僕を愛して

冰彗

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第一章

『第三話』

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 洗濯物をカゴの中に入れて一階の共有コインランドリーに持って行くと僕と同じくらいか年下くらいに見える男性が共有コインランドリーにいた。

「アヤ、中くらいのやつに入れようか」

「うん、分かった」

 斐都は頷くと中くらいの乾燥機を見てどこが空いているのか見ていた。

「ここ」

 そして乾燥機を決めたらしい斐都は真ん中の乾燥機を指差すと僕の方を見てきた。

「それね、了解」

 僕は洗濯物の入ったカゴを持って斐都が指差した乾燥機に近付き乾燥機の扉を開けて洗濯物を入れていった。

 ――刹那、共有コインランドリーの奥にいた男性が持っていたカゴを落とした音が室内に響き渡った。

 驚いた僕は思わず男性を見てしまった。驚いたのは男性も同じらしく僕の顔をじっと見ていた。

「あの、大丈夫、ですか?」

 じっと見られていることに耐え切れず、僕は男性に問い掛けた。

 すると男性は落とした物を拾おうともせずに僕の方へ近寄ってきて僕の手を握ってきた。

「へっ!?」

「お願いです、僕の番になって下さい!」

「…………む、無理です」

「エッ」

 まさか断られるとは思っていなかったらしい男性は、困惑したような表情を浮かべて棒立ちしていた。

 取り敢えず、手を離してほしいな……。
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