帝国最強(最凶)の(ヤンデレ)魔導師は私の父さまです

波月玲音

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帝都のひと夏

男子部屋にてⅦ(ルー視点)終

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殿下と顔を見合わせる。
もう真夜中近いこの時間に、俺の部屋を訪れるのは、、、誰だ?

本来なら、当然侍従であるライムンド、つまり殿下が扉を開けるべきだ。
だが、俺は母上からちょっと気になる耳打ちをされていて、、、殿下を目で制すると、スッと扉脇に寄り、誰だ?と低く誰何した。
「あ、あの・・・」
声を聞き、細く扉を開ける。
そこには、先ほど下がった専属メイドがいた。
「何か?」
素っ気なく問いかけると、俺と知って驚いたように目を見開いて、、、ややあって頬を薄っすらと染めた。
「ルーファス様に開けていただけるなんて・・・!あの・・・もし何かご希望があれば、私何なりと・・・」
上目遣いに見上げてくる。



思い違いだったか?
「いや、無いが?」
さっさと扉を閉めようとすると、慌てたように言い募ってきた。
「今日はお疲れですものね!また改めてお伺いします!それで、実は侍従殿にご用が・・・。明日朝のお仕度のことなど伺うのを忘れてまして。出来れば侍従殿と少しお話を・・・」
「残念だがライはもう休んで・・・」
「あ、僕に用だったの?アンネちゃん。」
俺が出るなと睨みつけているのに。殿下はさっきまでのイライラは嘘のように機嫌よく立ち上がると、扉に近付いてきた。
「ちょっと待て。」
一旦扉を閉めて殿下に立ちはだかる。
「勝手な行動はしないでと、辺境伯閣下から言われてますよね?」
低くすごんで見せても、殿下はフンッと鼻で笑うだけだ。
「でも、どうせ俺の居場所は君たちの使い魔に筒抜けなんだろう?それに・・・」
扉の方をチラッと見る。
「お前、あの子の言ってること、全く分かってなかったよな?」
「何をです。」
「やっぱり。あれ、少なくともお前に言ってた方は夜のご奉仕の確認だぜ。」
「・・・はぁ?」
「お前、本当にまだ子供なのな?田舎育ちの方が早いって聞くけどそうでもないのか?ま、いいけど。そういう訳だから、お兄さんがちょいと行って情報収集してくるわ。」
「・・・言いましたよね。腕輪の性能。それに、辺境伯閣下から、屋敷の使用人はまだ確認が取れてないと・・・」
「どうせ、魔導師団長殿が強力な結界張ってんだろ?何かあったらよろしく頼むわ。」
ニヤリとすると、殿下はサッと扉を開けてしまった。
「お待たせ、アンネちゃん。ルーファス様は眠くて不機嫌なんだ。ごめんね?」
何処で打ち合わせする?アンネちゃんの部屋でも良いよ?
にっこりしながら親し気にメイドの手を取る殿下。
ライはそんな軽薄じゃない!
歯噛みしながらも、こうなったら警戒を強めつつ行かせるしかない。
「俺はもう休むから、打ち合わせが済んだら戻れよ。」
そう言って扉を閉め、、、やむを得ず、予め借りておいた母上の使い魔を呼び寄せる。
「ライムンドの姿をしているマクシミリアン殿下の様子だが、見えるだろ?危険を感じたら、俺に伝える様に。」
命令すると。
俺も見慣れた大鴉は、黙って頷いてスッと消えた。

「クソッどいつもこいつも!」
俺は寝室に入ってベッドに倒れ込むと悪態をつく。

今夜、あの両親が使い物になるとは思えない。念のため使い魔を借りておくと言ったら、母上は真っ赤な顔をして否定していたけど、父上にさっさと連れて行かれていたし・・・。
でも、俺だってゆっくり寝たいんだ。
だから今夜だけは殿下にも大人しくして欲しかったのに。
こんなに疲れているのに、あいつが部屋に戻るまでは、熟睡はお預けだ。

「クソッ、さっさと腕輪の機能を使って不能になっちまえ・・・!」

結局、殿下は夜明けに上機嫌で帰ってきた。
俺の呪いが効いているかどうかは、残念なことにまだ分からない。
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