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帝都のひと夏
振り切った先にも難題がありました
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「では、殿下、御機嫌よう」
「ああ、俺はこのまま庭から回って招待客の様子を見てくるから。お前はディアナ嬢を頼んだぞ。」
「御意。」
ジキスムント君が来ないなら、ここに長居しても仕方ない。私たちは気を付けることを二三話し合うと、すぐに席を立って四阿を出た。
このまま控室に用があると言うと、近衛騎士さまに託される。
「では参りましょう。」再び差し出される手。
「大丈夫ですわ。有難うございます。」
その手を断って、私はさっさと歩き始めた。
「ご令嬢?」
慌てて追ってくる騎士さま。でも、私は振り返らない。
なるべく早く、黙って歩く。話しかけられる隙を作らないように。
直ぐに建物の入口が見えてきた。扉の両脇には警備の近衛騎士さま。ここまで来れば大丈夫、かな?
私は、さっと振り返った。
「こちらで結構ですわ。お忙しい中有り難うございました。」
すぐに向きを変えて入口に向かう。すると、「お待ちを!」と言いながら後ろから腕をつかまれた。
「少しお話を「きゃあ!」」
驚いたように声を上げると、扉の脇の騎士さまが、さっと寄ってきてくれた。
「お前、ご令嬢になんて無礼な事を。ご令嬢、申し訳ありません。」
つかんだ腕を離させて謝ってくれた騎士さまに、少し驚いただけですから、とにっこりして、扉を開けてもらう。
後ろでは、違うんだ、待って下さい!て声が聞こえたけど、無視して中に入った。扉が閉まってホッとする。
「殿下の言う通りだったわ・・・」
さっき四阿から帰ろうとしたら、殿下に言われたのだ。
あの騎士はおそらく陛下が手配したので、ジキスムントをわざと連れてこなかった可能性もある。陛下に報告されると考えると、私に護衛として付けざるを得ないが、自分が去った後色々聞かれるかもしれない。ここから控室のある建物まではほんの少しの距離だから、出来ればエスコートの手を取らず、早足で逃げ切って欲しいと。
「理由はまた今度、と言われてしまったけど・・・何だかめんどくさいことになってそう。」
溜め息を吐きながら、うろ覚えの控室に向かって廊下を歩く。
「何だか疲れちゃった。オスカー兄上とフィン兄さまは控室にいてくれるかしら・・・」
控室専用の建物らしく、廊下の両脇に扉が並んでいる。よく見れば扉の意匠が違うんだけど、今日初めて来た私は、早速訳が分からなくなった。
時折警備のためか近衛騎士さまが通るんだけど、さっきの騎士さまとのやり取りが少し怖かったので、出来れば声を掛けたくない。
仕方がないので兄上達の気配を探る。まだ魔力に慣れないから、遠くまで一気に確認は出来ないので、一部屋ずつ確認する。
何回か試して、やっとここだ、と言う扉を見つけた。
うん、コンラート公爵家の紋章が使われた扉だ。きっと合ってる。
「オスカー兄上!フィン兄さま!待たせてしまいました?」
言いながらパッと扉を開けると。
「ディアナ!ごめん!」
大声で謝りつつ駆け寄ってくるフィン兄さまと、それを苦笑して見ているオスカー兄上と。
「やあ。紹介してもらいたくて、押し掛けてしまったよ。」
にこやかな笑顔を浮かべるロンヌ王国のステファンさまがいた。
なぜ?
「ああ、俺はこのまま庭から回って招待客の様子を見てくるから。お前はディアナ嬢を頼んだぞ。」
「御意。」
ジキスムント君が来ないなら、ここに長居しても仕方ない。私たちは気を付けることを二三話し合うと、すぐに席を立って四阿を出た。
このまま控室に用があると言うと、近衛騎士さまに託される。
「では参りましょう。」再び差し出される手。
「大丈夫ですわ。有難うございます。」
その手を断って、私はさっさと歩き始めた。
「ご令嬢?」
慌てて追ってくる騎士さま。でも、私は振り返らない。
なるべく早く、黙って歩く。話しかけられる隙を作らないように。
直ぐに建物の入口が見えてきた。扉の両脇には警備の近衛騎士さま。ここまで来れば大丈夫、かな?
私は、さっと振り返った。
「こちらで結構ですわ。お忙しい中有り難うございました。」
すぐに向きを変えて入口に向かう。すると、「お待ちを!」と言いながら後ろから腕をつかまれた。
「少しお話を「きゃあ!」」
驚いたように声を上げると、扉の脇の騎士さまが、さっと寄ってきてくれた。
「お前、ご令嬢になんて無礼な事を。ご令嬢、申し訳ありません。」
つかんだ腕を離させて謝ってくれた騎士さまに、少し驚いただけですから、とにっこりして、扉を開けてもらう。
後ろでは、違うんだ、待って下さい!て声が聞こえたけど、無視して中に入った。扉が閉まってホッとする。
「殿下の言う通りだったわ・・・」
さっき四阿から帰ろうとしたら、殿下に言われたのだ。
あの騎士はおそらく陛下が手配したので、ジキスムントをわざと連れてこなかった可能性もある。陛下に報告されると考えると、私に護衛として付けざるを得ないが、自分が去った後色々聞かれるかもしれない。ここから控室のある建物まではほんの少しの距離だから、出来ればエスコートの手を取らず、早足で逃げ切って欲しいと。
「理由はまた今度、と言われてしまったけど・・・何だかめんどくさいことになってそう。」
溜め息を吐きながら、うろ覚えの控室に向かって廊下を歩く。
「何だか疲れちゃった。オスカー兄上とフィン兄さまは控室にいてくれるかしら・・・」
控室専用の建物らしく、廊下の両脇に扉が並んでいる。よく見れば扉の意匠が違うんだけど、今日初めて来た私は、早速訳が分からなくなった。
時折警備のためか近衛騎士さまが通るんだけど、さっきの騎士さまとのやり取りが少し怖かったので、出来れば声を掛けたくない。
仕方がないので兄上達の気配を探る。まだ魔力に慣れないから、遠くまで一気に確認は出来ないので、一部屋ずつ確認する。
何回か試して、やっとここだ、と言う扉を見つけた。
うん、コンラート公爵家の紋章が使われた扉だ。きっと合ってる。
「オスカー兄上!フィン兄さま!待たせてしまいました?」
言いながらパッと扉を開けると。
「ディアナ!ごめん!」
大声で謝りつつ駆け寄ってくるフィン兄さまと、それを苦笑して見ているオスカー兄上と。
「やあ。紹介してもらいたくて、押し掛けてしまったよ。」
にこやかな笑顔を浮かべるロンヌ王国のステファンさまがいた。
なぜ?
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