異世界帰りの勇者達の現代でのお話

茶坊ピエロ

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三章 天使VSサイコパス編

共食い。そして〇ージョンじゃないよ!安心して

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 生き埋めになったとしても油断してはいけない。
 あいつらは神の使徒。
 時間稼ぎに逃げないといけない。
 しかし千葉を囲った術者が死んでなかった場合、また潜伏しなければならなくなる。

「ありがとーなの。さすがに彼女たちも人間。これで死ぬはずなの」

 こいつは赤ずきんの花野フミか。
 一応ポーションで全快しているから、闘えなくも無い。
 けど今はすぐにでもここから逃げるのが先決だろ。

「さて次は貴方達なの」

 こいつは状況がまるで見えてない。
 明石達のがAランクと言われて納得する、状況判断力のなさだ。

「止せ。俺達はAACだ」

「所属と名前を言いなさいなの」

「くっ。ま――――――」

「AAC所属、関東支部、キャロライン・スカイよ」

「キャロラインスカイ?あー、勇者恭哉にトドメを刺したとか言う」

 勇者恭哉にトドメをさしたのはスカイだ。
 間違いは無いが、あそこまでボロボロにしたのは明石だ。
 どういった風に噂になっているのだろうか?

「相手としては上等ね。貴女も殺してあげるの」

「イカれてる」

 そう言ってメーテルはスカイの前に立った。
 お前等がなんだかんだ一番仲良くなったんじゃないか。

「ふたり一緒に殺すだけなの。安心してほしいの」

「安心できるかよ。このロりっこ」

 ――――――ゴゴゴゴゴ!
 なんだこの音は?
 地面から?
 まさか・・・
 現れたのは二人の少女。
 涙を流す月屯イトナ。
 そして冷たい目をした早杉メモリだ。

「よくも・・・セバス、ジンタン!」

「波瑠。こいつらは命を何とも思ってない奴らなんだから」

 それはお前等も同じ狢だろう?
 俺達を殺そうとしていた癖に。

「そうだったわね。美香。あれをやるわ」

「わかったわ。旦那様」

 あ、パンツの中はやっぱり男性器だったのか。

「こいつらしぶといの」

「お前が変なこと言って時間を引き延ばした所為で、逃げる時間が無くなった。責任持って時間を稼げ」

 そう言って、まだ幼い女の子を蹴り飛ばした。
 巨人と魔王のコンビはそれぞれ右手と左でを前に掲げていた。

「囚われた屈辱は・・・」

 反撃の狼煙か?
 なんかこいつらの詠唱は、なにかしら聞いたフレーズになるのだろうか。

「ヘッチャーラ!」

 それはあの有名なボールを集めて願いを叶えるアニメじゃないですかぁ!
 しかしそんな余裕が一切消える。
 あの二人が融合して、一人になった。
 フュージョンだとか思ってないからな!
 今ならステータスを確認できるんじゃないか?

――――――――――――
名前 Alert! 

ジョブ 天使

状態:超越

レベル 100

HP Error
SP Error
筋力 Error
俊敏 Error
技量 Error

スキル
自由の翼 共食い 小さな巨人化 限界突破 身体強化 魔法無効 精神妨害無効 記憶改変無効 太陽神の加護 ステータス解析通知 破壊の翼 個人空間生成 武器使用不可領域 洗脳防衛 体積増減 身体縮小 使徒の加護 空間収納 永遠摩天楼 SP強化 氷の長 無詠唱 詠唱魔法強化 毒物無効 先詠み 電波解析 弱者蘇生 覇王列龍 仲間強化 死亡回避 軍隊統一
――――――――――――

 Error!?
 エラーなんて初めて見た。
 いやそれよりもあのスキルの量は異常だ。
 一体いくつあるんだこれ?

「「さて。まずは貴女からよ。花野フミ」」

「一時休戦なの。彼女を先に倒さないと――――――」

 最後まで言い切る前に、花野フミは飛び散った。
 正確にはへその部分から下しかなくなった。

「花野フミをあっさり!?」

 ヤバイ。
 過去最高に警笛が鳴っている。
 



 横に吹っ飛んできたのは波瑠だった。

「イタタ・・・」

「波瑠!?大丈夫?」

 波瑠を吹き飛ばすなんて、彼らはそんなに強いのだろうか?
 右腕が曲がってはいけない方向に曲がっていた。

「今治すね」

「ありがとう美香。ごめん・・・あいつらジンタンを」

 嘘!?
 指さした方向をみると、首が無くなったジンタンの姿が見えた。
 ジンタンはわたしにとってお姉さんみたいな存在だった。
 魔王時代は一番信頼のできる側近だった。

