帝国最強(最凶)の(ヤンデレ)魔導師は私の父さまです

波月玲音

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帝都のひと夏

騎士さまたちに紹介されました。

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オスカー兄上に手を引かれて着いたところは、バルコニーを出てすぐ、端に設けられたテーブルだった。すぐ近くに軽食や飲み物が山とあり、侍従が何人か待機している。
そこに居る、と言うよりたむろしていたのは。
「おう、オスカー!堅苦しい挨拶とやらは終わったのか?」
「取り敢えず飲め!あれ?酒は無いのか?おーい、お兄さん、ワイン!いや、発泡酒。瓶ごとくれ!」
「なんだよ、子連れか。お前の子か、オスカー?」
「フィンまでいる。お前今日も真っ黒だな。今日は研究室に居なくていいのか?」
何とも賑やかな騎士さまの一団だった。
どうやらオスカー兄上の大学でのお友達らしい。
来る道すがら聞いたところによると、下級貴族の次男三男が多く、家としての付き合いを気にする必要がないので、この時間帯の社交はしないんだって。
「もうちょっとすると、多分みんないなくなるけどね。」
苦笑する兄上は、何でいなくなるかを話してくれる気はないらしい。
フィン兄さまが、相変わらず柄が悪いな、と文句を言っている。
「ね、ディー、騎士ってやっぱりガサツじゃない?兄上や母上みたいに頭でものを考えられるのはほんの一握りで、あいつ等の大多数は頭の中も筋肉なんだよ?」
だから、僕と一緒に魔導師になろう、ね?
私の手を握ってフィンに兄さまは訴えてくるけど。
私はさっと騒ぐ騎士さまたちを一瞥してからに兄さまを見上げる。
「そんなこと無いわ。みんな頭に脳みそ入ってるわよ?」
「そ、そりゃそうだけど・・・」
やり取りを聞いていたオスカー兄上は、口籠ったフィンに兄さまを見て笑い出した。
「ディーの言う通りだよ。彼らにだって脳みそはあるんだ・・・まあ、使い方をあまり知らないけど。」
だからこそ、あいつらの言う事は掛け値なしの本当だからね?
ウインクする兄上はいつもの落ち着いた様子はなく、ちょっとくだけた感じ。お友達の前だと家とは違う顔になるものなのね。
気付くと騎士さまに取り囲まれた私たち。見ると、ルー兄さまも何だか驚いている。
でも、いつの間にかグラスを持たされていたオスカー兄上は、仏頂面のフィン兄さまにも渡しつつ、にこりと笑んだ。
「さあ、彼らにうちのとっておきの二人を紹介しよう。フィン、観念してさっさとその魔術・・・衆人に紛れ込むだっけ?を解くんだ。」
「ディーとルーに何かあったら、兄上にだって怒りますからね。」
フィン兄さまがムッとした表情のまま、私とルー兄さまの頭を撫でた。
あ。誰にも邪魔されず会場を突っ切れたと思ったら、やっぱり掛けてたんだ。
そう思った瞬間、フッと空気の流れが揺れて。

「お!」
「おお!?」
「なんだ!このキラキラしたちっこいのは?」
「女の子だ!二人も?」
「いや、一人は男!マジ?男装してるの?」

ワッと喧騒に包まれた。

そこからはもう、もみくちゃで。
今までの挨拶、、、カーテシーやら、指先への儀礼の口付けやらは何だったのと言う距離感で、騎士さまたちは私と兄さまを取り囲んだ。
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