[R18]2度目の人生でスローライフ?ハーレムだっていいじゃないか

白猫 おたこ

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第四章 やりたい事……。

第65話: 凱旋の路、神域の恵みを摘みて

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【暴君の残照、黄金の絆】

 静寂が、火山洞の奥底を支配した。
あの大気を引き裂くようなアイリスの嬌声も、ワイバーンの絶叫も、今はもうない。ただ、巨大な暴君が地に伏し、その傷口から漏れ出す魔力が淡い光となって、洞窟の壁を照らし出している。

「はぁ、はぁ、はぁ……っ」

 健太郎は、熱を持って小刻みに震える両腕を下ろした。
手の中の長弓が黄金の粒子となって弾け、実体化したアイリスが、力なく健太郎の胸の中へと倒れ込む。

「くふふ……っ。主、あまりに激しすぎて……妾、もう指一本……動かせぬわ……のじゃ……」

 アイリスの顔は、かつてないほどに紅潮し、その瞳は潤んで焦点が定まっていない。
魔力の全てを一矢に込めた代償か、その肌は透き通るように白く、健太郎の熱を求めるように擦り寄ってくる。

「……健太郎、さん……」

 反対側からは、極低温の魔力を使い果たした結衣が、フラフラとした足取りで歩み寄ってきた。
健太郎は空いた腕で、愛おしき伴侶を力強く抱き寄せた。

「ああ、二人とも……よくやってくれた。最高の戦いだったぞ」

 健太郎は、命を預け合った二人の温もりを噛み締めるように、その肩を優しく抱きしめた。アイリスの蕩けたような吐息と、結衣の安堵に満ちた涙が、健太郎の胸元を濡らしていく。
しばらくの間、三人は重なり合ったまま、激闘の余韻に身を任せていた。

「……さて、休むのはこれくらいにしよう。冷えて硬くなる前に、一番良いところを頂かないとな」

 健太郎は名残惜しそうに二人を離すと、腰の解体用の短剣を引き抜いた。
 眼前に横たわるワイバーンの巨躯。
その翼の付け根、アイリスが弱点だと指摘し、結衣が凍てつかせた部位――そこには、伝説のふいごの素材となる『劫火のふいご皮』が、奇跡的な鮮度で残されていた。

「【竜解の眼】……よし、ここか」

 健太郎の視界に、皮の繊維と魔力の流れが一本の「線」となって浮かび上がる。
 普通の刃では弾かれるであろう強靭な鱗を、健太郎は『ふいごの素材識』に基づいた精密な角度で切り裂いていった。熱を持ちつつも、結衣の冷気で分子レベルで脆くなった一点。
そこへ刃を滑らせると、バターを切るように滑らかに、最高品質の皮が剥がれていく。

「……信じられない。これほど弾力があって、しかも魔力を一切漏らさない皮があるなんて……」

 剥ぎ取った翼膜は、健太郎の手の中で生きているかのように脈動していた。
これこそが、神域の炉に「呼吸」を与えるための、世界で唯一の素材。

「主……その皮があれば、妾たちの炉は……完成する。のじゃ……。さあ、帰ろう……約束の、手入れを……楽しみに、しておる……」

 アイリスが健太郎の背中に負ぶさり、結衣がその手を握る。

【暴君の解体、神域の収穫】

「まぁ待て、コイツを捨てて行くわけにはいかん。」

 健太郎の振るう短剣は、もはや迷いも澱みもなかった。
 アイリスの囁きによって刻まれた知識と、進化した【竜解の眼】が、ワイバーンの巨躯に秘められた「宝の地図」を鮮明に映し出す。

「結衣、冷気の維持を頼む。この『熱核』に近い部位は、外気に触れるとすぐに炭化してしまう」

「はい、健太郎さん……っ! 【極低温生成】、最大出力です!」

 結衣が残った魔力を振り絞り、解体現場の周囲を氷の結界で包み込む。
立ち昇る熱気と結衣の冷気が衝突し、幻想的な白霧が立ち込める中、健太郎の作業は加速した。

「次は……この大胸筋の裏。ここには竜種特有の、最高級の赤身肉があるはずだ」

 強靭な鱗を【神域の解体師】の技で剥がすと、そこには宝石のようにルビー色に輝く『ヴォルカニック・サーロイン』が姿を現した。神域の熱を食らって育ったその肉は、適度にサシが入り、解体しているそばから甘い脂の香りが漂ってくる。

「くふふ……主よ、その肉は格別じゃぞ。軽く火を通すだけで、口の中で溶けて魂まで蕩けさせる。工房に帰ったら、たっぷり食わせてやるのじゃ」

 健太郎の背中に負ぶさったままのアイリスが、涎を堪えるように喉を鳴らす。

「そして……これだ。ワイバーンの脊椎を覆う、最も硬い背皮。これを鞣せば、どんな刃も通さない最強の防具になる」

 健太郎は、厚さ数センチにも及ぶ『黒曜の竜皮』を、骨から一切の無駄なく引き剥がした。

「ふぅ……。皮、肉、翼膜、そして心臓の核(コア)。全部、最高の状態でバラせたな」

 健太郎の周囲には、丁寧に小分けにされた伝説の素材が並んでいた。
それは、一国を買い取れるほどの価値がある「暴君の遺産」だった。

 「黒曜の火山洞」を後にした三人の足取りは、行きよりも幾分か軽やかだった。
 背負い袋には、伝説のワイバーンから剥ぎ取った最高級の皮と肉、そして熱核がずっしりと収まっている。
 だが、健太郎の職人としての目は、行き道で「後回し」にしていた神域の西域特有の素材たちを見逃してはいなかった。

