155 / 241
帝都のひと夏
男子部屋にてⅦ(ルー視点)終
しおりを挟む
殿下と顔を見合わせる。
もう真夜中近いこの時間に、俺の部屋を訪れるのは、、、誰だ?
本来なら、当然侍従であるライムンド、つまり殿下が扉を開けるべきだ。
だが、俺は母上からちょっと気になる耳打ちをされていて、、、殿下を目で制すると、スッと扉脇に寄り、誰だ?と低く誰何した。
「あ、あの・・・」
声を聞き、細く扉を開ける。
そこには、先ほど下がった専属メイドがいた。
「何か?」
素っ気なく問いかけると、俺と知って驚いたように目を見開いて、、、ややあって頬を薄っすらと染めた。
「ルーファス様に開けていただけるなんて・・・!あの・・・もし何かご希望があれば、私何なりと・・・」
上目遣いに見上げてくる。
?
思い違いだったか?
「いや、無いが?」
さっさと扉を閉めようとすると、慌てたように言い募ってきた。
「今日はお疲れですものね!また改めてお伺いします!それで、実は侍従殿にご用が・・・。明日朝のお仕度のことなど伺うのを忘れてまして。出来れば侍従殿と少しお話を・・・」
「残念だがライはもう休んで・・・」
「あ、僕に用だったの?アンネちゃん。」
俺が出るなと睨みつけているのに。殿下はさっきまでのイライラは嘘のように機嫌よく立ち上がると、扉に近付いてきた。
「ちょっと待て。」
一旦扉を閉めて殿下に立ちはだかる。
「勝手な行動はしないでと、辺境伯閣下から言われてますよね?」
低くすごんで見せても、殿下はフンッと鼻で笑うだけだ。
「でも、どうせ俺の居場所は君たちの使い魔に筒抜けなんだろう?それに・・・」
扉の方をチラッと見る。
「お前、あの子の言ってること、全く分かってなかったよな?」
「何をです。」
「やっぱり。あれ、少なくともお前に言ってた方は夜のご奉仕の確認だぜ。」
「・・・はぁ?」
「お前、本当にまだ子供なのな?田舎育ちの方が早いって聞くけどそうでもないのか?ま、いいけど。そういう訳だから、お兄さんがちょいと行って情報収集してくるわ。」
「・・・言いましたよね。腕輪の性能。それに、辺境伯閣下から、屋敷の使用人はまだ確認が取れてないと・・・」
「どうせ、魔導師団長殿が強力な結界張ってんだろ?何かあったらよろしく頼むわ。」
ニヤリとすると、殿下はサッと扉を開けてしまった。
「お待たせ、アンネちゃん。ルーファス様は眠くて不機嫌なんだ。ごめんね?」
何処で打ち合わせする?アンネちゃんの部屋でも良いよ?
にっこりしながら親し気にメイドの手を取る殿下。
ライはそんな軽薄じゃない!
歯噛みしながらも、こうなったら警戒を強めつつ行かせるしかない。
「俺はもう休むから、打ち合わせが済んだらさっさと戻れよ。」
そう言って扉を閉め、、、やむを得ず、予め借りておいた母上の使い魔を呼び寄せる。
「ライムンドの姿をしているマクシミリアン殿下の様子だが、見えるだろ?危険を感じたら、俺に伝える様に。」
命令すると。
俺も見慣れた大鴉は、黙って頷いてスッと消えた。
「クソッどいつもこいつも!」
俺は寝室に入ってベッドに倒れ込むと悪態をつく。
今夜、あの両親が使い物になるとは思えない。念のため使い魔を借りておくと言ったら、母上は真っ赤な顔をして否定していたけど、父上にさっさと連れて行かれていたし・・・。
でも、俺だってゆっくり寝たいんだ。
だから今夜だけは殿下にも大人しくして欲しかったのに。
こんなに疲れているのに、あいつが部屋に戻るまでは、熟睡はお預けだ。
「クソッ、さっさと腕輪の機能を使って不能になっちまえ・・・!」
結局、殿下は夜明けに上機嫌で帰ってきた。
俺の呪いが効いているかどうかは、残念なことにまだ分からない。
もう真夜中近いこの時間に、俺の部屋を訪れるのは、、、誰だ?
