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帝都のひと夏
茶会の翌朝(マクシミリアン殿下はダブルコンボを受ける)
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結局俺はコンラート公爵邸に昨日まで居た。
始めは、昨日の帝室主催の茶会にルーファスやディアナ嬢の侍従として参加するつもりだったんだが。
「皇宮に下手に連れて行って、目を離した隙に女官相手にまた発情されてもたまりませんから、あなたはコンラート邸にもう一日居て、うちの騎士に揉んでもらってなさいね。」
一昨日、茶会の準備のために帰るルーファスについて行こうとすると、優しい笑顔と柔らかい口調で、コンラート卿の野郎にとんでもない事を言われた。
「発情って、、、そんな事するかよ。それより、身を隠してるとはいえ皇帝の甥でユラン王国の王子の俺に、このぞんざいな扱いは頂けないな?」
なんとしてもこの屋敷から逃げたかった俺は威嚇するように言った。
実際、この二日で俺はボロボロだ。常に複数の騎士に監視されているうえ、空いている時間は休みなく訓練場で剣を振るっている。食事をして風呂に入ったら、もう後は死んだように眠るだけ。
もう少しいい待遇でも良いんじゃないか?
最も、楽をして精力が余っていたとしても、今日ディアナ嬢に聞いたこの腕輪の話を思い出せば、二度と女の子には近付かないが、、、。
嫌な事を思い出して、ついしかめ面をした俺に、オリヴィエはわざとらしく驚いたような顔をして見せた。
「おやおや、ライ君の時は使用人扱いで良いと辺境伯から言付かっているんだけどね?それともライ君はその姿のまま身一つでユラン公邸の前に放り出されたい?後少しでコマが揃うのに?」
なんて嫌味なやつだ。大体、俺の乳兄弟もそうだが、オストマルクの奴らはほんとに口がよく回る。自分にこの国の血が半分入っているとは思えない慇懃無礼さに、俺はイライラを抑えられない。
「大体、これは本当に貴方のためなんですよ?」
口を開いたら怒鳴ってしまいそうで黙り込んだ俺を見て、オリヴィエはふっと口調を変えて、諭すように言う。
「殿下、その腕輪の話、信じてないでしょう?陛下の甥で皇女殿下の御子息とはいえ、他国のお育ちですから、信じられないのも仕方ありません。しかし、信じてもらわないと困るんです。それ、本当に言われた通りの効能がありますからね?」
「・・・そんなことは分かってる。と言うか、さっきディアナ嬢に聞いて分かった。」
不貞腐れて言うと、オリヴィエは目を見開いた。
「理解したんですね?ああ、良かった。これから貴方の下半身事情を気にしなくて良いだけで、どれだけ気が楽になるか・・・」
ほっと一息ついているが、おい、何だよその失礼な言い草は。
それに、これからは兎も角、今までの分がどうなってるか、この仮の姿じゃ分からないから不安なんだよ、、、!
