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帝都のひと夏
カレンブルクのお茶会へようこそ(双子君の事情Ⅱ・カーティス君の場合)
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父さまの次兄であるカレンブルク侯家の双子の従兄弟君、、、のお兄さんの方、カーティスさま、、、と話をしている。
大人しく真面目そうな彼は、このテーブルから逃げ出しそうだったけど、弟君、、、ヘイリーさまのちょっとした発言について、ぽつぽつ話し始めた。
「僕とリーは…あ、ヘイリーの事です、は、見ての通り双子です。一応僕が上ってことになってますが、跡目をどっちが継ぐか、ってことでは対等で。昔から何かにつけ、競わされてきました。」
「貴族の跡目争いなんてそんなもんだろ。」
兄さまは簡単に流す。確かに、バーベンベルク辺境伯家みたいに、長男が騎士を継ぐ為に生まれてきたような才能を持ち、以下、兄弟それぞれが別々の才能を生かした道を選ぶような家でない限り、貴族の跡目は何かと争うって聞くものね。
それを聞いて、カーティスさまも普通に頷いた。
「貴族なら当然のこと、ましてカレンブルク侯爵家は、帝国貴族としても大きく、コンラート一門としても特殊な立ち位置を持つので、僕らも仕方のないことと思っています。ただ・・・」
ふうっと溜め息を吐く。
「僕の中では、もう小さい頃から、ヘイリーが後を継いで、僕が補佐をするってことで決まっているんです。」
カレンブルク侯は帝国の外務卿。両親ともに、基本は外国暮らしなので、二人は小さい頃からいつもこの屋敷で留守番をしていた。
主のいない屋敷は人も寄り付かないのでもの寂しく、厳しくしつけられた使用人は優秀だが必要以上に接しては来ず、小さな子供にとっては冷たいとさえ言えた。
家庭教師は躾に容赦なく、双子は競わせるために離れて育てられた。衣食住に不足はなかったが、カーティスにとって毎日は、課題を必死にこなすだけの、不安で重苦しいものだったのだと言う。
「でも、ある日ヘイリーが僕の部屋にこっそり来たんです。周りの大人が怖くてびくびくしてばかりの僕に、笑いかけて、話しかけて・・・そのうち、家庭教師の目を盗んで一緒に遊ぶようにもなりました。」
話しているうちに、どうやら勉強の進み具合は自分の方が上だと知ったが、そんな事は些事だと思ってしまうほど、ヘイリーはキラキラして見えたと言う。
見つかると、震えるばかりの自分を庇って罰を受けたヘイリーは、それでも変わらず遊びに来てくれて。
「そのあと、誰と何を話したのか・・・僕らは二人一緒に育てられるようになりました。その時僕は思ったんです。僕が変えられると思いもしなかった状況を変えることが出来るなんて。跡目はヘイリーが良い。もし、ヘイリーに不足があるなら、そこを僕が補えばいいって。」
「ふーん。それで?」
醒めた相槌を打つ兄さま。
そんな様子に気付かず、カーティスさまは続ける。
「ヘイリーに話したら、面倒なのは嫌だから跡目は継ぎたくない、大人になったら伯爵領でも貰って好きに暮らす、兄なんだから君がなれば、って僕に言うんです。確かにヘイリーは楽しいことが好きで勉強は嫌いだから、そう言う気持ちも分かるけど。でも、僕の中ではヘイリーが後継ぎなのは、もう絶対な事で。ヘイリーも、僕がそんなに言うのなら、と、最近やっと乗り気になって来たのに、、、それなのに!」
酔ったように話していたカーティスさまが、急に声を大きくした。
「昨晩突然二人で父に呼ばれて・・・そんなこと、滅多にないんです・・・跡目はディアナ嬢、貴女を得られた方にする、出来なければ二人とも神殿に放り込む、と。」
大人しく真面目そうな彼は、このテーブルから逃げ出しそうだったけど、弟君、、、ヘイリーさまのちょっとした発言について、ぽつぽつ話し始めた。
「僕とリーは…あ、ヘイリーの事です、は、見ての通り双子です。一応僕が上ってことになってますが、跡目をどっちが継ぐか、ってことでは対等で。昔から何かにつけ、競わされてきました。」
「貴族の跡目争いなんてそんなもんだろ。」
兄さまは簡単に流す。確かに、バーベンベルク辺境伯家みたいに、長男が騎士を継ぐ為に生まれてきたような才能を持ち、以下、兄弟それぞれが別々の才能を生かした道を選ぶような家でない限り、貴族の跡目は何かと争うって聞くものね。
それを聞いて、カーティスさまも普通に頷いた。
「貴族なら当然のこと、ましてカレンブルク侯爵家は、帝国貴族としても大きく、コンラート一門としても特殊な立ち位置を持つので、僕らも仕方のないことと思っています。ただ・・・」
ふうっと溜め息を吐く。
「僕の中では、もう小さい頃から、ヘイリーが後を継いで、僕が補佐をするってことで決まっているんです。」
カレンブルク侯は帝国の外務卿。両親ともに、基本は外国暮らしなので、二人は小さい頃からいつもこの屋敷で留守番をしていた。
主のいない屋敷は人も寄り付かないのでもの寂しく、厳しくしつけられた使用人は優秀だが必要以上に接しては来ず、小さな子供にとっては冷たいとさえ言えた。
家庭教師は躾に容赦なく、双子は競わせるために離れて育てられた。衣食住に不足はなかったが、カーティスにとって毎日は、課題を必死にこなすだけの、不安で重苦しいものだったのだと言う。
「でも、ある日ヘイリーが僕の部屋にこっそり来たんです。周りの大人が怖くてびくびくしてばかりの僕に、笑いかけて、話しかけて・・・そのうち、家庭教師の目を盗んで一緒に遊ぶようにもなりました。」
話しているうちに、どうやら勉強の進み具合は自分の方が上だと知ったが、そんな事は些事だと思ってしまうほど、ヘイリーはキラキラして見えたと言う。
見つかると、震えるばかりの自分を庇って罰を受けたヘイリーは、それでも変わらず遊びに来てくれて。
「そのあと、誰と何を話したのか・・・僕らは二人一緒に育てられるようになりました。その時僕は思ったんです。僕が変えられると思いもしなかった状況を変えることが出来るなんて。跡目はヘイリーが良い。もし、ヘイリーに不足があるなら、そこを僕が補えばいいって。」
「ふーん。それで?」
醒めた相槌を打つ兄さま。
そんな様子に気付かず、カーティスさまは続ける。
「ヘイリーに話したら、面倒なのは嫌だから跡目は継ぎたくない、大人になったら伯爵領でも貰って好きに暮らす、兄なんだから君がなれば、って僕に言うんです。確かにヘイリーは楽しいことが好きで勉強は嫌いだから、そう言う気持ちも分かるけど。でも、僕の中ではヘイリーが後継ぎなのは、もう絶対な事で。ヘイリーも、僕がそんなに言うのなら、と、最近やっと乗り気になって来たのに、、、それなのに!」
酔ったように話していたカーティスさまが、急に声を大きくした。
「昨晩突然二人で父に呼ばれて・・・そんなこと、滅多にないんです・・・跡目はディアナ嬢、貴女を得られた方にする、出来なければ二人とも神殿に放り込む、と。」
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