帝国最強(最凶)の(ヤンデレ)魔導師は私の父さまです

波月玲音

文字の大きさ
40 / 241
バーベンベルク城にて

ただ今出発準備中!

しおりを挟む
やった~!と喜んだ後の記憶が無い。
気がつくと自分のベッドで朝を迎えていた。

ワクワクする気持ちのまま、朝食の席に行くと、ちょっと顔色の悪い母さまと、普段通り(昨日一日でだいぶ印象が変わったけど)の父さま。ちょっと機嫌の悪そうな兄さまがいた。
「父さま、母さま、ルー兄さま、お待たせしてごめんなさい。お早うございます!」
とりあえず席に着いて、食事を取りながら聞くと。
昨日の晩、私が寝てしまった後、もう少し日程を詰めたらしい。
なんと、十日後には出発するんだって。しかも、半月父さまと暮らした後は、帝都にある屋敷に移ってもう半月、家族で滞在するらしい。
ルー兄さまの学園への入学準備のあれこれをするためだから、その間私は自由。
オスカー兄上の騎士への任命式と、その後開催される皇帝家主催のお茶会に参加した後は、お友達が出来たら遊んでも良いし、観光したり、お買い物したり、アンナと一緒なら好きにして良いと言われて。

「本当に?良いの?」
話がうますぎて、ついチラッと母さまの顔を伺うと。母さまは朝からなぜか疲れた顔で笑った。

「ああ。父さまから許可をもぎ取ったぞ。その代わり、始めの半月は父さまの言うことを、後の半月はアンナの言うことをきちんと聞くこと。約束出来るね?」
「もちろん!」
やったーっ!!一月も自由に出来るなんて、信じられないくらい嬉しい!
私がお行儀悪く歓声を上げると、向かいの席でムスッとしていたルー兄さまが、不機嫌な声で言った。
「出発前に、その行儀をなんとかしないとな。バーベンベルクの恥さらしは許さないぞ。」
ふん、こんなこと家族の前以外ではしないもん。
私が鼻息荒く言い返すと、母さまが気がついたように言った。

「そうそう。今朝アンナに伝えておいた。これから十日は朝から晩までマナーとダンスのレッスンだ。」

朝から晩までマナーとダンスのレッスン!
私はがっくりして、スープに顔面から突っ込みそうになった。
でも、それが終われば一月のお休み、、、。
「私、頑張ります!」
気を取り直して笑顔で宣言すれば、母さまは笑い返してくれたけど、兄さまは不機嫌な顔のまま、そっぽを向いた。
変な兄さま。


朝食後から休む間も無くマナーのレッスンが始まった。皇帝家主催のお茶会が初のお披露目と知ると、マナーの先生の目つきが変わる。
いつも甘くないけど、今日は特に、挨拶の角度、歩く時の歩幅、茶器をの持ち方、、、細かいところまでチェックが入り、徹底的にやり直しをさせられた。

疲れた、思い切り体を動かしたいと訴えると。
なんと気分転換が、ダンスのレッスンだった。
ダンスの先生も、帝都で披露する可能性が、とアンナが言った途端に目の色が変わって。
いつもなら曲に合わせていれば多少のステップの間違いは大目に見てくれるのに、音楽無しで、基本のステップを延々とチェックされる。
踵のある靴でひらすら反復練習だから、もうふくらはぎがつりそうよ。
合間に取る食事もマナーレッスンを兼ねていて。
疲れてウトウトしそうになると、休憩を兼ねて、今度はドレスの採寸。
任命式やその後のお茶会のために、今までとは違う、ちょっと大人っぽいドレスを作るんだって。
髪の色や目の色とサイズだけ伝えれば、後は帝都の流行りのお店で作ってくれるらしい。何か聞かれても分からないから、お任せで助かるけどね?ドレス作るのってそんなものなのかな?
ついでに、ほんとについでに侍従見習いのお仕着せ用の採寸もして。
マナーレッスンを兼ねてアンナが張り付いてた晩餐も終わり、家族とのお休みのキスも早々に、部屋に戻ってお風呂でいつも以上に念入りに磨かれて。
ぐったりとしてベッドに沈み込んだ私に、アンナは良い笑顔で言った。

「あと九日です。明日はもっと頑張りましょうね。」

一月のお休みのためとは言え、あと九日これをやるの?
帝都に行ってもしばらくは、脱力してそうね、、、。
しおりを挟む
感想 54

あなたにおすすめの小説

隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり

鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。 でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

冗談のつもりでいたら本気だったらしい

下菊みこと
恋愛
やばいタイプのヤンデレに捕まってしまったお話。 めちゃくちゃご都合主義のSS。 小説家になろう様でも投稿しています。

幼馴染の許嫁

山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

処理中です...