俺はどんな顔をしたんだろう?オリヴィエも俺の不安に思い至ったようだった。
「そうそう、それで、まあ、言いたくないなら無理には聞きませんが・・・それを填めてから今までの下半身事情を話す気があるなら、どこまで進行したか、大体予測出来ますよ?」
サバサバと言われると、俺も言いやすい。
「ほんとか!?・・・言うよ。別に野郎相手に恥ずかしくも何ともない。」
俺は藁をも掴む思いでオリヴィエに申告をし、、、。
「ずいぶん盛った様ですね・・・思春期ってそんなでしたっけ・・・」
遠い目をしたオリヴィエに、言いにくそうに告げられた言葉に、俺は愕然とした。
「信じないぞ!信じるものか!この俺が、仮にもユランの若獅子と言われた俺が、スカートなんかはいて帰国出来るか!!」
という事があり、ショックでぶっ倒れた俺は、期せずしてコンラート邸にもう一泊し、昨夕、バーベンベルク邸に戻ってきた。
戻ってみると、バーベンベルクの一族は既に帰って来ていて、当たり前のように侍従として迎えられた。
お茶を出し、寝室を整え、控え室で休み、朝早く起きてルーファスの支度を手伝う。
仕事があると、変な事を考えなくて良い。
どんな話が伝わっているのかいないのか、以前と違い、専属の侍女だけでなく、隙あらば屋敷の女が声を掛けて来るのは閉口したが、俺はなるべく素っ気なくあしらう事で事態のこれ以上の悪化を避けた。
明後日には俺の部下が来る。
それまでに体を元に戻しておかないと。
オリヴィエは最後は辺境伯を頼れと言ったが、、、流石に女性にこんな話はし辛い。
とは言え、あの魔導師団長は話を聞かなそうだ。
この一族の中で俺が話しやすいとしたら、やはりルーファスかフィンなんだよな、、、。
あまり悠長にしていられない。
朝食の後手紙や贈り物の整理に忙しそうな姿を見て、ひと段落着く頃にお茶を持って行った。
少しでも心象をよくして話しをしなければ。
そう思いつつ、お茶の支度をしながら、フィンに話す機会を伺っていると、、、ディアナ嬢が紙片を片手に近寄ってきた。
カートの向こうのフィンに見せているから、チラッとしか見えなかったけど。
あの姿は、間違いなく俺の乳兄弟だ。
小さい頃からソリが合わず、つい先日もこっちに一緒に来る筈が、喧嘩して部屋から追い出したままになっていたアイツ、、、。
「なんでディアナ嬢が俺の乳兄弟の絵を持っているんです?」
そう言って近づこうとすると、いきなり俺の体の全てが動かなくなった。
息も出来ず、とにかく苦しい。驚きの一瞬の後恐怖が襲ってきたが、、、次の瞬間、何事も無かったかのように体が動き出した。
フィンに食ってかかりながらも、俺は頭が真っ白になっていた。
腕輪の効能の凄まじさ。
自分の体に起こっているだろう変化に対する恐怖。
それを元に戻すことの困難さ。
そして、いきなり出てきた乳兄弟の存在。
身から出た錆とはいえ、困難が多すぎる。
無事にユランに帰れるのか?
どうするよ、俺・・・。
始めは、昨日の帝室主催の茶会にルーファスやディアナ嬢の侍従として参加するつもりだったんだが。
「皇宮に下手に連れて行って、目を離した隙に女官相手にまた発情されてもたまりませんから、あなたはコンラート邸にもう一日居て、うちの騎士に揉んでもらってなさいね。」
一昨日、茶会の準備のために帰るルーファスについて行こうとすると、優しい笑顔と柔らかい口調で、コンラート卿の野郎にとんでもない事を言われた。
「発情って、、、そんな事するかよ。それより、身を隠してるとはいえ皇帝の甥でユラン王国の王子の俺に、このぞんざいな扱いは頂けないな?」
なんとしてもこの屋敷から逃げたかった俺は威嚇するように言った。
実際、この二日で俺はボロボロだ。常に複数の騎士に監視されているうえ、空いている時間は休みなく訓練場で剣を振るっている。食事をして風呂に入ったら、もう後は死んだように眠るだけ。
もう少しいい待遇でも良いんじゃないか?
最も、楽をして精力が余っていたとしても、今日ディアナ嬢に聞いたこの腕輪の話を思い出せば、二度と女の子には近付かないが、、、。
嫌な事を思い出して、ついしかめ面をした俺に、オリヴィエはわざとらしく驚いたような顔をして見せた。
「おやおや、ライ君の時は使用人扱いで良いと辺境伯から言付かっているんだけどね?それともライ君はその姿のまま身一つでユラン公邸の前に放り出されたい?後少しでコマが揃うのに?」
なんて嫌味なやつだ。大体、俺の乳兄弟もそうだが、オストマルクの奴らはほんとに口がよく回る。自分にこの国の血が半分入っているとは思えない慇懃無礼さに、俺はイライラを抑えられない。
「大体、これは本当に貴方のためなんですよ?」
口を開いたら怒鳴ってしまいそうで黙り込んだ俺を見て、オリヴィエはふっと口調を変えて、諭すように言う。
「殿下、その腕輪の話、信じてないでしょう?陛下の甥で皇女殿下の御子息とはいえ、他国のお育ちですから、信じられないのも仕方ありません。しかし、信じてもらわないと困るんです。それ、本当に言われた通りの効能がありますからね?」
「・・・そんなことは分かってる。と言うか、さっきディアナ嬢に聞いて分かった。」
不貞腐れて言うと、オリヴィエは目を見開いた。
「理解したんですね?ああ、良かった。これから貴方の下半身事情を気にしなくて良いだけで、どれだけ気が楽になるか・・・」
ほっと一息ついているが、おい、何だよその失礼な言い草は。
それに、これからは兎も角、今までの分がどうなってるか、この仮の姿じゃ分からないから不安なんだよ、、、!
