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帝都のひと夏
本物の王子さまでした
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取り敢えず父さまを回収して、私たちは当てがわれた一角に着いた。
「この階のこっち側はみんな使っていいって聞いてます。」
母さまたちの部屋はこっちね、と扉を開けると。
「遅かったですね、何がありました?」
ソファに差し向かいで座る一対のうち、手前の方が振り返った。
「あ、ルー兄さま。」
駆け寄ろうとして、足を止める。
対面のライ?がこっちを向いたのだ。
ルー兄さまの当て身がよっぽど効いたのか、まだ顔色が悪い。
それなのに、私を見るなり、よろよろ立ち上がって近づこうとするんだもの。
「殿下」
でも、溜め息を吐いたルー兄さまがサッと立ち上がって、ライ?の肩をグッと押してくれた。
「貴方はしばらくそこでジッとしてなさい。」
「えー?でも、僕は早くディアナちゃんと仲良くなりたいんだ。」
ダメ?小首を傾げると、ルー兄さまが鼻で笑う。
「ライの姿でそんなことしても、寒いだけですよ、殿下。」
残念ですね、もう誰にもおねだりは効きませんよ。と黒い笑みを浮かべるルー兄さま。
ああ、最近見慣れたから分かる。まさにコンラート公爵家の笑みだ。
父さまはこれに弱いのね。
そう言えば父さまは回復したのかな?
振り返ってみると、、、先ほどまでヨレヨレしていた父さまは、いつの間にか立ち直って、辺りを見ていた。
「アル、どうした?」
母さまの言葉に「・・・いいえ、なにも。」と返すとライ?を見据える。
「そう、お前。取り敢えず目くらましは掛けたが・・・。突然現れてエレオノーレと息子に散々迷惑をかけて。旅程の間は約束だから目を瞑っていたが、それも終わりだ。何が目的で押し掛けた、ユランの王子。」
さっきより低い声で話しかけた。
あ、やっぱり王子様だったんだ。
マクシミリアンさまって名乗ったっけ、、、確かユラン王国の第一王子で、正妃のお母さまは帝国からお嫁に行った皇帝陛下のお姉さまだったかしら。
王族ならさっきの態度は失礼だったかな?
「先ほどは失礼を致し・・・」
謝ろうとすると。
「ディー、こんな奴に謝らなくていい。」
礼儀作法に煩いルー兄さまが顔をしかめて言った。母さまは苦笑いしている。ここまでの道中で何かあったに違いない。
いきなり手を握られたし、私も近寄らないでおこう、と考えていると。
「まあ、ともかく、みんな座ろうか。」
そして、殿下からはきちんと話を伺いたい。良いですね?
辺境伯の顔で、母さまが言った。
元々、屋敷に到着したら話をすることになっていたらしい。
マックス殿下(マックスって呼んで、とにっこりされてしまった)は、父さまが魔術で出したお茶を躊躇いもせず口に含むと、一呼吸おいて話し始めた。
「この階のこっち側はみんな使っていいって聞いてます。」
母さまたちの部屋はこっちね、と扉を開けると。
「遅かったですね、何がありました?」
ソファに差し向かいで座る一対のうち、手前の方が振り返った。
「あ、ルー兄さま。」
駆け寄ろうとして、足を止める。
対面のライ?がこっちを向いたのだ。
ルー兄さまの当て身がよっぽど効いたのか、まだ顔色が悪い。
それなのに、私を見るなり、よろよろ立ち上がって近づこうとするんだもの。
「殿下」
でも、溜め息を吐いたルー兄さまがサッと立ち上がって、ライ?の肩をグッと押してくれた。
「貴方はしばらくそこでジッとしてなさい。」
「えー?でも、僕は早くディアナちゃんと仲良くなりたいんだ。」
ダメ?小首を傾げると、ルー兄さまが鼻で笑う。
「ライの姿でそんなことしても、寒いだけですよ、殿下。」
残念ですね、もう誰にもおねだりは効きませんよ。と黒い笑みを浮かべるルー兄さま。
ああ、最近見慣れたから分かる。まさにコンラート公爵家の笑みだ。
父さまはこれに弱いのね。
そう言えば父さまは回復したのかな?
振り返ってみると、、、先ほどまでヨレヨレしていた父さまは、いつの間にか立ち直って、辺りを見ていた。
「アル、どうした?」
母さまの言葉に「・・・いいえ、なにも。」と返すとライ?を見据える。
「そう、お前。取り敢えず目くらましは掛けたが・・・。突然現れてエレオノーレと息子に散々迷惑をかけて。旅程の間は約束だから目を瞑っていたが、それも終わりだ。何が目的で押し掛けた、ユランの王子。」
さっきより低い声で話しかけた。
あ、やっぱり王子様だったんだ。
マクシミリアンさまって名乗ったっけ、、、確かユラン王国の第一王子で、正妃のお母さまは帝国からお嫁に行った皇帝陛下のお姉さまだったかしら。
王族ならさっきの態度は失礼だったかな?
「先ほどは失礼を致し・・・」
謝ろうとすると。
「ディー、こんな奴に謝らなくていい。」
礼儀作法に煩いルー兄さまが顔をしかめて言った。母さまは苦笑いしている。ここまでの道中で何かあったに違いない。
いきなり手を握られたし、私も近寄らないでおこう、と考えていると。
「まあ、ともかく、みんな座ろうか。」
そして、殿下からはきちんと話を伺いたい。良いですね?
辺境伯の顔で、母さまが言った。
元々、屋敷に到着したら話をすることになっていたらしい。
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