本来なら、当然侍従であるライムンド、つまり殿下が扉を開けるべきだ。
だが、俺は母上からちょっと気になる耳打ちをされていて、、、殿下を目で制すると、スッと扉脇に寄り、誰だ?と低く誰何した。
「あ、あの・・・」
声を聞き、細く扉を開ける。
そこには、先ほど下がった専属メイドがいた。
「何か?」
素っ気なく問いかけると、俺と知って驚いたように目を見開いて、、、ややあって頬を薄っすらと染めた。
「ルーファス様に開けていただけるなんて・・・!あの・・・もし何かご希望があれば、私何なりと・・・」
上目遣いに見上げてくる。
?
思い違いだったか?
「いや、無いが?」
さっさと扉を閉めようとすると、慌てたように言い募ってきた。
「今日はお疲れですものね!また改めてお伺いします!それで、実は侍従殿にご用が・・・。明日朝のお仕度のことなど伺うのを忘れてまして。出来れば侍従殿と少しお話を・・・」
「残念だがライはもう休んで・・・」
「あ、僕に用だったの?アンネちゃん。」
俺が出るなと睨みつけているのに。殿下はさっきまでのイライラは嘘のように機嫌よく立ち上がると、扉に近付いてきた。
「ちょっと待て。」
一旦扉を閉めて殿下に立ちはだかる。
「勝手な行動はしないでと、辺境伯閣下から言われてますよね?」
低くすごんで見せても、殿下はフンッと鼻で笑うだけだ。
「でも、どうせ俺の居場所は君たちの使い魔に筒抜けなんだろう?それに・・・」
扉の方をチラッと見る。
「お前、あの子の言ってること、全く分かってなかったよな?」
「何をです。」
「やっぱり。あれ、少なくともお前に言ってた方は夜のご奉仕の確認だぜ。」
「・・・はぁ?」
「お前、本当にまだ子供なのな?田舎育ちの方が早いって聞くけどそうでもないのか?ま、いいけど。そういう訳だから、お兄さんがちょいと行って情報収集してくるわ。」
「・・・言いましたよね。腕輪の性能。それに、辺境伯閣下から、屋敷の使用人はまだ確認が取れてないと・・・」
「どうせ、魔導師団長殿が強力な結界張ってんだろ?何かあったらよろしく頼むわ。」
ニヤリとすると、殿下はサッと扉を開けてしまった。
「お待たせ、アンネちゃん。ルーファス様は眠くて不機嫌なんだ。ごめんね?」
何処で打ち合わせする?アンネちゃんの部屋でも良いよ?
にっこりしながら親し気にメイドの手を取る殿下。
ライはそんな軽薄じゃない!
歯噛みしながらも、こうなったら警戒を強めつつ行かせるしかない。
「俺はもう休むから、打ち合わせが済んだらさっさと戻れよ。」
そう言って扉を閉め、、、やむを得ず、予め借りておいた母上の使い魔を呼び寄せる。
「ライムンドの姿をしているマクシミリアン殿下の様子だが、見えるだろ?危険を感じたら、俺に伝える様に。」
命令すると。
俺も見慣れた大鴉は、黙って頷いてスッと消えた。
「クソッどいつもこいつも!」
俺は寝室に入ってベッドに倒れ込むと悪態をつく。
今夜、あの両親が使い物になるとは思えない。念のため使い魔を借りておくと言ったら、母上は真っ赤な顔をして否定していたけど、父上にさっさと連れて行かれていたし・・・。
でも、俺だってゆっくり寝たいんだ。
だから今夜だけは殿下にも大人しくして欲しかったのに。
こんなに疲れているのに、あいつが部屋に戻るまでは、熟睡はお預けだ。
「クソッ、さっさと腕輪の機能を使って不能になっちまえ・・・!」
結局、殿下は夜明けに上機嫌で帰ってきた。
俺の呪いが効いているかどうかは、残念なことにまだ分からない。
11
あなたにおすすめの小説
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる