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帝都のひと夏
兄妹パジャマパーティⅣカレンブルクの従兄たち
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「ところで、ディーはカレンブルクの従兄弟には会えたのか?」
エリオット伯父さまの話を聞いて、これ以上近付きたくないな~とメレンゲをかじっていると、ルー兄さまに嫌な事を聞かれてしまった。
「ううん、会ってないの。それで、今度カレンブルク侯爵邸に招かれることになっちゃった。」
あれ、本当に招待されるかな?
私がちょっと顔をしかめると、フィン兄さまが忌々しそうに言った。
「あの人がホームで意地悪できるからね、絶対招待されるよ。なんと学園入学前に僕も行ったことが有るんだ。兄上と二人で、と誘われてさ。」
「ああ、あれか。フィンが帝都に来たばっかりの事だね。」
「行く直前に兄上にだけ用事を入れられて、独りで行くはめになった僕は、散々嫌味を言われて、、、あれは結構来たなぁ。まだ子供だったし、やっぱり田舎者だったから、帝都の流儀が分からなくて。」
「じゃあ、私も何かされるのかな・・・。」
父さまの兄さまだから、父さまも遠慮するだろうし、出来れば行きたくないなぁ。
私が嫌そうな顔をすると、意外にもルー兄さまが肩を叩いて慰めてくれた。
「そんな顔するな、もっとブスになるぞ。心配しなくとも俺が一緒に行ってやる。カーティスとヘイリー・・・双子の名前だ・・・とは挨拶した。あいつ等、俺の事を田舎者と小馬鹿にしたからな。同い年の従兄弟で同じ文官志望、学園入学前に力関係をハッキリさせておきたいと思ってたんだ。」
あれ?兄さま、もっとブスになるって、、、それって慰めてくれてるの?それに力関係って、、、私が呆れていると。
「へえ、力関係って・・・ルー君は美人な割に過激なんだね。兄さまそう言うの好きだな。」
「こら、フィン。煽るな、抱きつくな。ルーが嫌がってるだろう。」
オスカー兄上が呆れたように注意してる。でも、すぐにフム、と首を傾げた。
「ディーについて行ってあげたいけど、私は新任の騎士だから、しばらく自由が利かないんだ。フィンがついて行くと却って嫌味が酷くなる可能性が高いし、すぐ魔術で逃げて来そうで心許ないから、オリヴィエ殿にエスコートを頼もうと思っていたんだが・・・ルー君ならディーを任せられるかな?」
「ええ、兄上、大丈夫です。伯父上には、あの双子たちより出来がいいことを見せつけてやるし、あいつ等は、親の前では一見仲良さそうで、その実結構お互いに屈折してるみたいだから、せいぜいその辺を煽ってきてやりますよ。」
真面目な顔で答えるルー兄さま。双子より出来がいいって、、、それに、なんで挨拶の会話でそんなの分かるんだろう?驚くような怖いような、、、。
でも。一番は安心かな。
「よし!そしたらこの話はもう終わり!兄妹四人が集まるなんて中々無いだろう?せっかくだから楽しく過ごそう。先ずは、夜の空中散歩だな!」
フィン兄さまが清々した顔で言いながら黒いローブを出してくるものだから。
歓声を上げた私は、カレンブルク侯と従兄のことは一旦忘れることにしたの。だって楽しいことは全力で楽しみたいもんね。
エリオット伯父さまの話を聞いて、これ以上近付きたくないな~とメレンゲをかじっていると、ルー兄さまに嫌な事を聞かれてしまった。
「ううん、会ってないの。それで、今度カレンブルク侯爵邸に招かれることになっちゃった。」
あれ、本当に招待されるかな?
私がちょっと顔をしかめると、フィン兄さまが忌々しそうに言った。
「あの人がホームで意地悪できるからね、絶対招待されるよ。なんと学園入学前に僕も行ったことが有るんだ。兄上と二人で、と誘われてさ。」
「ああ、あれか。フィンが帝都に来たばっかりの事だね。」
「行く直前に兄上にだけ用事を入れられて、独りで行くはめになった僕は、散々嫌味を言われて、、、あれは結構来たなぁ。まだ子供だったし、やっぱり田舎者だったから、帝都の流儀が分からなくて。」
「じゃあ、私も何かされるのかな・・・。」
父さまの兄さまだから、父さまも遠慮するだろうし、出来れば行きたくないなぁ。
私が嫌そうな顔をすると、意外にもルー兄さまが肩を叩いて慰めてくれた。
「そんな顔するな、もっとブスになるぞ。心配しなくとも俺が一緒に行ってやる。カーティスとヘイリー・・・双子の名前だ・・・とは挨拶した。あいつ等、俺の事を田舎者と小馬鹿にしたからな。同い年の従兄弟で同じ文官志望、学園入学前に力関係をハッキリさせておきたいと思ってたんだ。」
あれ?兄さま、もっとブスになるって、、、それって慰めてくれてるの?それに力関係って、、、私が呆れていると。
「へえ、力関係って・・・ルー君は美人な割に過激なんだね。兄さまそう言うの好きだな。」
「こら、フィン。煽るな、抱きつくな。ルーが嫌がってるだろう。」
オスカー兄上が呆れたように注意してる。でも、すぐにフム、と首を傾げた。
「ディーについて行ってあげたいけど、私は新任の騎士だから、しばらく自由が利かないんだ。フィンがついて行くと却って嫌味が酷くなる可能性が高いし、すぐ魔術で逃げて来そうで心許ないから、オリヴィエ殿にエスコートを頼もうと思っていたんだが・・・ルー君ならディーを任せられるかな?」
「ええ、兄上、大丈夫です。伯父上には、あの双子たちより出来がいいことを見せつけてやるし、あいつ等は、親の前では一見仲良さそうで、その実結構お互いに屈折してるみたいだから、せいぜいその辺を煽ってきてやりますよ。」
真面目な顔で答えるルー兄さま。双子より出来がいいって、、、それに、なんで挨拶の会話でそんなの分かるんだろう?驚くような怖いような、、、。
でも。一番は安心かな。
「よし!そしたらこの話はもう終わり!兄妹四人が集まるなんて中々無いだろう?せっかくだから楽しく過ごそう。先ずは、夜の空中散歩だな!」
フィン兄さまが清々した顔で言いながら黒いローブを出してくるものだから。
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