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バーベンベルク城にて
この父さまを受け入れることが出来ませんでした
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固まった父さまと、元通りになった窓ガラス越しに目が合った。思わずびくっと身体が震え、母さまに一層強くしがみついてしまう。
大丈夫。黄金色の瞳の、いつもの父さまだわ。
分かっているのに。身体が竦んで動けない。いつもなら、父さまを目にした瞬間走って行って飛びつくのに、目の前にさっきの荒れ狂う冷気と笑みを浮かべた父さまの顔がちらついて、震えがとまらない。
「・・・ディー。落ち着いて。深呼吸して。母さまを信じて。」
振り向いてはいないけど、私の顔を見て、状況に気づいたらしい。母さまはそっと耳元でささやくと、さっと振り返った。
「やあ、流石は帝国魔術師団長殿だ。一瞬で元通りだね。」
窓を開け、一転して朗らかな声で父さまに呼びかける。
「アルフレート、君もこっちへおいで。せっかく昼間にここに来たんだ。たまには明るい午後の日差しの中で愛する妻と娘を眺めるのも良いものだぞ。」
にこやかに、何気なく自然に、父さまに話しかけ、手招く。でも、もう片方の手は私をしっかりと抱き、安心するよう、怖がらないよう背中を軽くたたいてくれている。
「ディーも昼間父さまに会う機会はあまり無いから、うれしいだろう?」
チラッと目線を向けてくる母さま。笑顔だけど、かなり緊張している?そんな頼むような眼をされても、、、まだ震えも止まらないのに、笑えないし、喜べないよ。
「な、ディー・・・」母さまの声が少し懇願の色を帯びた時。
「・・・いつから居たの?」
父さまの、小さな声が聞こえた。
なんて答えたらいいのだろう?父さまが壁ドンしていた時からですって、、、そんなのとても言えない。
「エレオノーレは気づいてたんですね?なんで教えてくれなかったの?」
母さまがギクッとした。父さまが無表情で繰り出してくるから、母さまの表情の変化はほんとに些細なんだけどばればれだ。
「いつって言われても、なぁ」
父さまが母さまの不義を疑って責めていた時です、なんて、母さまが言うわけない。
二人で顔を見合わせていると、ぶつぶつ続く父さまの声が聞こえてきた。どうやらさっきのも独り言だったみたい。
「いつから?全然気づきませんでした。そう言えば、ここへ飛んだ時、窓は閉めたけど、防音結界は張ってません。目くらましもかけていない・・・と言うことは、初めから丸聞こえで丸見えの可能性も?ディーに?ああ、なんてことだ・・・私は何をして、何を言ったのか・・・それに・・・」
父さまの顔色がスーッと白くなった。
「魔力の解放をディーに見せるなんて・・・それに、あの冷気っ、ガラス!!」
やっと私があの荒れ狂う冷気と窓ガラスの破片にさらされたことに思い至ったみたい。
「ケガは?ディー!」
だんだんとうつむいていた顔をばっと上げ、大股で近づいてくる父さま。手を私にかざそうとしている。分かってる、あれは回復魔法のため。大丈夫、無表情の顔、黄金色の瞳、いつもの父さま。それに母さまもいる、私は娘、大丈夫、でも、、、。
「いや、コワイ・・・」
ポロっと口からこぼれたのは、今の私の本音。そして、たぶん、今の私が最も言ってはいけなかった言葉。母さまが息を飲む。
父さまの足がぴたりと止まった。その顔に、父さまの顔に浮かぶ明らかな衝撃。
「あ、父さま・・・」
しまった、なんてことを言ってしまったの、私。なんとか取り繕いたくて呼びかけるけど、その後をなんて続けていいか分からない。
誰も言葉を発せなかったその時。
廊下をバタバタ走る複数の足音が聞こえてきた。
「閣下!不審な爆発音がありましたがご無事ですか!?」
ドンドンと扉を叩く音もして、母さまがチッと舌打ちをする。うっ、お行儀悪い、母さま。
あれは普段執務室の入り口にいる護衛騎士の声。そっか、母さま、騎士も人払いしていたんだ。
つい、気を逸らした時だった。
