6 / 138
【第1章】
■第6話 : 復讐の狼煙
しおりを挟む
藤田が立ち去った後も、しばらく優司はへたり込んだままその場から動けなかった。
あっさりと裏切られた情けなさと、怒りと、金が入った時の期待が空回りしたのとが入り混じり、今まで感じたことのないようなドン底の気分になっていたのだ。
(嘘だろ……。絶対に嘘だ……。ありえないって、こんなの……)
心の中で、この言葉をひたすら繰り返す。
当たり前だが、何も状況は変わらない。
へたり込んだ体勢のまま数十分が経過した頃、ようやく立ち上がりフラフラと歩き出す優司。
もちろん、行くあてなどない。
(どうすりゃいいんだ……。もう、何もする気が起きない……)
今まで、比較的平々凡々と、いや、どちらかと言うと裕福な家庭で育ってきた優司。
そんな優司には、大金が絡んだ時における人間の最も醜い部分までは読みきれなかった。
しばらくの間、茫然自失となり、あてもなく街を彷徨い歩くことしかできなくなっていた。
◇◇◇◇◇◇
藤田とのトラブルから2日が経過。
優司は、結局今までの生活に戻ってしまっていた。
ひたすらホールを回り、コソコソとコインを拾いまわり、打ちもしないのに細かくデータを取り続ける生活に。
しかし、一見今までと全く変わらない行動をしているが、実は違った。
藤田から受けた、あの屈辱的な仕打ちを忘れてはいなかったのだ。
恨みを晴らすために、優司が最初にとった行動は「藤田についてもっと深く知ること」だった。
(このままで済ますと思うなよ……
俺を裏切ったこと、死ぬほど後悔させてやる……)
この思いだけを頼りに、心のダメージと、大金を逃した脱力感を相手に、なんとか耐えてきた。
そしてまた1日が終わり、財布の中身を確認しながら晩飯のことを考える。
残金982円。
(今日もおにぎり1個か……
藤田の野郎……。必ず俺以上の苦しみを与えてやるからな……)
復讐心。
これだけが、今の優司を支える唯一のもの。
◇◇◇◇◇◇
いつもの生活に戻り、2週間が経った。
優司は、コイン拾いで集めた金でなんとか生活をしていた。
もちろん、いつ倒れてもおかしくないような食生活だが。
しかし、この2週間で収穫もあった。
その収穫とは、当然藤田のこと。
あまり人見知りをしないタイプの優司なので、ホールにいる常連たちに話しかけて情報を収集する作業は、さほど苦ではなかった。
しかも、強い復讐心がバックボーンとなっているので、苦どころかやりがいすら感じながら調査を進めていたのである。
優司の調べ上げた藤田に対するデータは以下のとおり。
=======
●年齢は19歳
●職を持たないスロニート
●下調べ通り、ヒキだけで打つ読みの効かない甘ちゃんスロッター
●だが、あるスログループに属しているため、なんとか喰えている
●属しているスログループのリーダーは日高という男
=======
普段はタラタラと一人で打っているが、週に何日かは、属しているグループのリーダーである日高の指示に従って打つことで分け前をもらい、なんとか生活できている模様。
(くそっ、なんだよそれ。
こんなハンパな野郎に俺は……)
藤田のことを知るにつれて、怒りはより一層強いものとなった。
優司は、なんとかして藤田をやり込めるため、必死に作戦を練った。
(直接藤田に接触しようとしても、あれだけのことをした後だからどうやって接近しても警戒されるだろうな。
俺がいろいろ嗅ぎまわってることも知ってるかもしれないし。
まずは、藤田をグループから孤立させる方向で攻めるか。
そうすればあんなダメ男、一発で破綻するはずだ。
それが復讐の第一歩だ!)
