133 / 241
皇宮での邂逅
エピソードⅣ オリヴィエ兄さまは葛藤中Ⅴ
しおりを挟む
「叔父上、ご無沙汰しています。懐かしいお友達を連れてきましたよ。是非、貴方の美しい奥方を紹介して下さい。」
そう言って腰をかがめてから顔を上げると。
「やっぱりオリヴィエ君か!?」
エレオノーレ様がパッと笑顔になって僕を見つめた。
同時にチッと舌打ちの音がしたが、、、気のせいだろうか?
思わず当たりを見回すと、エレオノーレ様がサッと叔父の手を握って、
「紹介してくれるか?アル。」と囁いた。
ははーん。
僕が良い笑顔で見つめると。叔父は、本当に嫌そうに口を開いた。
「エレオノーレ。お察しの通り、彼がオリヴィエ。ロデリック兄上の長男、コンラート卿だ。オリヴィエ、私の妻、バーベンベルク辺境伯のエレオノーレだ。」
型通りに指先に口づけて挨拶を交わそうとすると。
「エレオノーレ様、アルフレート様。お久しぶりですわ。」
今まで半歩下がって僕の陰にいた彼女が。
スッと僕の隣に並んだ。
「・・・シンシア・ヘルマン子爵令嬢?ロンヌ王国に留学した?」
エレオノーレ様が驚いたように呟く。
おっと。一瞬でもエスコートしている相手を疎かにしてはいけないな。僕は微笑みかけるべく彼女を見やり、、、驚いた。
ほんの一瞬だが、その表情には、強い感情、、、憎しみ?が浮かんでいたからだ。
でも、すぐに少し気だるげな微笑を湛えたいつもの表情に戻る。
気のせい?でも、見間違えのはずは、、、。
少し混乱した僕にお構いなく、彼女はエレオノーレ様の呟きを訂正した。
「今はシヴレー伯夫人ですの。向こうで結婚しまして。」
「あ、ああ、失礼した。世事に疎くて。それにしても・・・おめでとう。貴女は昔から人気があったから、夫君もさぞ鼻が高いだろう。」
男どもをそっちのけで会話が進んでいく。
「ええ、とても立派で、尊敬できる夫でした。」
「・・・でした?」
「二年前狩りの途中に事故で亡くなりましたの。思い出すのも辛くて、この国に逃げ帰ってしまいましたわ。」
でも今は素敵な友人が出来てだいぶ気も紛れました。
そう言いながら、当惑している僕を、艶をたたえた視線でなでる。
「最近、極親しくして頂いてますの、貴女の甥御様には。ね、オリヴィエ様。」
あ、これは。
女としての自分の価値を見せつける道具にされてる。
いつもなら、女性って仕方ないなあ、なんて思いながらも落ち着いていられるんだけど、でも、今回は違う。
相手の男は、叔父だ。
反応が気になって思わず叔父に視線を向けると。
叔父もまた、驚くほど強い視線で彼女を見ていた。
え?いつも他人に無関心が基本の叔父が、どうして?
「どうした、アル・・・」
僕の心の声が漏れたかのように、エレオノーレ様が声をかける。
笑顔を張り付けてはいるけれど、その声音には隠し切れない不安が滲んでいる。
でも、その声を遮るように。
「ちょっと彼女をお借りしても。コンラート卿?」
叔父は有無を言わせぬ口調で言うと、僕の腕から半ば無理やり彼女を引きはがし、バルコニーの方へと消えていった。
そう言って腰をかがめてから顔を上げると。
「やっぱりオリヴィエ君か!?」
エレオノーレ様がパッと笑顔になって僕を見つめた。
同時にチッと舌打ちの音がしたが、、、気のせいだろうか?
思わず当たりを見回すと、エレオノーレ様がサッと叔父の手を握って、
「紹介してくれるか?アル。」と囁いた。
ははーん。
僕が良い笑顔で見つめると。叔父は、本当に嫌そうに口を開いた。
「エレオノーレ。お察しの通り、彼がオリヴィエ。ロデリック兄上の長男、コンラート卿だ。オリヴィエ、私の妻、バーベンベルク辺境伯のエレオノーレだ。」
型通りに指先に口づけて挨拶を交わそうとすると。
「エレオノーレ様、アルフレート様。お久しぶりですわ。」
今まで半歩下がって僕の陰にいた彼女が。
スッと僕の隣に並んだ。
「・・・シンシア・ヘルマン子爵令嬢?ロンヌ王国に留学した?」
エレオノーレ様が驚いたように呟く。
おっと。一瞬でもエスコートしている相手を疎かにしてはいけないな。僕は微笑みかけるべく彼女を見やり、、、驚いた。
ほんの一瞬だが、その表情には、強い感情、、、憎しみ?が浮かんでいたからだ。
でも、すぐに少し気だるげな微笑を湛えたいつもの表情に戻る。
気のせい?でも、見間違えのはずは、、、。
少し混乱した僕にお構いなく、彼女はエレオノーレ様の呟きを訂正した。
「今はシヴレー伯夫人ですの。向こうで結婚しまして。」
「あ、ああ、失礼した。世事に疎くて。それにしても・・・おめでとう。貴女は昔から人気があったから、夫君もさぞ鼻が高いだろう。」
男どもをそっちのけで会話が進んでいく。
「ええ、とても立派で、尊敬できる夫でした。」
「・・・でした?」
「二年前狩りの途中に事故で亡くなりましたの。思い出すのも辛くて、この国に逃げ帰ってしまいましたわ。」
でも今は素敵な友人が出来てだいぶ気も紛れました。
そう言いながら、当惑している僕を、艶をたたえた視線でなでる。
「最近、極親しくして頂いてますの、貴女の甥御様には。ね、オリヴィエ様。」
あ、これは。
女としての自分の価値を見せつける道具にされてる。
いつもなら、女性って仕方ないなあ、なんて思いながらも落ち着いていられるんだけど、でも、今回は違う。
相手の男は、叔父だ。
反応が気になって思わず叔父に視線を向けると。
叔父もまた、驚くほど強い視線で彼女を見ていた。
え?いつも他人に無関心が基本の叔父が、どうして?
「どうした、アル・・・」
僕の心の声が漏れたかのように、エレオノーレ様が声をかける。
笑顔を張り付けてはいるけれど、その声音には隠し切れない不安が滲んでいる。
でも、その声を遮るように。
「ちょっと彼女をお借りしても。コンラート卿?」
叔父は有無を言わせぬ口調で言うと、僕の腕から半ば無理やり彼女を引きはがし、バルコニーの方へと消えていった。
11
あなたにおすすめの小説
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる