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皇宮での邂逅
流石に落ち込んで(フェリクス視点)
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廊下を歩きながらお茶を頼むと、自室に戻ってソファーに身を沈める。
「ふぅ。」溜め息が重い。
俺はどうやら、やらかしてしまったようだ。
訓練場で見かけた、妙に人懐こくて腕の立つ侍従見習い。
バーベンベルクの、よりによってディアナ嬢の側仕えとは。
あいつが俺のことをどう報告するかは分からないが、、、よく見積もっても好戦的なのに自分より弱いやつ、悪く見積もると、、、怖くて想像できない。
俺は頭を振ってソファーに寝そべった。
今朝も寝不足の中鍛錬し、一休みする間も無く結構離れている本宮殿に赴いた。
しかも廃嫡か令嬢の歓心を買うかと言う究極の二択をした上、その令嬢に対してとんでもない失策を犯していると明かされて、這々の体で皇太子宮に戻って来たんだ。
クタクタだ、、、もう今日は寝てしまいたい。
クッションに顔を押し付けていると、、、静かなノックの音がした。この音はマルティンだ。
「入れ」
くぐもった声で言いながらそのまま寝転んでいると、ハーブティのいい香りと共に落ち着いたマルティンの声がする。
「殿下、朝からお疲れ様でございます。一休みしましょう。」
のろのろ起き上がると。
テーブルの上には、湯気が香るハーブティとデザート、、、夏の果物が載った一口サイズのタルトやブッシェ、冷たく冷やしたゼリー寄せやババロアなど、、、が置かれていた。
取り敢えずハーブティに口をつける。
程よい熱さとスッキリとした香りが、鬱々とした気分を払ってくれるようだ。
「お茶受けに、今日出す予定のデザートのうち、この季節の果物を使ったものをお持ちしました。ご確認下さい。」
「分かった。」
俺は一口ずつ味見を兼ねて口にしていく。
暑い季節に外でする茶会だ。
菓子もさっぱりしたものを多く揃えさせている。
うん。
皇太子宮の菓子職人は相変わらずいい腕をしているな。どれも安定した味わいの中に果物の組み合わせやクリームの配合などで、特色を出している。令嬢が目で楽しみ、小さな口で食べられる大きさと指定したこともあり、どれも指でつまめる大きさで姿も良い。
「いつもながらいい出来栄えだ。厨房のものにはお前から労をねぎらってくれ。必ず多めに作り、足りなくなることのないように。また、余ったら、いつものように皆で分けて、改良の参考とするように。」
「かしこまりました。皆も喜びます。」
デザートは話の種にもなるし、茶会では重要だからな。
一安心だけど、でも、、、。
俺は皿をチラッと見た。
「・・・チョコレートは無いのか?」
思わず口にしてしまいハッとする。
油断した、、、。
俺は普段皇太子として、身の回りのものや食事について、好き嫌いは極力口にしないようにしている。
嫌いと言ったものは出しづらいだろうし、出ても、殿下をご不快な目にあわせたなどと余計な事を言う奴がいるからだ。
でも、甘さが控えめのチョコレートは、こういう落ち込みがちな気分の時、食べたくなるんだよな、、、。
「いや、何でもない、下げてくれ。」
気を取り直して言うと、マルティンが背後のトレイから何かを取り、俺の前に出した。
「プラリーヌ!」
「殿下のお好みは甘さ控えめ、でしたね。」
お疲れが癒えますように。
穏やかな声と共に供されたチョコレートの皿に、俺は思わず目の奥が熱くなる。
まだ、どうしていいかは分からないけれど。
気遣ってくれる人が身近にいると、逃げずに踏みとどまれるものだ。
俺はわざと行儀悪くプラリーヌを掴むと、ポイポイ口に入れた。
うん。
やっぱり落ち込んだ時はチョコレートだ。
「美味しかった。」
「宜しゅうございました。」
