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第一章 凍てつく呪いと、灼熱の初夜
第4話:断絶される過去と、蜜の味
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深い帳に包まれた寝室の中で、エルシアは時間の感覚を失いつつあった。この部屋に窓はない。ただ、ゼノスが放つ圧倒的な魔力と、彼がエルシアの肌に触れる瞬間の熱だけが、彼女の生存を確認させる唯一の指標だった。
「……ゼノス、様……。今日は、少しだけ、外を歩いてもいいでしょうか……?」
エルシアの掠れた声に、ゼノスが手にしていた書類から視線を上げた。彼はエルシアを膝の上に引き寄せると、まるで壊れ物を扱うような手つきで、彼女の細い腰に腕を回す。
「外、か。……まだ、そんな場所に興味があるのか?」
ゼノスの声は静かだったが、その瞳の奥には、どろりとした不快感が揺れていた。彼はエルシアの指先を取り、その一本一本を、慈しむように、あるいは検品するように口づけしていく。
「お前の家……公爵家から、手紙が届いたぞ」
その言葉に、エルシアの背筋が凍りついた。実家。彼女を地下室に閉じ込め、最後には生贄として売り払った場所。ゼノスはエルシアの耳元で、甘く、冷酷な毒を囁く。
「『エルシアにはまだ利用価値があるから、一時的に返せ』だそうだ。身代わりにした妹が、王太子の不興を買ったらしい。代わりにお前を差し出すつもりなのだろうな」 「そんな……、私は、もう……」 「ああ、行かせるはずがないだろう。お前は俺の心臓だ。返せと言われて『はい』と答える愚か者がどこにいる?」
ゼノスはエルシアの首筋の所有印を指でなぞった。そこがドクンと跳ね、エルシアの喉から甘い悲鳴が漏れる。
「安心しろ。お前の実家は、もうじきこの世から消滅する。……経済的にも、魔力的にもな。お前の帰る場所は、俺がすべて焼き尽くした」 「……え?」
驚愕に目を見開くエルシア。だが、その衝撃をかき消すように、ゼノスの唇が彼女の鎖骨に押し付けられた。
「あ、……ぁっ、……!」
同時に、凄まじい密度の魔力がエルシアの体内に注ぎ込まれる。それは栄養というにはあまりに暴力的な快楽だった。ゼノスの魔力がエルシアの血管を、神経を、骨の髄までを侵食していく。エルシアの透明な魔力回路が、真っ黒なゼノスの色に染まり、激しく拍動を刻む。
「お前の体は、すでに俺の魔力なしでは形を保てない。外へ出れば、たちまち魔力飢餓で死ぬことになるだろう」 「そんな、うそ……っ」 「嘘ではない。ほら、俺が少し指を離すだけで……こんなに震えている」
ゼノスが意地悪く手を離すと、エルシアの全身を耐えがたい悪寒が襲った。内側から崩れていくような恐怖と、言いようのない喪失感。エルシアは恥を忍んで、自らゼノスの首に細い腕を回し、その体に縋り付いた。
「お願い……、ゼノス様、……熱い、のを……もっと、ください……っ」
情けない声で、魔力を強請る。ゼノスはその様子を、悦悦とした表情で眺めていた。彼はエルシアを寝台に押し倒すと、彼女の太ももを割り、その奥深い場所に手を滑り込ませた。
「おねだりか。……いい子だ、エルシア。お前に必要なのは、実家の救いでも、外の光でもない。俺の毒だけだ」
ゼノスの指先が、彼女の最も敏感な場所に触れる。エルシアの視界が火花を散らすように白く染まり、彼女の腰が大きく跳ねた。実家からの救いの手すら、彼女にとってはもう恐怖でしかなかった。自分を必要としてくれるのは、この狂った魔王だけ。彼に侵食され、壊されていく感覚が、いつしかエルシアにとっての唯一の救いへと変わっていく。
「さあ、飲み干せ。お前の内側すべてを、俺の色で塗り潰してやるから」
ゼノスの唇が重なり、エルシアは思考を放棄した。甘く、重く、逃げ場のない蜜の味が、彼女のすべてを支配していった。
【作者より】面白かったら「いいね」「感想」「エール」をお願いします!
