ゴーストスロッター

クランキー

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【第1章】

■第7話 : 希望と問題

なんとか藤田に復讐するため、いろいろと思考を巡らすうちに、一つの有力なアイデアが浮かんだ。

(ヤツが属してるグループのリーダー日高に、直接俺を売り込んでみるのはどうだろうか?
 それで日高に信用されれば、藤田をグループから追い出すことも可能だし )

優司は、客観的に見てもスロッターとしてのスキルは相当高い。

スロッターにおけるスキルとは、台の情報に詳しく、立ち回りを知り尽くしているということ。
実際にいくら稼いでいるかは問題ではない。
そんなものは、局地的なヒキの差や時間的都合によっていくらでも変わってくる。

そして優司は、「日高に自分を売り込む」というこの考えをさらに発展させ、こんなことを考え始めた。

(待てよ?
 それより、日高ってやつにパチスロ勝負でも吹っかけてみる方が効率がいいかもしれないな)

仮にうまく自分を売り込めてグループ内に溶け込んだとしても、そこから藤田に復讐できるような立場に登り詰めるのには時間がかかる。
とてもそこまで待っている余裕などない。

ならば、直接グループのリーダーにケンカを売って打ち負かしてやれば、その原因となった藤田も立場が悪くなるだろうと考えたのだ。

(よし、とりあえずこの作戦でいこう。
 でも……これだけじゃ弱すぎる。
 藤田の立場を弱くしたくらいじゃ終わらせられない)

優司はまたしばらく考え込んだ。

(……よし、勝負に勝った時の戦利品に組み込んでやろう。
 藤田に直接ダメージを加える条件を。
 日高って奴も、自分のことじゃないんだし、そもそも藤田の自業自得なんだから断りはしないだろう)

これで決まった。
あとは、なんとかグループのリーダーである日高とのスロ勝負に持ち込むことを考えなければいけない。

しかしその前に、一つの問題が出てきた。

(でも……何勝負にする……?
 俺の場合、出玉勝負は絶対に受けられない……)

元々、高設定をツモりまくっているのにも関わらず負けてきた優司である。
今更出玉勝負などしても勝てるはずはない。
そんなことは優司も重々承知していた。

(どうしよう……
 スロの勝負っていったら、普通は出玉勝負だよな……)

明らかに不利と思われる出玉勝負は絶対にできない。
そもそも、プレミアを一発引かれれば終わり、という紛れの多い勝負である出玉勝負は危険すぎる。

優司にはもう後がないのだ。
絶対に勝たなければいけないのだ。

一度は「抜け出せる」と確信した極貧徘徊生活に引き戻されたことにより、これ以上今の生活をする根性はすでになかったのである。

やはりベストなのは、自分が自信を持つジャンルで勝負すること。
となると「設定読み勝負」が浮かんでくる。

(設定読み、か……
 これなら自信がある。
 しかも俺の調べによると、日高は同じ店舗に通い続ける、いわゆる『ジグマタイプ』だ。
 ジグマってる店での設定読み勝負なら、ヤツも自信あるだろうから受けるかも。
 あとは、勝負の条件次第だな……)

まず、自分の中で第一段階はクリアした。

勝負方式は「設定読み勝負」、これで決まった。
勝負ホールで、どちらが設定6をツモるか。
設定6さえツモれば、出玉で圧倒的に負けていようと関係ない。
そういう勝負である。

次の問題は「戦利品」。
やはり金以外はないだろうが、優司には金がない。
勝負前に持ち金の確認くらいは当然行なうだろうから、とりあえず見せ金だけでも用意しなければならない。

そして、自分の中でもう一つ絶対にはずせない条件、「藤田に直接攻撃を加える」こと。

(勝負に際しての条件設定はまだまだ練らないとな。
 大前提は、見せ金の用意だ……)

問題は山積みであることを再認識した。 
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