帝国最強(最凶)の(ヤンデレ)魔導師は私の父さまです

波月玲音

文字の大きさ
90 / 241
皇宮での邂逅

ちょっと、いえ、かなりビビッてしまいました

しおりを挟む
席はあらかじめ決まっているみたいで、話していた子たちも、侍女に促されると挨拶を交わして自分の席へ行く。
そこでもやはりみんな顔見知りみたいで、女の子同士仲良く顔を寄せ合って笑ったり、中には男の子に話しかけたりしてる子もいる。
やっぱり。
「ここに入るの、かなり大変そう・・・」
私は父さまのローブを握り締めたまま、思わず呟いた。
「そう?席も決まってるし、周りの子に挨拶すればいいんじゃない。」
ディーは可愛いからすぐお友達が出来るよ。
父さまの言葉に溜め息しか出ない。
「全然分かってないのね、父さま。女の子は、仲良しグループが出来てから入るの、すごく大変なんだから。」
母さまなら、分かってくれるかも知れないけど・・・。
私がボソッと言うと、父さまは、そう?と再び言って首を傾げた。
「エレオノーレはここに来るたび、女の子にキャーキャー言われてたけど?」
え?そうなの、、、あ、そう言えば前に、お茶会では人気だったって言ってたかも。
このお茶会だったんだ。
「父さまや母さまも出席してたんだね。」
「ジークムントが、ああ、皇帝が、皇太子だった頃にね。」
父さま、慣れているはずだわ、、、。
様子が分かったところでふと気付く。
「ねえ、殿下やジキスムント君達がいないわ。」
席は、いくつか空いてるのに。
「ああ、殿下とご学友は他の人が揃ってから出るんだ。待たせるのは不敬だからってね。」
下らない話さ、と言いながら、私を見ていた父さまは、、、突然、テントの方を向いた。
「それよりディー、お腹空かない?父さまはディーと一緒になら、食事がしたい。殿下達が出てきて賑やかになる前に、好きなものだけ取って、お昼にしよう?」
「え?えぇ~?」
驚く間も無く、父さまに腕を引かれてテントの前に連れて行かれる。
そこには、一口サイズの前菜や簡単につまめるサンドウィッチなどがきれいに盛り付けられていた。

「ディーは何が好きだったかな・・・」
楽しそうに選び出す父さま。皿やコップにナプキン、カトラリーまで、いつの間にか二揃い浮かび、そこに料理がポイポイ載せられていく。
でも、見た感じどのお皿も減ってないから、周りの侍女も侍従も平然としている。

「次はデザート。ここはチョコレートのお菓子がたくさんあるよ、ディー好きでしょう?」
父さまはさっさと私を連れて隣のテントに行くと、チョコレートトルテとプラリーヌを何個も取り分けた。
やっぱり見た感じ変化が無い。

「父さま、なんで取ってるのに減らないの?」
我慢出来なくて聞いてみると。
「ちょっと目くらまししただけ。取り分け始めたら消えるけど、どれもちょっと多めに作ってあるから大丈夫。」
全然大丈夫じゃなさそうなことを言って、また隣のテントに行く。

「ここはね、井戸水で冷やしたレモネードと紅茶があるんだ。」
それぞれ一本ずつ瓶ごと取ると、父さまはアワアワしている私の手を握った。
「さっきの庭に一旦戻ろう?」

次の瞬間、私たちは噴水のある庭の、大きな木の日陰に居て。
父さまが手に入れたご馳走が周りに並んでた。


私、一大決心してお茶会を覗きに来たのに。
いつの間にか父さまと二人で外お昼?
まだ女の子たちのドレスもよく見てないし、どんな話をするかも聞いてないのに。
ああ、でも、、、。目の前にはおいしそうなご馳走が、、、。

「お腹、空きました。」
私がぽつんと言うと。
父さまはサッと敷物を出して座らせてくれた。
「うん。食べよう?エレオノーレもだけど、ディーもお腹が空くと考え方が後ろ向きになるから、まずは食べた方が良い。」

そしたら、また行ってみよう?
父さまが一緒にいるから、仲良くなれそうな子がいるか、ゆっくり探せばいい。
ロイスの子もその頃には出てきてるよ。

淡々と言いながら、キッシュを一口大に切り分け、口に運んでくれる。


ああ、これは、不安がった私への、父さまなりの気遣いなんだ。
そう思うと何だか胸がいっぱいになって。でも、お腹は正直で。
私はウルウルしながらも、お腹いっぱいになるまで、大人しく餌付けされることにしたの。
しおりを挟む
感想 54

あなたにおすすめの小説

隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり

鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。 でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

冗談のつもりでいたら本気だったらしい

下菊みこと
恋愛
やばいタイプのヤンデレに捕まってしまったお話。 めちゃくちゃご都合主義のSS。 小説家になろう様でも投稿しています。

幼馴染の許嫁

山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

処理中です...