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バーベンベルク城にて
母さまと父さまではなくてエレオノーレとアルフレートの時を少し(前)
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ソファに向かい合わせに腰掛けると、計ったようにアンナがやってきて、お茶を淹れてくれた。
「さっきここへ来た時一緒にいてね、ルーに任せて大丈夫そうだなと思ったから、お茶の支度を頼んでいたんだよ。」
そう言って母さまはアンナを見上げ、ありがとうとほほ笑む。
アンナもホッとしたように笑った。
「エレオノーレお嬢さまの反省から、ディアナお嬢様にはついつい厳しくしてしまいますが・・・私も、城の皆も貴女様を本当に大切に思っておりますから。」
うん、分かってるよ。
「でも、また明日のダンスは倍に増やしますけどね。」
甘いだけではないのも、きっと愛情なんだろうな、、、。
アンナが退室すると、母さまと二人きりになった。
なんて話そうかな、、、と考えていると、母さまが懐かしそうに部屋を見回している。
「知ってるかな。ここ・・・昔は私の部屋だったんだ。まあ、帝国学園に行くまでだから、十二歳までだけど。」
立ち上がってバルコニーに向かい、薄いレースのカーテンを開けて、窓を開放する。三階の突き当りにあるこの部屋からは、意外に近い城下の街並みやその向こうの実り多き畑、緑深い森と遠く国境に連なる高い山々がきれいに見渡せて、私もお気に入りの風景だ。
「端っこで、監視しやすかったんだろうな。私はディー以上のお転婆だったから。」
フフッと笑う母さま。、、、そっちの理由ですか。
「意外と荒れてた時もあってね・・・まあ、反抗期ってことだったのかな?」
のんびりと笑う母さまからは、反抗期なんてイメージ、全然沸かないけど。
「色々、懐かしい思い出が詰まってるよ。ここには・・・来てご覧。」
呼ばれて私もバルコニーへ行く。夕方の風が気持ちいい。
目をつむって全身で風を感じていると。
「ほら、この手すり。この辺、何度も軍用の投げ鎖を引っかけて逃げたから、あとが残ってるだろう?」
母さまのいたずらっぽい声がした。
びっくりして目を開け、示された場所を見ている。
「確かに・・・」
綺麗な大理石には、よく見るとへこみがいくつもあった。
「それにこれは、私手製の止まり木を差し込むために、あけた穴。」
ギョッとしながら見てみると、確かに、外壁の一か所が丸く削られている。かなり大きい。
「母さまが鳥を飼ってたなんて知りませんでした。」
小さい頃の母さま、私と同じくらいの時かな、小鳥好きなんて可愛い趣味だな、なんて思っていると。
「私の鳥じゃないよ。アルの・・・君の父さまの使い魔だ。フギンとムニン、思い出したんだろう?」
可笑しそうに、母さまが笑った。
「ほら、今もあそこにいる。」
示されたのは中庭の木の天辺。二羽の大鴉が止まってる。
「随分小さい頃から来ていてね。最初は追い返したりしてたけど、そのうち慣れてしまって。よく、エサをやっては話しかけたりしていたんだ。」
「使い魔に?」
「言われないと、使い魔なんて分からなかったよ。・・・後で、真相を知った時は、流石にアルを咎めたかな?」
ひどい話だろ?犯罪だ。苦笑いする母さま。
そりゃそうだ。と私もうなずく。自分の独り言を誰かに知られてるなんて、引くどころの話じゃない。
ブルっと震えたのは、一瞬強い風が吹いたせいだけじゃない。
「寒い?中に入ろうか?」
「・・・まだ、少しここに居たいです。」
このタイミングじゃないと聞けない。ソファに座って「さあ、」と言われても、話せる気がしない。
私は、思い切って口を開いた。
「・・・そんなこともされたのに、母さまは父さまを選んだ。どうして?」
「さっきここへ来た時一緒にいてね、ルーに任せて大丈夫そうだなと思ったから、お茶の支度を頼んでいたんだよ。」
そう言って母さまはアンナを見上げ、ありがとうとほほ笑む。
アンナもホッとしたように笑った。
「エレオノーレお嬢さまの反省から、ディアナお嬢様にはついつい厳しくしてしまいますが・・・私も、城の皆も貴女様を本当に大切に思っておりますから。」
うん、分かってるよ。
「でも、また明日のダンスは倍に増やしますけどね。」
甘いだけではないのも、きっと愛情なんだろうな、、、。
アンナが退室すると、母さまと二人きりになった。
なんて話そうかな、、、と考えていると、母さまが懐かしそうに部屋を見回している。
「知ってるかな。ここ・・・昔は私の部屋だったんだ。まあ、帝国学園に行くまでだから、十二歳までだけど。」
立ち上がってバルコニーに向かい、薄いレースのカーテンを開けて、窓を開放する。三階の突き当りにあるこの部屋からは、意外に近い城下の街並みやその向こうの実り多き畑、緑深い森と遠く国境に連なる高い山々がきれいに見渡せて、私もお気に入りの風景だ。
「端っこで、監視しやすかったんだろうな。私はディー以上のお転婆だったから。」
フフッと笑う母さま。、、、そっちの理由ですか。
「意外と荒れてた時もあってね・・・まあ、反抗期ってことだったのかな?」
のんびりと笑う母さまからは、反抗期なんてイメージ、全然沸かないけど。
「色々、懐かしい思い出が詰まってるよ。ここには・・・来てご覧。」
呼ばれて私もバルコニーへ行く。夕方の風が気持ちいい。
目をつむって全身で風を感じていると。
「ほら、この手すり。この辺、何度も軍用の投げ鎖を引っかけて逃げたから、あとが残ってるだろう?」
母さまのいたずらっぽい声がした。
びっくりして目を開け、示された場所を見ている。
「確かに・・・」
綺麗な大理石には、よく見るとへこみがいくつもあった。
「それにこれは、私手製の止まり木を差し込むために、あけた穴。」
ギョッとしながら見てみると、確かに、外壁の一か所が丸く削られている。かなり大きい。
「母さまが鳥を飼ってたなんて知りませんでした。」
小さい頃の母さま、私と同じくらいの時かな、小鳥好きなんて可愛い趣味だな、なんて思っていると。
「私の鳥じゃないよ。アルの・・・君の父さまの使い魔だ。フギンとムニン、思い出したんだろう?」
可笑しそうに、母さまが笑った。
「ほら、今もあそこにいる。」
示されたのは中庭の木の天辺。二羽の大鴉が止まってる。
「随分小さい頃から来ていてね。最初は追い返したりしてたけど、そのうち慣れてしまって。よく、エサをやっては話しかけたりしていたんだ。」
「使い魔に?」
「言われないと、使い魔なんて分からなかったよ。・・・後で、真相を知った時は、流石にアルを咎めたかな?」
ひどい話だろ?犯罪だ。苦笑いする母さま。
そりゃそうだ。と私もうなずく。自分の独り言を誰かに知られてるなんて、引くどころの話じゃない。
ブルっと震えたのは、一瞬強い風が吹いたせいだけじゃない。
「寒い?中に入ろうか?」
「・・・まだ、少しここに居たいです。」
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私は、思い切って口を開いた。
「・・・そんなこともされたのに、母さまは父さまを選んだ。どうして?」
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