。
 そういえば今バンシー族の子がバディールに様付けしてたな。
 妖精だから神族とつながりが深いとかか?
 そんな思考をしながら帰った。
 まぁバディールは神格を得た神族だしな。
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