[R18]2度目の人生でスローライフ?ハーレムだっていいじゃないか

白猫 おたこ

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第九章 ライバル達

第200話: 【羽化】黄金の瞳、真なる実在

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 黄金の光が収束し、静寂が戻った湖畔に、一人の女性が降り立った。
 それは、今までのアイリスであって、アイリスではない「何か」だった。

 最大の変化は、その双眸。かつての神秘的な紫色は消え、深層の鑑定眼で覗き込めば吸い込まれそうなほどに澄んだ、「黄金の瞳」へと変貌を遂げている。

「……あ、あぁ……。これが、風の……水の、そして主の熱……。すべてが、こんなにも鮮明に……」

 アイリスは自らの白い指先を見つめ、ゆっくりと握りしめた。
 今までの彼女は、あくまで健太郎の武器という「モノ」が具現化した幻影に過ぎなかった。だが、次元の銀糸によって縫い止められた現在の彼女は違う。
 本体である『神域の長弓』が健太郎の背にあろうとも、彼女は今、そこから完全に独立し、自らの足で大地を踏みしめていた。

「これって……まさか、アイリスが『プレイヤー』と同じになったってことですか?」

 結衣が驚きに声を震わせる。
その問いに答えるように、村正が満足げに鼻を鳴らした。

「ガハハ! 左様じゃ。もはや『武器聖霊』などという括りでは収まらん。小僧の加工が、彼女に真の肉体……この世界のシステムに干渉されぬ『実在』を与えたのじゃ」

 アイリスは、自らの意志で一歩、健太郎へと歩み寄った。
 以前のようなホログラム的な揺らぎは一切ない。
健太郎がその肩に手を置くと、そこには確かな人間の女性としての、柔らかく、温かい「肉」の感触があった。

「主……。もう、妾を背負う必要はありませんわ。これからは、妾が自らの足で主の隣を歩き、自らの手で主を抱きしめます。……そして、自らの意志で主を守り抜く。それが、この身体(にくたい)を得た妾の願いですわ」

 黄金の瞳を潤ませ、アイリスは健太郎の胸に顔を埋めた。
 彼女は今、名実ともに健太郎の「唯一無二のパートナー」として、この世界に再誕したのだ。
 その神々しいまでの光景を、桜花は呆然と見上げていた。
 同じ武器聖霊として、これほどまでに圧倒的な「進化」を見せつけられたのは初めてだった。自律行動、そして真実の肉体。それは、刀としての自分にとっても、叶うはずのない究極の夢。

「……あ、あぁ……。なんたる……なんたる密度。なんたる存在強度(プレゼンス)……。これが、健太郎殿の『加工』の果てに辿り着く場所……」

 桜花は自らの「ちみっこい」掌を見つめ、それから健太郎の、村正の教えを吸収して一皮剥けたその逞しい手を見つめた。
 胸の奥で、嫉妬と憧憬が混ざり合った激しい感情が渦巻く。

「健太郎殿……っ! 某(それがし)も……某も今すぐに、その手で『修正』してくだされ! このような蕾のままでは、到底あの妖精姫の隣に立つ資格などありませぬ!!」

 桜花は我慢できなくなったように叫び、健太郎の腰に縋り付いた。
 その必死な様子に、村正は「ガハハ! 小僧、次はこっちの番じゃな!」と、さらなる修羅場を予感して豪快に笑うのだった。

【経験】の刻印、蕾への慈愛

「……健太郎殿っ! 某(それがし)にも、今すぐにあの『修正(加工)』を! 某も……某も早く、あの妖精姫のような真なる肉体を得たいのでございまする!」

 健太郎の腰に縋り付き、涙目で訴える桜花。その必死な様子に、健太郎は深層の鑑定眼を静かに発動させた。
 視界に映るのは、村正の神技によって打たれた極めて純度の高い鋼の輝き。しかし、その輝きはあまりにも鋭利で、遊びがない。

「……待て、桜花。焦るな」

 健太郎は桜花の小さな肩を掴み、ゆっくりと引き剥がした。

「爺さん……分かってるんだろ? 桜花にはまだ、圧倒的に『経験』が足りない。アイリスの時もそうだった。あいつは第一形態の期間がかなり長かったからな。その間に俺が触れ、愛で、この世界の質感をその器に叩き込み続けてきた」

 その言葉に、村正は突き立てた雪月花の柄を指先で弾き、重々しく頷いた。

「ガハハ! 流石は小僧じゃ、よく見抜いておる。儂の打った桜花は、この世界でも最高級の『鋼』じゃ。じゃが、鋼というのはあまりに純粋すぎると、強い衝撃――すなわち、銀糸のような高密度の情報を流し込んだ瞬間に、内側からパリンと割れてしまうわい」

「……そ、そんな……っ。ならば、某はどうすれば……っ!」

 絶望に打ちひしがれる桜花。すると、羽化したばかりのアイリスが、黄金の瞳を細めて、勝ち誇ったように桜花の耳元で囁いた。

「ふふ、簡単ですわ。主の『愛撫』に一晩中耐え、その指先から伝わる快楽(けいけん)をすべて飲み込み、器を内側から広げるのです。今の貴女では、主の一突きで魂が蕩けて、元の刀に戻ってしまいますわよ?」

「なっ……!? ななな、何を、何を破廉恥なことをっ!!」

 桜花が顔を赤熱させて飛び退くと、健太郎はアイリスの頭を軽く小突いた。

「アイリス、お前な……。前にも言ったが、俺はロリコンじゃないぞ? 桜花をそういう目で見てるわけじゃない」

「あら、主。これは職人としての『慣らし』の話ですわ。主だって、硬すぎる革を扱う時は、まずオイルを塗り込み、その手でじっくりと揉みほぐして柔らかくするでしょう?」

 アイリスの言い草に、健太郎は言葉を詰まらせた。確かに、職人としての理屈は通っている。
 戸惑う健太郎に対し、桜花は震えながらも、決然とした眼差しで一歩踏み出した。

「……健太郎殿。ロ、ロリコンでも何でも構いませぬ! 某を、その……『鞣(なめ)して』くだされ! 村正殿が打ったこの器、貴殿の愛撫とやらで、どれほどでも広げてみせまするっ!」

「……どうやって、って顔をしてるな、小僧」

 村正がニヤリと笑い、健太郎の背中を叩いた。

「簡単じゃ。今夜は加工(しごと)ではない。主である儂が見守る中で、貴様のその『愛撫』と『慈愛の加工』を使い、桜花の感度を極限まで高めろ。鋼を熱し、叩くのではなく、貴様の魔力で内側から溶かし、再構築するのじゃ。……ガハハ! 儂の前で若い女を可愛がるのは、さぞかし骨が折れるじゃろうがな!」

「……爺さん、本気かよ」

 健太郎は、期待に満ちた(そして少し不安げな)桜花の瞳と、それを面白がる師匠、そして「お手並み拝見ですわ」と笑うアイリスを見回した。

「……分かった。なら、今夜は『素材』としてではなく、一人の『剣』として、その器を広げる手伝いをしてやる。……桜花、覚悟はいいか?」

「は、はいっ! 某、いかなる試練(めいてい)にも耐えてみせまするっ!!」

 月明かりの下、再生した森の静寂の中で、桜花を「女」として、そして「神域の器」として育てるための、濃密な経験の刻印が始まろうとしていた。
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