「ゆるさんぞぉぉぉぉ!」

 セバスも怒っている。
 傷も治って、今にも追いかけに行きそうな勢いだ。
 花野フミが出て行った穴からロボットが降りてくる。
 フィギュア?
 数100体くらいがセバスへと張り付いた。

「なんじゃこれは!?」

「セバス!それは爆発するの今すぐ――――――」

 見れば天井とか色々な場所にフィギュアが張り付いていた。
 そしてそのすべてが爆発した。
 その爆発で唯一の出口が塞がった。
 セバスはそこまでダメージを受けていなかったが。

「まずいわね。いくらわたしたちでも生き埋めになるわよ」

「大丈夫。”転移”を使えば問題ないよ」

 上にでれればそれでいいんだから。
 しかしそれは適わない。
 ”転移”が発動できないからだ。

「しまった!佐川隆二が魔法禁止区域を使ったから魔法が使えないのか」

「これじゃ本当にここで死んじゃう!」

 しまった。
 生まれ変わってから初めての焦りだ。

「イトナ様。ご相談があります」

「却下!」

 わたしもわかる。
 セバスは自分を食えと促している。
 わたしと波瑠には共食いというスキルがある。
 それは仲間と認めた相手を吸収し、自分の糧にするスキル。

「イトナ様!」

「貴方まで失いたくないのよ!もう家族が死ぬのはみたくないわ!」

「わたしもそう思う。ジンタンだってそんなこと望んでない」

 わたしはジンタンに歩み寄る。
 綺麗に首だけを切られていた。
 許せない・・・

「わたしは妻がいない世界で余生を生きるのは苦しゅうございます。イトナ様、どうかわたしを吸収ください」

 嘘だ。
 たしかにジンタンが死んだのは悲しいけれど、セバスは波瑠を守るために生きるはずだ。
 でもこの状況はそれは不可能。
 魔法禁止区域を発動されたばっかりに・・・

「いやだ!」

「ワガママおっしゃらないでください!!」

 セバスは滅多に怒らないが、この時ばかりは怒った。

「貴女は彼らを殺す義務があります。ジンタンのおかげで、貴女を吹き飛ばした彼は倒れていました」

 そうか。
 波瑠を倒したやつは、力尽きてたんだ。
 ならやれることはひとつ。
 ジンタンの死を無駄にしないためにも。
 ジンタンの遺体が霧散する。

「美香・・・」

「それでも生きてるセバスを殺す真似なんかできないよ。わたしがジンタンを吸収した。だからここから脱出するよ!」

 これだけの力があれば、破壊の翼を上に向かって撃ち続ければ――――――

「堅い!」

 たしかに地味に砕けてはいる。
 しかしこれではとてもじゃないが崩落のが先だ。

「イトナ様!メモリ様!どうか受け入れて下さい!」

「「いやだ!」」

 もう家族を失いたくない。
 ジンタン・・・どうして死んじゃったの・・・

「いいですか?このままでは全員死んでしまいます。ですが、わたしを吸収すれば、イトナ様だけでこの場を脱出できます。メモリ様だけでは力不足です」

 波瑠はずっと首を振ってる。
 いやに決まってる。

「ならば・・・」

 セバスが自ら胸に手刀を突き刺した。

「がはっ」

「セバス何をしてるの。美香!」

 わかってる。
 ちゃんと治療する。
 魔法が発動しない。
 そうか、魔法禁止区域の影響か。

「さぁどうです?転移ができないなら回復魔法も出来ないと思いました。そしてわたしは弱者でもないし、メモリ様に巻き込まれて死んだわけでもない。つまり・・・助かるのは不可能です」

「バカ!!!!」

 波瑠は涙目になってる。
 こうなってはセバスを吸収するしかない。
 波瑠はセバスに手を当てる。

「セバス。今までありがとう。さよなら」

「はい。楽しかったですよ。わたしは貴女の中で見守っています」

 そしてセバスは霧散する。
 波瑠の力が格段に上がった。

 ――――――スキル共鳴化魔法を取得しました。
 このスキルは詠唱を唱えることで、魔法禁止区域でも発動することができます。

 なにこれ?
 共鳴化?
 新しいスキルを手に入れた。

「美香。このスキルは地上に戻ったら使う。上にいるやつらは皆殺しよ」

「もちろん。絶対に許さないからジンタンを殺した奴を」

 そしてわたし達は手を繋ぎ、全力で攻撃をしたまま、地面を突き破って地上に到達した。
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