感謝の気持ちを込めてマルティンを見上げると微かに目が細められた。
よし。
くよくよしている場合じゃない。
マイナスからの浮上策を考えねば。
「ふぅ。」溜め息が重い。
俺はどうやら、やらかしてしまったようだ。
訓練場で見かけた、妙に人懐こくて腕の立つ侍従見習い。
バーベンベルクの、よりによってディアナ嬢の側仕えとは。
あいつが俺のことをどう報告するかは分からないが、、、よく見積もっても好戦的なのに自分より弱いやつ、悪く見積もると、、、怖くて想像できない。
俺は頭を振ってソファーに寝そべった。
今朝も寝不足の中鍛錬し、一休みする間も無く結構離れている本宮殿に赴いた。
しかも廃嫡か令嬢の歓心を買うかと言う究極の二択をした上、その令嬢に対してとんでもない失策を犯していると明かされて、這々の体で皇太子宮に戻って来たんだ。
クタクタだ、、、もう今日は寝てしまいたい。
クッションに顔を押し付けていると、、、静かなノックの音がした。この音はマルティンだ。
「入れ」
くぐもった声で言いながらそのまま寝転んでいると、ハーブティのいい香りと共に落ち着いたマルティンの声がする。
「殿下、朝からお疲れ様でございます。一休みしましょう。」
のろのろ起き上がると。
テーブルの上には、湯気が香るハーブティとデザート、、、夏の果物が載った一口サイズのタルトやブッシェ、冷たく冷やしたゼリー寄せやババロアなど、、、が置かれていた。
取り敢えずハーブティに口をつける。
程よい熱さとスッキリとした香りが、鬱々とした気分を払ってくれるようだ。
「お茶受けに、今日出す予定のデザートのうち、この季節の果物を使ったものをお持ちしました。ご確認下さい。」
「分かった。」
俺は一口ずつ味見を兼ねて口にしていく。
暑い季節に外でする茶会だ。
菓子もさっぱりしたものを多く揃えさせている。
うん。
皇太子宮の菓子職人は相変わらずいい腕をしているな。どれも安定した味わいの中に果物の組み合わせやクリームの配合などで、特色を出している。令嬢が目で楽しみ、小さな口で食べられる大きさと指定したこともあり、どれも指でつまめる大きさで姿も良い。
「いつもながらいい出来栄えだ。厨房のものにはお前から労をねぎらってくれ。必ず多めに作り、足りなくなることのないように。また、余ったら、いつものように皆で分けて、改良の参考とするように。」
「かしこまりました。皆も喜びます。」
デザートは話の種にもなるし、茶会では重要だからな。
一安心だけど、でも、、、。
俺は皿をチラッと見た。
「・・・チョコレートは無いのか?」
思わず口にしてしまいハッとする。
油断した、、、。
俺は普段皇太子として、身の回りのものや食事について、好き嫌いは極力口にしないようにしている。
嫌いと言ったものは出しづらいだろうし、出ても、殿下をご不快な目にあわせたなどと余計な事を言う奴がいるからだ。
でも、甘さが控えめのチョコレートは、こういう落ち込みがちな気分の時、食べたくなるんだよな、、、。
「いや、何でもない、下げてくれ。」
気を取り直して言うと、マルティンが背後のトレイから何かを取り、俺の前に出した。
「プラリーヌ!」
「殿下のお好みは甘さ控えめ、でしたね。」
お疲れが癒えますように。
穏やかな声と共に供されたチョコレートの皿に、俺は思わず目の奥が熱くなる。
まだ、どうしていいかは分からないけれど。
気遣ってくれる人が身近にいると、逃げずに踏みとどまれるものだ。
俺はわざと行儀悪くプラリーヌを掴むと、ポイポイ口に入れた。
うん。
やっぱり落ち込んだ時はチョコレートだ。
「美味しかった。」
「宜しゅうございました。」
感謝の気持ちを込めてマルティンを見上げると微かに目が細められた。
よし。
くよくよしている場合じゃない。
マイナスからの浮上策を考えねば。
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