「……アイリス、結衣。少し寄り道をしてもいいか? 行きがけに見つけた、あの赤い結晶と奇妙な形の果実が気になっていたんだ」

「くふふ、主よ。素材への飽くなき探求心、これこそが妾の選んだ男じゃの。よいぞ、この辺りは暴君が消えたことで、他の魔物も怯えて潜んでおる。今のうちに神域の宝を根こそぎ奪ってやるがよい! のじゃ」

 健太郎は、熱風が吹き抜ける岩壁の隙間に咲く、透き通った真紅の果実へと歩み寄った。

「これは……『焔の滴(ほむらのしずく)』ですね。健太郎さん、この果実、表面がすごく熱いのに、中は最高級のジュレみたいにプルプルしています!」

 結衣が魔力付与した手袋で慎重に摘み取った。それは、火の属性魔力を極限まで濃縮した果実で、ジャムにすれば精神回復(MP回復)の至宝となる一品だ。

 健太郎はその隣で、岩盤に剥き出しになっていた青い鉱石――『神域の蒼鉛石』をタガネで丁寧に叩き出した。

「この蒼鉛石は、熱を遮断する性質がある。ワイバーンの皮と組み合わせれば、さらに強力な防具が作れるはずだ」

 さらに進むと、枯れ木のようでありながら黄金の葉を茂らせる『金剛樫の幼木』を発見した。健太郎はこれを根ごと慎重に掘り起こす。

「これを工房の庭に植えれば、将来的に弓や槍の柄に使える最強の木材が手に入るな」

「主(あるじ)、あそこを見てみい! あの紫色の苔……『紫電の苔』じゃ! あれを乾燥させて砥石に混ぜれば、刃に雷属性を付与できるようになるぞ。妾の本体(弓)を磨くのにも最高じゃのう……!」

 アイリスにナビゲートされながら、健太郎は次々と神域の至宝を採取していく。皮、肉、鉱石、果実、植物。
 神域の西域がもたらす極上の「報酬」をすべて回収し終えたとき、空は神域特有の夕刻、紫紺の帳に包まれようとしていた。

「よし、今度こそ帰ろう。工房で、最高の宴と……約束の時間が待っている」

「はい、健太郎さん……っ。私、もう身体が火照って、別の意味で限界です……」

「くふふ、帰ったら妾と結衣を、その器用な指で存分に『採取』させてやるからの……のじゃ!」

【健太郎(三神健太郎) スキル熟練度】
■ 生産系
• レザークラフト・マスタリー: Lv.10 (75/100)
• 採掘: Lv.2 (50/100) (+75) (Level Up!)
• 神域の蒼鉛石、希少鉱石の採取。
• 料理マスタリー: Lv.8 (25/100) (+15)
• 『焔の滴』の加工法を考案。
• 農業マスタリー: Lv.4 (60/100) (+50)
• 希少植物の根こそぎ採取。
• 慈愛の加工: Lv.42 (60/100) (+20)
■ 戦闘系
• 弓術マスタリー: Lv.6 (20/100)
■ 身体強化系
• 全生命力の解放: Lv.5 (15/100) (+5)
• 性技(手入れ): Lv.25 (50/100) (+20)
• 採取を通じた指先の繊細なコントロール。
■ 特殊スキル
• サバイバルマスタリー: Lv.5 (10/100) (+20) (Level Up!)
• 聖霊同調(神域): Lv.52 (250/400) (+50)
• 家長としての威厳: Lv.25 (50/100) (+40)
• 【炉心の探究者】: Lv.4 (50/100) (+35)
• 【竜解の眼】: Lv.4 (40/100) (+30)
• 【神域の採集家】: Lv.1 (0/100) (New!)
• 多種多様な神域素材を短時間で完璧に採取した証。

【結衣(早川結衣) スキル熟練度】
■ 生産系
• 農業マスタリー: Lv.2 (10/100) (+85) (Level Up!)
• 希少果実『焔の滴』の慎重な採取。
■ 身体強化系・特殊
• アイリス工房の一員: Lv.36 (10/100) (+30) (Level Up!)
• 誠実な帰依: Lv.43 (90/100) (+20)
• 素顔の早川結衣: Lv.57 (10/100) (+40) (Level Up!)
• 三位一体の悦楽: Lv.28 (95/100) (+15)
• 【正妻の余裕】: Lv.15 (10/100) (+30) (Level Up!)
• 魔力付与マスタリー: Lv.4 (90/100) (+20)
• 極低温生成: Lv.4 (70/100) (+20)
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