「ごめん、ディー・・・もう近づかないから。」
「待て、アル!」
「父さま!」
とんでもない一言を残して、父さまが転移してしまった、、、。
大丈夫。黄金色の瞳の、いつもの父さまだわ。
分かっているのに。身体が竦んで動けない。いつもなら、父さまを目にした瞬間走って行って飛びつくのに、目の前にさっきの荒れ狂う冷気と笑みを浮かべた父さまの顔がちらついて、震えがとまらない。
「・・・ディー。落ち着いて。深呼吸して。母さまを信じて。」
振り向いてはいないけど、私の顔を見て、状況に気づいたらしい。母さまはそっと耳元でささやくと、さっと振り返った。
「やあ、流石は帝国魔術師団長殿だ。一瞬で元通りだね。」
窓を開け、一転して朗らかな声で父さまに呼びかける。
「アルフレート、君もこっちへおいで。せっかく昼間にここに来たんだ。たまには明るい午後の日差しの中で愛する妻と娘を眺めるのも良いものだぞ。」
にこやかに、何気なく自然に、父さまに話しかけ、手招く。でも、もう片方の手は私をしっかりと抱き、安心するよう、怖がらないよう背中を軽くたたいてくれている。
「ディーも昼間父さまに会う機会はあまり無いから、うれしいだろう?」
チラッと目線を向けてくる母さま。笑顔だけど、かなり緊張している?そんな頼むような眼をされても、、、まだ震えも止まらないのに、笑えないし、喜べないよ。
「な、ディー・・・」母さまの声が少し懇願の色を帯びた時。
「・・・いつから居たの?」
父さまの、小さな声が聞こえた。
なんて答えたらいいのだろう?父さまが壁ドンしていた時からですって、、、そんなのとても言えない。
「エレオノーレは気づいてたんですね?なんで教えてくれなかったの?」
母さまがギクッとした。父さまが無表情で繰り出してくるから、母さまの表情の変化はほんとに些細なんだけどばればれだ。
「いつって言われても、なぁ」
父さまが母さまの不義を疑って責めていた時です、なんて、母さまが言うわけない。
二人で顔を見合わせていると、ぶつぶつ続く父さまの声が聞こえてきた。どうやらさっきのも独り言だったみたい。
「いつから?全然気づきませんでした。そう言えば、ここへ飛んだ時、窓は閉めたけど、防音結界は張ってません。目くらましもかけていない・・・と言うことは、初めから丸聞こえで丸見えの可能性も?ディーに?ああ、なんてことだ・・・私は何をして、何を言ったのか・・・それに・・・」
父さまの顔色がスーッと白くなった。
「魔力の解放をディーに見せるなんて・・・それに、あの冷気っ、ガラス!!」
やっと私があの荒れ狂う冷気と窓ガラスの破片にさらされたことに思い至ったみたい。
「ケガは?ディー!」
だんだんとうつむいていた顔をばっと上げ、大股で近づいてくる父さま。手を私にかざそうとしている。分かってる、あれは回復魔法のため。大丈夫、無表情の顔、黄金色の瞳、いつもの父さま。それに母さまもいる、私は娘、大丈夫、でも、、、。
「いや、コワイ・・・」
ポロっと口からこぼれたのは、今の私の本音。そして、たぶん、今の私が最も言ってはいけなかった言葉。母さまが息を飲む。
父さまの足がぴたりと止まった。その顔に、父さまの顔に浮かぶ明らかな衝撃。
「あ、父さま・・・」
しまった、なんてことを言ってしまったの、私。なんとか取り繕いたくて呼びかけるけど、その後をなんて続けていいか分からない。
誰も言葉を発せなかったその時。
廊下をバタバタ走る複数の足音が聞こえてきた。
「閣下!不審な爆発音がありましたがご無事ですか!?」
ドンドンと扉を叩く音もして、母さまがチッと舌打ちをする。うっ、お行儀悪い、母さま。
あれは普段執務室の入り口にいる護衛騎士の声。そっか、母さま、騎士も人払いしていたんだ。
つい、気を逸らした時だった。
「ごめん、ディー・・・もう近づかないから。」
「待て、アル!」
「父さま!」
とんでもない一言を残して、父さまが転移してしまった、、、。
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