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世界情勢
第1部 力の見せ方と“ルールのすり替え”――ニュースで見えた見世物
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朝のニュースで目にしたのは、どこか映画の予告編めいた出来事だった。ある大国が他国のトップを捕らえ、国境を越えて裁く。現実の出来事として文字にすると冷静だが、やっていることはかなり派手だ。実際、報道によればベネズエラの元首はアメリカ側の作戦で拘束され、ニューヨークの連邦裁判所に連れて行かれたという。
この種のニュースでまず面白いのは「説明の組み立て方」だ。公式の説明はいつも法と手続きを前面に出す。「麻薬や犯罪に関与していたから裁く」という論理だ。表向きは誰も反論しにくく、わかりやすい。だが、その「わかりやすさ」こそが見世物の肝だ。力の行使を正当化する際、法的な体裁や証拠の提示はしばしば鍵として用いられる。しかし力が先にあり、理屈が後から付いてくることが多い点には注意が必要だ。
その次にくるのは国際社会の慌ただしい反応だ。支持する声、懸念する声、中立を保とうとする声――立場によって言い分は様々だ。中には「危険な前例だ」と明言する機関もあり、そういった指摘は法理学的な観点から根拠がある。つまり、表面上は法の名の下に処理されているが、その根っこを見れば「力関係」が効いている。力を持つ側が「秩序を守る」と言えばそれが秩序になり、同じことをできない側が似た手を使えば侵略という評価が下る。言い換えれば、ルールはしばしば実力によって塗り替えられるのだ。
ここで具体的な振る舞いがもたらす実務的効果にも触れておきたい。国際金融や資産凍結といった“次の手”がさっと出てくるのは、国家間の紛争が“資産の動き”と密接に結びついているからだ。実際、今回の件に関連してスイスが関係者の資産を凍結したという報道もある。冷静に事を動かすのに、資金の封鎖は実に有効な道具である。
それにしても、こうした一連の流れにはいつも通りのテンプレートがある。大きな力が「必要だ」と判断し、実行に移し、それを正当化するための法的・行政的措置が取られる。外から見ると合理的に見えるが、内側の誰かがそれを「正しい」と受け取るかはまた別の話だ。国内政治の事情、選挙のタイミング、エネルギー資源の配慮――そうした下駄履きの上に正義が乗ると、話は薄くなる。
さらに面白いのは「内と外の違い」だ。強国の内部では今回の行為を支持する論理と懸念する論理が共存する。表向きは支持が集まるが、議会や司法のプロセスを巡る冷静な質問は消えない。政権が短期的な成果を見せる一方で、制度の信用は微妙に傷つく。外側の国々は、それを“秩序の維持”と見るか“主権の侵害”と見るかで立場を分ける。立場の差が、なかなか埋まらないのはいつものことだ。
個人的な要点を一つにまとめるならば、こういう劇場型の外交は短期的には目立つが、長期的には「ルールの効力」を薄める。法律や国際協定は、その字面よりも運用のされ方で強さを示す。運用が「できる者のもの」になれば、ルールはいつの間にか力の手先になる。冷めた皮肉を込めて言えば、ルールが“高級な装飾”になってしまうと、世界はずいぶん見苦しくなる。
結局のところ、こういう出来事を毎日のように見ると、観客としての僕たちは一つ学ぶ。ニュースはドラマ性に満ちているが、その舞台裏には常に力学がある。法や正義といった言葉は使われるが、使われ方を眺めると、その奥にあるものが見えてくる。もっとも、見えてきたところで答えが簡単に出るわけではない。映画のエンディングが用意されているわけでもないし、舞台装置がすべて片付くわけでもないのだ。
この種のニュースでまず面白いのは「説明の組み立て方」だ。公式の説明はいつも法と手続きを前面に出す。「麻薬や犯罪に関与していたから裁く」という論理だ。表向きは誰も反論しにくく、わかりやすい。だが、その「わかりやすさ」こそが見世物の肝だ。力の行使を正当化する際、法的な体裁や証拠の提示はしばしば鍵として用いられる。しかし力が先にあり、理屈が後から付いてくることが多い点には注意が必要だ。
その次にくるのは国際社会の慌ただしい反応だ。支持する声、懸念する声、中立を保とうとする声――立場によって言い分は様々だ。中には「危険な前例だ」と明言する機関もあり、そういった指摘は法理学的な観点から根拠がある。つまり、表面上は法の名の下に処理されているが、その根っこを見れば「力関係」が効いている。力を持つ側が「秩序を守る」と言えばそれが秩序になり、同じことをできない側が似た手を使えば侵略という評価が下る。言い換えれば、ルールはしばしば実力によって塗り替えられるのだ。
ここで具体的な振る舞いがもたらす実務的効果にも触れておきたい。国際金融や資産凍結といった“次の手”がさっと出てくるのは、国家間の紛争が“資産の動き”と密接に結びついているからだ。実際、今回の件に関連してスイスが関係者の資産を凍結したという報道もある。冷静に事を動かすのに、資金の封鎖は実に有効な道具である。
それにしても、こうした一連の流れにはいつも通りのテンプレートがある。大きな力が「必要だ」と判断し、実行に移し、それを正当化するための法的・行政的措置が取られる。外から見ると合理的に見えるが、内側の誰かがそれを「正しい」と受け取るかはまた別の話だ。国内政治の事情、選挙のタイミング、エネルギー資源の配慮――そうした下駄履きの上に正義が乗ると、話は薄くなる。
さらに面白いのは「内と外の違い」だ。強国の内部では今回の行為を支持する論理と懸念する論理が共存する。表向きは支持が集まるが、議会や司法のプロセスを巡る冷静な質問は消えない。政権が短期的な成果を見せる一方で、制度の信用は微妙に傷つく。外側の国々は、それを“秩序の維持”と見るか“主権の侵害”と見るかで立場を分ける。立場の差が、なかなか埋まらないのはいつものことだ。
個人的な要点を一つにまとめるならば、こういう劇場型の外交は短期的には目立つが、長期的には「ルールの効力」を薄める。法律や国際協定は、その字面よりも運用のされ方で強さを示す。運用が「できる者のもの」になれば、ルールはいつの間にか力の手先になる。冷めた皮肉を込めて言えば、ルールが“高級な装飾”になってしまうと、世界はずいぶん見苦しくなる。
結局のところ、こういう出来事を毎日のように見ると、観客としての僕たちは一つ学ぶ。ニュースはドラマ性に満ちているが、その舞台裏には常に力学がある。法や正義といった言葉は使われるが、使われ方を眺めると、その奥にあるものが見えてくる。もっとも、見えてきたところで答えが簡単に出るわけではない。映画のエンディングが用意されているわけでもないし、舞台装置がすべて片付くわけでもないのだ。
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