時間だけは腐るほどある。
有り余りすぎて困るくらいなのだ。
藤田をやり込めるためのアイデアは次々と浮かんだ。
しかし、いろいろと考えは浮かぶものの、どれも決定的なものはなく、悶々と悩む日々が続いた。
あっさりと裏切られた情けなさと、怒りと、金が入った時の期待が空回りしたのとが入り混じり、今まで感じたことのないようなドン底の気分になっていたのだ。
(嘘だろ……。絶対に嘘だ……。ありえないって、こんなの……)
心の中で、この言葉をひたすら繰り返す。
当たり前だが、何も状況は変わらない。
へたり込んだ体勢のまま数十分が経過した頃、ようやく立ち上がりフラフラと歩き出す優司。
もちろん、行くあてなどない。
(どうすりゃいいんだ……。もう、何もする気が起きない……)
今まで、比較的平々凡々と、いや、どちらかと言うと裕福な家庭で育ってきた優司。
そんな優司には、大金が絡んだ時における人間の最も醜い部分までは読みきれなかった。
しばらくの間、茫然自失となり、あてもなく街を彷徨い歩くことしかできなくなっていた。
◇◇◇◇◇◇
藤田とのトラブルから2日が経過。
優司は、結局今までの生活に戻ってしまっていた。
ひたすらホールを回り、コソコソとコインを拾いまわり、打ちもしないのに細かくデータを取り続ける生活に。
しかし、一見今までと全く変わらない行動をしているが、実は違った。
藤田から受けた、あの屈辱的な仕打ちを忘れてはいなかったのだ。
恨みを晴らすために、優司が最初にとった行動は「藤田についてもっと深く知ること」だった。
(このままで済ますと思うなよ……
俺を裏切ったこと、死ぬほど後悔させてやる……)
この思いだけを頼りに、心のダメージと、大金を逃した脱力感を相手に、なんとか耐えてきた。
そしてまた1日が終わり、財布の中身を確認しながら晩飯のことを考える。
残金982円。
(今日もおにぎり1個か……
藤田の野郎……。必ず俺以上の苦しみを与えてやるからな……)
復讐心。
これだけが、今の優司を支える唯一のもの。
◇◇◇◇◇◇
いつもの生活に戻り、2週間が経った。
優司は、コイン拾いで集めた金でなんとか生活をしていた。
もちろん、いつ倒れてもおかしくないような食生活だが。
しかし、この2週間で収穫もあった。
その収穫とは、当然藤田のこと。
あまり人見知りをしないタイプの優司なので、ホールにいる常連たちに話しかけて情報を収集する作業は、さほど苦ではなかった。
しかも、強い復讐心がバックボーンとなっているので、苦どころかやりがいすら感じながら調査を進めていたのである。
優司の調べ上げた藤田に対するデータは以下のとおり。
=======
●年齢は19歳
●職を持たないスロニート
●下調べ通り、ヒキだけで打つ読みの効かない甘ちゃんスロッター
●だが、あるスログループに属しているため、なんとか喰えている
●属しているスログループのリーダーは日高という男
=======
普段はタラタラと一人で打っているが、週に何日かは、属しているグループのリーダーである日高の指示に従って打つことで分け前をもらい、なんとか生活できている模様。
(くそっ、なんだよそれ。
こんなハンパな野郎に俺は……)
藤田のことを知るにつれて、怒りはより一層強いものとなった。
優司は、なんとかして藤田をやり込めるため、必死に作戦を練った。
(直接藤田に接触しようとしても、あれだけのことをした後だからどうやって接近しても警戒されるだろうな。
俺がいろいろ嗅ぎまわってることも知ってるかもしれないし。
まずは、藤田をグループから孤立させる方向で攻めるか。
そうすればあんなダメ男、一発で破綻するはずだ。
それが復讐の第一歩だ!)
時間だけは腐るほどある。
有り余りすぎて困るくらいなのだ。
藤田をやり込めるためのアイデアは次々と浮かんだ。
しかし、いろいろと考えは浮かぶものの、どれも決定的なものはなく、悶々と悩む日々が続いた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる