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帝都のひと夏
目が回りそう、、、。
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扉が開いた次の瞬間、私の前に広がったのは光と喧騒と大勢の着飾った男女。
そして。
そこからは怒涛のように過ぎて行った。
伯父さまと私たちの前に集まる人、人、人。
まるで蟻の大軍の中に砂糖を一つまみ落としたみたい。
名乗り、名乗られ、挨拶を交わし、一言二言話してから話を終わらせ微笑みながら相手を見送る。
顔を元の位置に戻すと次の方が歩み寄ってきて。
「お待たせしてしまいましたかな?」
「いえいえ、滅相も無い。」
「紹介しよう、ルーファス、ディアナ。この方は・・・」
そのうち私たちの前には列ができていた。
お茶会ってこんなのだったかしら?
挨拶って、席を回ったりしながら、ゆっくりとするんじゃないの?
しかも、紹介される人たちは全員が、、、全員よ!私の顔、、、というより『黄金の瞳』をまじまじと見つめ、伯父さまの瞳を確認し、もの問いたげに視線を投げ、牽制の笑みを見てハッとし、全く瞳に関係のない世間話をするんだもの。
そんなことを頭の片隅で思いながらも、目まぐるしく変わる人の波の中、頭の中の貴族名鑑を必死にひっくり返しては、紹介された人と名前と情報を一致させていく。
タイミングは挨拶の後の僅かな歓談時間だ。
大抵は、お美しい兄妹で、とか、何と賢そうな、とか、お淑やかとか、そういう常とう句だから、聞き流して必死に顔と名前を頭に叩き込む。
まれに、うちの領地は、とか、特産物は、とか話してくれる方もいて、そうすると名鑑の情報が思い出しやすい。
当主だけは名鑑に姿絵が載っているんだけど、毎年更新されるわけでは無いから、覚えていた絵と現実の差がありすぎると混乱する。
この方、こんなに髪の毛無かったっけとか、あれ、この体形って絵と違う、、、ビール樽みたい!領地はビール産地かしら?とか
「ん、我が領がビールで有名だと、ディアナ嬢はご存じでしたか?」
「え?いえ、その、家庭教師が・・・」
やだ、私ったら声に出してたの?どこから?ええ~!
冷や汗をかきながらも、取り敢えず微笑んでごまかす、と言うかごまかされて~!
「いやあ、目を見張るほどの美しさに清楚な微笑み。加えて聡明とは素晴らしいご令嬢ですな!」
何とか伯爵は上機嫌で立ち去ってくれた、、、良かったぁ、ふう。
溜め息を吐くと、ルー兄さまがぼそっと、「ビール樽みたいだとか思ってただろ。顔に出てるから気をつけろ。」
と囁いてきた。
ぎょっとして兄さまを見ると、当人はいたって真面目な表情のままだ。
「もう、兄さまったら!」
小声で言いながら、次の方が来る前でよかった、と胸をなでおろす。
それにしてもちょっと間が開いたわ。もう挨拶は終わりかしら?
それに、結構な人を紹介されたけれど、私の知り合いの子たちには一人も会ってない。なんでかしら?
そう思って周りをそっと見回すと。
大勢の人が、さっき入場してきた扉の方を向いている。
「?」
思わず扉を注視した時。
「皇帝陛下並びに皇后陛下、皇太子殿下ご出座!」
扉の侍従のひときわ高い声に、周りの喧騒は一気に静まった。
そして。
そこからは怒涛のように過ぎて行った。
伯父さまと私たちの前に集まる人、人、人。
まるで蟻の大軍の中に砂糖を一つまみ落としたみたい。
名乗り、名乗られ、挨拶を交わし、一言二言話してから話を終わらせ微笑みながら相手を見送る。
顔を元の位置に戻すと次の方が歩み寄ってきて。
「お待たせしてしまいましたかな?」
「いえいえ、滅相も無い。」
「紹介しよう、ルーファス、ディアナ。この方は・・・」
そのうち私たちの前には列ができていた。
お茶会ってこんなのだったかしら?
挨拶って、席を回ったりしながら、ゆっくりとするんじゃないの?
しかも、紹介される人たちは全員が、、、全員よ!私の顔、、、というより『黄金の瞳』をまじまじと見つめ、伯父さまの瞳を確認し、もの問いたげに視線を投げ、牽制の笑みを見てハッとし、全く瞳に関係のない世間話をするんだもの。
そんなことを頭の片隅で思いながらも、目まぐるしく変わる人の波の中、頭の中の貴族名鑑を必死にひっくり返しては、紹介された人と名前と情報を一致させていく。
タイミングは挨拶の後の僅かな歓談時間だ。
大抵は、お美しい兄妹で、とか、何と賢そうな、とか、お淑やかとか、そういう常とう句だから、聞き流して必死に顔と名前を頭に叩き込む。
まれに、うちの領地は、とか、特産物は、とか話してくれる方もいて、そうすると名鑑の情報が思い出しやすい。
当主だけは名鑑に姿絵が載っているんだけど、毎年更新されるわけでは無いから、覚えていた絵と現実の差がありすぎると混乱する。
この方、こんなに髪の毛無かったっけとか、あれ、この体形って絵と違う、、、ビール樽みたい!領地はビール産地かしら?とか
「ん、我が領がビールで有名だと、ディアナ嬢はご存じでしたか?」
「え?いえ、その、家庭教師が・・・」
やだ、私ったら声に出してたの?どこから?ええ~!
冷や汗をかきながらも、取り敢えず微笑んでごまかす、と言うかごまかされて~!
「いやあ、目を見張るほどの美しさに清楚な微笑み。加えて聡明とは素晴らしいご令嬢ですな!」
何とか伯爵は上機嫌で立ち去ってくれた、、、良かったぁ、ふう。
溜め息を吐くと、ルー兄さまがぼそっと、「ビール樽みたいだとか思ってただろ。顔に出てるから気をつけろ。」
と囁いてきた。
ぎょっとして兄さまを見ると、当人はいたって真面目な表情のままだ。
「もう、兄さまったら!」
小声で言いながら、次の方が来る前でよかった、と胸をなでおろす。
それにしてもちょっと間が開いたわ。もう挨拶は終わりかしら?
それに、結構な人を紹介されたけれど、私の知り合いの子たちには一人も会ってない。なんでかしら?
そう思って周りをそっと見回すと。
大勢の人が、さっき入場してきた扉の方を向いている。
「?」
思わず扉を注視した時。
「皇帝陛下並びに皇后陛下、皇太子殿下ご出座!」
扉の侍従のひときわ高い声に、周りの喧騒は一気に静まった。
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