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帝都のひと夏
社交ではない殿下の素は変わりませんでした。
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「殿下。仰せに従いバーベンベルク辺境伯ご令嬢を四阿にお連れするところです。」
声に振り返った近衛兵が恭しく答えると、なぜか殿下は顔をしかめた。
「俺はそんな事指示してないぞ?」
「は。」
「誰が・・・て、父上か。余計な事を・・・お前、ここはもう良いから本来の持ち場に戻れ。」
「しかし殿下・・・」
「いいから戻れって。それよりロイス卿が来てるか知ってるか?」
「ロイス卿なら、つい先ほど控室の方に。」
「何だって?お前、追いかけて連れてこい!急げ!」
「はっ!」
目の前で小声でやり取りしている。
耳を澄ませたかったけど、失礼かなと思って取り敢えず黙って様子を伺う。
すると、近衛騎士は控室につながると言う殿下の来た径を小走りで去って行った。
「えーっと。」
見送った殿下がこちらを振り返り、気まずそうに口を開いた。
「済まない。君に無理強いをするつもりは無かったんだ。」
あ、口調も態度もライの時に会っていた殿下だ。
私はちょっとだけホッとし、、、よし、と表情を引き締めた。
「殿下。」
「あ、ああ。何だ?」
呼びかけると、殿下は一瞬ビクッとする。ほんと、さっきとは大違いだわ。この人お茶会だと人が変わるのね。
「ご招待有難うございました。」
先ずは微笑んでお礼を言って軽く頭を下げる。一応、皇族からご招待されたんだし、お礼はしなきゃね。
「!・・・い、いや、こちらこそ済まな・・・」
「しかし、殿下」
赤くなってしどろもどろしだした殿下は、私が口調を変えると再びビクッと顔をこわばらせた。
「公の場で初めて挨拶を交わす際に、突然、しかも内密に招待状を頂いても困惑するばかりです。今回は、たまたま時間が取れましたのでこちらに伺いましたが、そうでなければ伺う時間もお断りする術もなく、黙って失礼をするところでした。以降このような事はお控え頂きたく存じます。」
一気に伝えて真っすぐ殿下の顔を見つめる。
固まっていた殿下は、そのままの姿でさーっと顔色を蒼ざめさせた。そのまま一言も発しない。
「?」
どうしちゃったのかな?小首をかしげて見つめても、殿下は固まったままだ。まあ、話すべきことは話したし、もう良いかな?
「では、これで失礼します。御機嫌よう、殿下。」
軽く挨拶をして、殿下の横を通り過ぎようとする、、、と。
「待ってくれ。謝るし、訳も話すし、時間もそんなに取らせないから!」
必死な声がして、私の手が、ガシッとつかまれた。
声に振り返った近衛兵が恭しく答えると、なぜか殿下は顔をしかめた。
「俺はそんな事指示してないぞ?」
「は。」
「誰が・・・て、父上か。余計な事を・・・お前、ここはもう良いから本来の持ち場に戻れ。」
「しかし殿下・・・」
「いいから戻れって。それよりロイス卿が来てるか知ってるか?」
「ロイス卿なら、つい先ほど控室の方に。」
「何だって?お前、追いかけて連れてこい!急げ!」
「はっ!」
目の前で小声でやり取りしている。
耳を澄ませたかったけど、失礼かなと思って取り敢えず黙って様子を伺う。
すると、近衛騎士は控室につながると言う殿下の来た径を小走りで去って行った。
「えーっと。」
見送った殿下がこちらを振り返り、気まずそうに口を開いた。
「済まない。君に無理強いをするつもりは無かったんだ。」
あ、口調も態度もライの時に会っていた殿下だ。
私はちょっとだけホッとし、、、よし、と表情を引き締めた。
「殿下。」
「あ、ああ。何だ?」
呼びかけると、殿下は一瞬ビクッとする。ほんと、さっきとは大違いだわ。この人お茶会だと人が変わるのね。
「ご招待有難うございました。」
先ずは微笑んでお礼を言って軽く頭を下げる。一応、皇族からご招待されたんだし、お礼はしなきゃね。
「!・・・い、いや、こちらこそ済まな・・・」
「しかし、殿下」
赤くなってしどろもどろしだした殿下は、私が口調を変えると再びビクッと顔をこわばらせた。
「公の場で初めて挨拶を交わす際に、突然、しかも内密に招待状を頂いても困惑するばかりです。今回は、たまたま時間が取れましたのでこちらに伺いましたが、そうでなければ伺う時間もお断りする術もなく、黙って失礼をするところでした。以降このような事はお控え頂きたく存じます。」
一気に伝えて真っすぐ殿下の顔を見つめる。
固まっていた殿下は、そのままの姿でさーっと顔色を蒼ざめさせた。そのまま一言も発しない。
「?」
どうしちゃったのかな?小首をかしげて見つめても、殿下は固まったままだ。まあ、話すべきことは話したし、もう良いかな?
「では、これで失礼します。御機嫌よう、殿下。」
軽く挨拶をして、殿下の横を通り過ぎようとする、、、と。
「待ってくれ。謝るし、訳も話すし、時間もそんなに取らせないから!」
必死な声がして、私の手が、ガシッとつかまれた。
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