「……ゼノス、様……。今日は、少しだけ、外を歩いてもいいでしょうか……?」
エルシアの掠れた声に、ゼノスが手にしていた書類から視線を上げた。彼はエルシアを膝の上に引き寄せると、まるで壊れ物を扱うような手つきで、彼女の細い腰に腕を回す。
「外、か。……まだ、そんな場所に興味があるのか?」
ゼノスの声は静かだったが、その瞳の奥には、どろりとした不快感が揺れていた。彼はエルシアの指先を取り、その一本一本を、慈しむように、あるいは検品するように口づけしていく。
「お前の家……公爵家から、手紙が届いたぞ」
その言葉に、エルシアの背筋が凍りついた。実家。彼女を地下室に閉じ込め、最後には生贄として売り払った場所。ゼノスはエルシアの耳元で、甘く、冷酷な毒を囁く。
「『エルシアにはまだ利用価値があるから、一時的に返せ』だそうだ。身代わりにした妹が、王太子の不興を買ったらしい。代わりにお前を差し出すつもりなのだろうな」 「そんな……、私は、もう……」 「ああ、行かせるはずがないだろう。お前は俺の心臓だ。返せと言われて『はい』と答える愚か者がどこにいる?」
ゼノスはエルシアの首筋の所有印を指でなぞった。そこがドクンと跳ね、エルシアの喉から甘い悲鳴が漏れる。
「安心しろ。お前の実家は、もうじきこの世から消滅する。……経済的にも、魔力的にもな。お前の帰る場所は、俺がすべて焼き尽くした」 「……え?」
驚愕に目を見開くエルシア。だが、その衝撃をかき消すように、ゼノスの唇が彼女の鎖骨に押し付けられた。
「あ、……ぁっ、……!」
同時に、凄まじい密度の魔力がエルシアの体内に注ぎ込まれる。それは栄養というにはあまりに暴力的な快楽だった。ゼノスの魔力がエルシアの血管を、神経を、骨の髄までを侵食していく。エルシアの透明な魔力回路が、真っ黒なゼノスの色に染まり、激しく拍動を刻む。
「お前の体は、すでに俺の魔力なしでは形を保てない。外へ出れば、たちまち魔力飢餓で死ぬことになるだろう」 「そんな、うそ……っ」 「嘘ではない。ほら、俺が少し指を離すだけで……こんなに震えている」
ゼノスが意地悪く手を離すと、エルシアの全身を耐えがたい悪寒が襲った。内側から崩れていくような恐怖と、言いようのない喪失感。エルシアは恥を忍んで、自らゼノスの首に細い腕を回し、その体に縋り付いた。
「お願い……、ゼノス様、……熱い、のを……もっと、ください……っ」
情けない声で、魔力を強請る。ゼノスはその様子を、悦悦とした表情で眺めていた。彼はエルシアを寝台に押し倒すと、彼女の太ももを割り、その奥深い場所に手を滑り込ませた。
「おねだりか。……いい子だ、エルシア。お前に必要なのは、実家の救いでも、外の光でもない。俺の毒だけだ」
ゼノスの指先が、彼女の最も敏感な場所に触れる。エルシアの視界が火花を散らすように白く染まり、彼女の腰が大きく跳ねた。実家からの救いの手すら、彼女にとってはもう恐怖でしかなかった。自分を必要としてくれるのは、この狂った魔王だけ。彼に侵食され、壊されていく感覚が、いつしかエルシアにとっての唯一の救いへと変わっていく。
「さあ、飲み干せ。お前の内側すべてを、俺の色で塗り潰してやるから」
ゼノスの唇が重なり、エルシアは思考を放棄した。甘く、重く、逃げ場のない蜜の味が、彼女のすべてを支配していった。
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