俺はどんな顔をしたんだろう?オリヴィエも俺の不安に思い至ったようだった。
「そうそう、それで、まあ、言いたくないなら無理には聞きませんが・・・それを填めてから今までの下半身事情を話す気があるなら、どこまで進行したか、大体予測出来ますよ?」
サバサバと言われると、俺も言いやすい。
「ほんとか!?・・・言うよ。別に野郎相手に恥ずかしくも何ともない。」
俺は藁をも掴む思いでオリヴィエに申告をし、、、。
「ずいぶん盛った様ですね・・・思春期ってそんなでしたっけ・・・」
遠い目をしたオリヴィエに、言いにくそうに告げられた言葉に、俺は愕然とした。
「信じないぞ!信じるものか!この俺が、仮にもユランの若獅子と言われた俺が、スカートなんかはいて帰国出来るか!!」
という事があり、ショックでぶっ倒れた俺は、期せずしてコンラート邸にもう一泊し、昨夕、バーベンベルク邸に戻ってきた。
戻ってみると、バーベンベルクの一族は既に帰って来ていて、当たり前のように侍従として迎えられた。
お茶を出し、寝室を整え、控え室で休み、朝早く起きてルーファスの支度を手伝う。
仕事があると、変な事を考えなくて良い。
どんな話が伝わっているのかいないのか、以前と違い、専属の侍女だけでなく、隙あらば屋敷の女が声を掛けて来るのは閉口したが、俺はなるべく素っ気なくあしらう事で事態のこれ以上の悪化を避けた。
明後日には俺の部下が来る。
それまでに体を元に戻しておかないと。
オリヴィエは最後は辺境伯を頼れと言ったが、、、流石に女性にこんな話はし辛い。
とは言え、あの魔導師団長は話を聞かなそうだ。
この一族の中で俺が話しやすいとしたら、やはりルーファスかフィンなんだよな、、、。
あまり悠長にしていられない。
朝食の後手紙や贈り物の整理に忙しそうな姿を見て、ひと段落着く頃にお茶を持って行った。
少しでも心象をよくして話しをしなければ。
そう思いつつ、お茶の支度をしながら、フィンに話す機会を伺っていると、、、ディアナ嬢が紙片を片手に近寄ってきた。
カートの向こうのフィンに見せているから、チラッとしか見えなかったけど。
あの姿は、間違いなく俺の乳兄弟だ。
小さい頃からソリが合わず、つい先日もこっちに一緒に来る筈が、喧嘩して部屋から追い出したままになっていたアイツ、、、。
「なんでディアナ嬢が俺の乳兄弟の絵を持っているんです?」
そう言って近づこうとすると、いきなり俺の体の全てが動かなくなった。
息も出来ず、とにかく苦しい。驚きの一瞬の後恐怖が襲ってきたが、、、次の瞬間、何事も無かったかのように体が動き出した。
フィンに食ってかかりながらも、俺は頭が真っ白になっていた。
腕輪の効能の凄まじさ。
自分の体に起こっているだろう変化に対する恐怖。
それを元に戻すことの困難さ。
そして、いきなり出てきた乳兄弟の存在。
身から出た錆とはいえ、困難が多すぎる。
無事にユランに帰れるのか?
どうするよ、俺・・・。
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